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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい太陽電池の本
第2版

定価(税込)  1,512円

編著
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07138-6
コード C3034
発行月 2013年10月
ジャンル 環境 ビジネス

内容

2007年に発行した「トコトンやさしい太陽電池の本」の第2版。初版の発行から太陽電池の普及量は大幅に増加した。初版ではあまり触れられていなかった設備構成、施工・保守点検、集光など新たな項目も設け、最新のデータとともに解説する。

産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター  著者プロフィール

[著者略歴]

●編著
産業技術総合研究所
太陽光発電工学研究センター
http://unit.aist.go.jp/rcpvt/

●監修者
仁木栄(にき しげる)
太陽光発電工学研究センター センター長

松原浩司(まつばら こうじ)
太陽光発電工学研究センター 副センター長

●執筆者一覧(五十音順)
猪狩真一(いがり さねかず)
評価・標準チーム

大谷謙仁(おおたに けんじ)
評価・標準チーム 兼 環境・エネルギー分野研究企画室

齊藤和裕(さいとう かずひろ)
作田宏一 (さくた こういち) 
高効率モーター用磁性材料技術研究組合

櫻井啓一郎(さくらい けいいちろう) 
システムチーム 兼 太陽電池モジュール信頼性評価連携研究体

柴田肇(しばた はじめ) 
先端産業プロセス・高効率化チーム

原浩二郎(はら こうじろう) 
先端産業プロセス・低コスト化チーム 兼 太陽電池モジュール信頼性評価連携研究体

藤原裕之(ふじわら ひろゆき)
岐阜大学 電気電子工学科 教授

増田淳(ますだ あつし)
太陽電池モジュール信頼性評価連携研究体

村上拓郎(むらかみ たくろう) 
先端産業プロセス・低コスト化チーム 兼 環境化学技術研究部門 界面有機化学グループ

目次

はじめに

第1章 太陽電池とはどんなもの?
1 太陽電池とはどんなもの?「光のエネルギーを電力に変える半導体素子」
2 「太陽電池」登場前夜「前身は光センサ」
3 「太陽電池」の誕生「今の社会を支える、60年前の技術たち」
4 宇宙で活躍した太陽電池「太陽電池は最初、宇宙用として開発された」
5 世界を襲った石油危機「70年代の価格高騰が、2000年代から再燃」
6 黎明期から取り組んだ日本「超長期の野心的プロジェクト、サンシャイン計画」
7 性能向上の歩み「地道な改良の積み重ね」
8 家庭にやってきた太陽電池「初の家庭用系統連系型設備は1992年」
9 悪化する資源・環境問題「燃料価格の高騰、温暖化の顕在化」
10 燃料いらずの太陽電池「化石燃料でなく、太陽エネルギーで発電」
11 大量普及の時代へ「ニッチから、主要な電源の一つに」
12 事実上無限のポテンシャル「エネルギー問題の最終手段にもなる」

第2章 太陽電池の原理
13 光で働く太陽電池!「太陽電池の基本的なしくみ」
14 電気をつくる不思議な板「半導体の性質」
15 太陽電池には不純物が入っている?「n型とp型半導体」
16 太陽電池の一番大切な部分は?「太陽電池のpn接合」
17 電気はどうして流れるの?「電流と電圧の発生」
18 性能はどう評価するの?「太陽電池の電流—電圧特性」
19 太陽電池特性は何で決まるの?「半導体のバンドギャップ」
20 電圧はどのくらい出るの?「開放電圧とバンドギャップ」
21 電流はどのくらい出るの?「短絡電流密度とバンドギャップ」
22 変換効率100%の太陽電池はできるの?「太陽電池の理論限界効率」

第3章 様々な太陽電池
23 太陽電池の分類「性能も形態も様々」
24 単結晶シリコン太陽電池「最も一般的な太陽電池の構造」
25 多結晶シリコン太陽電池「最も生産量が多い太陽電池の構造」
26 薄膜シリコン太陽電池「少ない材料で大量生産」
27 シリコンヘテロ接合太陽電池「ハイブリッドのシリコン太陽電池」
28 CIGS系薄膜太陽電池「近年普及が始まった太陽電池」
29 CdTe太陽電池「低コストで高効率の薄膜太陽電池」
30 多接合太陽電池「トコトン高効率化を追求した太陽電池」
31 色素増感太陽電池「花の色素も発電できる」
32 有機薄膜太陽電池「発電するプラスチックフィルム」
33 軽くて曲げられる太陽電池「強度の低い屋根にフレキシブル太陽電池」
34 新型太陽電池「変換効率60%超を目指す」

第4章 太陽電池の使いかた
35 風雨に耐えるようにする「水分や外力から守る」
36 システムの構成を把握する「ストリング、アレイ、パワコン」
37 電力を効率良く取り出す「最適動作点追従回路とインバータ」
38 家庭で使う「停電時の運転手順も把握しよう」
39 独立して使う「系統連系せず、蓄電池と共に使う」
40 建物に組み込む「建材一体型モジュール」
41 発電量を把握する「うちの太陽光発電設備は大丈夫?」
42 影の影響を抑える「なるべくたくさん発電しよう」
43 トラブルを防ぐ「安全性を保ち、長持ちさせるコツ」
44 家庭での使い分け「選択肢たくさん、エネルギー関連設備」
45 今後の家庭のエネルギー管理「情報化が技術を活かす」

