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「エナジーデバイス」の信頼性入門
二次電池、パワー半導体、太陽電池の特性改善と信頼性試験

定価(税込)  2,592円

編著
編著
編著
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サイズ A5判
ページ数 256頁
ISBNコード 978-4-526-06974-1
コード C3054
発行月 2012年11月
ジャンル 電気・電子

内容

エナジーデバイスとは、電池を中心としたパワーエレクトロニクス関連のデバイスのこと。本書では、信頼性に関連した特性とその信頼性試験の概要を述べるとともに、二次電池、パワー半導体、太陽電池という各デバイスにおける特性改善と信頼性試験について解説する。

高橋邦明  著者プロフィール

(たかはし くにあき)【編著者代表】
現在:エスペック株式会社 信頼性試験本部 本部長
プロフィール:
株式会社 東芝にてオフィスコンピュータ、ノートPC、HDDなどの半導体実装、電子機器実装の研究開発・設計に携わる。
2007年5月エスペック株式会社へ入社、現在に至る。
2004年度〜2012年度、(社)電子情報技術産業協会、実装技術ロードマップ実行委員会 委員長
2005年度〜2006年度、(社)電子情報技術産業協会、実装技術標準化委員会 委員長
2002年度〜2004年度、(社)エレクトロニクス実装学会、回路実装設計技術委員会 委員長
2005年9月 (社)電子情報技術産業協会から鉛フリーはんだ実用化/規格化に関する標準化活動に対して標準化総合委員会委員長特別賞を受賞
2006年度、2008年度、国立大学法人 東京工業大学 統合研究院 非常勤講師
2010年度、2011年度、2012年度、国立大学法人 大阪大学 大学院工学研究科 非常勤講師

鳶島真一  著者プロフィール

(とびしま しんいち)
現在:国立大学法人 群馬大学 大学院 工学研究科 教授
プロフィール:
1979年、日本電信電話公社(現在、日本電信電話株式会社)入社。
2001年、現職。工学博士。
専門分野は、高エネルギー密度電池材料の研究。

高橋良和  著者プロフィール

(たかはし よしかず)
現在:富士電機株式会社 技術開発本部 電子デバイス研究所
次世代モジュール開発センター センター長
プロフィール:
1982年3月 早稲田大学理工学部卒業。
1982年4月 富士電機株式会社に入社。
以降 大容量半導体デバイスの研究/開発/製造 およびパッケージ・実装技術開発に従事し2008年から次世代パワー半導体の研究開発を担当、現在に至る。
2012年 現職。
所属学会:電気学会、応用物理学会、エレクトロニクス実装学会、日本デザイン学会。 工学博士。
2009年から早稲田大学 総合機械工学科 非常勤講師。

土井卓也  著者プロフィール

(どい たくや)
現在:独立行政法人産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター 太陽電池モジュール信頼性評価連携研究体 主任研究員
プロフィール:
1989年3月 筑波大学大学院修士課程修了
1989年4月 通商産業省工業技術院電子技術総合研究所入所
2001年4月 (独)産業技術総合研究所 電力エネルギー研究部門 主任研究員
2003年3月 博士(工学)(筑波大学)
2004年4月 (独)産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 主任研究員
2011年4月 より現職
受賞歴:日本太陽エネルギー学会奨励賞。電気学会優秀論文発表賞。

目次

第1章 製品開発に役立つ実用的な信頼性試験と加速性の考え方
 1.1 はじめに:開発・設計者に求められる信頼性設計とは
  1.1.1 バスタブカーブ(故障率曲線)
 1.2 今後日本の電子機器には何が求められているか?
 1.3 加速試験の考え方
  1.3.1 製品の信頼性を左右する「はんだ付け」
  1.3.2 高信頼性を目指すためのアプローチと試験の加速性
  1.3.3‌ 故障を再現できる加速試験の考え方:加速試験で故障モードを再現させる
 1.4 寿命予測の考え方
 1.5 試料数の考え方
 1.6 まとめ 基本に立ち戻って原理/原則を理解

第2章 二次電池
 2 はじめに
 2.1 電池の基礎理論
  2.1.1 電池のエネルギー(熱力学論的取り扱い)
  2.1.2 電池の取得電流(速度論的取り扱い)
 2.2 市販二次電池の特徴
  2.2.1 リチウムイオン電池の動作原理と特性
  2.2.2 市販二次電池の特性比較
 2.3 電池基本特性の測定方法
  2.3.1 公称電圧
  2.3.2 放電容量の測定
  2.3.3 電流取得性能
  2.3.4 放電(充電)特性の環境温度変化
  2.3.5 充放電サイクル寿命
  2.3.6 自己放電率
  2.3.7 電池の性能劣化評価
 2.4 リチウムイオン二次電池の安全性評価方法
  2.4.1 リチウムイオン電池の安全性劣化機構と要因
  2.4.2 市販リチウムイオン電池の安全性確保策
  2.4.3 リチウムイオン電池の安全性の現状
  2.4.4 リチウムイオン電池の安全性評価ガイドライン
  2.4.5 安全性試験前の電池の充放電状態
  2.4.6 電池の安全性評価試験方法概要
  2.4.7 小型リチウムイオン電池の安全性試験方法
  2.4.8 大型電池の安全性試験
  2.4.9 電池の安全性向上のための取り組み
 2.5 リチウムイオン二次電池の評価・試験方法
  2.5.1 リチウムイオン二次電池の試験規格
  2.5.2 リチウムイオン二次電池の評価試験
  2.5.3 リチウムイオン二次電池の劣化モードと加速試験方法
  2.5.4 リチウムイオン二次電池の測定・解析方法
  2.5.5 評価試験における作業環境への安全性
 2.6 おわりに

