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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい旋盤の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06942-0
コード C3034
発行月 2012年09月
ジャンル ビジネス 機械

内容

旋盤は、「マザーマシン」と呼ばれる工作機械の代表選手。本書は、旋盤作業で使用する切削工具(バイト)、取付具、測定器から初歩的な旋盤作業、NC(数値制御)旋盤までを、写真やイラストを使いわかりやすく解説する。旋盤の役割、重要さなどが理解できる。

澤 武一  著者プロフィール

(さわ たけかず)
東京電機大学 工学部機械工学科准教授
博士(工学)、1級技能士(機械加工職種、機械保全職種)

1977年3月 滋賀県生まれ
2005年3月 熊本大学大学院自然科学研究科生産システム科学専攻修了
2005年4月 職業能力開発総合大学校精密機械システム工学科助手
2005年6月 富士フイルムグループ フジノン佐野株式会社(現:富士フイルムオプティクス株式会社)6カ月実務研修でカメラ鏡筒部品の切削加工、レンズ金型の超精密加工を学ぶ
2010年4月 東京電機大学工学部機械工学科准教授

●主な著書
絵とき「旋盤加工」基礎のきそ
絵とき「続・旋盤加工」基礎のきそ(スキルアップ編)
絵とき「フライス加工」基礎のきそ
ココからはじめる旋盤加工
目で見てわかる旋盤作業
目で見てわかるフライス盤作業
目で見てわかる研削盤作業
目で見てわかるエンドミルの選び方・使い方
目で見てわかる機械現場のべからず集 旋盤作業編
目で見てわかる機械現場のべからず集 フライス盤作業編
目で見てわかる機械現場のべからず集 研削盤作業編
目で見て合格 技能検定実技試験「普通旋盤作業3級」手順と解説
目で見て合格 技能検定実技試験「普通旋盤作業2級」手順と解説
(いずれも日刊工業新聞社から発行)

目次

第1章 旋盤は工作機械の王様
1 レオナルド・ダ・ビンチと旋盤 「ダ・ビンチは科学技術でも天才!」
2 なぜマザーマシンと呼ばれるのか? 「工作機械と母性原理および熟練工」
3 工作機械の三種の神器 「旋盤、フライス盤、研削盤」
4 旋盤の種類 「普通旋盤、立て旋盤、自動旋盤」
5 旋盤の構造 「旋盤の構造は5つに大別できる」
6 旋盤の縦と横、順方向と逆方向 「長い方向が「縦」、短い方向が「横」」
7 センタ間距離と振り 「旋盤の大きさを表す指標(その①)」
8 心高と尺 「旋盤の大きさを表す指標(その②)」
9 くし形とタレット 「旋盤の刃物台の種類」
10 案内機構の種類 「案内機構は「接触式」と「非接触式」に大別される」
11普通旋盤の案内面の形状 「普通旋盤の案内面は「山形-平形」の組合わせ」

第2章 バイトのイロハ
12 旋盤で使う刃物 「旋盤で使う刃物は「バイト」と呼ばれる」
13 旋盤で使う刃物の材質 「チップに使用される材質は9種類」
14 高速度工具鋼 「高速度工具鋼の略称は「ハイス」」
15 超硬合金 「超硬合金は最も多用されるチップの材質」
16 超微粒子超硬合金 「粒子を小さくすると、粘さが向上する!?」
17 サーメットとタングステン危機 「サーメットは、超硬合金に変わり得る!?」
18 コーティング工具 「コーティングは、特性を強化する」
19 CBNとダイヤモンド 「現存する物質で硬さのトップ2」
20 チップの角度(すくい角、逃げ角、切れ刃角) 「チップの角度は切れ味と寿命を左右する」
21 コーナ半径と削り残し 「チップ(刃物)の先端は丸い!?」
22 チップブレーカと切りくず処理 「切りくず処理は旋盤加工のポイント」

第3章 工作物を保持する道具
23 工作物を掴む(チャックとは?) 「チャックは工作物を掴む治具(道具)」
24 爪の使い方(内爪と外爪とは?) 「爪の使い方は二通りある」
25 爪の種類・生爪と芯金(アンコ)とは? 「生爪の加工には芯金が不可欠」
26 異形状を掴む・面板と回し板 「面板と回し板を有効に使う」
27 特殊な形状を掴む・ヤトイ 「特殊な形状を掴むにはヤトイが便利」
28 長い工作物を掴む・固定振れ止めと移動振れ止め 「長物の工作物には触れ止めを使う」

第4章 旋盤で使う測定器
29 金属製直尺(スケール)とノギス 「スケールとノギスは測定器の基本」
30 マイクロメータ 「外側マイクロメータと内側マイクロメータ」
31 アッベの原理 「アッベの原理はものづくりの基本」
32 ダイヤルゲージ 「ダイヤルゲージの構造と特徴を理解する」
33 シリンダゲージ 「シリンダゲージはダイヤルゲージを応用した測定器」
34 知っておきたい測定の必須知識 「測定精度と測定時間の関係、定期検査の必要性」

