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図解 希土類磁石

定価(税込)  2,808円

編著
編著
サイズ A5判
ページ数 272頁
ISBNコード 978-4-526-06911-6
コード C3057
発行月 2012年07月
ジャンル 金属

内容

磁石の中で最も強力な磁力を発揮する希土類磁石は、電気自動車のような大型製品の駆動モータにも使用されるようになり生産量が急拡大したが、その一方で材料の希土類が資源問題となっている。希土類磁石の材料科学、拡大する応用技術、および資源問題への対応を解説する。

佐川眞人  著者プロフィール

(さがわ まさと)
1972年、東北大学大学院博士課程修了。同年、富士通(株)入社。82年、住友特殊金属(株)〔現・日立金属(株)〕入社。83年、ネオジム磁石を開発。88年よりインターメタリックス(株)代表取締役。2012年、日本国際賞を受賞。工学博士。

浜野正昭  著者プロフィール

(はまの まさあき)
1966年、京都大学工学部原子核工学科卒業。同年、東北大学金属材料研究所助手。80年、同研究所助教授、(株)エムジー取締役・開発部長。90年、鐘淵化学工業(株)主席研究員。95年、戸田工業(株)技師長。2000年、ミクニ・マキノ工業(株)理事・開発部長。02年より(社)未踏科学技術協会特別研究員。工学博士。

共編著書:「永久磁石-材料科学と応用-」、「ネオジム磁石のすべて」(アグネ技術センター)

目次

はじめに

《プロローグ》ネオジム磁石の30年

第1章 磁気と磁石を理解しよう
1―1 磁気とは何だろう
1―2 永久磁石の基礎知識
1―3 希土類磁石の歴史
1―4 希土類磁石のここが問題

第2章 希土類磁石の材料科学
2―1 希土類磁石の材料
2―2 希土類磁石が高特性を発揮するメカニズム
 2―2―1 希土類化合物の磁気的な硬さ
 2―2―2 希土類磁石の保磁力
 2―2―3 希土類磁石の微細組織
 2―2―4 希土類化合物の磁化とその温度変化
2―3 希土類磁石の製法
 2―3―1 焼結法
 2―3―2 超急冷凝固法
 2―3―3 熱間塑性加工法
 2―3―4 HDDR法
 2―3―5 薄膜法
 2―3―6 ネオジム磁石の製法のまとめ
 2―3―7 窒素侵入型磁石の製法
2―4 ネオジム磁石の特性
2―5 ネオジム磁石以外の希土類磁石
2―6 ネオジム磁石の保磁力
 2―6―1 保磁力の定義とその発現機構
 2―6―2 磁石の微細構造と保磁力の関係
 2―6―3 保磁力増大のセオリー
 2―6―4 ネオジム磁石の保磁力向上に関する研究開発

第3章 希土類磁石の応用技術
3―1 普及編:ネオジム磁石は地球を救う
 3―1―1 地球温暖化問題とネオジム磁石の貢献
 3―1―2 ネオジム磁石応用分野の推移
 3―1―3 埋込み磁石同期モータの基礎
 3―1―4 自動車への応用
 3―1―5 家電への応用
 3―1―6 新エネルギーへの応用
 3―1―7 産業用位置決め装置への応用
 3―1―8 情報通信への応用
 3―1―9 その他への応用
 3―1―10 磁石の工業規格の国際基準
3―2 展開編:ネオジム磁石のさらなる活躍
 3―2―1 ハイブリッド自動車・電気自動車への応用
 3―2―2 風力発電機への応用
 3―2―3 エレベータへの応用
 3―2―4 産業用ロボットへの応用

第4章 資源問題への対策
4―1 希土類の資源問題
 4―1―1 希土類元素の化学と製法
 4―1―2 希土類の主な生産国と生産量の推移
 4―1―3 希土類リサイクルの課題
4―2 ジスプロシウム(Dy)使用量の削減・零化への取り組み
 4―2―1 省・脱Dyのネオジム磁石の研究開発
 4―2―2 粒界拡散法によるDy低減
4―3 ネオジム磁石のリサイクル技術
 4―3―1 日立製作所のリサイクル技術
 4―3―2 三菱マテリアルのリサイクル技術
4―4 永久磁石とモータにおける希土類代替技術の可能性
 4―4―1 エネルギーや新分野モータに対応した代替技術
 4―4―2 省・希土類のPRM
 4―4―3 エネルギーと資源の有効利用から考えたモータ
 4―4―4 理想モータドライブと希土類代替技術

索 引

はじめに

 希土類磁石とは、希土類(レアアース)金属と、鉄やコバルトで代表される3d族遷移金属との金属間化合物を主成分とする永久磁石のことである。特に、ネオジムと鉄とボロンからなる金属間化合物Nd2Fe14Bが優れた永久磁石材料であることが本書の編著者の一人である佐川眞人により見出されて以来、このネオジム磁石の工業生産とその応用展開は年々大きく発展している。とりわけ地球環境・新エネルギー分野においてネオジム磁石の活躍・貢献はますます重要性を増してきている。例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、エレベータ、風力発電機などにおけるモータや発電機へのネオジム磁石の応用は、すでにに省エネルギーに大きな成果を挙げている。
 一方、最近、希土類原料の生産が中国一国にほぼ独占されていることから、世界的にさまざまな問題や課題が発生しており、その対応施策や技術開発が焦眉の急として取り上げられている。
 このように、希土類および希土類磁石への社会的関心が急騰するなかで、既存の専門書が目指す読者層よりももっと広い読者層を対象に本書を企画した。そのため本書では、希土類磁石の材料科学をできるかぎり平易に説明すると共に、社会的関心の高い希土類磁石の応用技術と希土類資源問題を取り上げ、図をできる限り多く取り入れてわかりやすく解説することに力を注いだ。
 本書「図解 希土類磁石」が、理工系学生や若手技術者のみならず、磁石を勉強したことのない専門外の方々にとっても、希土類磁石の現状と将来動向を知り、関連する科学・技術を理解する一助となることを祈念している。
 文末ながら、本書の刊行にご尽力いただいた執筆陣各位、および日刊工業新聞社出版局の森山郁也氏に深く感謝申し上げる。

2012年7月
佐川 眞人  
浜野 正昭  

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