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改善が生きる、明るく楽しい職場を築く
TWI実践ワークブック

定価(税込)  3,024円

著者
著者
訳者
サイズ A5判
ページ数 336頁
ISBNコード 978-4-526-07159-1
コード C3034
発行月 2013年11月
ジャンル 生産管理

内容

トヨタ生産方式などの改善手法をより機能させる原動力となったTWI(監督者訓練)を再評価し、監督者が能力向上するための効果的な訓練体系を詳述した翻訳書。要員交替が進む中で、技能訓練の必要性が高まっている現場監督者向けに基本事項を確認する。

パトリック・グラウプ  著者プロフィール

Patrick GrauppはTWIのJI,JM,JRのトレーナーとして25年以上の経験を持つ。三洋電機㈱・本社能力開発部でTWIを学び、TWIを全世界の三洋の社員に伝える役割を担った。アメリカ、メキシコ、シンガポール、マレーシア、インド、イギリスでは、現地で指導者として訓練を実施。TWIトレーナー養成指導への評価は非常に高い。加えてQC手法にも通じ、マネジメント手法、異文化スキルの指導者でもある。三洋電機での20年以上のキャリアの中で、インディアナのCD製造工場でオーダー処理、カスタマー・サービス、工場負荷計画、検査、最終梱包、出荷を担当。三洋グループの地域統括会社であるSanyo North America Corporationの人事の責任者を6年間務めた。
2002年にサンディエゴ・ティファナ日本協会のExecutive Directorとなり、トレーナーとして、またコンサルタントとして独立した活動を行う。以来、米国内全域でTWIプログラムの導入に努め、2005年からはTWIの普及と実施に専心している。
Drexel University卒業(人文/コミュニケーション)、Boston UniversityにてMBA取得。トータルで10年以上の日本在住経験があり、日本語にも堪能。

ロバート・ロナ  著者プロフィール

Robert J. Wronaは2001年にCNYTDO のリーン・プロジェクト・マネージャーとなった。TQMとリーンのコンサルタントとして20年以上の経験を持つ。ゴール達成に向けたチームづくり、訓練、運営を通して中小企業のリーダーたちへの指導を実施。業績改善目標を確実に達成して文化を変える戦略を具現化してきた。改善プロセスに従事する人々を巻き込むためのより良い方法を探し求め、現在彼が全米への普及に努めるTWIに出会う。ニューヨーク州トナウォンダのGMのシボレー部門、ニューヨーク州ロチェスターのイーストマン・コダックなど製造業で働いた経験も持つ。リーンの考え方を学んだのは大型小売のディスカウント・ドラッグストア・チェーンのFay’s Inc.で働いた11年間のこと。うち9年間は組織能力構築担当役員として、あらゆる階層の人々を巻き込んで業務システムと手順の構築と文書化を担った。これによって、Fay's社は利益を出しながら10年間で12店舗を118店舗まで拡大した。
Erie Community Collegeから電気技術準学士取得、ニューヨーク州Canisius Collegeにて経済学士、ニューヨーク州Rochester Institute of TechnologyよりMBA取得。

成沢俊子  著者プロフィール

(なるさわとしこ)
1983~2002年NEC に勤務。金融庁勤務を経てPEC 産業教育センターにて改善を研究。John Shook とMike Rother によるLearning to See の邦訳「トヨタ生産方式にもとづく『モノ』と『情報』の流れ図で現場の見方を変えよう!!」(日刊工業新聞社刊)など一連のLEIワークブックを翻訳。John Shook との共著「英語でkaizen!トヨタ生産方式-Kaizen Express」(日刊工業新聞社)は米国、台湾、中国、ブラジルでも各国語版が発行されている。現在、ピーキューブ(株)代表取締役社長。

目次

序文 
謝辞 
The TWI Workbook日本語版発行に向けて 
日本の読者のみなさんへ 

序 章 監督者に欠かせないスキルを訓練で身につけよう! 
 第二次世界大戦から生まれたTWI 
 日本で広く普及 
 アメリカでの再生-リーンの基本に立ち返る 
 TWIパイロット・プロジェクト(ニューヨーク州シラキュース) 
  JM(改善の仕方)パイロット・プロジェクト(2001年9月) 
  JI(仕事の教え方)とJR(人の扱い方)パイロット・プロジェクト(2002年3月) 
 シラキュースからTWIの明日へ 
 本書の使い方 

