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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいスマートコミュニティの本

定価(税込)  1,512円

編著
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06899-7
コード C3034
発行月 2012年06月
ジャンル ビジネス 電気・電子 環境

内容

エネルギー源の確保や、災害に強いまちづくりなどの観点から、「スマートコミュニティ」の形成が注目を浴びています。スマートコミュニティを実現するには、スマートメーターや通信機器など、目的に応じた様々な技術が必要となります。また、国や地域の特徴に応じたスタイルを形成することも重要です。本書では、国内・海外で進められている実証プロジェクトを紹介しながら、スマートコミュニティの意義、関連技術についてわかりやすく解説します。

独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)  著者プロフィール

http://www.nedo.go.jp/

目次

第1章 スマートコミュニティとは
1 スマートコミュニティとはなにか「環境、地球、人に優しい」
2 なぜ今スマートコミュニティなのか「世界が注目する環境未来都市」
3 スマーグリッドとどこが違うの?「需要側と供給側の視点」
4 スマートコミュニティがもたらすもの①「大量の再生可能エネルギーの導入」
5 スマートコミュニティがもたらすもの②「交通システムの変革」
6 スマートコミュニティがもたらすもの③「公共サービスの利便性を向上」
7 無限に広がるビジネスチャンス「新たなサービスの提供が鍵」
8 スマートコミュニティに関わる産業「新たな協業関係を生む」
9 スマートコミュニティと災害「災害に強い地域づくり」

第2章 スマートコミュニティを実現する方法
10 スマートコミュニティを支えるICTの進化「ICTの高度化が新たな価値を創出」
11 スマートコミュニティを支える通信技術「インターネット家電と通信技術」
12 スマートコミュニティの頭脳「HEMS、BEMS、FEMSの連携」
13 地域全体をスマート化する「CMSで各種情報を可視化」
14 エネルギーを賢く使う技術「マイクロEMSにより省エネ」
15 安定した品質の良い電気を供給する「系統安定化の制御技術」
16 災害時でも電気を止めない「供給信頼性の向上」
17 自然エネルギーを利用した分散型電源「電力の安定供給を図る」
18 クリーン自動車の開発と普及「PHV、EV、次世代自動車の開発」
19 電気自動車と充電インフラ「充電する場所や方法の違い」
20 新しい交通管理システムを作る「電気自動車の活用」
21 電気を貯めて使う①「さまざまな蓄電技術」
22 電気を貯めて使う②「スマートコミュニティと蓄電技術」
23 G2V、V2G、V2Hの有効活用「電気自動車がもたらす新たな可能性」
24 新たな生活様式を生むスマートハウス「ICTが賢い生活を支援」
25 スマートメーターの動向「スマートコミュニティの基盤技術」
26 生活パターンの変化を促すデマンドレスポンス「時間ごとに電気料金が変化」
27 スマートコミュニティと標準化①「標準化の必要性」
28 スマートコミュニティと標準化②「各国・機関の取り組み」
29 産業の壁を越えた競争と協調「スマートコミュニティを推進する機関」
30 スマートコミュニティ・アライアンスの国際連携「活発化する各国の動向」
31 JSCAを通じた国際標準化活動「日本のスマートコミュニティの標準化を支える」
32 スマートコミュニティのロードマップ「これからの日本のスマートコミュニティを考える」33 マイクログリッドがなぜ国際標準化の論点なのか「急速に高まるマイクログリッドの需要」34 メガソーラーからギガソーラーへ「世界で計画される巨大な再生可能エネルギー発電所」
第3章 日本におけるスマートコミュニティが目指すもの
35 日本の電力系統の特徴「安定した電力供給の仕組み」
36 再生可能エネルギーを電力系統につなぐ「実証プロジェクトで技術を確立」
37 マイクログリッドへの挑戦「実現が近づくマイクログリッド」
38 メガソーラーは飛躍するか「メガソーラーの設置にあたっての課題と手続き」
39 国内メガソーラーの取り組み「買い取り制度を念頭に取り組みが拡大」
40 新たな社会システム構築に向けた国内実証「次世代の環境都市を目指して」
41 国内実証プロジェクト①横浜市「既成都市に展開可能なスマートコミュニティ」
42 国内実証プロジェクト②豊田市「家庭・コミュニティ型スマートコミュニティ」
43 国内実証プロジェクト③けいはんなエコシティ「学研都市でのスマートコミュニティ」
44 国内実証プロジェクト④北九州市「地域でエネルギーを使いこなす社会を構築」
45 次世代エネルギー技術実証事業とはなにか「ある特定の技術にフォーカスした地域の実証」46 民間独自の取り組み「六ヶ所村、藤沢市や企業も始動」

