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黒田官兵衛に学ぶ経営戦略の奥義
“戦わずして勝つ!”

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ 四六判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-07163-8
コード C3034
発行月 2013年11月
ジャンル ビジネス

内容

2014年のNHK大河ドラマの主役・黒田官兵衛は、戦国乱世を終わらせるために突如現れ、信長、秀吉、家康の戦国三英傑に重用された天才軍師。本書は歴史をひもとき、官兵衛の戦略を解析、“戦わずして勝つ!”ビジネス戦略をわかりやすく解説する。

福永雅文  著者プロフィール

(ふくなが まさふみ)
戦国マーケティング株式会社 代表取締役 コンサルタント
ビジネス戦国時代を生き抜く知恵を提供するコンサルタント。ランチェスター戦略を指導原理に企業の営業戦略づくりを指導するとともに全国各地で講演・企業研修を行う。講演テーマは「ランチェスター戦略」と「歴史に学ぶ戦略経営(大河ドラマの主人公を中心に)」。
東京在住。1963年、広島県呉市生まれ。86年、関西大学社会学部卒。マーケティング関係の仕事を経て99年、コンサルタントとして独立。NPOランチェスター協会 常務理事・研修部長。ランチェスター戦略学会 常任幹事。自社の社名に「戦国」とつけるほどの歴史好き。
著書「ランチェスター戦略『小さなNo.1企業』」「ランチェスター戦略『一点突破』の法則」「ランチェスター戦略『弱者逆転』の法則」(以上、日本実業出版社)、「世界一わかりやすいランチェスター戦略の授業」(かんき出版)、「図解『弱者が強者に勝つ方法』ランチェスター戦略」「『営業』で勝つ!ランチェスター戦略」「ビジネス実戦マンガ『ランチェスター戦略』」(以上、PHP研究所)、CD教材「ランチェスター戦略シェアUPマニュアル」「ランチェスター戦略の実務」(日本経営合理化協会)

戦国マーケティング株式会社 http://www.sengoku.biz/
メール info@sengoku.biz

目次

はじめに 

序 章 官兵衛の生きた戦国時代を大づかみする 
歴史の流れを把握し「戦国時代」を位置付ける 
官兵衛が生まれる前の時代「中世」とは/官兵衛は戦国時代のクライマックス「割拠主義と天下統一主義の激突期」を生きた/官兵衛の生きざまと天下統一に、未来のヒントを求めて

第一章 信長の天下布武と官兵衛 
1 黒田家のルーツから戦国という時代の気分を知る 
黒田家のルーツの通説〜近江出身説〜/黒田家ルーツの異説と俗説〜播磨出身説と目薬屋説〜/官兵衛の生い立ち〜ミュージシャン志望の少年?〜
2 織田につくか、毛利につくか 
官兵衛の故郷・播磨の戦略的位置/織田氏と毛利氏、それぞれの背景と事情/織田氏と毛利氏、その友好と敵対/新しい織田か、古い毛利か。御着城の評定/岐阜城下に未来を見た官兵衛/信長、官兵衛に二つの宝を授ける
3 秀吉と官兵衛の播磨統一戦、その明と暗 
英賀合戦〜奇襲戦法で勝利〜/義兄弟の契りを結んだ秀吉と官兵衛/播磨平定戦第一ラウンドは秀吉・官兵衛が戦わずして勝つ/播磨最大の大名 別所長治の謀反/第二次上月城の戦いと山中鹿介/荒木村重・小寺政職の寝返りで、秀吉・官兵衛は四面楚歌
4 官兵衛、有岡城に一年間投獄される 
官兵衛、主君である政職に裏切られる/竹中半兵衛、官兵衛の嫡男の命を救う/一年間の投獄で解脱(?)した官兵衛/鉄甲船と、官兵衛救出/官兵衛、宇喜多直家の寝返りを仕掛ける
5 高松城の水攻めと、本能寺の変 
鳥取城の飢殺しと、吉川の橋を引く/官兵衛の淡路攻略〜四国攻めの根拠地とする〜/高松城の水攻め〜地形を逆手にとる〜/本能寺の変/秀吉最悪のピンチを最高のチャンスに変えた官兵衛の一言

第二章 豊臣政権の樹立から崩壊までと、官兵衛 
1 秀吉の織田政権簒奪と官兵衛 
中国大返し〜日本史上屈指の大強行軍〜/山崎の戦い〜明智光秀を討つ〜/清洲会議1 〜鈍才の信雄か、凡才の信孝か〜/清洲会議2 〜第三の選択肢、三法師の擁立〜/賤ヶ岳の戦い〜柴田勝家と織田信孝を討つ〜/織田政権の簒奪と官兵衛〜小策士と大策士の違い〜
2 四国、九州、小田原攻めと官兵衛 
官兵衛不在の小牧・長久手の戦い/四国攻めと官兵衛の無血開城の策/九州攻めと官兵衛得意の調略/官兵衛、家督を長政に譲る/小田原攻め〜天下統一を決めた官兵衛の講和交渉〜
3 秀吉の死と豊臣政権の崩壊 
唐入りの理由と敗因/官兵衛と唐入り/秀吉の死と豊臣政権の崩壊/官兵衛・長政父子の「天下は回り持ち」思想
4 官兵衛と長政の関ヶ原 
小山評定と長政〜カギを握る福島正則を説得〜/関ヶ原の戦い、二代目軍師・長政の活躍/九州の関ヶ原、官兵衛は天下への野心はあったのか/如水〜水の如く生きた官兵衛〜