第1部 TWIの基礎
第1章 リーンを教えるためにTWIを用いる 
 カイゼンとTWI 
 ゲンバ・カイゼン:監督者の責務 
 リーンのミッシング・リンク 
第2章 TWIプログラムの基礎 
 監督者に必要な5つの条件 
 共通事項-Jプログラムの4段階法 
 共通事項-実践を通して学ぶ 
 共通事項-講習会の構成 
 マニュアル(手引)-TWI講習会を行うための標準化された手法 
   [TWIノート]ノートをとるな 
 TWIプログラムにおける役割と責任 

第2部 仕事の教え方(Job Instruction)
第3章 仕事の教え方の4段階 
   [監督者のチーム演習]職場で起きている問題を話し合う 
 仕事の教え方-2つの不完全な教え方 
  やって見せるだけ 
   [囲み]パット・グラウプのCD工場の物語 
  言って聞かせるだけ 
   [囲み]言って聞かせるだけ~火災保険業者結びを言葉だけで説明 
   [監督者のチーム演習]言って聞かせるだけ、やって見せるだけ 
 「教え方の4段階」を用いた「正しい教え方」 
  火災保険業者結びの正しい教え方 
   [囲み]正しい教え方 
   [監督者のチーム演習]火災保険業者結びの指導をやってみる 
 第1段階-習う準備をさせる 
  細目-1:気楽にさせる 
  細目-2:何の作業をやるかを話す 
  細目-3:その作業について何を知っているかを確かめる 
  細目-4:作業を覚えたい気持ちにさせる 
   [囲み]二人の石工の寓話 
  細目-5:正しい位置につかせる 
   [監督者のチーム演習]教え方の「第1段階」を今の実際の教え方と比べてみる 
 第2段階-作業を説明する 
  細目-1:主なステップを一つずつ言って聞かせ、やって見せ、かいて見せる 
  細目-2:もう一度やりながら、急所を強調する 
   注意:はっきりと、ぬかりなく、根気よく。しかし、一度に覚えられる能力以上に強いない 
   [TWIノート]余分な情報を与えるな 
   [監督者のチーム演習]第2段階をやってみる 
 第3段階-やらせてみる 
  細目-1:やらせてみて-間違いを直す 
  細目-2:もう一度やらせながら、一つずつ主なステップを言わせる 
  細目-3:もう一度やらせながら、一つずつ急所を言わせる 
   注意:よくわかったか確かめる 
   注意:相手がわかったと自分がわかるまで繰り返す 
   [監督者のチーム演習]第3段階をやってみる 
 第4段階-教えた後をみる 
  細目-1:仕事につかせる 
  細目-2:わからぬ時に聞く人を決めておく 
  細目-3:たびたび調べる 
  細目-4:質問するようにしむける 
  細目-5:だんだん指導を減らしていく 
   [監督者のチーム演習]第4段階のパラメータを研究する 
 相手が覚えていないのは、自分が教えなかったのだ 
   [監督者のチーム演習]JIのスローガンを研究する 

第4章 教える前の用意の仕方-作業を分解する 
 作業を分解する 
   [監督者のチーム演習]作業分解シートを用意する 
 主なステップとは? 
   [囲み]「主なステップ」を取り出すための4段階 
   [TWIノート]主なステップは教える相手の能力に合わせて切り出す 
   [監督者のチーム演習]練習用作業の「主なステップ」を定義する 
 急所とは? 
   [囲み]「急所の3条件」~成否・安全・やりやすく 
 火災保険業者結びの例で急所を取り出す 
   [囲み] 「急所」を取り出すための6段階 
  主なステップ-1:よりを戻してまっすぐにする 
  主なステップ-2:右の輪をつくる 
  主なステップ-3:左の輪をつくる 
  主なステップ-4:端を輪に通す 
  主なステップ-5:締める 
 急所の理由をリストにする 
   [TWIノート]「重い」作業は分割してバランスを保つ 
 熟練者を観察して作業分解プロセスに巻き込む 
   [囲み]パット・グラウプの物語~熟練者を観察して急所を見つける 
 作業分解の要約と事例 
   [TWIノート]教える前によく考える-作業分解 
   [囲み]作業分解の方法のまとめ 
   [監督者のチーム演習]練習用作業の「急所」を定義する 
 作業分解シートと標準作業 
   [TWIノート]今のベストな作業のやり方 
 急所に関する追加的注意事項 
  共通の急所 
  「感じ(勘)」の教え方 
  長い作業 
  騒音のある職場 
   [監督者のチーム演習]作業分解を用いた教え方を練習する 
第5章 訓練予定表をつくる、すべてのものを用意する、作業場を整備する 
 訓練予定表を作る 
   [囲み]訓練予定表の作成手順 
   [監督者のチーム演習]訓練予定表をつくる 
 すべてのものを用意する&作業場を整備する 
   [囲み]JIにとっての究極のテスト~幼い子供に教える 
   [監督者のチーム演習]付録の事例をレビューする 
   [監督者のチーム演習]良い手本を示すことについて話し合う 

