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ついてきなぁ!品質とコストを両立させる「超低コスト化設計法」

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 228頁
ISBNコード 978-4-526-07086-0
コード C3053
発行月 2013年06月
ジャンル 機械

内容

「ついてきなぁ!」シリーズ第11弾。今回のテーマは「低コスト化設計」。ただし「当たり前、通り一遍の低コスト化はうんざり」なので、「超低コスト化設計法」なのである。「VE」「QFD」「品質工学」「TRIZ」「標準化」に加え、「モンテカルロシミュレーション(リスク分析)」「コストバランス」手法を加えた独自の「5+2」の開発手法で、品質を保持しつつ、確実な効果と即効性のある「超低コスト化設計法」を伝授する。

國井良昌  著者プロフィール

(くにい よしまさ)
技術士(機械部門:機械設計/設計工学)
日本技術士会 機械部会
横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師
首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師

1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事した。1999年、國井技術士設計事務所を設立。設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師として活躍中。
以下の著書が日刊工業新聞社から発行されている。

・ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』
・ついてきなぁ!『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!
・ついてきなぁ!加工部品設計で3次元CADのプロになる!
・ついてきなぁ!失われた『匠のワザ』で設計トラブルを撲滅する!
・ついてきなぁ!設計トラブル潰しに『匠の道具』を使え!
・ついてきなぁ!材料選択の「目利き力」で設計力アップ
・ついてきなぁ!加工部品設計の『儲かる見積り力』大作戦
・ついてきなぁ!設計のポカミスなくして楽チン検図
・ついてきなぁ!昇進したあなたに贈る「勝つための設計力」
・ついてきなぁ!設計心得の見える化「養成ギブス」 

目次

はじめに:職人は道具を使えて一人前!

第1章 低コスト化はうんざり!
1-1 間違いだらけの開発手法選び
1-2 本書の対象者と対象企業
1-3 的がなければ弓は引けない
 1-3-1 価格破壊は自己破壊
 1-3-2 無謀なコスト目標
 1-3-3 コスト度外視の贅沢開発はできるのか?
 1-3-4 なるほど!松下幸之助語録に納得!
1-4 弓がなければ矢は射られない
 1-4-1 大和魂ではグローバルで戦えない
 1-4-2 気合いだ!気合いだ!もっと圧力をかけろ!
1-5 コストに関する用語辞書
 1-5-1 設計見積り力の重要性について
 1-5-2 事例:低コスト化会議における隣国企業の実力
     〈超低コスト化力・チェックポイント〉

第2章 低コスト化へのインフォームドコンセント
2-1 低コスト化へのインフォームドコンセント(同意)
 2-1-1 医療現場におけるインフォームドコンセント
 2-1-2 低コスト化に関するコンセンサス(同意)
2-2 「5+2」種類が存在する低コスト化手法
 2-2-1 低コスト化手法を捨てた日本企業
 2-2-2 バックローディング開発からフロントローディング開発へ
 2-2-3 フロントローディング開発に必須の低コスト化手法
 2-2-4 設計プロセスと低コスト化手法の関係
 2-2-5 設計の前工程ってどこ?フロントローディングってどこ?
2-3 :隣国が躍進したその訳は日本が捨てたVE手法
 2-3-1 米国生まれのVE手法
 2-3-2 コストダウン手法とVE手法の違い
 2-3-3 事例:中部国際空港の大赤字を救った自動車企業の幹部
 2-3-4 事例:デジカメからファインダーをなくした偉業
2-4 :日本生まれのQFDで人気のデジカメを企画
 2-4-1 事例:QFDによる新デジカメを企画する
 2-4-2 事例:QFDによるポスタータイトルの決定
 2-4-3 簡易QFDでトライアル!
2-5 :日本生まれの品質工学で人気のデジカメを再企画
 2-5-1 事例:品質工学による新デジカメの再企画
 2-5-2 事例:品質工学による分析:第一ステップ
 2-5-3 事例:品質工学による分析:第二ステップ
 2-5-4 事例:品質工学による分析の結論
 2-5-5 品質工学の賢い導入方法
2-6 :韓国工業界躍進の原動力はTRIZ(トゥリーズ)
 2-6-1 ロシア生まれのTRIZ(トゥリーズ)とは
 2-6-2 事例:TRIZ40の発明原理とその絵辞書
 2-6-3 事例:それでも使えないTRIZ
2-7 :甘い!日本の大手自動車企業の標準化
 2-7-1 ドイツ車に腰を抜かした自動車企業の技術陣
 2-7-2 事例:標準化で負けた零式艦上戦闘機(零戦、ゼロ戦)
 2-7-3 事例:標準化で材料費半額の隣国EV(電気自動車)
2-8 最重要項目は設計見積りができること
 2-8-1 コストに無関心な日本人技術者
     〈超低コスト化力・チェックポイント〉

