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板金作業の基礎知識Q&A

定価(税込)  2,160円

著者
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サイズ A5判
ページ数 204頁
ISBNコード 978-4-526-06953-6
コード C3053
発行月 2012年10月
ジャンル 機械

内容

板金は、プレス加工と並ぶ金属加工の花形加工技術。機械加工はもとより手作業でも行うことが少なくない。それだけにスキルの充実が求められている。本書は板金作業の入門書で、現場で必要な基礎知識やノウハウをQ&A形式でわかりやすく解説したモノづくり現場の必読書。

吉田弘美  著者プロフィール

(よしだ ひろみ)
1939年 東京に生まれる。
現在、技術士(機械部門)として企業の技術コンサルテイング業務に従事。
プレス金型関係の日本工業規格(JIS)原案作成委員などを歴任。
著書:「プレス加工のツボとコツQ&A」、「今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい金型の本」、「絵とき『みがき加工』基礎のきそ」以上、日刊工業新聞社 ほか多数。

佐藤栄作  著者プロフィール

(さとう えいさく)
1965年 山梨県に生まれる。
富士工業株式会社に勤務し、金型設計、新製品の開発、工法開発を含む試作品の製作などに従事し現在に至る。
金属プレス加工、金型製作特級技能士
金型製作技能検定委員

目次

はじめに  

第1章 板金加工の特徴と他の加工との区別
Q1―1 板金加工と他の加工の区別と加工の特徴は  
Q1―2 板金加工とプレス加工の特徴と使い分けは  
Q1―3 金型を利用した金属の塑性加工の種類と加工の内容は  
Q1―4 板金加工と鍛造加工の留時点と違いは  
Q1―5 板材の熱による切断(溶断、熱切断)の種類と加工方法は  
Q1―6 機械板金はどのような工場でどのように行われているの  
Q1―7 機械板金ではどのような機械が使われているの  

第2章  板金作業に必要な要素技術
Q2―1 曲げ加工製品の展開と計算方法は  
Q2―2 円筒、円錐および角錐の展開計算の方法は  
Q2―3 円筒製品を斜めに切断したときの展開図の作成方法は  
Q2―4 接合部の接合方法は  
Q2―5 材料の利用率の向上方法は  
Q2―6 被加工材の形状および寸法にはどのようなものがあるの  
Q2―7 薄い板の強度および剛性を向上する方法と注意事項は  
Q2―8 せん断加工の原理と上手な加工法は  
Q2―9 曲げ加工の原理と加工内容は  
Q2―10 成形加工の原理と加工上の注意は  
Q2―11 製品を正しく検査する方法と測定の方法は  
Q2―12 機械板金作業の安全対策は  

第3章 製品図からの工程設定
Q3―1 製品図の見方と図面の内容を理解する方法は  
Q3―2 加工を考えた製品の形状変更の方法は  
Q3―3 形状が複雑な製品の工程設定の注意事項と事例は  
Q3―4 目標どおりに製品を作るための管理の方法は  
Q3―5 大きな曲げ加工品の運搬および保管を考えた工程設定の注意事項は  
Q3―6 使用可能な機械設備を考えた工程設定とは  
Q3―7 加工法の選定と選び方の規準は  
Q3―8 専用金型その他の工具の必要性と製作の判断は  
Q3―9 完成品の精度を満足させる方法と個々の部品の精度は  

第4章 手加工板金の基礎と応用
Q4―1 手加工板金ではどのような製品がどのように作られているの  
Q4―2 自動車板金の工程と作業内容は  
Q4―3 外装板金の製品とその作業例は  
Q4―4 手加工板金でのけがき作業の方法は  
Q4―5 手作業用工具の種類とその使い方は  
Q4―6 鋏による切断方法と作業のポイントは  
Q4―7 手加工による切断および抜き加工の方法と工具は  
Q4―8 手作業での成形および絞り加工とその事例は 
Q4―9 打ち出し板金の事例と作業のポイントは  

第5章 機械による切断その他の分離加工
Q5―1 板材用せん断機の種類と特徴は  
Q5―2 せん断機での安全装置と安全対策は  
Q5―3 NCターレットパンチプレスの種類と特徴は  
Q5―4 NCT用金型のクリアランスの設定とかす上がり対策は  
Q5―5 NCTでの細いパンチの破損対策は  
Q5―6 NCTおよびレーザー加工でのミクロジョイントのポイントと注意点は  
Q5―7 板金加工用レーザー加工機の種類と使い分けは  
Q5―8 NCTとレーザー加工機の用途と使い分けは  
Q5―9 抜き加工とレーザー加工の複合機の長所を生かすには  
Q5―10 NCTの加工精度を高める方法は  
Q5―11 NCTおよびレーザー加工後のバリ(ドロス)を除去する方法は  
Q5―12 ワイヤ放電加工機の板金加工への活用方法は  

