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ついてきなぁ!昇進したあなたに贈る「勝つための設計力」

定価(税込)  2,376円

著者
ページ数 228頁
ISBNコード 978-4-526-06970-3
コード C3053
発行月 2012年11月
ジャンル 機械

内容

「ついてきなぁ!」シリーズ第9弾。今回のテーマは「設計力(設計マネージメント力)」。「勝つこと」に拘らなければならない係長以上の設計者のために、「守備の設計」から「攻撃の設計」への意識改革を植え付け、さらにそれぞれの力量に応じた「技術コンピテンシー」を磨くことで、「技術マネージメント」と「戦略マネージメント」の力をつける。本書を読んで、勝つための「設計力」を身につけよう!

國井良昌  著者プロフィール

(くにい よしまさ)
技術士(機械部門:機械設計/設計工学)
日本技術士会 機械部会
横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師
首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師

1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年より、國井技術士設計事務所として、設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師として活躍中。
以下の著書が日刊工業新聞社から発行されている。

・ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』
・ついてきなぁ!『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!
・ついてきなぁ!加工部品設計で3次元CADのプロになる!
・ついてきなぁ!失われた『匠のワザ』で設計トラブルを撲滅する!
・ついてきなぁ!設計トラブル潰しに『匠の道具』を使え!
・ついてきなぁ!材料選択の「目利き力」で設計力アップ
・ついてきなぁ!加工部品設計の『儲かる見積り力』大作戦
・ついてきなぁ!設計のポカミスなくして楽チン検図

URL:國井技術士設計事務所   http://a-design-office.com/

目次

はじめに:守備の設計から攻撃の設計へ

第1章 設計マネージメントに必要なコンピテンシー
1-1 まさお君!課長昇格おめでとう!
1-2 コンピテンシーとは何々ができること
 1-2-1 設計マネージメントには「技術」と「戦略」がある
 1-2-2 技術マネージメントを理解する
 1-2-3 技術先駆者とは誰なのか?
 1-2-4 戦略マネージメントを理解する
 1-2-5 技術者として最も重要な年齢が35~40歳
1-3 先駆者とは技術マネージメントができること
 1-3-1 自己の技術コンピテンシーをソフトで診断
 1-3-2 技術コンピテンシー項目の内容
 1-3-3 技術コンピテンシーの結果と目標の設定
1-4 先駆者とは戦略マネージメントができること
 1-4-1自己の戦略コンピテンシーをソフトで診断
 1-4-2 戦略コンピテンシー項目の内容
 1-4-3 フロントローディング開発に必要な戦略マネージメント
 1-4-4 こうすればフロントローディング開発ができる
 1-4-5 戦略コンピテンシーの結果と目標の設定
1-5 設計マネージメントとは守備と攻撃ができること
 1-5-1 守備の設計:技術者の四科目をマネージメントできる
 1-5-2 攻撃の設計:開発ツールを使って分析できる
1-6 6W2Hによる第1章のまとめと確認
     〈勝つための設計力・チェックポイント〉

第2章 Q:品質戦略に必要なコンピテンシー
2-1 品質における技術マネージメントができる
 2-1-1 トラブルを半減すればCとDも半減できる
 2-1-2 6W2Hによる日々の技術マネージメントができる
 2-1-3 事例:6W2Hによる週報会での技術マネージメント
 2-1-4 フロントローディング開発を実行できる
 2-1-5 事例:造船企業におけるフロントローディング開発
 2-1-6 日々の設計審査とFMEA審査ができる
 2-1-7 事例:精密機械企業で設計審査ができない!
2-2 守備の設計から攻撃の設計へ移行できる
 2-2-1 攻撃の設計ができる
 2-2-2 戦略を練った企画書を作成できる
 2-2-3 事例:EV(電気自動車)に関する企画書
 2-2-4 企画書からブレークダウンした仕様書を作成できる
 2-2-5 事例:ファブレス企業におけるシュレッダーの仕様書
 2-2-6 同思想戦略とトレードオフ戦略を選択できる
2-3 6W2Hによる第2章のまとめと確認
     〈勝つための設計力・チェックポイント〉

