買い物かごへ

本当に実務に役立つ
プリント配線板の品質改善技術

定価(税込)  2,808円

著者
サイズ A5判
ページ数 248頁
ISBNコード 978-4-526-07157-7
コード C3054
発行月 2013年11月
ジャンル 電気・電子

内容

プリント配線板は、受注生産品が多く、他の部品に比べて製造上の欠陥発生確率の高い部品。そのため、製造上の品質管理や品質保証が重要で、製造現場では、その基礎的な知識と、事例、対策を総合的に理解して対応することが求められている。本書は、製造プロセスの基礎知識から説き起こし、プリント配線板の品質改善にかかわる知識、技術を網羅した定本。

長谷川堅一  著者プロフィール

(はせがわ けんいち)
[学歴・職歴]
昭和11年9月生まれ
昭和35年3月国立北海道大学工学部卒業
昭和35年4月日東鉄工(株)入社(機械設計主任)
昭和40年4月社命により(株)北海製作所に転出(新製品開発技術課長)
昭和45年10月都合により退社、(株)日立製作所に入社
昭和46年11月(株)日立製作所より分離独立した日立建機(株)に入社(仙台サービス工場長、本社サービス技術副部長)
昭和59年7月社命により日立化成工業(株)に転出(電子部品事業部品質保証部長)
平成3年12月和田製本工業(株)に出向(板橋電子事業部工場長)
平成5年1月和田製本工業(株)に転出(板橋電子事業部工場長)
平成5年3月和田電子工業(株)として分離独立に伴い入社(代表取締役)
平成7年5月和田電子工業(株)笠間工場閉鎖に伴い退社
平成7年6月日立化成エレクトロニクス(株)入社(副技師長)
平成7年8月社命によりアケボノテクノス(株)入社(代表取締役社長)
平成9年6月定年により代表取締役社長退任、顧問となる
平成10年3月アケボノテクノス(株)退社
平成10年4月コンサルタント活動開始
平成10年4月(株)石塚製作所にてコンサルティング開始
平成10年6月大成電子(株)にてコンサルティング開始
平成11年3月CCTCにてコンサルティング開始
平成11年4月大成電子(株)にてのコンサルティング終了
平成11年5月日立エーアイシー(株)にてコンサルティング開始
平成13年3月(株)石塚製作所にてのコンサルティング終了
平成13年3月CCTCにてのコンサルティング終了
平成13年4月(株)アイレックスにてコンサルティング開始
平成15年4月(株)アイレックスにてのコンサルティング終了
平成16年3月日立エーアイシー(株)にてのコンサルティング終了
平成16年5月サンタ軽金属工業(株)にてコンサルティング開始
平成16年8月大徳電子(株)にてコンサルティング開始
平成17年8月サンタ軽金属工業(株)にてのコンサルティング終了
平成18年8月(株)プロセス・ラボ・ミクロンにてコンサルティング開始
平成19年1月大徳電子(株)にてのコンサルティング終了
平成19年2月三星電機(株)にてコンサルティング開始
平成19年2月大徳フィリピン(株)にてコンサルティング開始
平成19年7月三星電機(株)にてのコンサルティング終了
平成20年6月(株)プロセス・ラボ・ミクロンにてのコンサルティング終了
平成21年4月大徳フィリピン(株)にてのコンサルティング終了
平成22年1月経営支援NPOクラブメンバーとなる
平成23年1月中国Suntak社にてコンサルティング開始
平成24年3月中国Suntak社にてのコンサルティング終了
[表彰]
平成10年10月中日技術友好賞受賞
平成11年11月外国人専門家認証受認
平成17年11月中央検定委員として厚生労働大臣功労賞受賞
平成19年5月日本電子回路工業会教育普及功労賞受賞
[資格]・プリント配線板製造技能士1級
[著書]
「ぷりんとばんじゃくⅢ 実践品質保証」(社)日本電子回路工業会、平成13年4月
「印制電路板 品質保証的」実践(中国)CPCA、平成13年3月
「品質保証システムづくりのツボ」(月刊誌『工場管理』連載)日刊工業新聞社、平成15年9月~平成16年10月
「電子回路基板の品質・信頼性解析」(社)日本電子回路工業会、平成16年6月
「電子回路基板の品質・信頼性解析(日・英・中文併記改訂版)」(社)日本電子回路工業会、平成20年6月
「印制電路板的品質・信頼性解析」(中国)CPCA、平成16年6月
「品質保証部 部課長必携仕事マニュアル」(株)アーバンプロデュース、平成18年6月
「プリント回路技術便覧」((社)エレクトロニクス実装学会メンバーとして)日刊工業新聞社、平成18年6月
「ぷりんとばんじゃくⅩ プリント配線板品質レベルアップの具体策」(社)日本電子回路工業会、平成20年5月
「プリント配線板の基礎知識」(月刊誌『クリーンテクノロジー』連載、小林正先生と共著)日本工業出版、平成21年2月~8月