第3部 改善の仕方(Job Methods)
第6章 見本を用いて実演して見せる 
   [TWIノート]JMの4段階-JI・JRとの違い 
 作業の3つの基本分類(3つの型の基本作業) 
 見本作業のラジオシールド-今のやり方(現在方法) 
   [監督者のチーム演習]実演後に現在方法配置図を見ながら気づいたことを議論する
 見本作業のラジオシールド-提案された新たなやり方(新方法) 
 見本作業のラジオシールド-新しいやり方で作業はどうなる(新方法の実演) 
   [監督者のチーム演習]改善前と改善後を比較する 
 改善の結果 
   [TWIノート]Work smarter, not harder 
第7章 改善の仕方の4段階 
   [TWIノート]監督者が当然しなければならない仕事の一つ 
   [監督者のチーム演習]改善の仕方の4段階の意義を改めて議論する 
 第1段階-作業を分解する 
   [囲み]パット・グラウプの「練習」~シャツのボタンはいくつか 
   [監督者のチーム演習]自分たちの作業の細目を書き上げる 
 第2段階-細目ごとに自問する 
   [囲み]5つのWと1つのH 
  5つのWと1つのHを自問する 
  作業全体について、ほかに大切なことはないかと自問する 
  第2段階をラジオシールドの見本作業に当てはめる 
   [監督者のチーム演習]第2段階の自問を自分の作業についてやってみる 
 第3段階-新方法を開発する 
   [囲み]4つの改善の要素(ECRS) 
  改善の要素1:[Eliminate]不要な項目を取り去る 
  改善の要素2:[Combine]できるなら細目を結合する 
  改善の要素3:[Rearrange]細目を良い順序に組み替える 
   [TWIノート]他部門に移すのは「取り去る」ではない 
  改善の要素4:[Simplify]必要な細目をもっと簡単にする 
   [監督者のチーム演習]自分の練習用作業に対して第3段階をやってみる 
  他人の力も借りて考える 
   [TWIノート]もとはアメリカのアイデアだった「人々の巻き込み」 
  新方法の細目を記録する 
   [TWIノート]小集団活動と提案制度 
 第4段階-新方法を実施する 
  項目1:新方法を上司に納得させる 
  項目2:新方法を部下に納得させる 
  項目3:安全、品質、生産量、原価などの関係者に最後の承認を求める 
  項目4:新方法を仕事に移す。次の改善ができるまで用いる 
   [TWIノート]もっと良い方法は必ずある 
  項目5:他人の功績は認める 
 結び 
   [監督者のチーム演習]自分の作業の新方式の作業分解をつくる 
第8章 改善提案を書いて売り込む-例 
 提案-文書にまとめて関係者の承認を得る 
   [監督者のチーム演習]改善前・後の作業分解をもう一度よく見る 
   [TWIノート]実効ある提案制度へ 
  見本作業(ラジオシールド)の提案書 
  効果を数値で表せばインパクト絶大 
 改善提案の例-受話器組立ラインにおける作業者数の削減 
  第1段階-作業を分解する 
  第2段階-細目ごとに自問する 
  第3段階-新方法を開発する 
  第4段階-新方法を実施する 
   [TWIノート]継続的な改善へ 
   [監督者のチーム演習]第3段階の5~6と第4段階を実際にやってみる 

