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高信頼性鉛フリーめっきと錫ウィスカ対策

定価(税込)  3,456円

編者
サイズ A5判
ページ数 224頁
ISBNコード 978-4-526-07173-7
コード C3054
発行月 2013年12月
ジャンル 電気・電子

内容

電気・電子部品の電極端子などに多く使用される錫めっきには、ウィスカが発生してしまうという問題点があります。ウィスカは電子機器ショートさせるなど故障の原因となるため、その対策が求められています。本書では、ウィスカとは何かから、ウィスカ抑制技術の現状と対策、錫の基本的性質などをまとめます。

一般社団法人エレクトロニクス実装学会 錫ウィスカ研究会  著者プロフィール

 主 査 澁谷 忠弘
 幹 事 藤間 美子
 前主査 津久井 勤
 前幹事 竹内  誠

編集・執筆委員一覧
編集委員長 津久井 勤(リサーチラボ・ツクイ、元東海大学)

執筆者(五十音順)(執筆分担)
石井正人 石井技術士事務所(2.1.2,コラム1)
井原惇行 楠本化成(株)(5.2.1)
大野恭秀 (株)神港精機(4.5)
加藤隆彦 (株)日立製作所,北海道大学(3.1.5,4.3,5.2.2,5.2.4)
作山誠樹 (株)富士通研究所(4.6)
澁谷忠弘 横浜国立大学(3.2,4.1,4.2)
竹内 誠 ユニサイエンス タケウチ(3.1.4)
田辺一彦 NECインフロンティア(株)(2.2)
谷江尚史 (株)日立製作所(コラム2)
津久井勤 リサーチラボ・ツクイ(3.3)
西村朝雄 (株)実装パートナーズ(3.1.2,3.1.3,3.4,4.4,5.1)
廣西伸幸 (株)IHI(5.1,コラム3)
藤間美子 三菱電機(株)(1.1,1.2,1.3)
藤村一正 石原ケミカル(株)(2.1.1,3.1.1,3.1.4)
水口由紀子 ソニー(株)(5.2.3)

目次

推薦のことば
はじめに

1章 錫ウィスカとは
1.1 錫ウィスカの歴史
1.2 錫ウィスカの特徴
1.3 電気・電子部品などでのトラブル
1章 参考文献

2章 鉛フリーめっき技術とはんだ接合
2.1 めっきプロセス
 2.1.1 電気錫めっき
 2.1.2 無電解錫めっき
2.2 はんだ接合
 2.2.1 はんだの種類
 2.2.2 はんだ接合材料
 2.2.3 はんだ接合のメカニズム
 2.2.4 はんだ接合工法
2章 参考文献

3章 鉛フリーめっきの錫ウィスカ対策
3.1 めっきにおける対策
 3.1.1 めっき液による抑制
 3.1.2 合金化による抑制効果
 3.1.3 熱処理
 3.1.4 下地処理
 3.1.5 基材の選択
3.2 接触部における対策
 3.2.1 コネクタ部品における対策
 3.2.2 フレキシブルプリント配線板(FPC)とフレキシブルフラットケーブル(FFC)における対策
3.3 はんだ接合部における対策
 3.3.1 はんだフラックスの種類によるウィスカ抑制効果
 3.3.2 はんだ合金の種類によるウィスカ抑制効果
 3.3.3 まとめ
3.4 コンフォーマルコーティングによる対策
 3.4.1 コンフォーマルコーティングの概要
 3.4.2 コンフォーマルコーティングに期待されるウィスカリスク低減効果
 3.4.3 コンフォーマルコーティングによるウィスカリスク低減効果の評価例
3章 参考文献

4章 錫ウィスカはこうして発生する
4.1 錫の基本的性質
 4.1.1 結晶構造
 4.1.2 力学特性
 4.1.3 薄膜の力学特性
 4.1.4 金属間化合物(合金状態図)
4.2 錫ウィスカの成長メカニズム
 4.2.1 粒界拡散による原子の移動
 4.2.2 めっき内部の応力
 4.2.3 ウィスカ成長機構
4.3 金属間化合物成長による発生,成長
 4.3.1 めっき膜内部の応力分布および錫拡散挙動
 4.3.2 ウィスカ発生位置とめっき膜組織の相関
 4.3.3 めっき膜内部応力とウィスカ発生・抑制機構
 4.3.4 めっき膜の粒界および粒内における錫拡散挙動
 4.3.5 ウィスカの発生位置の検証
 4.3.6 まとめ
4.4 温度変動環境における発生・成長
 4.4.1 温度変動環境で発生するウィスカと基材の関係
 4.4.2 温度変動環境下のウィスカ成長形態とメカニズムの検討
4.5 高湿環境での発生,成長
 4.5.1 はんだウィスカの報告事例と観察結果
 4.5.2 抑制方法と今後の課題
4.6 機械的負荷による発生,成長
 4.6.1 機械的な負荷で発生するウィスカ
 4.6.2 機械的な負荷によるウィスカの成長メカニズム
4章 参考文献

5章 錫ウィスカの評価試験と解析技術
5.1 ウィスカ試験方法
 5.1.1 ウィスカ試験方法の標準化
 5.1.2 規格におけるウィスカの定義
 5.1.3 主要試験方法規格の概要とその比較
 5.1.4 試験条件の加速性
5.2 観察,解析技術
 5.2.1 走査型電子顕微鏡(SEM)による観察
 5.2.2 透過型電子顕微鏡(TEM)による観察および解析
 5.2.3 EBSD法による結晶方位解析
 5.2.4 XRD法による応力解析
5章 参考文献

COLUMN
COLUMN 1 無電解めっきでの非真性ウィスカ(疑似ウィスカ)
COLUMN 2 はんだ接合部のエレクトロマイグレーション
COLUMN 3 航空宇宙用途機器の鉛フリー化

おわりに
索 引

はじめに

 欧州連合(EU)による電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限,すなわちRoHS(Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment)指令が,2006年7月1日から施行された。その中に制限物質として鉛が含まれている。このため,めっきやはんだ材料が鉛と錫の合金材料から錫主成分の材料に変わったことから,ウィスカの発生が懸念され,その抑制策の検討が大きな課題となった。この動きは2000年前後からクローズアップされてきている。
 国内ではいち早く一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が中心になって,最初はめっきからのウィスカ抑制を中心に検討が開始され,引き続いてコネクタ,更にははんだからのウィスカの抑制を推進してきた。一般社団法人エレクトロニクス実装学会(JIEP)でも2005年度から錫ウィスカ研究会を設けて,この抑制策と取り組んでおり,その都度公開研究会を開催して報告してきた。
 今回これらの一連の活動を通じて得られた知見をもとに,わかりやすい錫ウィスカ抑制技術の解説本として出版する運びとなった。電気電子機器に携わる技術者,研究者の方々を対象として,わかりやすくまとめた次第である。多くの皆さんにご活用いただければ幸いである。
 1章は「錫ウィスカとは何か」から始まって,その歴史と特徴,故障例を紹介している。2章では電子機器に実装するプロセスを示し,3章で錫ウィスカ抑制技術について解説している。4章で錫ウィスカの発生と成長メカニズムをかわりやすく解説している。5章では錫ウィスカの発生と成長の評価技術について述べている。

2013年10月
錫ウィスカ研究会編集委員長
津久井 勤 

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