第3章 Q:品質を攻めればCとDがついてくる
3-1 Qに関する戦略マネージメントができる
 3-1-1 過去トラブルのナレッジマネージメントができる
 3-1-2 トラブル三兄弟を指導できる
 3-1-3 トラブル三兄弟のノウハウブックを構築できる
 3-1-4 事例:製菓用自動機械の企業でノウハウ634件を抽出
3-2 トラブルの未然防止を指導できる
 3-2-1 トラブル未然防止のナレッジマネージメントができる
 3-2-2 3D-FMEAを駆使して品質を指導できる
 3-2-3 事例:化学品企業にて緊急の業務命令
 3-2-4 3D-FMEAに不可欠なワーキングトゥゲザーができる
3-3 高度なトラブル未然防止を指導できる
 3-3-1 インタラクションギャップでトラブル未然防止ができる
 3-3-2 事例:4Mで分析するインタラクションギャップ
 3-3-3 事例:シュレッダーで幼児の指切断
 3-3-4 事例:原発事故のインタラクションギャップ
3-4 6W2Hによる第3章のまとめと確認
     〈勝つための設計力・チェックポイント〉

第4章 Q:審査判定における戦略マネージメント
4-1 審査判定ができれば戦略マネージメントができる
 4-1-1 審査判定の手順とポイントを指導できる
 4-1-2 トラブル完全対策法で判定できる
 4-1-3 トラブルが再発するレベルダウン法で判定できる
 4-1-4 事例:回転ドアの注意看板はレベルダウン法
 4-1-5 事例:コネクタの色で判別はレベルダウン法
4-2 QCDPaに関する設計審査ができる
 4-2-1 設計者のためのデザインレビューを構築できる
 4-2-2 身の丈デザインレビュー(MDR)を遂行できる
 4-2-3 身の丈デザインレビューで「Q」を審査できる
 4-2-4 DQD(簡易設計書)で設計審査ができる
 4-2-5 事例:DQDによる戦略マネージメント
4-3 3D-FMEAの設計審査ができる
 4-3-1 承認と却下の判定ができる
 4-3-2 すべての技術分野で設計審査ができる
 4-3-3 設計に関する日常業務の優先順位を設定できる
 4-3-4 事例:優先順位の決め方
4-4 設計の業務改革ができる
4-5 6W2Hによる第4章のまとめと確認
     〈勝つための設計力・チェックポイント〉

第5章 C:低コスト化戦略に必要なコンピテンシー
5-1 低コスト化における戦略マネージメントができる
 5-1-1 常にコストを意識できる
 5-1-2 トータルコストデザインが理解できる
 5-1-3 五つの開発ツールを取捨選択できる
 5-1-4 二つの新しい開発ツールを取捨選択できる
 5-1-5 低コスト化開発ツールをプロダクト毎に指定できる
 5-1-6 事例:低コスト化開発ツールを指定する
5-2 トータルコストデザインで戦略マネージメントができる
 5-2-1 品質とコストのバランス設計ができる
 5-2-2 コストバランス法を指導できる
 5-2-3 コストバランス法とコストモーメント法を理解できる
 5-2-4 事例:コストバランス法の実施例
 5-2-5 事例:液晶テレビ衰退の分析と予測
 5-2-6 戦略的な低コスト化設計手法を駆使できる
5-3 6W2Hによる第5章のまとめと確認
     〈勝つための設計力・チェックポイント〉