第4部 人の扱い方(Job Relations)
第9章 人の扱い方-人とともに働き、人を通じて成果を上げる 
 「良い監督の仕方」とは? 
   [TWIノート]JIとJMにおけるリーダーシップ 
   [監督者のチーム演習]良い監督の仕方と自分の傾向についてよく考える 
 監督者と人々の関係 
 人は個人として扱わねばならない 
   [監督者のチーム演習]「人は個人として扱わねばならない」を議論する 
 問題とは何か? どのように解決するか? 
  問題を扱う 
   [囲み]ジョー・スミスの問題 
   [囲み]ジョー・スミスの問題(続き) 
   [監督者のチーム演習]人の問題を扱った時の自分の間違いを振り返る 
第10章 人の扱い方の4段階 
   [監督者のチーム演習]一人の問題を取り上げ、全員で4段階法を当てはめていく 
 目的をつかむ(目的を決める) 
   [TWIノート]目的定義のためのヒント 
 第1段階-事実をつかむ 
  細目1:今までのことを調べる 
  細目2:どんな規則や習わしがあるか 
  細目3:関係ある人と話す 
  細目4:言い分や気持ちをつかむ 
   注意:いきさつ全部をよくつかめ 
   [監督者のチーム演習]前回の演習で語られた事例に第1段階を当てはめる 
 第2段階-よく考えて決める 
  細目1:事実を突き合わせて整合性を確かめる 
  細目2:事実と事実の間の関係を考える 
  細目3:どんな処置が考えられるか 
  細目4:しきたりと方針を確かめる 
  細目5:目的に照らしてどうか、当人、職場の人々、生産にはどういう影響があるか 
   注意:一気に結論へ飛んではならない 
   [監督者のチーム演習]事例に第2段階を当てはめる 
 第3段階-処置をとる 
  細目1:自分でやるべきか? 
  細目2:誰かの手伝いが要るか? 
  細目3:上の人に委ねるべきか? 
  細目4:処置をとる頃合に注意する 
   注意:責任を転嫁するな 
   [監督者のチーム演習]事例に第3段階を当てはめる 
   [TWIノート]事例の提示は実践を通して学ぶため 
 第4段階-あとを確かめる 
  細目1:いつ確かめるか? 
  細目2:どのくらいの頻度で確かめるべきか? 
  細目3:出来高、態度、互いの関係の変化を見守れ 
   注意:あなたの処置は生産に役立ったか? 
 目的を達したか? 
   [監督者のチーム演習]事例に第4段階を当てはめる 
 ティナの問題に4段階法を当てはめる 
   [囲み]ティナの問題 
  第1段階-事実をつかむ-ティナの問題 
   細目1:今までのことを調べる 
   細目2:どんな規則や習わしがあるか 
   細目3&4:関係ある人と話す/言い分や気持ちをつかむ 
  第2段階-よく考えて決める-ティナの問題 
   細目1&2:事実を突き合わせて整合性を確かめる/事実と事実の間の関係を考える
   細目3:どんな処置が考えられるか 
   [TWIノート]さまざまな「とり得る処置」を探る 
   細目4:しきたりと方針を確かめる 
   細目5:目的に照らしてどうか、当人、職場の人々、生産にはどういう影響があるか
   [囲み]ティナの問題(続き) 
  第3段階-処置をとる-ティナの問題 
  第4段階-あとを確かめる-ティナの問題 
   [TWIノート]常識的な考え方と判断に基づいて 
 言い分や気持ちのつかみ方 
   [囲み]言い分や気持ちをつかむ6つの秘訣~ティナの例 
   [監督者のチーム演習]一人ずつ問題を提示して全員で4段階を当てはめる 
第11章 「人との関係を良くするための基本心得」を活かして問題を未然に防ぐ 
 問題の起こり方・取り上げ方 
   [囲み]問題の起こり方・取り上げ方 
 マイクの問題 
   [囲み]マイクの問題 
  第1段階-事実をつかむ-マイクの問題 
  第2段階-よく考えて決める-マイクの問題 
   [TWIノート]「とり得る処置」とは問題を解決すること 
   [囲み]マイクの問題(続き) 
  第3段階&第4段階-処置をとる/あとを確かめる-マイクの問題 
 4つの問題の起こり方・取り上げ方-マイクの問題の場合 
   [監督者のチーム演習]自分たちの「人の問題」の起こり方・取り上げ方を議論する
 人との関係を良くするための基本心得 
  仕事ぶりが良いかどうか当人に言ってやる 
   相手にどうして欲しいか決めておく 
   もっと良くやれるように導いてやる 
  良いときはほめる(認めるべき功績は認める) 
   平素ない感心な仕事や行いに気を付ける 
   さめないうちに言ってやる 
  当人に影響のある変更は前もって知らせる 
   できればわけを言ってやる 
   変更を受け入れられるように一緒に取り組む(変更を納得させる) 
  当人の力をいっぱいに活かす 
   かくれた腕を探してやる 
   伸びる道の邪魔をしない 
   [監督者のチーム演習]自分たちの「人の問題」に基本心得を当てはめる 
 チーム・リーダーの問題 
   [囲み]チーム・リーダーの問題 
 第1段階-事実をつかむ-チーム・リーダーの問題 
 第2段階-よく考えて決める-チーム・リーダーの問題 
   [囲み]チーム・リーダーの問題(続き) 
 第3&4段階-処置をとる&あとを確かめる-チーム・リーダーの問題 
 メアリーは「基本心得」をどう活かしたか 
 結論:変化の影響 
   [監督者のチーム演習]「基本心得」を自分たちの職場の潜在的な問題に当てはめて議論する 