第4章 世界のスマートコミュニティに関する動向
47 米国が目指すスマートグリッド「電力事業自由化により必要とされるスマートグリッド」48 欧州スマートグリッド事情「電力市場形成により電力網のスマート化を後押し」
49 スペインの脱CO2チャレンジ「エネルギーの輸入依存率が高いスペイン」
50 ドイツのスマートコミュニティプロジェクト「実証プロジェクトMOMAが動き出す」
51 韓国のスマートグリッド事情「官民一体でスマートグリッド産業を育成」
52 台湾におけるスマートシティ「風に恵まれた島でのスマートシティ計画」
53 中国におけるスマートシティ「急速な都市開発とスマート化の背景」
54 インドのスマート化の動き「高度経済成長国のスマートコミュニティ」
55 マルタ共和国のスマートシティへの取り組み「電力と水道のスマート化」
56 中近東、北アフリカのスマート化の動き「産油国や豊富な太陽光資源での低炭素モデル」
第5章 海外実証プロジェクトのねらい
57 スマートコミュニティの海外実証「日本では実証不可能な技術の検証」
58 米国の最先端の研究所との協力「ニューメキシコ州プロジェクト」
59 離島における日米クリーン・エネルギー技術協力「マウイ島プロジェクト」
60 フランスの古い街並みをスマートに「リヨン都市開発プロジェクト」
61 スペインで電気自動車を大量に導入「日西合同のZem2All」
62 中国で新しいスマートコミュニティ創生への挑戦「共青城プロジェクト」
63 東南アジアでスマートコミュニティ「課題解決のためのスマートコミュニティ」

第6章 実現に向けた今後の課題
64 業種の壁を越えた連携「新たな価値を生み出す」
65 ビジネスモデルはできるのか「物売りではないソリューションビジネス」
66 ユーザーのメリットと負担「安定した安全なエネルギーを残す」
67 ICT社会に潜むリスク「サイバーセキュリティの重要性」
68 低炭素社会の実現に向けて「コミュニティ全体で未来像を共有」

【コラム】
スマートコミュニティはいつからあるのか!?
スマートコミュニティと水
日本の再生可能エネルギー導入促進の取り組み
欧米の電力事情
世界中で加速するスマートシティ計画
不動産開発とスマートコミュニティ
参考文献
索引

はじめに

  昨今の我が国を取り巻く状況は、資源制約の克服、低炭素社会・環境保全の要請、さらには高齢化社会を迎えての地域における安全安心な社会の形成など、さまざまな課題が複雑に絡み合っています。これに、2011年3月の東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故により、国民生活に甚大な被害が生じ、人々の価値観やライフスタイルにも大きな変化をもたらすこととなりました。こうした中で、我が国では、再生可能エネルギーの大量導入による自前のエネルギー源の確保や、災害に強い街づくりといった地域単位での取り組みが活発化しており、「スマートコミュニティ」の形成が注目を浴びています。
 スマートコミュニティは、進化する情報通信技術(ICT)を活用しながら、再生可能エネルギーの導入を促進しつつ、交通システムや、家庭、オフィスビル、工場、ひいては社会全体のスマート化を目指そうとするものです。スマートグリッド関連技術は、その大切な構成要素の一つです。
 スマートコミュニティの形は、地域ごとにそれぞれの特徴や課題があるように、それぞれの地域や国に応じたスタイルがあります。例えば、本文でも触れていますが、現在、国を中心に4地域において次世代エネルギー・社会システム実証プロジェクトが始まっているほか、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)においても欧米やアジア諸国における海外での実証プロジェクトが始まっています。これらは単に現存する技術が地域や国の壁を越えて適用可能であることを示すのみならず、潜在的に地域が抱える異なる課題を掘り起こし、そこに暮らす人、家庭、働く人、事業者が、環境とエネルギーに優しい行動を自然に取ることが促される街を目指しています。
 もちろん、スマートコミュニティの形成に当たっては、乗り越えるべき課題もあります。大きなインフラ整備を伴うような場合は、そのための資金の準備やその後のビジネス展開を十分に検討して進めていく必要があります。裏返せば、これは新たなビジネスのチャンスを生むものであり、まさに知恵の絞りどころといえるでしょう。
 本書は、スマートコミュニティの意義、関連する技術についてできるだけ平易にわかりやすく解説しようと試みたものです。各地域がスマートコミュニティの形成に取り組む際の指針や手引きとなると共に、広く一般社会にその有用性を知らしめることで、それぞれの地域の特徴ある「スマートコミュニティ」が広がっていくことに少しでも貢献できれば幸いです。

2012年5月
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 有志一同

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