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見える化でわかる
原価情報システムの作り方と使い方

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 212頁
ISBNコード 978-4-526-06927-7
コード C3034
発行月 2012年08月
ジャンル 生産管理

内容

本書は、社内の各部門(設計、技術、製造、管理、購買など)を統合する原価情報システムを構築するために必要な手順や確認項目、調整項目、データベースなどをわかりやすく解説した原価情報システム構築のための手引き書。儲かる企業になるための必読書といえよう。

小川正樹  著者プロフィール

(おがわ まさき)
 1955年 神奈川県横須賀市に生まれる
 ㈱日本能率協会コンサルティングを経て、現在、㈱MEマネジメントサービス代表取締役。マネジメントコンサルタント、技術士(経営工学)、明治大学専門職大学院会計専門職研究科 特任教授、法政大学 大学院アカウンティングスクール 兼任講師。
 原価計算、原価管理、原価見積、原価企画などに関するシステムの立案、構築、実施やVE・IEや品質工学などを通じて総合的コストダウンを展開し、企業の業績を改革するコンサルティング業務が活動の中心である。
 主な著書:『技術者のための見積原価計算』(共著)
『CIMハンドブック』(共訳)
『技術者のための原価企画』(共著)
『理想原価への挑戦』(共著)
『絵でみる原価計算のしくみ』
『図解でわかる 高品質・低コスト生産のすべて』
 以上、日本能率協会マネジメントセンター刊
『実践原価企画』(編著者)税務経理協会刊
『絵でわかる超入門原価計算』 すばる舎刊
『よくわかるレイアウト改善の本』
『よくわかる品質改善の本』
『見える化でわかる原価計算』
『見える化でわかる開発段階の製品原価管理』
 以上、日刊工業新聞社刊

連絡先
〒143―0024 東京都大田区中央6―29―2
TEL(03)3755―5437 FAX(03)3755―8366
E―mail:ogawa@mejapan.com
http://www.mejapan.com

目次

はじめに  

第1章 原価情報システム構築に向けての確認項目
 1―1  システム構築の目的をどこに置くか  
 1―2  システム構築の達成目標は定量化しているか  
 1―3  コスト低減の可能性は定量化しているか  
 1―4  業務特性とコンピュータの活用領域を選定する  
 1―5  自社開発かパッケージソフトウェアかを決定する  
 1―6  ERPパッケージの理想と現実を知る  
 1―7  ERPパッケージの導入を成功させるポイントは何か  
 1―8  クラウド時代に対応する原価情報システム  
 1―9  原価情報システム構築の手順を整理する  
  コラム(1) 日本のICT競争力  

第2章 原価情報システム構築のツボと全体像を描く
 2―1  基本設計のポイントと注意事項は何か  
 2―2  誰が、何を、いつ、どのような原価で見たいのか  
 2―3  目的別の原価計算とその使い方  
 2―4  原価計算の2つの流れ、「事前原価計算」と「事後原価計算」  
 2―5  製品別と部門別の原価計算の違い  
 2―6  事前原価計算で求める見積原価と標準原価とは  
 2―7  原価計算から業績を評価する原価情報へ  
 2―8  コストデータベースは標準原価で一元化する  
 2―9  標準原価をベースにした原価情報システムの全体像を描く  
  コラム(2) 原価にならないお金  

第3章 経営企画・経理部門に必要な原価情報システムを構築する
 3―1  経理部門が棚卸資産評価に使う原価とは  
 3―2  原価を費目別に集計する  
 3―3  原価を部門別に集計する  
 3―4  製品1個の実際原価を計算する  
 3―5  実際原価計算にトライ  
 3―6  標準原価から実際原価・見積原価を計算する仕組み  
 3―7  原価差異の配賦による製品別の実際原価計算を確立する  
 3―8  製品別にひも付く間接費とは  
 3―9  経営者が事業別の損益を管理する原価とは  
 3―10 経理・経営企画部門が予算管理に使う原価とは  
 3―11 業績管理指標に必要な原価とは  
  コラム(3) 環境問題が原価計算制度を変える  

