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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい天然ガスの本
第2版

定価(税込)  1,512円

監修
編著
編著
編著
編著
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07133-1
コード C3034
発行月 2013年09月
ジャンル ビジネス 環境

内容

天然ガスの採取技術など基本的な所から、液化技術などまでをわかりやすく解説、好評を博してきた本書だが、近年、シェールガス・メタンハドレートなど新たな天然ガス資源が大きな話題となっているため、この部分を追加・改訂、“今”の天然ガスの姿がわかる本。

藤田和男  著者プロフィール

(ふじた かずお)1,2,4,5,7,8,10,49,50
東京大学名誉教授、芝浦工業大学客員教授、ボランティア団体Geo3 REScue Forum代表、1965年東京大学工学部資源開発工学科(石油専修コ?ス)を卒業して、アラビア石油(株)に入社後30年勤務。その間1969年から 4年間本場のテキサス大学大学院石油工学科へ社費留学、1972年12月石油工学博士号 (PhD)を取得して石油危機が始まる直前に帰国する。その後アラビア湾のカフジ油田に 8年余り、日中石油開発(株)の渤海湾プロジェクトに2年、そしてマレーシアの駐在代表として 1年などの海外勤務計15年を経験する。1994年12月アラビア石油(株)を退社して東京大学工学部教授に就任。1997年より大学院主任、1999年より同専攻の専攻長(学科長)を務める。2003年3月東京大学を退官して芝浦工業大学にわが国初めて新設されたMOT(技術経営)大学院の育成のため招かれ7年間、2010年3月に退職し現在に至る。専門は油層工学を軸に石油資源論、石油開発プロジェクト評価、地球環境・エネルギー戦略論、エネルギージオポリティックスなど。

島村常男  著者プロフィール

(しまむら つねお)
3,13,15,16,19,20,42,43,44,45,46 3章コラム
北海道石油共同備蓄㈱(専務取締役)。埼玉県生まれ。1969年東京大学工学部資源開発学科を卒業して石油公団(当時は石油開発公団)に技術系一期生として入団。77~80年、96~99年の二度にわたりアブダビの石油開発操業会社に出向した他、石油公団では計画部、技術部、石油開発技術センター、ヒューストン事務所に勤務。石油公団とその機能を引き継いだJOGMECで理事を務めるなど一貫して石油開発に係わる。北海道石油共同備蓄?専務取締役、一般財団法人石油開発情報センター理事長を経て2012年3月末退職。

井原博之  著者プロフィール

(いはら ひろゆき)
36,51,56,57 1,4,7章コラム
技術士(化学部門)事務所・エコ・エネ・リサーチ代表、秋田大学非常勤講師(専門:エネルギー技術)、(社)日本技術士会・修習委員会・顧問、大阪府生まれ。1962年京都大学工学部卒、同年三菱石油㈱入社。開発研究所長、開発部長。和興産業㈱取締役技術本部長を経て2003年より、現職。著書「もうクルマは空気を汚さない」(共著)(化学工業日報)、「トコトンやさしい石油の本」(共著)(日刊工業新聞) 

佐々木詔雄  著者プロフィール

(ささき あきお)
6,11,12,14 2章コラム
理学博士、三井石油開発㈱顧問、秋田大学・山形大学・筑波大学、芝浦工業大学非常勤講師、中国満州生まれ、本籍愛媛県、1968年秋田大学鉱山学部卒、1970年同大学修士課程終了、同年三井鉱山㈱入社、ナイジェリア石油開発㈱、Union Far East Ltd、三井石油開発㈱で一貫して石油探鉱・開発に係る一方、CIO、HSE、CSRを担当、専務取締役を経て2006年より現職。1988年筑波大学自然系にて博士号授与。

本村真澄  著者プロフィール

(もとむら ますみ)
59,64,65
(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構、石油開発支援本部、調査部担当審議役主席研究員。佐賀県生まれ。1977年東京大学大学院理学系研究科地質学専門課程修士卒、石油公団へ入団。技術部、ロシア中央アジア室などを勤務の間、オマーン、米国、アゼルバイジャン等海外プロジェクト、オックスフォードエネルギー研究所客員研究員を経て現職。著書「石油大国ロシアの復活」(2005年)アジア経済研究所。

目次

第1章 天然ガスっていったいなんだろう?
1   天然ガスっていったいなんだろう?「天然ガスの定義」
2   天然ガスは石油の家族なのだ「石油と天然ガスと石炭の関係」
3   天然ガスは地産地消される!?「日本国内、中国、アゼルバイジャンなどの例」
4   天然ガスはどのように使われているのだろう?「高度利活用のための需要喚起」
5   天然ガスは高エネルギー資源!?「エネルギーの単位は難しいけれどマスターしよう」
6   天然ガスの源はなんなのか?「有機成因説と無機成因説」
7   天然ガスは石油を追って使われ始めた「まだまだ天然ガス資源が近隣に埋蔵されている可能性が!」
8   日本のエネルギー政策と天然ガスの位置づけ「需要が伸びる天然ガス」
9   無色無臭毒性無し、でも爆発の可能性が「天然ガス事故」
10   LPGは石油の仲間か、天然ガスの仲間か?「LPGとLNG」