終 章 TWIと結びつけて持続可能な「リーン」へ 
 リーンの現実 
 「三脚椅子」 
付録1 演習用シート 
 (1) JI(仕事の教え方)作業分解シート 
 (2) JI(仕事の教え方)訓練予定表 
 (3) JM(改善の仕方)作業分解シート 
 (4) JM(改善の仕方)改善提案シート 
付録2 ケース・スタディ 
 (1) JI(仕事の教え方)ケース・スタディ 
  ESCOのJI 
   ESCOの人材開発プログラム 
   JIトレーニングのインパクト 
  ESCOの改善は続く 
  シュナイダー包装機器のナレッジ・マネジメントと品質システム・プログラム 
   イントラネットを使ってJIトレーニングを実施 
   ウェブ・ベースの顧客向け電子マニュアル 
   シュナイダー包装機器とトヨタ-標準作業の確立に向けて同じ道を歩む 
  JIの実践のまとめ 
 (2) JM(改善の仕方)ケース・スタディ 
  社員からの提案を求めてJMを活用したワイラー・コーポレーション 
   プロセス改善成果分配プログラム(GPI) 
   ワイラーのGPIプログラムの概要 
   改善提案の認知 
   ワイラーのケース・スタディの要約 
  シュナイダー包装機器におけるJM 
   シュナイダーのケース・スタディの要約 
  結語 
 (3) JR(人の扱い方)ケース・スタディ 
  ウェーバー・エアクラフトのケース・スタディ 
   JRの応用 
   JRと6S推進者たち 
  ニクソン・ギアのケース・スタディ 
   なぜ人間関係のトレーニングが必要なのだろう? 
   JI実施のカギとしてのJR 
  結語 

