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絵とき 続「蒸留技術」基礎のきそ
―演習編―

定価(税込)  2,808円

著者
サイズ A5判
ページ数 280頁
ISBNコード 978-4-526-07056-3
コード C3043
発行月 2013年03月
ジャンル 化学

内容

蒸留技術の習得は演習問題を解いて実際に計算をしてみることが一番早道といわれている。そこで本書では「絵とき「蒸留技術」基礎のきそ」で取り上げた基礎理論について、蒸留技術計算の設題と解答を掲載した。どのような経過で解答にいたったかがわかるよう、解答の途中経過も掲載している。

大江修造  著者プロフィール

(おおえ しゅうぞう) 

昭和37年 東京理科大学卒業
石川島播磨重工業(株)(現IHI)入社
昭和50年 石川島播磨重工業(株)技術研究所・課長
現  在  東京理科大学理学部教授(工学博士)
      一般社団法人日本開発工学会 理事
表  彰  米国化学工学会(AIChE)Honoree、平成20年10月(蒸留部会 大江セッションの開催)
      文部科学大臣 科学技術賞(インターネット技術による化学技術の理解増進/平成17年度)
主要著書  「絵とき「蒸留技術」基礎のきそ」(日刊工業新聞社、2008年)
「コンピュータ利用工学」(日刊工業新聞社、1994年)
「設計者のための物性定数推算法」(日刊工業新聞社、1985年)
「蒸留工学―実験室からプラント規模まで―」(講談社、1990年)
「パソコンによるケミカル・エンジニアリング・デザイン」(講談社、1985年)
“Vapor―liquid Equilibrium Data”, Elsevier(1989年)
“Vapor―liquid Equilibrium Data at High Pressure”, Elsevier(1990年)
“Vapor―liquid Equilibrium Data―Salt Effect”, Elsevier(1991年)

ホームページ 「蒸留・蒸気圧・気液平衡・物性推算」を運営
URL http://s―ohe.com/index.htm

目次

はじめに

第1章 蒸気圧
1―1 蒸気圧とは何か?――蒸留の原理は物質の蒸気圧の差による――  
1―2 蒸気圧の式  
  (1)クラウジウス―クラペイロンの式  
  (2)アントワンの式  
1―3 蒸気圧を推算する  

第2章 気液平衡
2―1 気液平衡とは何か?――液体混合物の蒸気圧――  
  (1)共沸混合物  
  (2)二液相共沸混合物  
2―2 理想溶液――ラウールの法則――  
  (1)ラウールの法則  
  (2)ダルトンの分圧の法則  
2―3 定温の気液平衡  
2―4 定圧の気液平衡  
  (1)沸点計算  
  (2)沸点計算の方法  
2―5 定温気液平衡と定圧気液平衡  
  (1)相対揮発度  
  (2)定温気液平衡  
  (3)定圧気液平衡  
2―6 相対揮発度による気液平衡の計算法の得失  
  (1)相対揮発度によるx―y曲線  
2―7 非理想溶液――ラウールの法則にあわない場合――  
  (1)活量係数をどの様にして求めるか?  
   活量係数の意味  
  (2)非理想溶液の気液平衡の求め方  
   ファンラール式  
  (3)無限希釈における活量係数からファンラール定数の決定  
  (4)活量係数の全測定値からファンラール定数の決定  
  (5)マーギュラス式  
  (6)ウィルソン式  
   ウィルソン式の特徴  
  (7)無限希釈における活量係数からウィルソン式定数Λ12、Λ21の決定方法  
   多成分系への適用  
2―8 理想溶液と非理想溶液の関係  
2―9 気液平衡における塩効果  

第3章 蒸留の理論
3―1 フラッシュ蒸留(平衡蒸留)  
  (1)フラッシュ蒸留の計算  
  (2)q線の方程式  
3―2 蒸留(精留)とは  
3―3 蒸留方式  
  (1)連続式と回分式  
  (2)連続蒸留の計算  
  (3)物質収支の計算  
  (4)蒸留塔内の液と蒸気の流れ  
3―4 連続式蒸留塔の理論段数(2成分系の場合)
――マッケーブ・シール法――  
  (1)濃縮部の理論段数  
  (2)最小還流比  
  (3)回収部の理論段数  
  (4)蒸留塔の理論段数の計算例(1)  
  (5)原料の熱的状態  
  (6)最小還流比の求め方  
  (7)蒸留塔の理論段数の計算例(2)  
3―5 単蒸留  
  (1)レイリーの式  
  (2)単蒸留の計算  
3―6 水蒸気蒸留  
  (1)不溶解系の気液平衡  
  (2)水蒸気蒸留の計算法  