目次

はじめに 

第1章 プリント配線板の構造と製造プロセス  
1.1 プリント配線板の構造
 1.1.1 電子回路基板とプリント配線板
 1.1.2 プリント配線板の種類
 1.1.3 プリント配線板の材料(銅張積層板)
  1.1.3.1 銅張積層板各規格間の品名対比
  1.1.3.2 銅張積層板の品種と特徴
 1.1.4 各種プリント配線板構造の違い
 1.1.5 ビアホールの構造と呼び名
1.2 プリント配線板の製造プロセス
 1.2.1 銅張積層板の製造プロセス
 1.2.2 片面プリント配線板の製造プロセス
 1.2.3 両面プリント配線板の製造プロセス
 1.2.4 多層プリント配線板の製造プロセス
 1.2.5 フレキシブルプリント配線板の製造プロセス
 1.2.6 プリント配線板標準製造プロセスの短所と改善手段
 1.2.7 ビルドアップ多層配線板の構造と特徴
 1.2.8 樹脂付き銅はく(RCC)を用いたビルドアップ多層配線板の製造プロセス
 1.2.9 感光性樹脂を用いたビルドアップ多層配線板の製造プロセス
 1.2.10 熱硬化性樹脂を用いたビルドアップ多層配線板の製造プロセス
 1.2.11 導電ペーストを用いたビルドアップ多層配線板製造プロセス
 1.2.12 ビルドアップ多層配線板ビアホールの構造と用語
 1.2.13 プリント配線板の今後の展開
1.3 プリント配線板製造の要素プロセス
 1.3.1 スルーホ-ルめっきの基本プロセス
 1.3.2 回路(パターン)形成プロセス
  1.3.2.1 整面研磨方法
  1.3.2.2 露光と特性
  1.3.2.3 現像工程
  1.3.2.4 エッチングレジストとエッチング液の適性
  1.3.2.5 塩化第二銅エッチング液反応と特質
  1.3.2.6 塩化第二鉄エッチング液反応と特質
  1.3.2.7 アルカリエッチング液反応と特質
 1.3.3 積層プレス工程
  1.3.3.1 レイアップ工程
  1.3.3.2 積層方法
 1.3.4 各種レジストの剥離工程
 1.3.5 ソルダレジストパターン形成工程と役割
 1.3.6 ソルダレジスト塗布工程と特性比較
 1.3.7 スクリーン印刷法
 1.3.8 外形加工
 1.3.9 仕上げ処理工程
  1.3.9.1 プリフラックス処理
  1.3.9.2 無電解ニッケル・置換金めっき処理
  1.3.9.3 その他の仕上げ処理
 1.3.10 新しいその他の工程と変化

第2章 プリント配線板の品質保証と品質管理  
2.1 品質保証と品質管理の意味
2.2 品質保証の原点
2.3 保証しなければならない品質の中身
2.4 品質管理・品質保証体系
2.5 相対潜在要求も保証の対象
2.6 品質保証活動を正しく理解
2.7 5Sも品質保証活動の中の一つ
2.8 プリント配線板の特質
 2.8.1 プリント配線板そのものの特質
 2.8.2 プリント配線板製造工程上の特質
 2.8.3 プリント配線板使用環境や品質保証上の特質
2.9 プリント配線板の製造歩留まりと技術課題
2.10 物作りの基本的考え方
 2.10.1 物作りの原則と製造部門の使命
 2.10.2 管理の意味を取り違えるな
 2.10.3 工場も営業活動の場
 2.10.4 お客様は神様です
 2.10.5 次工程はお客様の意味を実践すること
 2.10.6 製造装置の使い方を誤るな
2.11 不良対策とは
 2.11.1 不良対策の3原則を守れ
 2.11.2 不良対策のポイント
 2.11.3 対策の評価を直接効果で行え
 2.11.4 対策のデメリット評価も忘れるな
2.12 データの意味を誤解するな
 2.12.1 役に立たない資料を作るな
 2.12.2 数値だけがデータではない
 2.12.3 コンピュータ数値は結果だけ
 2.12.4 現場で役立つデータ例
2.13 自工場の品質保証レベルを把握しろ
 2.13.1 品質保証指数を決めろ
 2.13.2 品質保証指数の年度別推移を監視せよ
 2.13.3 品質保証レベルを評価管理すること
2.14 作業者を何故育てない
 2.14.1 最も恵まれた人材を活かさない管理者の怠慢
 2.14.2 人材の育成も品質管理の一部
 2.14.3 やらせずに育つはずが無い
 2.14.4 作業者の育成は日本企業の差別化のポイント
2.15 工事・納入規制契約を甘く見るな
 2.15.1 不良要因を持ち込ませない
 2.15.2 取引業者は宣伝マン
 2.15.3 資材部門の役割を果たせ
2.16 クレーム撲滅の意識があるのか
 2.16.1 検査マージンの無い検査でクレームを無くせるはずが無い
 2.16.2 クレーム処理をビジネスチャンスに
 2.16.3 クレームの中にノウハウあり
 2.16.4 クレーム処理のスタートは顧客の緊急要望対応から
 2.16.5 事故の発生確率を予測できるトレーサビリティが可能か
2.17 仕事量を増やすだけのメンテナンスは百害あって利あらず
 2.17.1 メンテナンスを減らす対策を優先
 2.17.2 調整が必要な装置を無くせ
 2.17.3 故障対策をMTBF延長策に変えよ
 2.17.4 オーバーホールが必要などと考えるな
2.18 品質保証設備の付加価値を活かせ