参考文献 
訳者あとがき 
著者紹介 

はじめに

序 文
 
TWI(Training Within Industry)プログラムは生産性と品質を劇的に向上させてきた長い歴史を持っており、今までに開発された中で、おそらく最も成功した監督者訓練プログラムだ。TWIは、過去40年以上にわたり、世界で最も効率が良いとされる複数の企業で改善を支えてきた。特にリーン生産の考え方の発展において、TWIは最も大切な原理原則を何百万人もの人の心に教え込み、中心的な役割を果たしてきた。
 私の経験では、アメリカにおけるリーンのほとんどは、マネジャーたちが期待していたような成果を出すのに失敗してきた。最もよくある理由は、短期的な思考である。多くのマネジャーたちは、リーン生産を文化の根底からの変革とは見ておらず、リーンのうち最も目に見えやすい部分である、5S、ポカヨケ、かんばん、すばやい段取りといった手法の観点から見るのみだ。リーンな工場の短い見学ですぐに目につくのがこれらの手法だが、実際にこれらは全体像の中では相対的に小さな部分でしかない。これらが他に何も変化がないようなところで用いられたなら、生産性も品質も向上するだろうが、それは大きな可能性のほんの一部としてだけだ。リーン生産に取り組む企業のほとんどは、自らの潜在的な力を一杯まで引き出して活用するのに失敗している。根本的な考え方を当てはめ、リーンの手法が本物の変化を起こすために不可欠な、より広い意味でのインフラストラクチャーを構築する手前で、やめてしまうのである。
 トヨタを考えてみよう。リーンのパイオニアであり、今なおリーンの具現化において最も優れた企業の一つである。これを書いている時点で、トヨタの市場価値はビッグ・スリー(GM、フォード、クライスラー)の合計を超え、利益も同様である。人という見方をすれば、トヨタは3社のいずれよりも小さい。加えて、ビッグ・スリーではマスメディアがレイオフや工場閉鎖を常々話題にしてきた一方で、トヨタは1951年以来、世界のどこでも、一人もレイオフしていない。競争相手が同じリーン手法を使っているにもかかわらず、トヨタのリーンへの取り組みはもっと根源的に改善に関わっている。トヨタが圧倒的な競争優位性を築いてきたのもこれによるものだ。TWIプログラムはトヨタの成功の多くの契機となり、また成功を生み出した。アメリカ企業のほとんどはまだリーン・ジャーニー-多くの場合、トヨタのようになろうと努力することを意味する-に乗り出したばかりで、TWIが存在していることにさえ気づいていない。リーン生産やリーン・シックス・シグマに向けられている非常に強い現在の関心は非常に驚くべきことで、特にTWIの歴史を思えばなおのことだ。
 TWIの3つのプログラム-「人の扱い方(JR:Job Relations)」「改善の仕方(JM:Job Methods)」「仕事の教え方(JI:Job Instruction)」-は、アメリカにおける訓練とマネジメントの最良の専門家たちによって注意深くデザインされ、公開されるまでには厳密なフィールド・テストを経ている。読者がこれから見る通り、彼らのメッセージは独特だ。5回にわたるパンチの効いた2時間の会合では、どのコースでも受講者自身が考え行動するというやり方で、奥深く、息の長い変化を引き出す。TWIプログラムが日本に持ち込まれたとき、多くの日本企業がプログラムとその根本的なメッセージを心底から受け入れ、自社に当てはめた。トヨタもそれらの企業の一つに過ぎない。
 西洋でTWIを教えるのに、パトリック・グラウプとボブ・ロナより優れた能力のある人はいない。私が初めてパトリック・グラウプを意識したのは1980年代後半のことで、東京の書店で拾い読みをしている際に、彼の本The Life of John Japaneseに出会ったのである。本の中で、パトリックは15年以上日本に住み、三洋電機で働いた経験を語っていた。私はその本を非常に興味深く読んだのだが、特に、彼がTWIの指導者であることを知ってさらに強く引き込まれた。数年後、私はある日本の雑誌に、TWIプログラムとリーン生産におけるTWIの役割について記事を書いた。パトリックがたまたまその記事を読み、私に連絡してきたのである。私たちは会って話し合い、以来、私は興味を持って彼のキャリアと業績をフォローしてきた。世界で最も経験豊かなTWI指導者の一人であるパトリックは、日本語と英語の両方で訓練コースを提供できる。彼は、あらゆる業種のすべての階層で働く人たちに対してTWIを教えてきた。
 1990年代後半に、私は、在ニューヨークのNPOであるthe Central New York Technology Development Organization(CNYTDO)のロバート・ロナから1本の電話を受けた。彼の組織がニューヨーク州の企業にTWIプログラムを提案しようとしており、それを教えるのに適したよい人を探していると聞いた時、私はすぐにパトリック・グラウプのことを思い浮かべた。彼はそのときまでにアメリカに戻ってきていたのである。以来、パトリックとロバートとCNYTDOはアメリカ全土でプログラムを運営し、すばらしい結果を出している。
 本書が改善とリーンに興味を持った企業からその価値があると注目されるよう願い、さらにTWIが再びアメリカ社会で卓越したパワーを見せる機会を持つことを期待している。

アラン・G・ロビンソン(Alan G. Robinson)
Corporate Creativity(Berrett-Koehler, 1997)および 
Ideas Are Free(Berrett-Koehler, 2004)の著者




