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インドネシア・ベトナムの食品市場戦略ガイド

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06944-4
コード C3034
発行月 2012年09月
ジャンル ビジネス

内容

発展著しい東南アジア諸国の消費市場。一般に食品市場における日系ブランドの信頼感は高いが、アイデアと戦略次第では、後発企業や中小企業でも十分に戦える(稼げる)のが東南アジアの食品市場である。本書は、インドネシア、ベトナムを中心に新たに市場参入するためのセオリーを明らかにし、戦略立案を支援する。

目黒良門  著者プロフィール

(めぐろ らもん)
早稲田大学法学部卒業
早稲田大学大学院社会科学研究科修士課程修了
東京大学大学院工学系研究科博士課程(先端学際工学専攻)単位取得
現在、東京工科大学大学院アントレプレナー専攻(ビジネススクール)教授

専門は、戦略的マーケティングおよびグローバル・マーケティング。特に近年は、東南アジアにおける日系企業のマーケティング活動を中心にフィールドワークを続けている。
著書に「技術系ベンチャー企業のマーケティング行動分析」(学文社)、 「戦略的マーケティングの思考」(学文社)。

目次

はじめに ~市場参入のためのシンプル・アプローチ~

第1章 東南アジアの食品市場をどうとらえるか ~市場を分類する~
1.1 東南アジアの食品市場はなぜ有望なのか
(1)市場の有望性――“多くて”“若い”人口構成
(2)市場の有望性――消費の核となる中間層
(3)市場の有望性――旺盛な食品消費
1.2 東南アジアの食品市場を2つに分けてみる
(1)「先行アジア市場」と「後行アジア市場」
(2)「先行アジア市場」と「後行アジア市場」それぞれの特質
(3)「成熟」(先行アジア)と「成長」(後行アジア)を分ける基準

第2章 マーケティングセオリー ~実践すべき5つのセオリー~
2.1 [セオリー1] 「参入カテゴリー」の適切な選択
2.2 [セオリー2] 「製品戦略」の適切な選択
2.3 [セオリー3] 「製品化手法」の適切な選択
2.4 [セオリー4] バリューチェーン構築
2.5 [セオリー5] パートナーの適切な選択
2.6 市場参入の戦略的評価
(1)「マーケティングROI」
(2)海外市場参入のための「マーケティングROI」

第3章 インドネシア ~「先行アジア市場」にどう参入するか~
3.1 インドネシアの食品市場とは
(1)成熟期における市場同質化 ~少数有力企業中心の市場~
(2)強いブランド忠誠心
3.2 インドネシアの流通と小売
(1)インドネシアの食品流通
(2)インドネシアの物流事情
(3)インドネシアの食品小売
3.3 インドネシア食品市場への参入戦略
(1)優位性ある参入カテゴリー
   (セオリー1より:参入カテゴリーの適切な選択)
(2)オンリーワン価値戦略
   (セオリー2より:製品戦略の適切な選択)
(3)自国標準化手法
   (セオリー3より:製品化手法の適切な選択)
(4)バリューチェーン構築
   (セオリー4より:現地パートナー活用によるバリューチェーン構築)
(5)パートナー選択の条件
   (セオリー5より:パートナーの適切な選択)
3.4インドネシア市場における成功ケース ~敷島製パンが作り出した価値~

第4章 ベトナム ~「後行アジア市場」にどう参入するか~
4.1 ベトナムの食品市場とは
(1)成長市場 ~多数企業による競争的市場~
(2)食に関する受容性
4.2 ベトナムの流通と小売
(1)ベトナムの食品流通
(2)ベトナムの物流事情
(3)ベトナムの食品小売
4.3 ベトナム食品市場への参入戦略
(1)優位性ある参入カテゴリー
   (セオリー1より:参入カテゴリーの適切な選択)
(2)製品価値改善戦略
   (セオリー2より:製品戦略の適切な選択)
(3)現地適応化手法
   (セオリー3より:製品化手法の適切な選択)
(4)バリューチェーン構築
   (セオリー4より:現地パートナー活用によるバリューチェーン構築)
(5)パートナー選択の条件
   (セオリー5より:パートナーの適切な選択)
4.4 ベトナム市場における成功ケース ~エースコックが作り直した価値~

第5章 様々なアジアの食品市場
5.1 富裕層市場への参入戦略~香港の食品市場~
(1)香港の食品小売市場(モダン・トレードを中心に)
(2)香港に見る富裕層食品市場への参入ポイント
5.2 開発途上市場における海外食品販売状況 ~カンボジアの食品市場~
(1)メコンデルタ経済圏
(2)カンボジアの食品消費市場

おわりに
資 料
 1. インドネシアおよびベトナムの主要食品メーカー
 2. 各国のあらまし
参考文献
索 引

はじめに

はじめに
~市場参入のためのシンプル・アプローチ~


 発展著しい東南アジア諸国の消費市場。特に、近年は都市部を中心に増加しつつある中間所得層の購買力に注目が集まっている。現在、ベトナム、インドネシアを合わせただけでも日本の人口に匹敵するほどの中間層が存在している。インドネシアでは、消費の核となるこれら中間層人口が、2020年には約1.5〜2億人に増加すると言われている。また、中間層の大幅な伸びと同時に、日本製品への信頼感と好感度が高いのも、東南アジア消費市場の特徴である。
 しかしながら、中間層人口が急増し、日本製品の人気が高い東南アジア市場ではあるが、「食品カテゴリー」においては、一部の日系企業を除き、まだまだ日本ブランドが浸透しているとは言い難い。今後の戦略次第では、“後発企業”や“中小企業”、あるいは“地域企業”でも十分に戦える(稼げる)のが東南アジアの食品市場なのである。

 これまで、東南アジアの食品市場と言った場合、多くの日本人や日本人ビジネスマンは、東南アジアという広大な市場を一まとめにして論じるか、あるいは専門的視点から個々の国別市場についての分析・戦略立案を行ってきた。
 本書では、戦略立案に際して、そうした従来からのアプローチを行わず、“市場類型化”と“比較”の視点から、よりシンプルなやり方で参入戦略の策定を考えた。
 シンプルなやり方とは、東南アジア市場を、成熟化が進んだ「先行アジア市場」と、いまだ競争期(あるいは成長期)にある「後行アジア市場」に分類し、両者を“比較”しながらアプローチ方法を立案するという方法である。そうすることで、一見複雑に見える東南アジアの市場環境が、単純化され、把握しやすいものとなり、戦略立案もよりスムーズにできるようになる。
 今、食品業界において最も注目されている2つの市場、インドネシア市場とベトナム市場に関して言えば、インドネシア市場は「先行アジア市場」、ベトナム市場は「後行アジア市場」に“類型化”される。この2つの市場を“比較”しながら、参入戦略を作り上げることが本書の特徴である。

 筆者は、この数年来、農林水産省の委嘱による日本産食品の東南アジア市場への輸出・現地化調査に関わりながら、幾つかの調査報告を執筆してきた。本書の一部は、それらの報告における筆者自身による記述を踏まえたものとなっている。関係者各位に御礼申し上げたい。特に、財団法人食品産業センター、株式会社JTB西日本には、現地調査に際して大変にお世話になった。この場を借りて、深謝したいと思う。
 本書が東南アジア食品市場参入を考える企業、ビジネスマンの方々の戦略立案の一助になれば、これに勝る幸せはない。


目 黒 良 門

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