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なぜ、あの中小企業ばかりに優秀な人材が集まるのか?
お金をかけずにできる、とっておきの採活

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ 四六判
ページ数 167頁
ISBNコード 978-4-526-07124-9
コード C3034
発行月 2013年10月
ジャンル ビジネス

内容

中小企業における採用活動は、知名度、予算、採用に携わる人員など、決して恵まれているとは言えない。しかしそれでも優秀な人材は中小企業にも必ず採れる。優秀な人材が採れる企業とそうでない企業、その違いは“お金を使わず知恵を使う”、採用の考え方にあった。そこで本書では中小企業ならではのとっておきの採用テクニックを紹介する。

常見陽平  著者プロフィール

(つねみ ようへい)
1974年生まれ。北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒。
1997年にリクルートに入社。とらばーゆ編集部、トヨタ自動車との合弁会社などに在籍。2005年、大手玩具メーカーに転じ、新卒採用を担当。2009年より株式会社クオリティ・オブ・ライフにて、企業の採用活動のコンサルティングや、官庁・自治体が手がける中堅・中小企業の採用活動支援事業、若手人材採用・育成支援事業に関わる。2012年に独立。現在は人材コンサルタント、雇用・労働・キャリア関連の著述家として活動のかたわら、武蔵野美術大学と実践女子大学の非常勤講師、HR総合調査研究所客員研究員も務める。一橋大学大学院社会学研究科修士課程に在籍中。
これまでに大阪府、京都府、福井県、沖縄県などの若年層雇用対策事業に関わるほか、中堅・中小企業の採用支援事業、東京商工会議所などでの中堅・中小企業向けセミナーで講師を経験。中堅・中小企業に対して“お金をかけずに知恵と魂を使った”採用活動のノウハウを伝授している。
著書に『普通に働け』(イースト・プレス)、『「すり減らない」働き方』(青春出版社)、『女子と就活』(共著、中央公論新社)など。

目次

まえがき 

第1章 新卒採用こそが会社を成長させ、社会の未来を創る行為なのです   
~新卒採用の意義
▪会社に新人が入るという意味 
▪成長したあの会社は採用にここまでパワーをかけた 
▪お金をかけず、知恵と情熱で 
▪採用の成功とは何か? 

第2章 あなたの会社にとっての「優秀な人材」は明確になっていますか   
~採用までの手順
▪採用は「人集めの作業」だと思っていませんか? 
▪どんどん高度化する求める人材、本当に必要? 
▪採用を成功させる力は「企業力×採用力」 
▪魅力がない会社などない 
▪「ウチらしさ」を考えてみる 
▪採用と選考は違う 
▪東大卒は必要か? 
▪学生の就活の動線を理解する 
▪求人媒体を見る 
▪先輩情報の整理は採用成功の鉄則 
▪大学とのつながりを強化しよう 
▪国・地域や学生団体ともつながる 

第3章 新人が期待はずれだったのは、採用担当者だけの責任ではありません   
~社内体制構築の重要性
▪組織的採用力を鍛えよう 
▪社長や部長に直談判するのも手 
▪なかには新卒採用を嫌がる人もいる 
▪若者はどれくらい辞めているのか? 
▪元気のない新人の彼は「頭を下げてでも欲しい人材」だった 
▪若手の離職はみんなの責任 
▪上司力を養成する 
▪「誰かいい人いない?」も立派な採用手法 
▪リスク対策も大事 

第4章 効果的な手法とツールを駆使することで低コストでも採用活動はできます   
~テクニックとコストダウンの手法
▪お金がなくても、ここまでできる! 
▪採用手法とコストを確認してみる 
▪採用にはどのくらいのお金がかかるのか? 
▪効果的な採用手法、ツールを模索する 
▪就職情報会社との付き合い方を考えよう 
▪採用担当者自身が自社に詳しくなる 
▪八方美人を目指さない 
▪そのトークで口説けるか? 
▪口説けなければ採用ではない! 
▪マイナス面も含めて自社をさらけ出す 

第5章 面接を成功させる重要なポイントは、採用担当者としての自覚です   
~成功する面接術
▪書類選考は「おおめに見る」 
▪面接は会社説明会でもある 
▪面接の基本は事実の確認 
▪学生団体会長に気をつけろ 
▪似非グローバル人材に気をつけろ 
▪体育会系に気をつけろ 
▪美男や美女に気をつけろ 
▪「そうなんですね。もっと詳しく教えていただけますか?」 
▪何気ない会話も面接の1つ 
▪成功と挫折、学ぶ姿勢、周囲の評価 
▪仕事に役立ちそうな経験をしたかどうか 
▪学生の満足度を上げる面接のコツ 
▪評価の罠と聞いてはいけないこと 
▪面接官は面接されている 
▪面接で成績証明書を使うのが有効な理由 
▪学生は見ている 
▪ゆとり採用担当者よ、採用をなめるな! 
▪痛い採用担当者になるな 

第6章 内定の出し方や内定後の取り組みも、採用担当者の重要な仕事です   
~内定後のステップ
▪内定の重み 
▪内定のプレミアム感 
▪あなたが出す、内定の重さは何キロですか? 
▪内定者懇親会も育成の機会である! 
▪研修でつながりをつくる 
▪採用活動に内定者、若手社員を参加させる 
▪若手社員は元気に働いているか? 