謝 辞
 
1990年代後半に私たちが米大陸の東西に離れて住みながら互いに連絡を取り合うようになった頃には、TWIにおける私たち共通の関心事をうまく統合してアメリカのメインストリームに再び持ち込むことが可能か否か、可能だとして、どうやったらできるのか、いや、それ以前に、どうしたらアメリカのメインストリームがTWIを受け入れるようになるか全然わかっていなかった。その後、ブレークスルー・イベントに関わっている他の人たちと同じように、私たちは、最初のパイロット・プロジェクトが2001年9月に完了した頃から急速に盛り上がってきた一つのブームに巻き込まれることになった。したがって、タイミングが適切であったことがTWIの現在の成功に至る大きな要因だったことについて、疑問の余地はない。しかし、このテーマで本を出すのは、単にタイミングの問題だけではなかった。非常に多くの人の助けがあってできたことである。
 たとえば、パットは澁谷和彦氏に非常に大きな恩義を感じている。澁谷氏は1960年代に日本人初のTWI指導者から直接TWIを学んだ人で、大学を出たばかりのパットを雇った人でもある。彼はパットにこう言った(三洋電機本社のトレーニング・センターでのパットの勤務初日のことだ)。「あなたには学んでもらうことがたくさんあります。しかし、最初はTWIからです」と。澁谷氏はパットにTWIを維持継続するための原則を直伝で教え込んだ。澁谷氏は三洋を定年退職した後、今もTWIマスター・トレーナーとして日本国内および海外でTWIを教え続けている。
 今井正明氏の改善についての書籍にも引用された研究論文の執筆に対して、Alan RobinsonとDean Schroederには特別な感謝を捧げたい。アメリカと世界でTWIを再び陽の当たる場所に持ち込むことができたのは彼らの功績だ。Alanは忙しいスケジュールを割いてボブからの電話に返事をくれた。ボブはといえば、Alanの論文を読んで、素朴にTWIについてもっと情報を得たいと探し求めていただけであった。Alanは20分あまりTWIのすばらしさを褒め上げてから、ボブにパットと連絡をとるように勧めた。Alanは自身の論文を調査する過程でパットに会っていたのである。非常に不確かなこのような時期に一貫して励ましとサポートを与えてくれたJon Christopherにも深く感謝している。
 CNYTDOのDirectorであるRobert Trachtenbergにも心からの感謝を贈る。彼は最初からTWIの価値を認識しており、パットをカリフォルニア州サンディエゴから東海岸まで引っ張って来てセントラル・ニューヨークにTWIを持ち込み、パイロット・プロジェクトをゼロから立ち上げるのに欠かせない強力なサポートをしてくれた。彼は今も一貫して熱心なTWIのサポーターである。私たちはまたTony Kolinski、Tom Gillson、Sue Kuhnsが最初のパイロット・プロジェクトの立ち上げに力を貸してくれたことに、深く感謝している。同時に、ESCO Turbine Technologies-Syracuse Spauldingの人々がボールを拾い上げ、ともに走ってくれたことに御礼申し上げる。特に、Paul Smith、Barry Weary、Gayle Spaulding、Darcy Rouse、Renae Wallance、それからワックス部門の全員に、感謝を伝えたい。
 私たちはまたRandy SchwartzがTWIをノースダコタに導入してくれたこと、Conrad SolteroとMark SessumesがテキサスにTWIを紹介してくれたこと、Anthony ManorekがペンシルベニアでTWIプログラムを始めてくれたこと、Richard Abercrombieが全米にTWIの種を蒔いてくれたことに感謝している。私たちTWIヒストリアンにとって、George AnastosとJim HuntzingerはオリジナルのTWI教材のコピーを提供してくれた恩人である。とりわけ私たちが感謝しているのは、ハイブリッド・バージョンよりもむしろオリジナル・プログラムを復活させることに私たちの関心を集中させてくれたことである。当時は、非常に多くの他の人たちにとって、ハイブリッド・バージョンの方が魅力的に映っていた。私たちはまた、Susan Janus、Anne Kassel、Karen DeJarnette、David Palazzoli、Kirk Wardell、Leonard Greenia、Sam Haines、Mark Bechtelerがリーンのミッシング・リンク(失われた輪)としてTWIを積極的に広めてくれたことに感謝する。私たちは、社員にTWIを紹介するために私たちを工場や会社に招いてくれた全国すべての人々に感謝しているが、ここに全員の名前を挙げるにはあまりに多く、割愛させていただくほかない。
 Productivity PressのMichael SinocchiのTWIへの信念と本書の刊行に対して感謝申し上げる。編集者として卓越した仕事をしてくれたGary Peurasaari、校正を担当してくれたTamara Cornelison、制作担当のRobert Cooperにも御礼申し上げたい。Productivity Pressのすばらしいスタッフ全員と同じく、彼らの洞察、知恵、そして懸命な働きなしには本書は完成しなかった。
 最後に、私たちはそれぞれの妻、Arden GrauppとInez Wronaのゆるぎないサポートと忍耐強さに感謝を贈る。特に、私たちが始終うっかり「TWI」を語ってしまうようなときもずっと忍耐強くいてくれたことに対し、深い感謝を贈りたい。


