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調達・購買の教科書

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 272頁
ISBNコード 978-4-526-07008-2
コード C3034
発行月 2013年01月
ジャンル ビジネス

内容

ついに登場した『この一冊で調達・購買がすべてわかる!』本。調達・購買関係本の集大成として、調達・購買人員に必要なすべてのスキルを一冊に集約した「教科書」が本書。調達・購買人員に必要なスキル・知識を5分割し、さらに5レベルとした合計25のカテゴリーをそれぞれカリキュラム方式で授業のように解説。よみやすく、わかりやすく、しかも読んでいて楽しい!ぐんぐんスキルアップするおすすめ本。

坂口孝則  著者プロフィール

(さかぐち たかのり)
大阪大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買活動に従事。未来調達研究所株式会社取締役。株式会社アジルアソシエイツ取締役。調達・購買業務コンサルタント。製品原価・コスト分野の専門家。調達・購買担当者同士の情報交換ができる場、「購買ネットワーク会」発起人。バイヤーの立場から見た営業のあり方や、商売のあり方についても多くの情報発信を行う。
「ほんとうの調達・購買・資財理論」主宰。「世界一のバイヤーになってみろ!!」執筆者。『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、『大震災のとき!企業の調達・購買部門はこう動いた』(日刊工業新聞社)、『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著作22作。

ホームページ「未来調達研究所」:
 http://cobuybtob.sakura.ne.jp/
●ブログ「坂口孝則の本棚と雑文」:
 http://buyer.blogzine.jp/blog/
●メールマガジン「世界一のバイヤーになってみろ!!」:
 http://www16.ocn.ne.jp/~fastska/topbuyer.html
●Twitter:@earthcream

目次

はじめに

第1章 調達・購買 業務基礎〈スキル1~5〉
1-A 調達プロセス知識
 Sourcingで重要なこと
 品質管理で重要なこと
1-B 法律知識
 契約の基本
 ところで契約書とは
 下請法とは
 その他の法令より
1-C 交渉実務
 調達・購買担当者の交渉準備パート1
 そもそも論としての交渉前提
 調達・購買担当者の交渉準備パート2
 調達・購買担当者のための交渉実践
 交渉後にバイヤーがなすべきこと
1-D 市場調査
 市場調査準備として
 各社の調達・購買戦略
1-E 支出分析
 支出分析とは何か
 支出分析と調達・購買発注方針書のあとに
 加えて参考になる指標を二つ

第2章 コスト削減・見積り査定〈スキル6~10〉
2-A 見積り様式整備
 コスト情報備蓄の重要性
 どの領域でもコスト要素を横並び比較することが重要
 見積り様式整備がすべての基本
2-B 競合環境整備
 競合環境整備に必要なこと
2-C 見積り査定
 二つの査定方法
 コストドライバー分析
 独学者のために(参考パート)
 コストドライバー分析の例外処理
 コスト構造分析の基本
 コスト構造分析〈材料費〉
 コスト構造分析〈加工費〉
 コスト構造分析〈経費等・利益〉
2-D 開発購買の推進
 開発購買が実施できない理由
 方法論1.チーム化による開発購買
 方法論2.IT活用による開発購買
 方法論3.ルール・仕組み化による開発購買
 要求元へのヒアリング
 相手の不満に合致する提案をすることができるか
 これからの「仕様書」の話をしよう
 「5W2H」観点で仕様書を眺めてみると
 仕様書を眺める目の先にあるもの
 そして集中購買について
2-E 原価把握
 サプライヤの原価把握について
 変動費について
 固定費について
 そして変動費と固定費を使ったコスト分析について
 簡易的な損益分岐点計算方法
 固定費を回収するとサプライヤは利益が出る

第3章 海外調達・輸入推進〈スキル11~15〉
3-A 輸入業務基礎知識
 海外調達のプロセス
 海外調達の流れ
 海外輸入における対価の支払い
3-B 海外サプライヤ検索
 海外サプライヤの検索法
 見積り入手までのプロセス
 サプライヤチェックシート
3-C 輸入コスト構造把握
 輸入コストの構造
 「海上運賃」の構造
 関税について
 輸入コスト把握の必要性
3-D 契約・インコタームズ
 インコタームズとは
 具体的なインコタームズについて
 CIFとFOBについて
3-E 海外サプライヤとのコミュニケーション・法規
 海外サプライヤとのGAP
 「1.品質に関する考え方のGAP」について
 「2.使用言語のGAP」について
 「3.文化のGAP」について
 Know通達について