初出一覧

はじめに

この本は、新卒採用を成功させようと思っている中堅・中小企業の社長、および採用担当者に向けて書いた本です。優秀な若手を獲得したい、採用活動(採活)を通じて企業を少しでも変えたい、若手を採れる企業、さらには若手を育てられる企業に変身させたいと思っている、あなたのための本です。
 きっと皆さんは、こう思っていることでしょう。
 「採用活動は、大変だ…」
 そうなのです。学生の就活が大変だと報道されていますが、採活もまた楽ではないのです。
 2008年のリーマンショック後、新卒の求人をめぐる環境は悪化し、メディアでは就職難に苦しむ若者の様子が報道されました。
 「大学を出たのに就職できないなんて…」
 「今どきの就活は、こんなに大変なのか…」
 このような共感を呼びつつ、新卒一括採用や就活をめぐる批判が渦巻きました。
 このときに皆さんは複雑な心境になったのではないでしょうか。若者が就職に苦しむ様子に胸を痛めた方も多いことでしょう。実際、ここ数年は「就活うつ」「就活自殺」などのキーワードも話題になりました。
 しかし、市場の原理から言うならば、こんなに大変な状況なら、学生は何とかどこかの企業に入りたいと思い、さまざまな企業に応募するはずです。実際、皆さんの企業の応募は増えましたか? 採りたいと思った学生は、応募してきましたか? 採用できましたか? ここ数年、中堅・中小企業を志望する学生が増えたことが報道されましたが、だからと言って、採用が劇的に上手くいったという話はあまり聞いたことがありません。経営者や人事部長は「就職が厳しい環境なら、うちでも採れるだろ? 今こそ優秀な人材を採用せよ」などと言うのですが、こんな漠然としたオーダーで上手くいった試しがありません。
 これは人気企業、大手企業も含めてそうです。私は、一時、大手企業で採用担当をしていました。人気企業ランキング上位に入っている企業でした。その際、痛感したことは「採用とはこんなにも難しいことなのか」ということです。人気があるので、おかげ様でたくさんの応募はあります。ただ、ありがたいことなのですが、採用においてはたくさんの応募があればいいというものではありません。採りたいと思った人材からの応募を獲得しなければなりません。何より、「入りたい」人材ではなく「採りたい」と思った人材が入社しなければ意味はありません。たくさんの応募に対応し、学生を見極め、口説くことがいかに大変かを味わいました。採りたいと思った学生に逃げられる度に、悔しい想いをしたものです。
 就職難の時代と言いつつ、採用難の時代なのです。
 そんななか、中堅・中小企業の採用担当者はこんなことを言います。
 「ウチは大手さんと違うので、新卒の採用は難しいですよ」
 この言葉を聞く度に、私は複雑な心境になりました。大手企業と中堅・中小企業の違い、格差は明らかです。ただ、だからと言って、試合放棄してしまうのも違うのです。そもそも、あなたの会社はいつまで大手さんと違うのでしょうか。なかには、人材の採用に成功し、大手企業へと成長していった企業があるのにもかかわらず、です。「ウチはどうせ採用できない…」と自虐的になっていたり、開き直っている企業がなんと多いことでしょう。負け癖がついてしまっているのです。
 いいですか。ここで思考停止をしてはいけません。中堅・中小企業でも、採用を成功させるための戦い方があります。しかも、お金をかけずに知恵と情熱を使うことによって採用を成功させることができるのです。
 本書は、中堅・中小企業が、お金をかけずに採用を成功させるために、スキル面、マインド面で何が必要かをまとめた本です。はじめて採用を担当する方のための参考書としてもピッタリだと思います。
 私は、リクルートを経て、大手企業の採用担当を経験したのち、小さな人材コンサルティング会社で働いてきました。「クオリティ・オブ・ライフ」という会社です。同社では、大手企業から中堅・中小企業までさまざまな規模の企業の採用活動や人材育成のお手伝いをしてきました。それだけでなく、官庁や自治体による若年層の雇用推進事業や、中堅・中小企業の採用支援事業を受託し多数経験してきました。そして、同社を退社してからも自治体や商工会議所で開催される中堅・中小企業向けの、採用活動ノウハウ・セミナーなどで講師をしています。さらには、ネットニュースなどで採用支援に関するコラムを書き続けてきました。
 本書は、私がこれまで採用活動や採用支援活動で実践してきたこと、講演や論考で私が発信してきた中堅・中小企業のための採用ノウハウをまとめたものです。
 理論的な小難しい本ではなく、読みやすく、すぐ使える本を目指しました。採用活動を長年経験している方や、人材ビジネスに長年携わっている方には釈迦に説法な部分も多いことでしょう。ただ、採用というのは、基本的なことを徹底的にやり切ることが大事なのです。
 なお、採用に関しては、この本に掲載したものだけではなく、ずるいテクニックが多数存在します。明らかに詐欺や脅しに近いやり方などです。ただ、この本はそのような技はあえて掲載を見送りました。そのようなやり方では、愛される企業になれないと感じているからです。
 結論から言うならば、採用は心技体を総動員するものです。自社を売り込むという意味では営業のようなものです。経営トップ層から現場の社員まで人を巻き込むことがポイントです。自社の魅力をいかに抽出し、見せ方を工夫することが鍵です。採用に登場する人たちが、素敵な社会人かどうかもポイントです。言ってみれば、これも当たり前のことです。でも、できていない企業だらけです。ここが採用に限らず、その企業の組織的な強さ、弱さを物語る部分です。
 章立ては、採用のプロセスに合わせたものになっていますが、興味のあるところから自由に読めるものになっています。ぜひ、ご自身のお好きなスタイルでお読みください。
 この本をきっかけに、日本の中堅・中小企業が優秀な若者を獲得し、ますます元気な企業が生まれ、明るい未来を創ることを祈っています。

2013年10月吉日
書斎にて 常見陽平

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