The TWI Workbook日本語版発行に向けて
 TWIには長い歴史があります。それゆえに、「戦後すぐ日本に導入された」と聞くとそれだけで、「え、そんな古い手法がまだ使えるの?」と思うのが、多くの人の反応かもしれません。しかし、TWIは今日現在でも多くの日本企業により導入され、実施されているのは紛れもない事実です。
 日本産業訓練協会は昭和30年の設立当初から、このTWI-Training Within Industry-と管理者育成プログラムであるMTP-Management Training Program-を二本柱に、その普及に努めてまいりました。
 当協会では、主としてMTPのインストラクター養成講座とTWI(JSを含む4J)のトレーナー養成講座を開催することにより、戦後日本の経済復興とそれに続く高度成長を可能とした企業人材の育成に貢献してきたと自負しております。
 TWIに関して申し上げますと、当協会が創立以来認定してきた企業内トレーナーの累計人数は、①TWI-JI(仕事の教え方)=7,180人、②TWI-JR(人の扱い方)=5,145人、③TWI-JM(改善の仕方)=4,515人、④TWI-JS(安全作業のやり方)=3,223人という人数になっています(平成25年6月末現在、ちなみにMTPは3,881人)。つまり、4コース全部を合わせると2万人を超えるTWIトレーナーの方々が、企業内で後輩の指導に当たってこられたことになり、これは単なる数字というよりも、TWIという手法がそれだけ認められ、成果を上げてきたことの証拠だと思います。現在でも、当協会のTWIトレーナー養成講座は一番の人気講座で、幅広い業種の企業の方々から支持を受けております。
 このたび、日本語版が発行されたThe TWI Workbookは、アメリカから日本に導入された手法が日本で大きく開花し、再び母国に戻って、今また注目を集め始めている証として発行されたTWIの解説書ですが、それが日本語に翻訳されて発行されることに、この手法の運命の不思議を感じざるを得ません。
 日本でもTWIトレーナー向けに「TWIトレーナー実務必携」など関連図書が発行されていますが、TWIをより深く理解し、あとの世代に正しく伝承していく使命をお持ちのトレーナーの皆様に、さらなる研究材料として大いに参考にしていただければと思います。

平成25年10月吉日 
一般社団法人日本産業訓練協会 
専務理事・事務局長 荻原 博 



日本の読者のみなさんへ

 日本語版の出版をうれしく思い、感謝の気持ちをもって受け止めています。第二次世界大戦中にアメリカで開発されたTWIは後に日本に移植されましたが、母国では忘れ去られていました。パトリックがTWIを体得したのは日本の三洋電機に在職中のことです。同社ではオリジナルのやり方がしっかりと継承されていました。これは、日本産業訓練協会(JITA)をはじめとする日本の組織がTWIの価値を認め、継承に尽力されてきたおかげです。何十年にもわたるこのような日本のみなさんの努力がなかったら、私たちは2002年にアメリカでTWIを復活させることも、2006年に本書を書くこともできなかったでしょう。
 訳者・成沢俊子の努力により日本の友人や仲間たちと本書を共有できるようになりました。この伝統の継承は私たちの誇りであり、ユニークな宝物であるTWIプログラムが戦後の日本産業の再建に多大な貢献をしたのと同じように、世界中の組織が成功する上で役立ち続けるように心から願っています。

Patrick Graupp
Robert J. Wrona 
2013年秋

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