買い物かごへ

限界に挑む!「測定方法と原理」のはなし
「極・超」データを測る

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07154-6
コード C3050
発行月 2013年11月
ジャンル その他

内容

「はかる」ことの進歩は文明進化の象徴であり、科学技術発展のバロメータ。技術の世界では、日常の目測や想像を超えた「超」がつくような巨大な長さなどのデータや、「極」がつくような微小な確認が実務で測られている。本書では、この「超」や「極」がつくようなものをどう測定するか、その原理や法則を基本単位などの基礎知識と実例により紹介する。

伊藤泰郎  著者プロフィール

(いとうたいろう)
1935年、長野県生まれ。
1960年、武蔵工業大学卒業。
1960年、武蔵工業大学勤務。
1977年、工学博士。
1980年、アメリカ、クラークソン大学客員研究員。
1982年、武蔵工業大学教授、工学部長を経て、
2004年、武蔵工業大学定年退職。
現在、東京都市大学(旧武蔵工業大学)名誉教授、
   文部科学省科学技術・学術政策研究所専門調査員、
   日本オゾン協会顧問、町田市少年少女発明クラブ指導員
著書
よくわかる電気回路基礎演習:日進出版:(3人)共著
よくわかる電気回路演習:日進出版:(4人)共著
電気数学:森北出版:(3人)共著
新版オゾン利用の新技術:サンユー書房:(多数)共著
オゾンの不思議:講談社、ブルーバックス、1999、10:単著
オゾンハンドブック:日本オゾン協会、2004、10:(多数)共著
環境と技術で拓く日本の未来:丸善、2007、11:(2人)共著
見えないものを見る技術:講談社、ブルーバックス、2008、2:単著
空気浄化技術:養賢堂、2011、9、(3人)共著
水浄化技術:養賢堂、2012、5、(3人)共著

目次

まえがき

第1章 基本的な単位と表示法
 1-1 極大と極小の表示法
 1-2 基本単位
 1-3 身近な単位

第2章 距離測定法とその活用
 2-1 三角測量の原理と視差
 2-2 地球の直径
 2-3 地球と星間の距離
 2-4 太陽までの距離
 2-5 自分の居場所の決定:GPS
 2-6 超遠方にある恒星:年周視差
 2-7 恒星までの距離:HR 図法

第3章 天体望遠鏡のレンズの性能と星の大きさ

第4章 光による測定
 4-1 光速と波長の測定
 4-2 光の反射による距離測定
 4-3 光の波長の変化による速度測定:ドップラー効果

第5章 放射線
 5-1 放射線の種類と単位
 5-2 放射線強度の測定(サーベメータ)
 5-3 放射線による超過去の測定:加速器質量分析法
 5-4 放射線被曝

第6章 圧  力
 6-1 超高真空の実現と測定
 6-2 超高圧力の測定

第7章 超重量(地球)の測定:ニュートンの法則
 7-1 地球の質量測定:万有引力
 7-2 超重量物体(太陽)の質量測定:ケプラーの法則

第8章 温度測定
 8-1 常温範囲の測定
 8-2 超低温域の実現とその測定
 8-3 超高温域とその測定

第9章 微小距離の測定
 9-1 光学顕微鏡
 9-2 電子顕微鏡

第10章 浮遊微小粒子(分布)の測定
 10-1 浮遊微小粒子の測定1:OPC 法
 10-2 浮遊微小粒子の測定2:SMPS 法

第11章 軽量微小粒子の質量測定
 11-1 電子天秤
 11-2 質量分析器:マススペクトロメータ

第12章 超純水

あとがき
索  引

はじめに

「はかる」ことの進歩は文明進化を象徴するものであり、科学技術発展のバロメータである。物を「はかる」には、長さ、重さ、時間等々について、感覚を超えて量を数値的に示すことになる。科学技術の基本は測定することに発展があり、新発見がある。そのためには、はかること、即ち測定すること、定量的に長短、多寡,大小を示すこと、さらにできるだけ正確に測定し、表示することが原点であり、それが理科学への入り口である。そのはかり方にも直接に正確で共通の物指し、天秤や時計できっちりと数値で示すことが信頼できる測定の出発点であろう。日頃私達の身の周りにある物であれば簡単に定規等で測定できるし、大雑把には目視でもそのサイズ等は見当がつき、即ち目測でも近似した測定値は得られる。しかし、この目測の場合には数値的に正確ではないので、おおまかな比較はできるが、近似した大きさを比較する場合には正確な測定が必要になる。
 天体や経済界では兆(1012)や京(1016)等の私達の日常の目測や想像をはるかに超えた巨大な長さやお金等を表現する数字が使われている。一方、理工系ではこれとは逆にナノ(10-9)やピコ(10-12)等の目視では極めて確認が難しい微小な桁の数字が多く使われるようになってきている。
 このように大きな桁数の異なる量も日本の呼称では区別してはいるものの、その大きさを直感的には脳裏には響かない。そのため、冪ベキまたは累乗と呼ばれる表示法によって、「Xn」(一般的にX は10)のように、X をn 回掛け合わせた値として直感的に分かるように表現していることが多い。一方小さい方の表示は「X-n」のように表現している。
 実際にこのような巨大な、または微小な量がどの程度に正確に測定や推定および計算されたものであろうか。もしかしたら想像の上にもっともらしく捻出されて使用されているかも知れない。実際には距離(長さ)にも温度にもいまだ到達していない未知の領域も多い。しかし、私達が目視で見て、手で触ってその大小が感じ取れる範囲を超えた量について少し深く掘り下げてみようとしているのがこの本を書こうとした出発点である。数式は極力少なくしようと心がけたが、論理的な正確さや証明のめ、一部には数式を使わざるを得なかった。表現法などにも異論反論があると思うが、それは喜んでお受けして、次の糧にしようと考えている。

2013年11月 伊藤泰郎

買い物かごへ