第三章 軍師・官兵衛に学ぶ 戦わずして勝つ経営 
1 価格競争を避け、需要を創造する「バリュー」と「ビジネスモデル」 
ビジネス戦国時代を生き残る知恵/官兵衛の戦略の極意「戦わずして勝つ」を「価格競争を避け、需要を創造」することに応用する/アキレス「瞬足」〜価格競争を避け、需要を創造した「バリュー」事例1〜/東洋水産「マルちゃん正麺」〜価格競争を避け、需要を創造した「バリュー」事例2〜/戦わずして勝つ経営モデル/ビジネスモデルとは/ジェイアイエヌ「PC・スマホ用メガネ」~視力の補正の必要がない人にメガネを売る「ビジネスモデル」事例1~/亀太商店〜お米販売の新たな「ビジネスモデル」事例2、スモールビジネスの場合〜/ホギメディカル~消耗品販売から経営改善に「ビジネスモデル」を革新した事例3、生産財の場合~
2 価格競争を避け、需要を創造する「ブランディング」 
「ブランディング」とは/ハーレー・ダビットソン〜「ブランディング」事例1〜/中川政七商店〜日用使いの工芸品の「ブランディング」事例2〜/顧客主役のストーリーを描く営業戦略/ネスレ「キットカット」〜顧客との価値共創事例1〜/カモ井加工紙「マスキングテープ」〜顧客との価値共創事例2〜
3 価格競争を避け、需要を創造する「ミッション」と「ドメイン」 
すべての原点は「ミッション」にあり/アニコム「ペット保険」〜「ミッション」と「ドメイン」事例1〜/リブラン「環境共生の集合住宅」〜「ミッション」と「ドメイン」事例2〜/タニタ「健康をはかるから、健康をつくるへ」~「ミッション」と「ドメイン」事例3~/「ミッション」と「ドメイン」/「戦わずして勝つ」経営モデル

おわりに〜「大阪夏の陣図屏風」に込められた黒田長政と筆者の想い 

【参考文献】 

はじめに

 秀吉の軍師として知られる黒田官兵衛。筑前五二万石福岡藩の藩祖です。官兵衛の最も有名なエピソードは本能寺の変への対応でしょう。
 秀吉が備中で毛利軍と対陣していたときに、本能寺の変が起こります。明智光秀の謀反により信長が倒されたのです。秀吉は悲しみとともに恐怖で錯乱します。毛利と明智に挟み撃ちにされたら、ひとたまりもない。秀吉絶体絶命の危機です。そのとき、秀吉に天下を盗る好機だと策を授けたのが官兵衛です。その策「中国大返し」と明智討伐によって、秀吉は一躍、最大実力者となります。官兵衛は秀吉の最悪のピンチを最高のチャンスに変えたのです。ところが、次第に秀吉は官兵衛を遠ざけていきます。戦功の割には与えた領土も少なかったともいわれます。関白となった秀吉に対して多くの武将は媚びへつらいましたが、官兵衛は「我、人に媚びず、富貴を望まず」という姿勢でした。軍師というと腹黒いイメージがあるかもしれませんが、官兵衛は決して世渡り上手ではなかったのです。
 それでも、秀吉が困ったときに頼りにするのは、やはり官兵衛でした。武田信玄も上杉謙信も失敗した難攻不落の小田原城の北条攻めです。城を包囲したものの、北条氏はなかなか降伏しません。そのとき、官兵衛はただ一人、刀も持たず、小田原城に乗り込みます。そして相手の面目を保つ官兵衛の賢慮のある交渉により、北条氏は降伏し城を明け渡します。これにより、秀吉による天下統一が成し遂げられました。
 小田原開城に象徴されるように、官兵衛の戦争哲学は「戦わずして勝つ」ことにあります。戦闘行為なき戦争勝利です。官兵衛の戦には流血が少ない。このことは戦争のバイブルといわれる「孫子」の本質です。

百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり 孫子(謀攻篇)

百戦して百勝するのが最高の勝ち方ではない。戦わずして勝つことこそ、最高の勝ち方であるとの孫子の兵法を体現したのが官兵衛なのです。
官兵衛の評価は様々ありますが、筆者は官兵衛を己の損得、利害を求めた“小策士”ではなく、天下万民のために平和で豊かな世を築くことに貢献した“大策士”であると解釈しています。目的は平和であり、戦争はやむを得ず行われるものだから、戦闘は極力避けたのです。そこで本書では、官兵衛は、戦国の世を終わらせるために、自らはもちろん、信長・秀吉・家康すらも脇役にした壮大なるストーリーを描いた、と主張しました。
本書は、コンサルタントが執筆しました。筆者は自らの経営する会社を「戦国マーケティング株式会社」と名づけるほどの戦国時代ファンです。戦争の勝ち負けのルールを応用して構築された「ランチェスター戦略」という競争戦略理論を指導原理に、企業の販売戦略づくりを支援しています。企業の参謀役とされるコンサルタントはときに、現代の軍師といわれることがあります。
現代の軍師が戦国の軍師を語る本書は、歴史を知識・教養にとどめず、ビジネス戦国時代を生き抜く知恵として提供することを意図しています。前半は軍師官兵衛とその時代~戦国の天下統一と織田、豊臣、徳川の三つの政権交代~を解説します。後半は官兵衛の戦争哲学「戦わずして勝つ」をビジネスに置き換えていきます。
本書が二〇一四年のNHK大河ドラマを楽しむのみならず、読者のビジネスに役立てば幸いです。

2013年11月
福永雅文

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