第3章 プリント配線板製造現場のクリーン化  
3.1 プリント配線板製造現場のクリーン化の必要性
 3.1.1 プリント配線板の異物起因不良
 3.1.2 プリント配線板製造現場のクリーン化要求の高まり
 3.1.3 プリント配線板製造工程の特殊性とクリーン化
 3.1.4 プリント配線板製造現場のクリーン化対象異物
  3.1.4.1 空中浮遊異物(パーチクル、ダスト、パウア、繊維など)
  3.1.4.2 堆積異物(塵埃、砂塵、磨耗粉など)
  3.1.4.3 粘着異物(粘着テープ糊、接着剤、潤滑油、乾燥前インク、 フラックスなど)
  3.1.4.4 虫や微生物(微細昆虫、ダニ、藻、花粉など)
  3.1.4.5 液中浮遊異物(微粒子状異物、箔状異物など)
  3.1.4.6 液中沈殿物(ヘドロ、スカムなど)
  3.1.4.7 液中成分析出物(水垢、薬液結晶など)
  3.1.4.8 金属酸化物(錆)
  3.1.4.9 屑(切粉、バリ、剥離片、チップ、劣化崩壊物、食べかす、 スクラッチ屑など)
  3.1.4.10 ガス、ミスト、ヴェイパ、モイスチュア
  3.1.4.11 新陳代謝排泄物
  3.1.4.12 化学汚染物質
  3.1.4.13 その他のクリーン化対象異物
3.2 クリーン化の原則
 3.2.1 異物の定義
 3.2.2 クリーン化の原則
 3.2.3 異物の発生防止策
 3.2.4 異物の持ち込み防止策
 3.2.5 異物の除去策
3.3 異物管理
 3.3.1 異物の存在を知る
 3.3.2 異物の特質を知る
 3.3.3 異物の測定方法を決める
 3.3.4 クリーン化の目標値を決める
 3.3.5 異物環境の管理方法を定め管理する
3.4 異物対策
 3.4.1 外気対策
 3.4.2 出入口のあり方
 3.4.3 異物の舞い上がり対策
 3.4.4 フォトツールの無欠陥化
3.5 ビルドアップ多層配線板製造工程のクリーン化
 3.5.1 アニュラリングとクリーン化
 3.5.2 レーザ穴底デスミア処理もクリーン化の一つ
 3.5.3 粗化処理・積層回数とクリーン化
3.6 各工程ごとのクリーン化
 3.6.1 レイアップ時のクリーン化
 3.6.2 積層工程でのクリーン化
 3.6.3 無塵衣更衣室のクリーン化
 3.6.4 印刷室のクリーン化
3.7 露光室内のクリーン化
 3.7.1 クリーン化のための禁止事項
 3.7.2 フォトツールの扱いとクリーン化
 3.7.3 保管庫のクリーン化
 3.7.4 製品置き台とクリーン化
 3.7.5 シャワーボックスとクリーン化
 3.7.6 パスボックスとクリーン化
 3.7.7 製造装置類のクリーン化
 3.7.8 無塵衣の管理とクリーン化