第4章 サプライヤマネジメント〈スキル16~20〉
4-A サプライヤ評価
 サプライヤマネジメントの基本
 サプライヤ評価軸とは
 サプライヤ経営評価について
 サプライヤ評価結果の集計
4-B サプライヤ集約
 サプライヤの層別化
 すぐれたサプライヤとの接し方
 すぐれていないサプライヤとの接し方
 下請中小企業振興法(振興基準)について
 そして、そして、品目への分解
4-C サプライヤ収益管理
 サプライヤ収益管理について
 ROEとROAについて
 キャッシュフロー計算書について
 ややこしいサプライヤ収益管理ではあるけれど
4-D サプライヤ倒産対応
 日本ではどれくらいの数の企業が倒産しているのだろう
 倒産の種類
 倒産の事前予知にむけて
 しかしとはいえ基本は基本
 それでも倒産してしまったときに
 そして倒産を繰り返さないために
4-E VOS(ボイスオブサプライヤ)
 ボイスオブサプライヤの評価軸
 ボイスオブサプライヤはカイゼン拡充作業

第5章 生産・モノづくり・工場の見方〈スキル21~25〉
5-A 工場・生産の分類
 生産方法の分類
 生産の流れによる分類
5-B サプライヤ工場把握
 バリューストリーミングマップを描く
 サプライヤ工場の「見える化」
 既存の工程を肯定することなく
 工程改善の具体的目標値
5-C 定性的管理手法
 在庫削減と固定費削減につながるか考えながらチェックする5Sポイント
 工場内のモノの動き
 工場作業者の動き・作業環境
5-D TPMの生産指標
 編成効率とバランスロス
 各工程の作業バランス
5-E 工場見学・監査
 単に工場を見に行くだけではなく

おわりに
索引

はじめに

 本書は、調達・購買担当者のための、調達の本です。
 この本一冊さえあれば、自社の調達活動を強固にし、かつ自身の調達スキルを最大に引き上げることができます。そのため、内容は非常に広範囲におよびました。本書は網羅的なので、机においていただければ、辞書のようにご利用いただけるはずです。
 もちろん割愛した内容もあります。ただ、教科書として調達・購買担当者に必要な内容をてんこ盛りにしました。まずは通してお読みいただき、あとは学習したい箇所から順に精読すれば、調達スキルが身につくはずです。
 昨今では、日本製造業の停滞、海外への生産移管、通貨危機などがさかんに報じられています。調達・購買にかかわる私たちは何を学び、どんな能力を身につけるべきでしょうか。LCC(ローコストカントリー)からの調達が喧伝されたあとは、LCB(ローコストバイヤー)という言葉すらあります。私たちが行っている調達・購買業務も、安価な労働力に任せてしまえ、というわけです。実際に、海外への購買外注もさかんになってきました。
 本書のもうひとつのテーマは、この逆流のなかでも、誰にも負けない調達・購買プロフェッショナルの育成です。強い調達担当者――。それは会社のなかでも抜きん出ることにくわえ、海外勢にも負けない強いプロフェッショナルになることです。そのために、真剣に、熱っぽく本書を書きあげました。

 まずはバイヤーのプロフェッショナルとしてのスキルと知識を整理する必要があります。この本の基礎となるスキル・知識マップを、私は次頁にまとめました。
 これが、私の考える調達人材のスキルマップです。もちろん、各種の書籍や資格制度、実経験などをもとにしています。「割愛した内容もある」と書いたとおり、たとえば、このなかにはシステム系の知識は入っていません。しかし、どうも私には調達・購買の教科書としてシステム系の知識が重要だとは思えないのです。(それこそLCBが知識の面で一気に抜き去るでしょう。)それよりも、根源的な、そしてこれから先も必要となる内容をまとめました。

 私が用意した軸は次の五つです。
 1.調達・購買業務基礎
 2.コスト削減・見積り査定
 3.海外調達・輸入推進
 4.サプライヤマネジメント
 5.生産・モノづくり・工場の見方
 そして、深度を横軸に広げました。合計で、5×5=25の知識・スキル体系となっています。たったの25かよ、と思った方もいるでしょう。しかし、かなり優秀なひとであっても、どこかが欠けています。また、この25のスキルを習得することが、LCBと闘うための武器になるはずです。
 私は海外の書籍も読んだものの、調達・購買人員に必要なスキルを体系立てて書いているものはありませんでした。したがって、大袈裟にいえば、日本初の明確なスキル・知識体系とすらいえるでしょう。
 もちろん、業種や業態によって、追加内容はあるはずです。建築業法などの追加知識が必須の企業もあります。ただし、調達・購買共通のスキルとしてはじゅうぶんです。逆に、何か欠けているスキルがあったら、それを補強すれば業界固有の調達スキルマップが完成するはずです。
 25個のスキルマップを色塗りできれば、自分の不足箇所がわかります。組織に広げれば、どのスキルを有する人材が少ないか把握できるはずです。
 これから本書では、これら25の内容を順次説明していきます。私が処女作「調達力・購買力の基礎を身につける本」でも述べたとおり、本書も現場のバイヤーのために、必要なことだけを集めて書きました。今日から使える内容になっているはずです。
 ひとりでも多くの調達・購買担当者が変わるきっかけになることを願って。

 2012年11月
 坂口孝則

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