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絵とき「配管技術」基礎のきそ

定価(税込)  2,808円

著者
サイズ A5判
ページ数 256頁
ISBNコード 978-4-526-06973-4
コード C3043
発行月 2012年11月
ジャンル 化学

内容

産業の基幹技術の1つである「配管技術」の基本事項を、初級者にもわかりやすくまとめた入門書。配管の部品構成、配管スペックの考え方やレイアウトから、熱応力・振動対策、配管工事・検査などまでを解説する。

西野悠司  著者プロフィール

(にしの ゆうじ)
1963年 早稲田大学第1理工学部機械工学科卒業
1963年より2002年まで、現在の株式会社 東芝 京浜事業所、続いて、株式会社 東芝プラントシステムにおいて、発電プラントの配管設計に従事。その後3年間、化学プラントの配管設計にも従事。
一般社団法人 配管技術研究協会主催の研修セミナー講師。
同協会誌元編集委員長ならびに雑誌「配管技術」に執筆多数。
現在、一般社団法人 配管技術研究協会参与。
日本機械学会 火力発電用設備規格構造分科会副主査。
西野配管装置技術研究所代表。

目次

はじめに

第1章 配管計画
1-1 配管技術とは
1-2 配管設計の手順
1-3 配管レイアウトの原則

第2章 管・管継手の強度
2-1 内圧により管に生じる力
2-2 内圧により管に生じる応力
2-3 直管の強度計算式
2-4 管継手の強度計算式
2-5 穴のある管の強度
2-6 例題

第3章 配管の熱膨張応力
3-1 一次応力と二次応力
3-2 熱膨張応力範囲
3-3 熱膨張反力
3-4 配管のフレキシビリティ

第4章 管路の圧力損失
4-1 ベルヌーイの定理と水力勾配線
4-2 ダルシー・ワイスバッハの式
4-3 経験式
4-4 拡大・縮小、管継手・弁の損失
4-5 圧縮性流体の圧力損失
4-6 例題

第5章 配管の振動
5-1 配管振動の基本的な考え方
5-2 振動の運動方程式をたてる
5-3 機械的振動-梁の共振
5-4 機械的振動-流体関連振動
5-5 音響的共振
5-6 ウォータハンマ
5-7 配管の耐震設計

第6章 配管の腐食と防食
6-1 配管の腐食・防食の基本
6-2 異種金属間のガルバニック腐食
6-3 電気防食の原理
6-4 電気絶縁
6-5 配管における代表的な腐食

第7章 鋼の性質と管・管継手
7-1 鋼の性質
7-2 配管に使われる管
7-3 鋼管の呼称とスケジュール番号
7-4 鋼管の種類と用途
7-5 鋼管以外の管
7-6 管の接合方式
7-7 管継手

第8章 材料力学とハンガ・サポート
8-1 サポートの材料力学
8-2 ハンガ・サポート
8-3 レストレイント・防振器

第9章 伸縮管継手
9-1 伸縮管継手の種類と構造
9-2 推力の大きさとその対処方法
9-3 べロース形管継手のプリセット
9-4 フレキシブルチューブ

第10章 弁
10-1 弁の形と名称
10-2 一般弁のプロフィール
10-3 安全弁のプロフィール
10-4 弁の圧力-温度基準
10-5 調節弁
10-6 弁駆動部

第11章 配管のスペシャルティ
11-1 ストレーナ
11-2 スチームトラップ

第12章 配管の溶接設計
12-1 配管で使う溶接方法
12-2 配管の溶接に際しての注意
12-3 突合せ溶接とすみ肉溶接
12-4 溶接部の強度と疲労
12-5 溶接部の変形と残留応力

〔より深く配管技術を学ぶための参考図書〕
索 引

はじめに

あなたも配管技術者

 本書は、これから配管技術者(またはプラント技術者)を志そうとする人、現在、その過程にある人、また、配管技術をおさらいしたい人、そういう人たちのために執筆しました。
 
