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ストーリー経営
―コアなファンが集まる究極のブランディングメソッド―

定価(税込)  1,296円

著者
サイズ 四六判
ページ数 237頁
ISBNコード 978-4-526-06918-5
コード C3034
発行月 2012年07月
ジャンル ビジネス

内容

良質なストーリーがある企業は活気がある。それはそのストーリーにスタッフ、顧客が共感し、ファンになり、その輪が益々広がっていくからだ。本書では共感してもらえる良質なストーリーの作り方から語り方までを具体例をあげながらわかりやすく解説していく。

上村英樹  著者プロフィール

(かみむら ひでき)
ストーリーデザイナー 環境起業家
株式会社スペック 代表取締役社長 兼グループCEO
1972年 大阪生まれ。関西大学経済学部卒業後、JR西日本入社。父親のがん再発を機に独立。現在は、人材会社や物流会社など、4社の企業オーナーとして、人や組織の好転を演出する活動を行っている。主に、人の心を動かす経営メソッド「ストーリー経営R」を提唱し、自ら率いるスペックグループで、ブランディングや資格スクール、エネルギーサービス事業を通じて、環境負荷を軽減するビジネスの普及に努める。昨年、第12回を迎えた「がん患者サポートチャリティパーティ」の共同主催者であり、2006年から立命館大学アントレプレナーシッププログラムの講師も務める。近い将来に、ハワイ、インド(ゴア)、フランスに計10年間移住して、世界家族Rプロジェクトを計画している。
著作は『ストーリーPR術』(日刊工業新聞社)、『商標ブランディング』(日刊工業新聞社)、『うかるぞ!乙四危険物取扱者』(週刊住宅新聞社)など9作品。2012年5月に英語で出版した 『Storytelling PR』(米国CrateSpace社)は、世界100ヶ国以上で販売されている。
株式会社スペック ウェブサイト http://specgroup.jp
合格するまで面倒みます! ウェブサイト http://GokakuMendo.com
ムービースポンサードットネット ウェブサイト http://MovieSponsor.net

目次

はじめに 

第1章 ストーリーがあればマニュアルはいらない
1 ブランドとは何か 
ナンバーワンでなくオンリーワン 
ブランドが人を惹きつけるワケ 
ブランドとは、ハッピーエンドを提供するものである 
2 多くの人も企業も何がハッピーなのかを知らない 
ハッピーとは何か 
なぜ、マニュアルが必要とされるのか 
マニュアルではハッピーをもたらすことはできない 
3 ブランドには、ハッピーエンドをもたらすストーリーが不可欠である 
ストーリーとは何か 
ディズニーランドのファンの多さには理由がある 
ストーリーの定義を知る 
ストーリーの構成を理解する 
プロットとキャラクター 
過去のベストセラー商品にもこんなストーリーがあった 
目標達成プロセスとしてのストーリーがファンを増殖させる 
Column イブ・サンローランが世界ブランドになっていくプロセス 

第2章 ストーリーのないビジネスはお先真っ暗
1 ストーリーと従業員の関係 
社員がどんどんやめていく 
必ずはまる落とし穴 
ストーリーのある会社、ない会社 
退屈な会社の典型的な求人パターン 
求人広告を出さずに優秀な人材を採用する方法 
2 ストーリーと顧客の関係 
商品にストーリーがないとスケールを求める 
新規顧客開拓を重視する精神論企業の行く末は 
なぜ、お客様からの理不尽なクレームが多いのか 
お金を払ってでも働きたい会社、高給でも働きたくない会社 
Column グレゴリー・ポポビッチ氏の舞台に込めた意思 

第3章 ストーリー経営企業をお手本にする
100年愛されるストーリー
その1 都田建設 
その2 タイムズプラス 
その3 アスクル 
その4 イケア 
その5 パタゴニアとザ・ノース・フェイス 
Column 経営者の自分と脚本家の自分 

第4章 ストーリーからひもとく意思決定の方法
1 意思を込める 
2 「四方よし」の考えが不可欠 
近江商人が教えてくれた「三方よし」 
「地球」という軸が未来を創る 
加味されてこなかった理由 
今始めれば儲かるビジネスになる 
3 「転換」の軌跡が魅力的なストーリーを描く 
1万社に1社もない 
お手本の企業で体感してみよう 
着眼点は、最終処分のコストを外部化していないか 
是正すべき点の見出し方 
4 顧客ピラミッドの中のファン層 
顧客ピラミッド 
ロイヤルカスタマーには「意思」を伝える 
ロイヤルカスタマー向けのイベント 
Column 本物を見る旅 ―アマゾンが教えてくれたこと― 

第5章 ストーリーの配役は、あなたの魅力的な人付き合いで決まる
1 魅力的なストーリーに必須の7人のキャラクター 
ヒーロー(主人公) 
シャドウ(敵) 
ヘラルド(使者) 
メンター(賢人) 
シェイプシフター(変化する者) 
シュレスホールドガーディアン(門番) 
トリックスター(道化師) 
2 採用のポイント 
キャラクター採用 
キャラクター以外に必要な要素 
スペックの採用コンセプト 
3 別れのタイミング 
「後進に道を譲る」という美学 
退職者にとっての最後のヒーロー物語が始まる 
4 顧客との付き合い方 
声をかけるタイミング 
社会的な活動の仲間 
5 常に魅力的なチームであるために 
あなたにとっての脚本家が必要なワケ 
大切な人に好意を伝える 
Column 幼児向け絵本『いのちのまつり』に込められたストーリー 