第6章 曲げおよび成形加工の基礎と応用
Q6―1 曲げ加工のスプリングバック対策は  
Q6―2 プレスブレーキ用の曲げ型の種類と構造は  
Q6―3 カーリングの加工方法と加工のポイントは  
Q6―4 プレスブレーキ(ベンダー)でできる特殊な曲げ加工は  
Q6―5 プレスブレーキで円筒形状に丸める方法は  
Q6―6 特殊な異形断面に曲げる方法は  
Q6―7 NCTおよびプレスブレーキによる接合方法とその特徴は  
Q6―8 プレスブレーキでの安全対策は  
Q6―9 ロール曲げ加工の種類とその加工方法は  
Q6―10 ロール曲げで円筒製品の真円度、円筒度をよくするには  
Q6―11 バーリングの不具合の原因と対策は  
Q6―12 ビーディング加工で製品がゆがむ原因とその対策は  

第7章 溶接作業の基礎と応用技術
Q7―1 溶接、ロー付けおよびハンダ付けの特徴と用途は  
Q7―2 アーク溶接(TIGその他)とレーザー溶接の違いと用途は  
Q7―3 薄板の突合せ溶接での穴明き不良の原因は  
Q7―4 へり溶接としごき溶接の特徴と加工上の注意とは  
Q7―5 溶接時に発生するひずみを最小にするには  
Q7―6 スポット溶接の強度計算と強度を安定させる方法は  
Q7―7 手作業での溶接と溶接用ロボットでの溶接の違いと用途は  
Q7―8 工法としての突合せ溶接の利点は  
Q7―9 溶接用のジグおよび補助器具の種類と使い方は  
Q7―10 手作業での溶接の安全対策は  

第8章 特殊な成形機械での成形加工
Q8―1 へら絞り(スピニング加工)の加工方法と特徴は  
Q8―2 へら絞り(スピニング加工)でできる製品と加工のの特徴は  
Q8―3 対向液圧成形の方法と他の加工法に対する特徴は  
Q8―4 加工が困難な難加工材用の高エネルギー速度加工とは  
Q8―5 引張り成形の特徴と加工の方法は  
Q8―6 パイプを変形させずにきれいに曲げる方法を知りたい  
Q8―7 液圧バルジ成形の方法と加工事例について知りたい  
Q8―8 長い製品の曲げ加工を行うロール成形での加工方法は  
Q8―9 逐次成形の方法と加工の事例は  
Q8―10 ゴムおよびウレタンなどの弾性体による成形加工のポイント  
Q8―11 マルチスライドマシンによる曲げおよび成形の方法  

第9章 板金加工後の仕上げ作業
Q9―1 反り、ひずみなどの修正の方法は  
Q9―2 加工後のみがきの方法は  
Q9―3 組立後の製品精度を向上させる方法は  
Q9―4 組立後の3次元形状の確認方法は  
Q9―5 組立後の分解および再組立での再現性を確保する方法は  
Q9―6 塗装の種類とそれぞれの塗装方法の特徴は  
Q9―7 スプレーガンでの塗装で塗装ムラを少なくする方法は

はじめに

これまでプレス加工および金型製作に関する執筆は多数行ってきましたが、板金に関するものは初めてです。
 板金作業は業界および作業内容があまりにも広く、関係する作業はそれぞれ独立した職種になっています。例えば、プレス加工その他の塑性加工、金型製作、溶断および溶接、塗装、仕上げ、組立などです。これらの職種を縦糸とすれば、これらを板金関係の製品を作る目的のために活用する横糸の役割をするのが、本書の目的です。
 今回本書の執筆に当たり、業界および企業を数多く取材しましたが、「板金作業」としての共通情報があまりに少なく、バラバラなことに驚きました。情報の活用の前提条件であり基本でもある、用語が全く統一できていません。このため大部分の企業と人は孤立したガラパゴス状態にあります。
 「当社独自のノウハウ、独自のアイデア」と言われるものも、その多くはすでに知られたものであり、それを当人が知らないだけです。これでは新しく参加する人、技術の向上を目指す人も、専門の知識は自分の周りの狭い範囲のものに限られ、努力の割に得られる効果は限られると思います。
 塑性加工関係での板金加工とプレス加工は、双子の兄弟のようなもので70%以上が共通していますが、本書はあえてプレス加工の情報を意識的に外し、「プレス加工以外」の部分にスポットを当てました。抜き、曲げ、成形および絞り加工などの専門的な部分は、プレス加工を参考にしてください。本書が板金作業に関する情報の活用に少しでも役に立てれば幸いです。
 本書の執筆に当たっては株式会社アマダ様より多大な取材の協力と資料の提供を頂きました。心より感謝いたします。また本書の出版に当たり、企画の段階から適切なアドバイスと支援を頂いた日刊工業新聞社出版局の野崎伸一氏に深く感謝いたします。

 2012年7月 
 佐藤 栄作、吉田 弘美 

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