第3章 新低コスト化手法の取捨選択
3-1 二つの新しい開発手法を取捨選択
 3-1-1 品質とコストの両立ができない日本企業
 3-1-2 それでもできない!品質とコストの最適設計
 3-1-3 大黒柱を削って屋根が落ちる
3-2 :なんでもできるモンテカルロシミュレーション
 3-2-1 身近にあるモンテカルロシミュレーション
3-3 :中1数学で実践するコストバランス法
 3-3-1 コストバランス法の概念
 3-3-2 事例:レーザプリンタのレーザ部品はコスト上の難題
 3-3-3 何でもバレてしまうコストバランス法
 3-3-4 低コスト化手法に関するコンセンサス
     〈超低コスト化力・チェックポイント〉

第4章 これならできる!コストバランス法
4-1 開発手法に関するインフォームドコンセントの完了
 4-1-1 中1数学を駆使するコストバランス法
4-2 「これ以上の低コスト化はできない!」の見える化
 4-2-1 低コスト化不可能を目で確認
 4-2-2 鉛筆削り器の詳細構造を知る
4-3 事例:競合機分析から自社商品の実力位置を知る
 4-3-1 事例:競合機の情報を収集する
 4-3-2 事例:コストバランス法の近似式(業界線)と相関係数
 4-3-3 事例:業界線に対する自社の実力位置
 4-3-4 中1数学がわからない!相関係数って何?
4-4 事例:自社商品の鉛筆削り器を徹底的に低コスト化
 4-4-1 的(目標)は円でもなく%でもなく勾配(傾き)!
 4-4-2 部品費の見積り方法
 4-4-3 部品に関する低コスト化方針の決定方法
 4-4-4 組立費の見積り方法
 4-4-5 組立に関する低コスト化方針の決定方法
4-5 鉛筆削り器の30%コストダウンへの具現化
 4-5-1 部品分析における30%コストダウンへの具現策
 4-5-2 組立分析における30%コストダウンへの具現策
 4-5-3 事例:30%コストダウンの具体例
     〈超低コスト化力・チェックポイント〉

第5章 コストバランス法で材料高騰に緊急対処
5-1 事例:低コスト化を実施する商品の現状分析
 5-1-1 レーザプリンタのフレーム用鋼板材料の高騰
 5-1-2 コストバランス分析(CB分析)の作成手順
 5-1-3 コストモーメント分析(CM分析)の作成手順
 5-1-4 アンバランス要因とカウンターバランスという設計概念
5-2 鋼板の材料高騰に関するコストバランス法の実施
 5-2-1 マイナーチェンジの方針を決定する
 5-2-2 事例:具体的な設計変更の手順
 5-2-3 定着系に関するコストバランス法の深掘り
5-3 コモディティ別によるさらなるコストバランス法
 5-3-1 事例:コモディティ別の低コスト化活動
 5-3-2 これでもか!これでもか!とコストバランス法の醍醐味
5-4 禁じ手の鋼板フレームを低コスト化設計してみる?
     〈超低コスト化力・チェックポイント〉


おわりに:手法の有効活用は指導者で決まる!
書籍サポートのお知らせ

はじめに

職人は道具を使えて一人前!

あなたが技術者という職人なら、
低コスト化で使用している道具(開発手法)を紹介してください。



まさか……!

 少ない費用(Cost、コスト)で高い成果(performance、パフォーマンス)が得られる場合、「コストパフォーマンスが高い」と表現します。設計的には、「品質とコストの両立」、「品質とコストの設計バランスをとる」と言い、最高レベルの設計ワザとされています。

 最高レベルのワザを発揮するためには、どのような職人も道具を有しており、その道具を使いこなして一人前と言われます。下図は、低コスト化設計に必須の、設計職人には欠かせない道具(開発手法)であり、「5+2」種類が存在しています。
 安かろう、悪かろう……戦後、国内はもとより諸外国からも非難を浴びた日本製品ですが、QC手法などの科学的手法を導入した結果、メードインジャパンは高品質の代名詞となっていました。
 しかし、その後の日本製品は二つの方向へと邁進します。一つが過剰品質、もう一つは、過剰機能、つまり、客が望まない多機能化でした。

 一方、コストパフォーマンスを目標に、低コスト化を強化したのが隣国の工業界です。その結果が、液晶テレビやスマートフォン、その他の家電製品の急進です。実は、日本製品の原点であったことが悔しい限りです。
 コストパフォーマンスが高い商品の開発には、開発手法が必要で、それらを駆使して隣国の工業界が急進しました。しかし、前述した過剰品質と多機能化に開発手法は不要でした。日本企業は、すべての低コスト化手法を捨てたのです。
 そこで本書は、優れたコストパフォーマンスを求めて、今、設計の原点に戻ります。

【コンセプト】
 コストパフォーマンスが高い商品開発を目指すには、気合いや感性ではなく、優れた道具(開発手法)が必要であることを理解する。

【手段】
 ① 職人とは、道具を使いこなして一人前になれることを理解する。
 ② 低コスト化手法は「5+2」種類が存在し、その特徴を知る。
 ③ 設計職人は、道具(開発手法)を使って成果を得る。

【目標】
 「5+2」種類が存在する低コスト化手法のうち、確実な効果と即効性のある手法を選択し、低コスト化設計の実践へと導く。

 以上をもって、あなたを一気に即戦力へと向かわせます。本書は、あなたを道具が使える設計職人へと導きます。まずは、「超低コスト化設計法」から。

2013年4月
筆者:國井良昌

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