第4章 営業・購買部門に必要な原価情報システムを構築する
 4―1  生産準備段階で必要な事前原価計算の流れ  
 4―2  部門により事前原価計算を使い分ける  
 4―3  相関分析法(コストテーブル)による事前原価計算の流れを整理する  
 4―4  詳細レベルの材料費計算の流れを整理する  
 4―5  詳細レベルの加工費計算の流れを整理する  
 4―6  営業部門が売値決定に使う原価とは  
 4―7  営業部門が販売促進に使う原価とは  
 4―8  営業部門が製品別・顧客別の採算を管理する原価とは  
 4―9  購買部門が買値決定に使う原価とは  
 4―10 購買部門が買い物のムダを管理する原価とは  
 4―11 購買部門の管理努力を評価する原価とは  
  コラム(4) あるべき姿とはどんな姿か  

第5章 技術部門に必要な原価情報システムを構築する
 5―1  技術部門で必要な原価情報  
 5―2  技術部門での原価管理の進め方  
 5―3  技術部門がコストダウン戦略に使う原価とは  
 5―4  設計開発部がコストダウンに使う原価とは  
 5―5  生産技術部がコストダウンに使う原価とは  
 5―6  製品の目標原価を設定するのに必要な原価とは  
 5―7  製品設計に必要な機能別の見積原価とは  
 5―8  製品機能のコスト低減の可能性を算定する  
 5―9  コストリダクションの方向性を決める原価とは  
 5―10 出図前のコストダウン評価に使う原価とは  
 5―11 ライフサイクルコストを意識した原価情報システム  
  コラム(5) VEで情報システム開発のコストを削減  

第6章 製造部門に必要な原価情報システムを構築する
 6―1  製造部門が日常の管理に必要な原価とは  
 6―2  原価管理責任者別に原価差異を分析する  
 6―3  原価差異分析の算式を決定する  
 6―4  月次の原価管理に必要な2つの情報とは  
 6―5  技術上の歩留と製造上の歩留を区分する  
 6―6  不良・歩留管理システムの概要  
 6―7  作業員責任と管理者責任の時間差異を区分する  
 6―8  工数・設備効率管理システムの概要と入力データ  
 6―9  工数・設備効率管理システムの出力情報  
 6―10 増大する間接費を管理する原価とは  
  コラム(6) なぜデータベースを構築するのか  

第7章 原価情報システムと周辺システムの連携を強化する
 7―1  生産管理システムとの調整ポイントは何か  
 7―2  標準時間で負荷と能力を計算する  
 7―3  コスト的にメリットのある負荷と能力の調整手段は何か  
 7―4  在庫管理システムとの調整ポイントは何か  
 7―5  欠品を起こさない「最適な在庫量」を設定する  
 7―6  最も得になる買い方をする  
 7―7  品質保証や品質管理にかかっている原価とは  
 7―8  不適合品にかかっている原価とは  
 7―9  品質向上・維持にかかっている原価とは  
 7―10 品質管理システムとの調整ポイントは何か  
  コラム(7) 資料、紙量(しりょう)、死量(しりょう)と5S  

第8章 標準原価設定の基礎になるデータベース
 8―1  原価情報データベースは何に使うか  
 8―2  原価情報データベースの構造を整理する  
 8―3  標準のレベルはあるべき姿にするか、平均値にするか  
 8―4  材料単価データベースを構築する  
 8―5  直接部門のレートをコストセンターデータベースに構築する  
 8―6  活動別レートなどをコストセンターデータベースに構築する  
 8―7  設備費レートデータベースを構築する  
 8―8  標準時間資料データベースを構築する  
 8―9  外注標準単価設定に必要なコストテーブルを構築する  
 8―10 為替レートの変動にどう対応するか  
  コラム(8) とりあえずディスクトップ  