第2章 天然ガス資源の探鉱・評価・開発・生産
11   世界の天然ガス資源量評価「非在来型天然ガスはまだよくわかっていない」
12 天然ガス資源をたくさん持つ産ガス国とは「偏在する天然ガス資源国」
13 日本での天然ガスの生産はどのくらい?「日本の埋蔵量と生産量、日本が持つ海外ガス田権益」
14 天然ガス資源はいろいろな形で存在する「探鉱・鉱床別賦存形態」
15 天然ガスの採掘技術と世界の開発現況「石油に比べ大型化するガス井」
16 天然ガス市場と開発に移行する決定要因「陸か海か中小ガス田の開発、LNG外の開発も模索」
17 天然ガスの開発・生産施設とは?「液体の分離、不純物・水の除去が行われる」
18 生産された天然ガスの中の不純物「サワーガス、ウェットガス」

第3章 天然ガスはどうやって輸送・貯蔵するの?
19 天然ガスはどうやって運ぶのか?「気体のままか液体にするのか」
20 パイプライン敷設には各種の条件が検討される「世界のパイプラインと日本のパイプライン」
21 長大なパイプラインの建設はとても大変「パイプラインの建設・保守・制御技術」
22 日本がリードするLNGチェーン「LNGのタンカー輸送と液化、受入基地」
23 日本は世界的なLNGの輸入大国「世界のLNG液化基地(既設、建設、計画)」
24 天然ガスをどうやって液化するのか?「LNGの特性、液化技術・LNG技術動向」
25 グローバル化が進むLNG市場「LNGの供給契約とガス価格」
26 枯渇したガス田を利用する地下貯蔵「大量の天然ガスを貯蔵する方法」
27 天然ガスの次世代輸送・貯蔵方式とは?「天然ガスの新しい輸送法」

第4章 現代の天然ガス利用技術
28 最高のエネルギー効率をもつ天然ガス「発熱量が大きく、燃焼温度が高い」
29 全発電量の25%をまかなうガス利用発電「LNG火力発電」
30 都市ガスとしての燃料利用はどう進んだのか「日本の都市ガスの天然ガス化の歴史」
31 家庭生活で欠かせないLPG「LPGの燃料利用」
32 将来が期待される天然ガス自動車「いろいろな利点から普及拡大」
33 コジェネレーション利用技術と低NOX化「高効率の熱利用」
34 環境にやさしいマイクロガスタービン「熱効率が高く、保守管理が安価」
35 冷たい熱エネルギーを利用する「LNGの冷熱利用」

第5章 天然ガスは地球に優しい!?
36 温室効果ガスの削減は緊急課題「地球温暖化防止のための京都メカニズム」
37 ガス田でのゼロエミッション操業「LCAでの評価 ̄環境負荷の少ない天然ガス」
38 大気汚染防止策としての天然ガス「天然ガス自動車にも期待」
39 二酸化炭素の回収技術とコスト「実用化技術の開発が望まれる」
40 二酸化炭素の隔離・貯蔵「期待されるCCS」

第6章 シェールガスと新しいガス資源
41 生産が困難で経済性に劣る非在来型天然ガス「期待可採埋蔵量は存来型に匹敵」
42 突如注目され始めたシェールガス「米国発の「シェールガス革命」」
43 シェールガスの開発の仕方「基本は通常の石油・天然ガス開発」
44 米国・カナダにおけるシェールガスの分布域と埋蔵量「シェールガスの回収率は低い」
45 シェールガス開発と環境問題「思慮深い開発が必要」
46 シェールガスは新たなLNG源「大平洋を超えるLNG」
47 石炭からとれるメタンガス:CBM「コールベッドメタン(CBM)とは?」
48 ユニークなそして世界に誇れる国内資源「水溶性天然ガスとヨウ素資源」
49 次世代のエネルギー・メタンハイドレート「もし成功すれば日本も資源大国に!」
50 わが国近海のメタンハイドレート探査と産出テスト「世界で初めてのMH海洋産出試験」

第7章 天然ガスの化学反応による高度利用
51 化学原料として期待される天然ガス「天然ガスを原料とする化学」
52 ガスツーリキッド(GTL)ってなんだろう「輸送しやすくクリーンなガス」
53 天然ガスから作られるメタノール、DME「GTL技術の適用」
54 天然ガスからガソリン・軽油を製造する「クリーンなガソリンができる」
55 天然ガスを利用した燃料電池は高効率「天然ガスから水素を作る」
56 バイオマスによるメタンガスの製造技術「古い歴史をもつ菌を利用」
57 水素を簡単に添加・分離し輸送・貯蔵する「有機ハライドやメタノールにする方法」

第8章 天然ガスの価格とリスク
58 世界の天然ガスの需給と価格の決まり方「世界の天然ガス市場は三地域に大別される」
59 主要産ガス国とガスOPECを巡る駆け引き「ガスではOPECはできにくい」
60 メジャーの技術としてのLNG事業「メジャーの専門店化の例」
61 LNG市場の現状と将来見通し「2030年には天然ガスの50%に!?」
62 我が国が輸入する石油とガス価格の推移「LNG価格におけるS字カーブ」
63 中国の天然ガス事情は?「中国国内のガス田・ガスパイプライン」
64 欧州ガス市場を巡る産ガス国の戦い「天然ガスを取り巻く地政学」
65 サハリンと東シベリアの天然ガス開発「日本の隣に大ガス田?」

