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おもしろサイエンス
真空の科学

定価(税込)  1,620円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07004-4
コード C3034
発行月 2013年01月
ジャンル ビジネス 機械

内容

真空には、①圧差がある②熱伝導がない③水が蒸発しやすい④酸素が希薄⑤放電が起きやすい、という5つの大きな特徴があり、この機能を活かすことによって、今や、あらゆる産業で利用されている。本書では、真空の秘密から、真空を作り出す、広がる応用技術を、科学の視点から面白く解説。

木ノ切恭治  著者プロフィール

(きのきり きょうじ)
真空テクノサポート 代表

1941年 東京生まれ
1965年 東京理科大学 理学部応用物理学科 卒業
1965年 株式会社徳田製作所 入社
2001年 芝浦メカトロニクス株式会社(旧徳田製作所)定年退職
2001年 日本真空工業会 専務理事
2008年 日本真空工業会 を定年で退職
2008年 自営業 真空テクノサポート設立、産業技術総合研究所客員研究員を経て
    神奈川県工業技術研修センター、日本科学機器協会、日本真空工業会、
    明治大学理工学部などで真空入門講座の講師を務める。
主な著書
「真空薄膜製造技術とスパッタリング」月刊誌「アイオニクス」に執筆(1982年)
「実用真空技術総覧」共同執筆 産業技術サービスセンター刊(1990年)
「ものづくりと真空」工業調査会刊(2010年)


★本書の内容に関する最新情報を著者のサイトで提供しております。ご活用下さい。
http://www.shibatalab.org/

目次

はじめに

第1章 「真空」っていったいどんな状態のこと?
気圧より圧力が低くなると真空になる?
日常生活の中の真空 1 真空掃除機─吸引で掃除する
日常生活の中の真空 2 真空パック─酸素及び水分の透過を防ぐ
真空のすごい5つの機能

第2章 差圧を利用すればこんなすごいことができる
毎日飲む牛乳は真空吸引で絞っている
真空吸引することで物を運ぶ仕事がたくさん
真空吸着で小規模、ソフトな搬送ができます
真空を使った脱水は土木で大変な貢献をしています
日常生活から産業まで真空成形は人気者(Vacuum Forming)
玩具の生産から新車の開発までを真空注型がこなす(Vacuum Casting)
食品から環境衛生、工業製品まで真空含浸
液体の中に溶けている空気を真空で除くと何ができる
真空で空気を入れ替えるとこんなことができる

第3章 真空中では対流が起きないので熱が伝わらない
真空にすることで対流をなくすと省エネになる
冷蔵庫の庫壁はどうして薄くなったのか
病院等で見かけるガスタンクの断熱は真空断熱です

第4章 真空中では水分が蒸発し易く乾燥する
野菜は真空で冷却させてから市場へ送る
給食のおかずも真空冷却されている
焼酎も真空蒸留で作っている
スナック菓子のおいしさを守る真空蒸着
食品・電子部品産業で使われる真空乾燥って?
青汁と真空凍結乾燥
自動車、太陽電池、核燃料貯蔵等と真空溶解

第5章 真空だと酸素がないから酸化しない
電球の中は真空ですか?
真空ろう付けを使った魔法瓶の作り方

第6章 真空だと放電が起きやすいのだ
美しく光るネオンサインと真空
放電形照明灯とLED照明も真空?
スパッタリングの真空放電の中で薄膜を作る
プラズマの中に入れたガスで膜を作る
プラズマの中で膜を蒸発させてエッチングする
身体を透かして病変を撮るエックス線は真空技術が貢献
真空中の気体の成分を仕分ける優れもの(MS)
真空を使った粒子線治療が癌患者を救う
夢のエネルギー核融合実験炉は真空装置

第7章 新たに広がる真空の応用分野
ノーベル賞のカミオカンデとスーパーカミオカンデ
神岡鉱山地下1000メートルの重力波望遠鏡は超高真空装置
MRIやリニア新幹線の超電導は真空技術が支えている

コラム
真空はいつ生まれたか?
真空の圧力はなぜ何桁もあるの?
日本ではいつ真空が用いられたのか
あなたでも真空を作れます
ノーベル賞と真空
真空を使っている身近な産業①
真空を使っている身近な産業②

参考文献

はじめに

 “真空”という言葉は知っていても、それがどういうもので、どう使われているかということは、あまり知られていません。真空機器メーカにいる技術者でも自分の専門外の“真空”は意外に知りません。それどころか“真空”を使って仕事をしていても、自分は“真空”を使って仕事をしているとは思っていない人達もいます。出来上がった製品は真空工程を経て作られたなんてどこにも書かれていませんし、その気配すらないからです。
 また一方で、真空の利用は、農業、食品、医療、化粧品、自動車、鉄鋼、電気、半導体、液晶パネル、先端科学など多くの分野に幅広く広がっているため、かなり奥が深い技術となっているのです。
 このように多くの産業で使われている“真空”を、真空業界では“あらゆる産業の基盤技術”と位置づけています。

 “真空”は空気の分子が極端に少ない空間です。“真空”の中にものを置き何らかの真空の機能で処理をすると、そのものの品質や性質や姿や機能に変化を与えることができます。
 本書ではこの“何らかの真空の機能”を“真空の5つの性質”として特徴付け、5つの性質を生かした“真空”の仕事を紹介します。難しい真空の話はできるだけ避け、読者の皆さまが日常触れているもの、今話題になっているものなどの中から、それが“真空”とどう関わって作られてきたか、そのものに真空がどう使われているかなどについて解説します。
 “真空”への理解が少しでも進んで皆さまの知識の中に加えて頂けたら本書の目的は達せられます。どうぞ“真空”の世界を堪能してください。


 2013年1月
著 者 

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