第4章 蒸留塔の設計
4―1 蒸留塔の構造  
4―2 蒸留塔の性能  
  (1)効率  
  (2)処理量  
4―3 蒸留塔の挙動  
4―4 蒸留塔設計の指針  
4―5 フラッディングの計算  
4―6 飛沫同伴量(エントレインメント)の計算  
4―7 圧力損失の計算  
4―8 塔効率の計算  
4―9 充填塔の圧力損失  
  (1)ローディングとは  
4―10 充填塔の効率―HETP―  
4―11 規則充填塔のフラッディング点を計算  
  (1)GPDC(Generalized pressure drop correlation)法  
4―12 充填塔の圧力損失の計算  
4―13 充填塔の高さ  

資料 
  1. FRI(米国蒸留研究機関)の公開データ  
   ・シーブトレイデータ(1)  
   ・シーブトレイデータ(2)  
   ・規則充填物のデータ(メラパック250Y)  
  2. アングルトレイ  
  3. 物性データ  
   ・蒸気圧線図(アントワン定数)  
  4. ホームページ  

付録 Excelによる科学技術計算
  1.Excelの使用法  
  2.方程式の解法  
   (1)未知数1つの方程式  
   (2)未知数複数の方程式  
   (3)連立方程式の解法  
  3.微分方程式の解法(ルンゲ・クッタ法)  
  4.数値積分法  
  5.実験式の作成法  
   (1)実験式(直線)の作成法  
   (2)実験式(原点を通る直線)の作成法  
   (3)実験式(f(x)=a+bx+cx2+dx3)の作成法  
  6.VBAにおけるプログラムの作成法  
   (1)VBAプログラム  
   (2)方程式の解(ニュートン・ラプソン法)  
   (3)連立方程式のマクロ作成  
  7.曲線近似 カーブフィッティング  
  8.検索システムの作成法  
  9.Excel利用上の留意点  
   (1)名前の付け方(VBA)の例  
   (2)範囲の選択(VBA)の例  
   (3)ソルバーを使う準備  
   (4)ソルバーをVBAで使う準備  
  10.単位換算  

索 引  

はじめに

 蒸留という技術は基幹的な技術です。蒸留酒を始めとして化学工業のみならず様々な工業で物質の精製のために必要な技術です。筆者は2008年に「絵とき蒸留技術基礎のきそ」を執筆しましたところ、多くの方に活用していただきました。出版から3年後の2011年には3刷が発行されました。読者の方々からのご要望により、ここにExcelによる演習編(本書)を出版することになりました。
 本書には前書の具体的な計算例をExcelで実行した結果を掲載していますとともに、計算例を理解するために、新たに例を増やしてあります。前書の「はじめに」で「説明を10回読むよりも1度の計算の方が、はるかに理解が進むのです。」と書きました。本書によりExcelの計算を実行していただくことにより、理解を完璧にする道を付けたと確信しています。
 Excelは科学技術計算に広く使われています。筆者の指導経験によりますと、Excelの使われ方のレベルは
1.四則演算+グラフ作成の利用
2.関数や内蔵されているソフトウェアの活用
3.マクロを自作し、Excelの機能を100%活用
の3段階に分かれています。本書は3のレベルまでExcelを使いこなせるようにしてあります。
 そのために、Excelを利用する科学技術計算を系統的に付録の中で説明しました。必要に応じて参照してください。
 Excelのバージョンには、Excel97、2003、2007、2010があります。科学技術計算に関してはExcel2003以降変更はありません。しかし、バージョンによってメニューの体裁がかなり変わっている部分もあり、戸惑うところです。このような時はWebサイト上の質問コーナーが役に立ちます。本書の計算例のほとんどはExcel2010によっています。
 蒸留技術では式を多用します。このような場合に便利な機能にセルに名前を付けるExcelの機能があります。この名前を使いますと、式が見やすくなりますし、間違いも少なくなりますので、本書ではセルの名前を活用しています。

 本書の使用方法 
 各計算例は次の構成となっています。
1.Excelによる実行結果を表示
2.計算に際し決めた各セルの名前の一覧を表示
3.計算式を表示
 計算例の内容を確認しましたら、実行結果を見て概略を理解します。次に各セルの名前(2番)と計算式(3番)を見比べながら、計算式を理解します。最後に、実際に計算式のとおりにExcelシートにキーインして実行し、計算例を100%理解していただきたく思います。

 本書は前書の演習編という位置づけになっています。本書のみで利用可能ですが、前書には原理や方法が詳しく説明してあります。前書と併せて利用していただければ幸いです。
 本書および前書を企画・立案していただきました天野慶悟氏に感謝いたします。後任の田中さゆり氏には加えて前書と本書との間の関係を注意深く検討していただきましたので記して謝意を表します。

2013年3月 
大江 修造

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