第5章 旋盤を動かしてみよう
35 段取りと5S 「機械加工は段取りで決まる!」
36 正しい服装と安全作業 「服装の乱れは気持ちの乱れ」
37 刃物台横送りハンドルの特徴 「半径値ダイヤルと直径値ダイヤル」
38 心出し作業 「工作物回転中心と主軸の中心を一致させる」
39 2点心出し作業 「心出し作業は工作物の2点で行う」
40 バイトを刃物台に取り付ける 「バイトのシャンクは刃物台に沿わせる」
41 バイトの心高合わせ 「バイトの刃先を工作物の中心に合わせる」
42 心高合わせの方法と確認 「バイトの心高合わせの方法は3つある」
43 バイトの突き出し長さとたわみ 「切削抵抗によりバイトはたわむ、たわみはびびりの原因」
44 工作物の回転数を決めよう 「(切削条件その①)回転数は切削速度から計算する」
45 バイトの送り量を決めよう 「(切削条件その②)バイトの送り量はコーナ半径から決める」
46 切込み深さを決めよう 「(切削条件その③)切込み深さの設定は慎重に」
47 正しい立ち位置と作業姿勢 「工作物の回転方向の延長線上に立ってはいけ
ない」
48 旋盤でできるいろいろな加工と注意点 「外径加工、端面加工、内径加工、
穴あけ加工」
49 ねじ切り加工と原理 「ねじ切り加工は同じ切削を数回くり返す」
50 往復台と刃物台の定位置 「旋盤の経年劣化を抑制する方法」
51 給油、注油の必要性と潤滑油の種類 「給油と注油は段取りの一作業」
52 切削油剤と環境負荷 「切削油剤は切削作用を円滑にする働きをする」

第6章 旋盤作業の周辺知識
53 いろいろな案内面の形状 「工作機械の案内面にはいろいろな形状がある」
54 刃物台の案内面 「刃物台の案内面の形状は「あり溝」」
55 きさげ面ときさげ加工 「きさげ面はうろこ状の面」
56 剛性とは 「剛性は工作機械の評価基準」
57 バイトのたわみ量の計算 「バイトのたわみ量は計算で求められる」
58 ばりと削り残しのJIS規格 「「ばり」や「削り残し」はコスト低減の大敵」
59 チップの摩耗と切削速度の関係 「工具摩耗を適切に判断する」
60 切削速度とソロモンの法則 「チップの材質は時代とともに開発されてきた」
61 ナローガイドの定理 「往復台の案内面(山形)と往復台の自動送り伝達軸の位置関係」
62 アライメントの原理 「工作機械の構造誤差を「ミスアライメント」という」
63 究極の旋盤加工とその考え方 「切りくずを変形させず、同じ場所に飛ばす」

第7章 コンピュータで動く旋盤
64 数値制御(NC)旋盤とターニングセンタ 「座標値で操作する旋盤がNC旋盤」
65 簡易NC旋盤と対話式 「だんだん便利になる旋盤の機能」
66 NC旋盤の座標の考え方 「NC旋盤加工は座標系が必須知識」
67 NCプログラム 「NC工作機械を動かすためのプログラム」

コラム
●目に異物が入ったときは擦らない
●巻き込まれに注意!!
●測定器の選択指針
●旋盤加工とオリンピック(砲丸とハンマー)
●旋盤加工の資格(技能検定)
●旋盤加工のオリンピック(技能五輪)

参考文献
索引

はじめに

 本書を手に取った方は、「旋盤加工」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。「旋盤加工」は、「旋盤」と「加工」という単語が足し合わさった言葉で、その意味は、「旋盤」と呼ばれる「工作機械」を使って、「新しいものをつくる(加工する)」ということを示します。

もう少し詳しく述べると、「旋盤加工」は、回転させた工作物(材料)に刃物を押し当てて、不要な箇所を削り、所要の形状(新しいもの)をつくる加工法で、簡単にいえば、鉛筆削りやリンゴの皮むき、大根の桂むきなどとメカニズムは同じです(鉛筆削りも、リンゴの皮むきも、回転する材料に刃物を押し当てて、新しい形状をつくりだしています)。したがって、「旋盤加工」というとむずかしいという印象をもたれる方も多いと思いますが、旋盤加工は鉛筆削りやリンゴの皮むきなど日常生活で行う作業とまったく変わりません。

 旋盤加工をはじめ機械加工(ものづくり)には、日常生活から生まれたアイデアが多く取り込まれており、ものづくりは人類の知恵の結晶といえます。ただし、「旋盤」で加工する工作物(材料)は一般に硬い金属であるため、鉛筆や野菜を切るように比較的簡単ではなく、一定のノウハウが必要で、安全作業にも留意しなければいけません。

  このような観点から、本書は、「今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい」という題目のとおり、「旋盤」の役割、構造、刃物の種類、旋盤で使う道具、測定器の種類、使い方(加工事例)、使う上での注意点、周辺知識について、簡潔に、必要なことだけ、わかりやすく解説しました。「旋盤」に関する書籍は数多く出版されていますが、その多くは、工学者向けの専門書であるため、これから旋盤を学ぼうとする方、旋盤についてちょっとだけ知りたい方には、不必要で、むずかしい情報が多く記載されており、必ずしも適当な内容とはいえません。

そこで本書は、従来の専門書とは異なり、「旋盤」に関して知っておきたい基礎知識を67項目に分類し、1項目約800字で解説しています。したがって、「旋盤」に関して知識や経験のない初心者の方々でもストレスを感じることなく、読みきれる内容になっています。もちろん内容は十分に精査し、よりわかりやすく解説するために何度も修正、加筆を行いました。著者自身、「旋盤」に関する著書を多く執筆させていただいていますが、本書はまさに集大成といえる内容になっています。「旋盤」に関する第一歩は本書からはじまるといっても言い過ぎではないといえます。本書が読者の方々にとって「価値」ある内容であったならば幸甚です。

  最後になりましたが、本書を執筆する機会を与えていただきました日刊工業新聞の奥村功出版局長、執筆、編集、校正に際し、ご懇篤なご指導、ご鞭撻を賜りましたエム編集事務所の飯嶋光雄さん、本文デザインを努めていただきました志岐デザイン事務所の矢野貴文さんに厚く御礼申し上げます。

2012年9月                                
澤武一

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