第6章 生涯をかけた夢に着手する
1 伝播するストーリーは、内なる自分から溢れるものにある 
幼いころの夢 
夢を計画する 
2 ソーシャルメディアとパブリシティを活用する 
夢と相性のいいソーシャルメディア 
パブリシティを活用する 
3 商品を厳選する 
次にやるべきこと 
卒業するべき商品 
4 仲間を集める 
最適なPRツール 
未来のコミュニティ 
Column ドキュメンタリー映画に夢をのせて 

おわりに 

はじめに

レディー・ガガ。

今、世界で最も注目を集める女性歌手だ。
動画投稿サイト、ユーチューブで彼女の音楽ビデオがダウンロードされた数、なんと10億回以上。ツイッターのフォロワー1900万人。フェイスブックページにいたっては4700万人を超えるユーザーに「いいね!」されている。有名誌「フォーブス」に掲載された記事によると、2010年度に彼女が得た報酬は約9000万ドル。日本円にして、実に73億円にものぼるのだ。

まさに、私の考えるストーリーブランディング実践者の最高峰と言ってもいい。本人がストーリーを意識してブランド化を進めたかどうかはわからない。しかし、ほんの数年前は普通の高校に通い、歌手を夢見る高校生であったこと。これは紛れもない事実なのだ。

彼女は、いったいどのような意思決定をして、どのように行動して、今の自分を創りあげたのだろう?

結論から言おう。多くの人が魅了されるストーリー、つまりブランドへのステップにふさわしいシナリオを、自らの選択によって決定して歩んできたということだ。そして、注目していただきたいのが、ソーシャルメディアの活用。つまりインターネットを自らの追い風にしたということに他ならない。

現代は、インターネットの時代である。かつて100年かかったブランド構築が、バイラルループ(インターネットによる口コミ)により、あっという間に100年企業並の知名度を得ることが可能となった。レディーガガに至っては、活動開始からたった4年で、彼女の音楽ビデオが10億回以上もユーチューブでダウンロードされ、世界中の人に知れ渡ったのである。

本書はストーリーを活用したブランディングへの最短ルートを解き明かす指南書である。会社の、経営者自身のブランディングをスピード化するためのエッセンスをお伝えしたい。ストーリーを活用したマーケティング本やマネージメント本ではないということをご承知いただきたい。

まず第1章では、ブランドについての定義をお伝えする。ブランドにはマニュアルが必要なのかどうかや、ブランドに相性のいいストーリーの性質についても紹介することとしたい。また、ストーリー自体の構造についても言及している。

第2章では、企業にストーリーがないとどのようになっていくかを説明しよう。離職率との関係、求人方法、採用のポイントなど、ストーリーがもたらす対人の可能性をシミュレーションしていきたい。

第3章では、具体的にストーリーのある企業を紹介していく。中小企業から世界の一大企業まで、その規模や業種はさまざまである。私が特に注目するお手本の企業をストーリー性という観点からひもといていきたい。

第4章では、リーダーとして魅力的なストーリーを描くための意思決定方法をお伝えする。時代が求めるテーマとは何か、そしてその実践がどれほどの魅力となってファン獲得に力を発揮するかについても言及したい。

第5章では、魅力的なチームを構成するための組織人事について、ストーリー的なアプローチで考えをまとめた。付き合うべき人と別れるべき人。別れの決め手やそのタイミングなどにも触れているので、公私にかかわらず参考にしていただきたい。

最後の第6章では、夢を事業に融合させていく方法を紹介する。また既存事業の取捨選択についても指針を盛り込んでいる。その他、ソーシャルメディアやパブリシティを駆使して、日本のみならず世界に仲間を増やしていく方法にも触れることとしたい。

良質なストーリーは多くの人をファンにする。それは、商品やサービスをイメージ付けるネーミングやキャッチコピーのレベルにとどまらない。予想を超える意思決定や意外な行動こそが人や企業がブランドになる早道となる。経営におけるさまざまな意思決定と行動そのものが、企業を取り巻くステークホルダーにとっての魅力的な1シーンになるとお考えいただければいいだろう。

ストーリーのある会社とそうでない会社。

私の考える「心をつかんで離さない会社」とは、日々の意思決定に魅力的なストーリー要素があるということに他ならない。それは、あなたの日々の判断と行動の積み重ねであり、感情を揺り動かす会社と言ってもいいだろう。内外に多くのファンを獲得して、まるで1本の映画を観るかのように、そのストーリーと一体となってステージを上げていく会社。仲間集めのために、口コミを加速させるソーシャルメディアを活用する会社である。

どうぞ本書を読み進め、多くの人に愛されるストーリー経営企業への道を私と一緒に歩んでいただきたい。

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