第5章 太陽電池のこれから
46 どんどん安くなる太陽電池「火力と同等の発電コストへ」
47 コストの減らしかた「ハード以外のコスト削減も重要」
48 技術で安くする「変換効率、信頼性・耐久性」
49 政策で安くする「規模の拡大で価格低減を促す」
50 助成制度の使いかた「経済性も考慮しながら運用」
51 たくさん使えるようにする「出力予測で化石燃料の消費量削減」
52 信頼性を確保する「吹き飛ばされたら一大事」
53 応用先を拡げる「利用される地域も、用途も拡大」
54 世界に拡げる「政策が普及ペースを左右」
55 国内でも拡げる「日本のこれまでと、これから」
56 2100年、太陽電池はどうなっているか?「技術向上と安い製法の実現」

第6章 太陽電池Q&A
57 耐久性はどうやって調べるの?「加速試験で強制的に劣化させる」
58 掃除はいらないの?「頻繁に屋根に登らないといけないの?」
59 台風が来ても大丈夫?真夏の暑さや雹は?「雪は・雷は・雹は?夏の暑さでも壊れない?」
60 真南を向いた屋根でないといけないの?「どんな屋根がいいの?重さは?」
61 再利用できるの?「家を建て替えた時は?リサイクルはできるの?」
62 出力変動しても使えるの?「様々な系統安定化策」
63 元は取れるの?「普及支援策を活用しよう」
64 太陽電池の材料はなくならないの?「どれだけたくさん生産できるの?」
65 どのぐらいCO2の排出量を減らせるの?「どれだけの期間でCO2の元が取れるの?」
66 どのぐらい化石燃料を節約できるの?「同量の燃料から10倍の電力」
67 太陽光を吸収したら、地球が余計に暖まらない?「周辺の気温は?地球全体では?」
68 他の発電方式とのちがいは?「太陽熱、風力、バイオマス…どう使い分けるの?」

【コラム】
●太陽電池は乾電池や蓄電池の仲間なの?
●太陽光のスペクトル
●光合成のエネルギー変換効率は?
●太陽電池の性能評価の精度を支えるしくみ
●太陽電池のライバル?太陽熱発電
●太陽光発電と、変わりゆく世界
参考文献
索引

はじめに

 「トコトンやさしい太陽電池の本」の初版は2007年1月に発刊されました。太陽光発電を取り巻く環境は、その当時からは予想もつかないほど大きく変化しました。2006年の世界の太陽電池の生産量は年間2・5GW程度でしたが、2012年には約30GWと10倍以上に伸びました。日本は2006年には太陽電池生産量で世界トップのシェアを保っていましたが、その後の低価格競争の波を受けて、2012年にはシェアが1割程度まで低下しました。
 一方、普及状況に目を向けると、欧州では、ドイツのfeed-in-tariff(固定価格買取制度)を見習って様々な国が同様の政策を実施し、導入が急速に進みました。日本でも2012年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始され、予想を大幅に上回る効果をあげています。
 化石燃料の価格が上がり、地球温暖化が世界レベルで様々な自然災害を引き起こすなど、エネルギー問題は深刻さの度合いを深めています。太陽光発電に寄せられる期待はますます高まっているといえます。本書では、急速に変化していく太陽光発電について、現状の課題を共有しつつ将来のテラワット太陽光発電時代の到来に向けて、わかりやすく解説しています。
 第1章では太陽電池がどのように生まれ、どのように育ってきたのか、その歴史を紹介します。第2章では太陽電池の原理についてわかりやすく説明しています。第3章では様々な太陽電池について最新の技術や性能を記しています。第4章では、設備構成と様々な用途を紹介します。また、太陽光発電設備の安全性、信頼性に関する記述を大幅に増やしました。第5章では、太陽光発電のコストを下げつつ、本格的に普及を進めるときに役に立つ情報を紹介しています。第6章では、弊センターに寄せられる様々なご質問の中から、お問い合わせの多いものについてQ&A形式で記しています。

 本書は独立行政法人 産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センターのメンバーを中心にして共同で執筆されたものです。できるだけ分かりやすい記述を心がけておりますので、専門的な立場から見ると説明が不十分な部分があるかもしれません。ご意見等頂戴できれば幸いです。  最後に本書の執筆に当たり、沢山の文献や資料を参考にさせていただきました。吉富電気の吉富政宣氏をはじめ、資料や情報を頂いた方々に厚く御礼申し上げます。また出版に際しては日刊工業新聞社の木村文香氏をはじめ、関係者各位には大変お世話になりました。改めて感謝いたします。

 平成25年9月 独立行政法人 産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター
研究センター長 仁木 栄

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