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難削材の上手な削り方
チタン合金

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 180頁
ISBNコード 978-4-526-06933-8
コード C3053
発行月 2012年08月
ジャンル 機械

内容

チタン合金は軽くて高強度で耐熱性や耐食性にも富むなどの優れた材料特性をもち先端技術分野から日常の生活必需品に至るまで幅広く用いられるようになったが、加工面から見ると最も代表的な難削材である。豊富な実用的加工情報に基づいてチタン合金の上手な削り方を解説する。

狩野勝吉  著者プロフィール

(かりの かつよし)
1937年 宮城県生まれ。中央大学卒業
1960年 三菱金属(現・三菱マテリアル)(株)入社
1972年 同社東京製作所技術開発部
1991年 三菱マテリアル(株)筑波製作所研究開発センター
現在、(株)独産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 客員研究員、高度職業能力開発促進センター非常勤講師
所属学会:日本機械学会、精密工学会
主な著書
「難削材の切削加工技術」(工業調査会)、「データでみる切削加工の最先端技術」(工業調査会)、「切削加工のトラブルシューティング」(工業調査会)、「データでみる次世代の切削加工技術」(日刊工業新聞社)、「難削材・新素材の切削加工ハンドブック」(工業調査会)、「切削加工実践Q&A100選」(日刊工業新聞社)、「生産現場必携 切削加工の技術情報103」(工業調査会)、「初級技術者に伝えたい切削加工の技術&技能」(日刊工業新聞社)、「難削材の上手な削り方 ステンレス鋼」(日刊工業新聞社)、「難削材の上手な削り方 金型材料」(日刊工業新聞社)

目次

はじめに  

第1章 チタン、チタン合金の組成と特性
 1.1 切削加工の技術革新と難削材  
 1.2 チタンとチタン合金  

第2章 チタン合金の被削性に関する現象
 2.1 切りくず形態と削りにくさの切削現象  
 2.2 チタン合金の切削抵抗  
 2.3 切削抵抗の動的成分が大きい  
 2.4 切削熱による工具損傷トラブル  
 2.5 工具材料との高親和性と工具損傷トラブル  
 2.6 加工硬化と異常なノッチ摩耗現象  
 2.7 チタン合金と一般材の被削性の比較データ  

第3章 旋削加工の上手な進め方
 3.1 旋削加工の特性と一般的切削推奨条件  
 3.2 超硬合金による切削データ  
 3.3 超微粒子超硬合金とPVD法コーテッド超硬合金  
 3.4 CVD法コーテッド超硬合金の切削特性  
 3.5 ダイヤモンド焼結体の切削性能  
 3.6 cBN焼結体の上手な使い方  
 3.7 選択してはならない工具材種  
 3.8 チタン合金切削用チップブレーカ  
 3.9 切れ刃形状の上手な選び方  
 3.10 切削条件と切削データ  
 3.11 断続切削と工具損傷  
 3.12 切削油剤の有無と工具損傷  
 3.13 旋削加工部品のツーリング事例
(1)生体用メディカル部品  
 3.14 旋削加工部品のツーリング事例
(2)航空機エンジン部品  

第4章 ドリル切削の上手な進め方
 4.1 ドリル切削と一般的推奨切削条件  
 4.2 ハイスドリルのメリットとデメリット  
 4.3 超硬ソリッドドリルとコーテッド超硬ソリッドドリル  
 4.4 ヘッド交換式コーテッド超硬合金ドリル  
 4.5 チタン合金のドリル切削での工具損傷トラブル  
 4.6 ドリル切削部品のツーリング事例
(1)生体用ボーンプレート  
 4.7 ドリル切削部品のツーリング事例
(2)航空機エンジン部品  

第5章 エンドミル切削の上手な進め方
 5.1 エンドミル切削と一般的推奨切削条件  
 5.2 ハイスエンドミルと超硬合金エンドミル  
 5.3 エンドミル切削での他材との被削性比較  
 5.4 アンチバイブレーションエンドミル  
 5.5 マルチクーラントエンドミル  
 5.6 高速・高能率切削用インサート式エンドミル  
 5.7 エンドミル切削部品のツーリング事例
(1)複雑形状部品の倣い加工  
 5.8 エンドミル切削部品のツーリング事例
(2)航空機ランディングギヤ部品  

第6章 正面フライス切削の上手な進め方
 6.1 正面フライス切削の諸現象と一般的推奨切削条件  
 6.2 工具材種の選び方と切削データ  
 6.3 正面フライス切削の不適正工具材種  
 6.4 切れ刃形状の選び方と切削データ  
 6.5 切れ刃形状の適否に関する切削データ  
 6.6 切削条件と工具損傷、工具寿命特性  
 6.7 切削油剤の有無と工具損傷  
 6.8 切りくずの噛み込みトラブルを防止せよ!  

索 引  

はじめに

本書は、切削データを豊富に紹介してチタン合金の上手な削り方を平易に解説したものである。

  一般材料の切削データや切削経験が活用できない難削材になると、切削加工が著しく困難になる。航空・宇宙分野で多用されるチタン合金はその代表例といってよい。切削データの扱いも極めて閉鎖的で、生産現場の技術情報が公開の場で語られることはほとんどないが、技術社会の最先端分野で多用される材料であり、需要と切削事例が加速度的に拡大し続けている。生産加工の高精度化、高能率化、低コスト化の実現過程で切削データや技術情報が強く求められている。

  第1章でチタン合金の組成と特性、第2章でチタン合金の被削性に関する切削現象を述べ、第3章で旋削加工、第4章でドリル切削、第5章でエンドミル切削、第6章で正面フライス切削を取り上げてチタン合金の上手な削り方を解説した。チタン合金の組成と被削性を述べるとともに、加工形態別に一般的推奨切削条件を提示し、加工形態と切削現象の特性、最適な工具材種や最適な切れ刃形状の選択、適正な切削条件の設定、トラブルシューティングなどに不可欠な技術情報を分かりやすく解説した。

  技術情報が極めて少ない分野なので、切削加工技術を可能な限り実切削データで解説するように努めた。本書が技術者の自己研鑚と技術力向上に役立つことができれば著者の喜びとするところである。

  最後に、切削データや技術情報を提供して頂いた三菱マテリアル㈱、貴重な文献を引用させて頂いた方々、並びに、出版にあたり多大なご助言とご尽力をいただいた日刊工業新聞社出版局書籍編集部の森山郁也氏に衷心より深謝する次第である。

2012年8月
著 者   

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