第9章 製品・部品別の標準原価設定に必要なデータベース
 9―1  技術情報データベースを共有化する  
 9―2  データ変換やデータの互換性を保証する  
 9―3  手間をかけずに標準原価を設定する  
 9―4  CADデータベースとの調整ポイントは何か  
 9―5  生産管理用データベースとの調整ポイントは何か  
 9―6  品目データベースと構成データベースを構築する  
 9―7  材料費明細データベースを構築する  
 9―8  加工費のデータベースを構築する  
 9―9  工程データベースを構築する  
 9―10 データベースのメンテナンスを自動化する  

はじめに

「顧客からの値引き要請にいくらまで対応したらよいかわからない」「社内で生産するのと外作するのではどちらが得かわからない」「どの製品からコストダウンしたらよいかわからない」などという会話をよく耳にする。これらの課題を解決するのに、経験と勘と度胸とハッタリ(KKDH)だけで対応できたのは過去の話である。

 「製品の多様化」「自動化が進んだモノづくり」「海外生産への移転」「円高やユーロ安」などの影響が押し寄せている環境での対応策は、KKDHと科学的な原価情報をうまく活用することである。たとえば、顧客からの値引き要請に対応するためには、製品別の原価情報がわかれば顧客との価格交渉も有利にすすめることができるであろう。また、社内で生産するか外注にするかを決定するには、部品別の原価情報が必要になる。

 モノづくりの製造業が収益性向上のために必要なことは、値引き対応や生産場所決定などの的確な意思決定と標準や計画に基づいた生産活動や改善活動を継続させることである。そのための成功要因の一つとして原価情報システムの構築と運用がある。原価情報というナビゲータがなければ、ビジネス海峡で迷子になったり、遭難したりしてしまう可能性もある。

  本書では、原価情報システム構築の基礎知識と具体的な作り方や使い方について、わかりやすく実例を交えながら全9章で解説している。さらに各項目は、文章と図表からなる1項目2ページ完結の構成になっている。
 「第1章 原価情報システム構築に向けての確認項目」では、原価情報システムを構築する目的や達成目標、会社の業務特性とコンピュータの使い方などについて解説する。

 「第2章 原価情報システム構築のツボと全体像を描く」では、原価情報システムからの出力情報と原価情報システムで扱う原価の概要に触れる。そして、部門や立場により異なる原価情報の整理ポイントについて説明する。

 「第3章 経営企画・経理部門に必要な原価情報システムを構築する」では、財務諸表を作成するために必要な原価情報、製造予算を編成するために必要な原価情報、事業の収益性を考えるために必要な原価情報などについて述べる。

 「第4章 営業・購買部門に必要な原価情報システムを構築する」では、事前原価計算に必要な技術情報や事前原価計算の方法について解説する。そして、その結果を活用する営業部門と購買部門について、原価情報の使い方を説明する。

 「第5章 技術部門に必要な原価情報システムを構築する」では、技術部門のコストリダクション活動である原価企画システムに必要な原価情報の使い方について述べる。

 「第6章 製造部門に必要な原価情報システムを構築する」では、製造部門のコストコントロール活動である標準原価管理システムに必要な原価情報の使い方について述べる。さらに、標準原価管理システムと関係する製造現場の管理システムも解説する。

 「第7章 原価情報システムと周辺システムの連携を強化する」では、原価情報により会社の管理システムを有機的に統合化するために、標準時間や標準原価を活用するシステムとの連携について説明する。

 「第8章 標準原価設定の基礎になるデータベース」では、標準原価を設定するために必要なデータベースの種類、項目、データの作り方などについて説明する。

 「第9章 製品・部品別の標準原価設定に必要なデータベース」では、品目別の標準原価を登録するデータベースについて説明する。部品表である品目データベースや構成データベースは技術部門や生産管理部門でも使用するので共通化の考慮点について述べる。

  会社の全部門が一体となり、収益性向上に結びつく原価情報システム構築に向けて本書を役立てていただければ幸いである。

  2010年、『見える化でわかる原価計算』で始まった本シリーズも、おかげさまで第7冊目になった。これも日刊工業新聞社の野崎伸一氏のおかげである。心から感謝する次第である。

2012年5月  
小川 正樹 

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