おわりに:「今、リベンジを果たすとき」
書籍サポートのお知らせ

はじめに

守備の設計から攻撃の設計へ

 どうして、ここまで衰退したのでしょうか?……日本企業における商品企画力と設計力です。
 今、日本企業に必要な経営力の活性化には、強いトップの存在が求められる時代となりました。一方、技術力は「係長」、「課長」、「部長」であるトップ層寄りの中間層が先駆者となる時代です。
 下図にて、その年齢とポジションを確認してください。
 かつて、QC手法という「顧客第一主義に基づく企業の改善活動」が盛んでした。「安かろう、悪かろう」と、世界中から非難を浴びた日本製品を世界一の高品質へと導いたツールです。日本企業では、今でも新人教育で習います。

 しかし、時代は一変したのです。
 当事務所は、隣国の巨大企業の数社をクライアントにしていますが、それらの企業で、QC手法やQC活動に出会ったことは一度もありません。
 QC手法の根幹は、ボトムアップ方式。つまり、パートやアルバイトをも含む一般社員の士気高揚をベースに、経営を活性化するという特徴を有しています。
 ところが、隣国の工業力が急進し、EV、液晶テレビ、IT端末業界を中心に企業経営の活性化には、強いトップの存在が求められる時代へと変化したのです。これをトップダウン方式といいます。実は、かねてから経営の基本形です。

 当事務所の調査によれば、かつて、QC活動が盛んで有名だった日本企業ほど、衰退しています。何度も社長が交代する場合や、一度、会長に退いた練達の経営者が再び、社長の座に戻っています。ある有名な精密機器業界の経営者が、その理由を述べていました。
 社長となる人材の育成を怠った! 

 本書は、日本企業の経営を担う社長教育はできません。しかし、技術部門、とくに以下に示す設計に携わる「技術の先駆者」を支援します。
 ① 商品の設計者
 ② 部品の設計者
 ③ 生産ラインの設計者
 ④ 上記③における組立て装置、組立て治工具の設計者
 ⑤ 上記③における検査装置、検査治工具の設計者
 ⑥ 検図者
 ⑦ 設計審査員

 前述の技術先駆者を役職でいえば、「係長」、「課長」、「部長」であり、本書はそこにフォーカスしています。

 そして、技術先駆者に求められる力量は、「設計マネージメント」です。
 「設計マネージメント」とは、技術者に必須の「技術マネージメント」と、管理職に必須の「戦略マネージメント」に分類されます。
 前者の「技術マネージメント」を簡単に言えば、設計職に必要な設計知識とその実践を意味します。本書では「守備の設計」と称しています。教育を怠らない限り、日本企業は十分な教育環境にあると判断しています。

 しかし、問題は後者の「戦略マネージメント」です。本書では「攻撃の設計」と称しています。
 文科系社員に関する管理手法やマネージメントに関する書籍、セミナー、社内研修は昔から数多く存在し、現在も盛況です。ところが、技術系社員に関するそれらがほとんど存在していないのです。それどころか、前者の文科系社員のセミナーや社員研修に“一緒くたに”押し込まれ、技術を捨てる管理職へと導いている場合も少なくありません。これでは、「攻撃の設計」ができません。前述の隣国に追いつかれ、追い越されても当前となっています。

 今、日本企業に必要な技術力は「係長」、「課長」、「部長」であるトップ層寄りの中間層が先駆者となる時代であり、「守備の設計から攻撃の設計へ」の変貌に期待がかかっています。これが、「勝つための設計力」である設計マネージメントです。
 
【コンセプト】
 技術先駆者に期待される「勝つための設計力」とは、守備の設計から攻撃の設計へ移行すること。

【手段】
 技術先駆者に必須の設計マネージメントを「技術マネージメント」と「戦略マネージメント」に分類し、それぞれの力量を測る「コンピテンシー」で自己の実力と目標とのギャップを埋めていく。

【目標】
 前記、「技術マネージメント」と「戦略マネージメント」に関するそれぞれの目標値であるコンピテンシーモデルに達成する。

 本書は、将来の設計力を担う技術先駆者のために、最新の情報を織り込み、自己研鑽への意欲向上のきっかけを作ります。技術先駆者とは、昇進したあなたです!

 2012年9月
筆者:國井良昌

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