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FTA&TPPで国境がなくなる②
ボーダレス時代に日本はどう生き残るか

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ 四六判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06959-8
コード C3034
発行月 2012年10月
ジャンル ビジネス

内容

FTAなどの連携策が世界の経済国境を次々となくし、より大きな地域ブロックが出来はじめている。しかし、日本企業、日本人は今現在、この環境変化に全く対応できていない。本書は、このボーダレス化する世界の中で、日本はどうすれば生き残っていけるのかをわかりやすく解説していく。

嶋 正和  著者プロフィール

(しま まさかず)

 株式会社ロジスティック代表取締役、株式会社プランテックコンサルティング社外取締役。ボストン・コンサルティング・グループ、フットワークエクスプレス、ローランド・ベルガーを経て2000年に株式会社ロジスティックを設立。FTAのコンサルティングでは日本における第一人者。
主な著書
・「図解よくわかるFTA」
・「図解よくわかるFTA第二版 FTAとTPP」
・「震災に負けない復元力のある企業をつくる!」(共著)
(共に日刊工業新聞社刊)

株式会社ロジスティック
HP: http://logistique-inc.com(会社ホームページ)
http://fta-epa.com(FTA専用ホームページ)
メール: info@logistique-inc.com

FTAサービス・アライアンス・パートナー
株式会社プランテックコンサルティング
(ファシリティ・コンサルティング)
HP: http://www.plantec-consulting.com/

AINグループ
(アジア進出のワンストップ・コンサルティングサービス)
HP: http://www.aingroup.asia/

目次

はじめに

第1章 FTAとTPPが加速する経済のボーダレス化
日本国内で議論を醸すTPP 
FTAは何を目指しているのか? 
国境を取り払うFTA 
自由貿易推進の旗振り役:WTOからFTAへ 
海外での日本の振る舞い 
FTAが起こすパラダイムシフト 
収斂していく自由貿易のルール 
FTA交渉でのルール作り 
外国からの人の受け入れ 
TPPで議論されている二一分野 
日本はルール作りに加わる気があるのか 

第2章 ボーダレスワールドへ
FTAの進展と地域経済ブロック 
進展しないアジアの経済ブロック 
日本のアジア経済ブロックへの関与 

第3章 時代遅れなパワーゲームを続けるアメリカ、中国
領土を広げるのは動物としての人間の本能 
軍事力と経済 
抑止力としての軍事力 
抑止力としての経済力 
自由貿易と軍事力:世界のリーダーシップはどうとるべきか 

第4章 国ってなんだ?
国とは何か 
自由貿易が変えていく「国家の三要素」 
国もマーケティングが必要な時代に 
日本の「マーケティング」は正しいか 

第5章 日本企業はどう生き残るべきか
企業の国籍って何? 
グローバル化するサプライチェーンがもたらすもの 
日本企業のマネジメント手法の限界 
コンプライアンス対応がより重要となる 
本社の再構築 
グローバル・サプライチェーンを再構築する 
FTAを考えたサプライチェーン・シミュレーション 
複雑なグローバル・サプライチェーンの構築の支援ツール:コアプランナーSCM 
人事政策・社員の業績評価のあり方 
ボーダレス化の中での日本企業 

第6章 日本人はどう生き残るべきか
ボーダレスになるということ 
リーマン・ショックが日本に与えたこと 
国境がなくなることで日本人はどう困るか 
世界レベルでのサバイバルゲーム 
中途半端な人口を持つ日本 
日本人はどうすべきか 
世界で戦える人材になるには 
一芸に秀でる:専門家のすすめ 
世界共通の概念を習得する 
世界で伍して戦っていくにはπ型人間に 
英語のスキルの必要性 
パソコンのスキル 
日本人はボーダレス経済で活躍できるか 

第7章 日本はどうすべきか
日本国の選択肢 
実質的に「鎖国」する 
自由貿易を推進するために、国内の体制やルールをそれに合うように変える:農林水産業 
自由貿易を推進するために、国内の体制やルールをそれに合うように変える:産業分野 
FTAの推進、WTOのリーダー的役割 
外交通商部の設立 
日本発の輸出推進施策:「産業ヴィレッジ」 
ハブ港の再構築 
自由貿易支援センターの設立 
国にできることは多い

はじめに

 この本を執筆している時点(2012年9月)では、日本はTPPへの交渉参加表明を出していません。八月には参加表明がされるとのことでしたが、相変わらず政治は政局に終止し、日本の進むべき道が明らかにされないままです。政治家は、日本人が、日本企業が、どう進むべきかを判断できず、「漂流」している感が強くあります。
 2012年9月、「FTAとTPPで国境がなくなる① 巨大ブロック化する世界と孤立する日本」を出版し、以下のことを訴えました。
 ・世界経済は、自由貿易推進のため、その経済国境をなくす方向で進んでいる。その役割をWTOの代わりにFTAやTPPが担っている。ボーダレス経済の進展である。
 ・経済国境がなくなり、EUなどに代表されるような、より大きな経済ブロックが誕生した。この動きは先進国だけでなく、発展途上国でも同様である。
 ・経済国境がなくなることで国を超えての企業間の競争が激化するようになった。各国は世界で競争上優位に立てる産業を作り出そうとしている。一方で、競争上不利な産業は、関税で海外からの侵攻を防御するという、今までの方法での保護をやめ、その産業の関税を削減ないし撤廃して市場を開放し、片方でその国内産業を強化するプログラムを導入し、また補助金でその産業を支える方向に経済政策をシフトさせている。
 ・日本は、世界の経済ブロック化やボーダレス経済における日本の役割を明確にできず、かつ、農業を強化する施策にほとんど手が付けられていない。日本は他国と相入れない自国の論理を展開し、世界から孤立しつつある。
 つまり今、前作のタイトルが示すように、世界では、自由貿易が進み、新たな、そして大きな経済ブロックを生み出しているのに、それになかなか乗れない日本があるのです。
 日本は海に囲まれているため、隣国に接している感覚と緊張感はありません。これにより私達は、近隣国がどの方向に進もうとしているかを肌で感じることが難しいと言えます。しかし、だからこそ、情報のアンテナをしっかりと立てて、世界がどの方向に進んでおり、各国がそれに対してどういう方策を打ち立てているかを調べ、理解し、あるべき方向に進むように考えるべきなのです。
 本書は「FTAとTPPで国境がなくなる① 巨大ブロック化する世界と孤立する日本」の続編として執筆しました。日本企業が、日本人が、そして日本国そのものがどう変わるべきかを論じた本です。続編ではありますが、この本をお読みいただいてご理解いただけるよう、前回のエッセンスも交えております。
 世界の将来のことであるが故に、現段階で明快な答えがあるはずはありません。それを考える一助になればと思い、執筆しました。お読みいただき、是非ともご意見を賜りますれば幸甚に存じます。

2012年10月吉日
嶋  正 和

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