第4章 プリント配線板の不良低減(原因と対策)  
4.1 プリント配線板の不良の大半は異物起因
 4.1.1 資材部門の異物侵入プロテクト意識を高めよ
 4.1.2 資材部門の不良対策義務
 4.1.3 運搬台車から改めよ
4.2 パネル裁断工程の異物を次工程に持ち込むな
4.3 パネル端を異物発生源にするな
4.4 穴あけ工程も異物発生工程
 4.4.1 芯振れや穴曲がり、ドリル折れも異物起因
 4.4.2 スタックテープ糊は多種不良の要因
4.5 ローダ・アンローダロボットを考え直せ
4.6 インラインクリーンローラの正しい使い方
 4.6.1 異物捕獲能力を正しく見積もれ
 4.6.2 粘着布糊の転写を防げ
4.7 プリプレグ樹脂屑対策をしっかり
4.8 ウエットラインの沈殿物対策
 4.8.1 蓄積しやすい構造を排除
 4.8.2 沈殿物のデーリー排除を実践すること
 4.8.3 オープン浴槽への異物侵入防止に万全を
4.9 要注意の空中浮遊異物
4.10 薬液残渣要注意
4.11 気泡も異物
 4.11.1 気泡起因不良
 4.11.2 ビアホール内脱泡対策
4.12 静電気対策を入念に
 4.12.1 プリント配線板はコンデンサ
 4.12.2 静電破壊不良
 4.12.3 静電気対策
4.13 取り扱い上の注意
 4.13.1 回路形成後のパネル重ね相互ずらし厳禁
 4.13.2 回路形成後のパネル表面にハンドローラをかけるのは厳禁
 4.13.3 小物入れに異物を蓄積させるな
 4.13.4 薄物の搬送方法に注意
 4.13.5 清掃用具の管理を正しく
4.14 ビルドアップ多層配線板の層間ズレ対策を万全に
4.15 プリント配線板製造装置の異物発生防止
 4.15.1 動く部分からの摩耗粉に注意
 4.15.2 冷却排気中の異物に注意
4.16 円筒コロ(ローラ)コンベアからの磨耗粉に注意
4.17 ソルダレジスト屑付着に注意
 4.17.1 ソルダレジスト汚れを撲滅せよ
 4.17.2 ソルダレジスト未乾燥パネルのクランプからの脱落を撲滅せよ
4.18 洗浄後のパネル乾燥を見直せ
4.19 AOI検査のあり方を正せ

参考文献 

コラム① 今日の未来は明日の今!   
コラム② 5Sの目的は何?   
コラム③ 使命を放棄した製造部門!   
コラム④ 対策の原則を知っているの?   
コラム⑤ 無駄な資料は作らないで!   
コラム⑥ 自工場の品質保証レベルを管理してる?   
コラム⑦ 部下を育てる気があるの?   
コラム⑧ クレーム処理は宝の山   
コラム⑨ メンテナンスは減らすもの!   
コラム⑩ 評価設備の付加価値は顧客の安心   
コラム⑪ 職場の異物を知らないの?   
コラム⑫ 資材部門の役割は何?   
コラム⑬ ローダ・アンローダは異物発生器?   
コラム⑭ AOI検査機の使い方知ってる?

はじめに

全ての電子機器の必需品であるプリント配線板作りに関する学科のある工業高校、専門学校や大学は少ない。一方、プリント配線板作りには、切削や穴あけ・研磨・打ち抜きプレスなどの機械加工技術、レーザ加工技術、各種めっき技術、写真技術、印刷技術、表面処理技術(エッチング・洗浄・粗面化処理・防錆)などの多岐にわたる技術が必要である。このように複雑なプリント配線板作りプロセスを理解していただくための手助けになればというのが本書のねらいである。したがって、プリント配線板の製造にはじめて携わる技術者(工業高校、専門学校、大学を卒業したばかりの新入社員)ならびに他の分野から参入した方々の教本として役立てていただければ幸いである。また製造部門以外の方々にもご一読いただき、プリント配線板工場の管理に役立てていただきたい。
 プリント配線板は受注生産品であり、生産者側の自由度が少ない。しかも単なる1枚の部品でありながら、多数のスルーホールやパターンなどを持つシステム品的な要素の強い商品である。そして、主材料も金属、プラスチック、ガラスなどからなる複合材で、かつ他の電子部品に比べ面積が大きいため製造上の潜在欠陥の発生確率も高い。フィールド事故のほとんどが初期故障という、潜在的な製造欠陥起因事故の多い、品質保証上厄介な商品である。また事故が発生すれば、プリント配線板に実装された多くの高価な電子部品も再使用できなくなり、損害金額が嵩張るため、特に製造現場管理の在り方が問われる商品なのである。
 そこで、第1章ではプリント配線板の代表的な製造プロセスや要素プロセスのポイントを、第2章ではプリント配線板製造現場における品質管理・品質保証上の基本的考え方を、第3章ではプリント配線板の品質を左右するクリーン環境改善の要点を、第4章ではかなり具体的なプリント配線板の不良低減のポイントを解説した。
 最後に、本書執筆にあたってご協力いただいたJPCA関係者や各資料提供者各位、ならびに本書出版にご協力いただいた出版社の方々に深く謝意を申し上げる。

2013年 11月 
執者 長谷川 堅一 

買い物かごへ