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ナットク現場改善シリーズ
よくわかる「問題解決」の本

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 246頁
ISBNコード 978-4-526-06889-8
コード C3034
発行月 2012年07月
ジャンル 生産管理

内容

製造現場では日々問題に直面している。その問題も生産品目や原材料、製法の変更などにより尽きることなく生じている。問題を解決するためには、要点をしっかり把握し、適切な解決法を採用する必要がある。本書はそのための手引き書である。

細島 章  著者プロフィール

(ほそじま あきら)
1950年、名古屋大学工学部電気工学科卒業。石川島播磨重工業株式会社(現在IHI)を経て山武ハネウエル株式会社(現在アズビル株式会社)に入社。FAシステム事業部技術部長、研究開発本部部長、理事研究開発本部長、理事品質保証推進本部長などを歴任し、現在はアズビル金門株式会社参与として品質保証・製品開発の指導にあたる。社命で慶応ビジネススクール「高等経営学講座」(1993年)、野村ビジネススクール「トップのための経営戦略講座」(2006年)を修了。
〈主な著書〉
『ネットビジネスの本質』 日科技連出版 2001年(共著)
『実践ベンチャー企業の成功戦略』 中央経済社 2012年(共著)
〈主な論文と発表〉
「失敗の可視化」(2009年横幹連合コンファレンス)
「山武における研究開発成果の事業化推進」(2008年社団法人企業研究会、2010年大阪商工会議所など)
「応答曲面法を用いたロバスト設計」(2010年機械学会 最適化シンポジウム、2011年日本オペレーションズ・リサーチ学会シンポジウム、2011年品質管理学会春季大会)
「緊急電気工事の新ビジネス」(2011年ビジネスモデル学会春季大会)

目次

はじめに  

第1章 問題の構造
 1―1 3つの基本型(発生型・設定型・将来型)  
 1―2 4種類の問題(目標不達型・異常発生型・設定型・将来型)  
 1―3 問題解決のステップ  
 1―4 4種類の問題の関係  
 1―5 問題解決能力を身につける  
 1―6 問題のとらえ方  

第2章 問題の発見と状況把握
 2―1 問題の5W1Hを知る  
 2―2 問題のおきる時:When  
 2―3 問題のおきる場所:Where  
 2―4 問題をおこすもの:What  
 2―5 問題のおこす人:Who  
 2―6 問題のおき方:How  
 2―7 問題がおきる理由:Why  
 2―8 問題の状況:SAE  
 2―9 問題発見を助けるもの  

第3章 原因の分析
 3―1 原因分析の2つの方向 
 3―2 IS―ISNOT分析  
 3―3 ミス原因の深堀  
 3―4 なぜなぜ分析  
 3―5 セラミック・コンデンサ不良の分析  
 3―6 ヒューマンエラー分析  
 3―7 耳を傾ける  
 3―8 原因分析体制をつくる  
    コーヒーブレイク 見えないゴリラ  

第4章 解決策の発見と評価
 4―1 技術の発見方法  
 4―2 解決策を発見する思考方法(対立発想・全体最適発想)  
 4―3 解決策の評価手法  
 4―4 解決策の点検ポイント  

第5章 解決策の実行
 5―1 実施状況のモニタ  
 5―2 タイムリーな報告  
 5―3 一堂に会した総力対応  
 5―4 スピード対応  
 5―5 失敗に備えた緊急プランの準備と発動  
 5―6 事例研究(石油温風機事故)  

第6章 問題解決の工学的手法
 6―1 応答曲面法(RSM―S)の概要  
 6―2 RSM―Sによるロバスト設計  
 6―3 ロバスト設計のオプション  
 6―4 RSM―Sのメリット(まとめ)  

第7章 発生型問題解決
 7―1 発生型問題の対処  
 7―2 重大問題を防止する3つの方法  
 7―3 重大事故発生のメカニズム  

第8章 設定型問題解決
 8―1 設定型問題解決のステップ  
 8―2 目標設定に関連する問題  
 8―3 戦略的業務実行の手法  
 8―4 戦略業務の問題提起  
 8―5 アンケート調査による状況把握  

第9章 問題解決の思考プロセス
 9―1 科学的思考プロセスによる原因究明  
 9―2 小中学校向け問題解決教育  
 9―3 問題解決を助ける図形思考  

はじめに

 問題解決書の多くは、問題の原因分析から対策決定までのプロセスの解説に主眼をおいている。たしかに問題解決の正しいステップを身につけることは重要である。
 だが現実に発生する市場クレームやリコールの実態を見ると、問題のほとんどは再発問題である。このことを踏まえて問題解決に際して何をすべきなのか考えてみたい。
 第1に、設計問題の再発を念頭におきながら、再発を防止するための発生原因・流出原因の分析の考え方と背後要因のとらえかたを説明する。
 第2にミスの深堀である。○○ミスという言葉が多くの分析事例に出てくるが、○○ミスが原因を深堀されないままに対策が立案されることが多い。そこで○○ミスという言葉に代表されるヒューマンエラーの深堀方法を説明する。
 第3に、現実の再発問題は不適切な解決策によっておきるものもあるが、解決策の実行における不適切なマネジメントに起因するものが多いことから、実行の失敗に関する具体的事例を取り上げながら実行失敗の回避方法を説明する。
 以上の点が、従来の問題解決書とは少し趣が異なる点である。事例の多くにマスコミでも報道された重大事故を取り上げたことに違和感を持たれる読者もおられるかもしれない。だがその背後要因を見ていただくと決して特殊な問題ではなく普遍性のある問題であることをおわかりいただけると思う。
 本書出版にあたり、執筆の機会を与えてくださった椙山女学園大学教授の澤田善次郎氏に深く感謝する。また本書の編集を担当していただいた野崎伸一氏には、内容やスタイルついて示唆に富んだご指導をいただいた。本書のできばえは、野崎氏のお力添えのおかげである。心からお礼を申し上げる。

2012年5月 
細島 章 

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