第3章 パワー半導体
 3.1 パワー半導体の構成
  3.1.1 はじめに
  3.1.2 パワー半導体とは
  3.1.3 主要パワー半導体の解説
  3.1.4 IGBTデバイス製品
 3.2 パワー半導体の特性
  3.2.1 静特性
  3.2.2 動特性(スイッチング特性)
 3.3 パワー半導体の信頼性試験
  3.3.1 パワー半導体の信頼性
  3.3.2 絶縁・放熱部品材料
  3.3.3 接合・接続部品材料
  3.3.4 保護・封止材料
  3.3.5 パワー半導体モジュールの信頼性と故障モード
  3.3.6 パワー半導体の信頼性評価
  3.3.7 パワー半導体の信頼性向上手法
 3.4 パワー半導体の環境試験規格と装置
  3.4.1 パワー半導体関連の環境試験
  3.4.2 環境試験
  3.4.3 信頼性試験
  3.4.4 その他の試験
 3.5 パワー半導体モジュールの改善・改良の方向性
  3.5.1 今後の要求性能向上ポイント
  3.5.2 研究・技術開発の方向性

第4章 太陽電池
 4.1 はじめに
 4.2 太陽電池の原理
 4.3 セル形成〜モジュール化工程
  4.3.1 セル化工程
  4.3.2 モジュール化工程
 4.4 セル,モジュールの電気的特性測定方法
 4.5 劣化・不具合事例,劣化・故障モード
  4.5.1 屋外運転中の劣化・不具合事例
  4.5.2 海外での不具合事例報告
 4.6 加速劣化試験と評価技術
  4.6.1 温度サイクル試験 Thermal cycling test[TC50, TC200]
  4.6.2 結露凍結試験 Humidity—freeze test[HF]
  4.6.3 高湿試験 Damp—heat test[DH]
  4.6.4 紫外線前処理試験 UV preconditioning test[UV]
 4.7 長期信頼性と加速試験(研究事例)
  4.7.1 温度と光照射の複合加速試験
  4.7.2 順方向・逆方向の電圧・電流サイクリック試験
 4.8 太陽電池モジュール信頼性試験の歴史と今後の動向・可能性
  4.8.1 太陽電池モジュール信頼性試験:事始めから現在まで
  4.8.2 太陽電池モジュールの試験装置
  4.8.3 次世代のモジュール信頼性試験をめざして
 4.9 太陽電池の改善改良の方向性
 4.10 おわりに

索 引

はじめに

 これからの工業製品領域において注目すべき技術領域のひとつは、エネルギー関係であることは間違いない。そのエネルギー領域の中にもさまざまな技術があるが、電力を蓄電するための技術として二次電池技術がある。特にリチウム二次電池に代表される高エネルギー密度二次電池はモバイルIT端末用には既に多くの実績があるが、今後は電気自動車(EV、HEVなど)、電動車両、あるいはスマートグリッド用の蓄電装置などへの展開が期待されている。
 発電や蓄電されたエネルギーを効率的に使うための技術としてパワー半導体がある。電力制御のかなめとして電流、電圧、周波数などの変換と制御をパワー半導体が担っており、エネルギー分野では必要不可欠なキーデバイスである。
 ほぼ全量を輸入に依存している石化エネルギーに頼らないエネルギー源として太陽電池パネル技術がある。自然エネルギーを有効活用する上でも今後も注目される。
 ただし、これらの技術もグローバルな世界競争の中で、一時でも研究開発を怠れば、すぐに他国に追い抜かれてしまう。これを阻止するには、素材・材料・部品・工法・接続条件・モジュール・組立プロセス制御・測定・安全性・耐久性・試験・評価などあらゆる要素の改良や新規提案が常に必要である。しかしながら、その改良技術や新規技術の効果を明確に確認しないと顧客への価値の提案につながらない。この効果確認は各種測定器と環境試験器を組み合わせた試験で確認することが多い。また製品寿命は近年長期化しているので、耐久性や信頼性試験を目的にした確認試験も必要不可欠となっている。本書では開発現場での実務に役立つ信頼性の考え方、二次電池・パワー半導体・太陽電池の原理、それぞれの信頼性試験方法をわかりやすくまとめた。
 本書が新しいエネルギー技術と社会の発展に少しでも貢献できることを願うものである。
 最後に、本書の編集・校正作業を担当していただいたエスペック(株)戸井恵子氏、小林晶子氏、(株)日刊工業出版プロダクション北川元氏に謝意を表します。

平成24年11月吉日
髙橋 邦明 

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