【コラム】
メタンガスは微生物のウンチ
ガス徴はお風呂のオナラ
日本のLNG輸入量は世界一! 導入のいきさつ
ガス燃料の移り変わり
南極の氷が語る昔の二酸化炭素濃度
メタンの無機起源説に基づく地球深層ガス
究極のガス:水素エネルギー社会

参考文献
索引

はじめに

【改訂にあたって】


 2008年3月に初版「トコトンやさしい天然ガスの本」が発行されてから5年が経ちました。発行された年の1月2日、原油価格(WTI価格)は、一挙に急騰し、史上初めて1バレル100ドルを記録しましたが、7月初旬に145・29ドルを峠に一転急落、9月のリーマンショックと共に年末には30ドル台に暴落しました。しかし2009年末には再び1バレル80ドルレベルを取り戻し、その後80から100ドル近辺の間を高値推移しています。にもかかわらず米国のガス価格は6ドル~3ドル/百万Btu(英国熱量単位)の低レベルにあり、原油価格と乖離しています。
 一方、米国では国内天然ガスの供給不足が懸念されていましたが、原油価格高騰の追い風を受け、シェールガスの大増産が現実となり供給過剰を起こし、2012年には米国内ガス価格が3ドルを割る事態が生じました。そこで米国の石油化学業界では、今後、高値の石油に替わり発電源や石油化学の原料に安価なシェールガスを利用するための設備投資を急ぎ、産業構造の変革が現実のものとなっています。人々はこの変革を「シェールガス革命」と称しています。
 急遽出版したこの改訂版では、この様に目まぐるしく天然ガス事情が変わったこの5年間を反映して、北米で起こったシェールガス開発の実態とシェールガス革命の意義について第6章を大幅に加筆しました。また各種統計データは現時点で入手可能の最新の数値にアップデートしました。
 地球上における一次エネルギーの利用の歴史が19世紀の石炭(固体)から20世紀の石油(液体)へ、そしてその主役が21世紀にはおそらく天然ガス(気体)へ変わっていくであろうという見かたがあります。
 また、1997年京都で開催された地球温暖化を防ぐ気候変動枠組条約の第3回締約国会議で約束された温室効果ガス排出削減目標の履行期限(2008~12年)後の国際的合意はできていませんが、化石燃料の中で天然ガスが注目されていることには変わりありません。
 エネルギー利用の面で天然ガスは多くの利点を持っています。例えば、同じ重さの石炭や石油と比べると発熱量が大きく、効率的な活用が望めます。最新のコンバインド・サイクル・ガスタービン発電機ではセラミックスブレードの採用で燃焼温度を1500℃にまで高め、発電効率を昔の40%程度から62%まで向上させました。また新宿副都心のコジェネレーションシステムでは、ガスタービン発電機で電気を送ると同時に、排気ガスや冷却水の廃熱を温水や蒸気として回収し、冷房、給湯、暖房に利用し、高い総合エネルギー効率を天然ガスから得ています。これらは日本の高い技術として世界に誇れるものです。
 わが国では、2011年3月11日に起こった東日本大震災により、その後、日本全国52基の原子力発電所が停止し、その代替電源はLNGや石炭火力に頼らざるを得ず、日本のエネルギー政策は根本から見直さなければならなくなっています。震災前の2010年には、わが国一次エネルギーに占める天然ガスのシェアは、世界平均が24%に対して17%と少なく、石油は44%と世界平均より10%も多かったのです。わが国の天然ガスの消費量は年間約1000億立方メートルでこのうち国産の天然ガスは3%程で残りすべてをマイナス160℃に冷却した液体ガス(LNG)を年間約7000万トンも海外から輸入していたのです。ところが驚いたことに、福島原発事故後の2012年度には、わが国のLNG輸入量が8700万トンと25%も増加し、価格も上昇したためLNG購入費が年間3.5兆円から6.0兆円に急増しました。2015年以降はインドネシアはじめLNG長期契約が期限を迎えるので新たなLNG供給元を十分に確保できるかが心配です。
 本書は、今まで一般に知られていなかった「天然ガス資源」にスポットライトを当て、大学受験の高校3年生レベルの学生が理解できるようにわかり易い参考書を心掛けました。当然、その分野が専門でない一般のビジネスマンにも必携の教養書であることを狙っていますし、願わくば、ワーキングウーマンが本屋で手に取って見て頂けたらこれに越した喜びはありません。本書の執筆に当たっては、わが国の資源・エネルギー開発の実務経験と技術伝承を支えて来られた(独)石油天然ガス・金属資源機構:JOGMEC、国際石油開発帝石(株):INPEX、石油資源開発(株):JAPEXほか多くの専門家のご協力を頂きました。ありがとうございました。
2013年9月
藤田和男

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