 1.何を学ぶか
 過去刊行された配管技術の本で、今、図書館で手にすることのできる本は優に10指に余りますが、紙数の制限もあり、各筆者は自分の得意分野を中心に比較的限られた範囲を扱っているようです。
 本書は、これ1冊マスターすれば、一角の配管技術者になれるように考えて編みました。
 本書のタイトルは「基礎のきそ」ですが、かなり奥まで踏み込んだところもあります。それは「きそ」の「基礎」の上にもう一段積めば到達できる範囲と考えたからです。
 本書は「配管技術」の境界内で、できる限り間口を広げましたが、それでも、配管技術の全体を捉えることはできません。
 自分に未知の分野、例えば、解析、ノウハウ、製品などに接したとき、役に立つのは4力学(材料、流体、機械、熱)です。仮にそのノウハウや製品に初めて出会ったとしても、それらは4力学のベースの上に立っているはずです。したがって、4力学の理解があれば、のみ込みが速く、理解も深くなります。
 本書では4力学のうち特に配管技術に関係の深い材料力学、水(流体)力学、機械力学を取り上げました。
 本書は知識よりも考え方を重視し、本書の構成は、前半に工学を、後半に製品知識を置きました。
 材料力学は第2章、第3章、第7章、第8章において、水力学は第4章で、機械力学は第5章で、配管技術と関連づけて解説しました。
 製品知識は管・管継手、ハンガ・サポート、伸縮管継手、弁、ストレーナ、スチームトラップを取り上げましたが、単なる知識の紹介でなく、その本質のところが捉えられるように考えました。なお、配管レイアウトは第1章、配管の腐食・防食は第6章、配管の溶接は第12章に置きました。

 2.いかに学ぶか
 配管技術の習得、あるいは日々の業務において、心がけていただければと思うことを二、三挙げておきます。
(1) ものの原理を理解すれば応用が利く
 先にも似たことを述べましたが、何かの現象・事象に出会ったら、その原理、メカニズムがどうなっているかを見極めることです。原理、メカニズムを理解すれば、あとでいろいろ応用が利きます。
(2) 直感的に理解する
 ものの原理やメカニズムは直感的につかむようにします。直感的につかむには、イメージ化することです。イメージ化するには、文字どおり絵のかたちにしてみるのがよい。本書にも概念をイメージ化した図を幾つか載せました。それは、完全に正確とは言えないかも知れませんが、大まかな所を直観的に理解するには役立つと思います。
(3) ソフト計算結果のレビュー
 ソフトによる計算結果にはインプットミスなどにより、誤った結果が含まれている可能性があり、計算結果のレビューが不可欠です。しかし、そのレビューはコツを要します。ソフトと同じ計算式を使って追うのは大変です。概略式があれば使いますが、その手のものがない場合は、数値の大きさが概略合っているか、符号の正負が妥当であるか、などで評価することになります。このとき、原理、メカニズムの理解と4力学が役に立ちます。

〔備 考〕
 日本の、圧力容器や配管の規格はASME(米国機械学会)規格を下敷きとして作られ、ASMEが改定されると、一般に、あとを追うように改定されます。また、外国でプラントを建設する場合、指定されるCode(規格)は多くの場合ASMEです。
 そのような観点から、本書では、ASMEのPiping Code であるASMEB31.1Power Piping「発電プラント用配管」とASMEB31.3 Process Piping「プロセス用配管」を随所に引用しています。日本の規格では、JISB8201「陸用鋼製ボイラ構造」、JISB8265「圧力容器の構造-一般規格」を引用しています。
 本書で、単にB31.1とかB31.3と記したものは上記各Code を指し、Codeと記したものは、その両者を指します。
 また、ASTMというのが何か所が出てきますが、アメリカのASTM(米国試験材料協会)が策定した材料規格で、日本のJIS の材料規格に相当するものです。
 本書には、枠で囲った記事があります。章の途中に出てくる「用語解説」と「豆知識」は、本文の記事周辺に出てくる用語等を紹介するコラムです。
 最後に本書執筆の機会を与えて下さった、そしてアドバイスをいただいた日刊工業新聞社出版局長の奥村功氏、エム編集事務所の飯嶋光雄氏に心からお礼申し上げます。そして、本書執筆にご協力をいただいた多くの方々に感謝申し上げます。

2012年11月
西野 悠司 

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