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<解析塾秘伝>有限要素法に必要な数学

定価(税込)  2,376円

著者
監修
サイズ A5判
ページ数 240頁
ISBNコード 978-4-526-06897-3
コード C3053
発行月 2012年06月
ジャンル 機械

内容

NPO法人CAE懇話会「秘伝」講義を公開した有限要素法の入門書の第3弾。有限要素法を理解するために必要な高校数学以降の数学知識をわかりやすく、丁寧に解説するもの。機械設計における数学的な考え方が身につく基本書。

小村政則  著者プロフィール

工学修士
S44年生まれ 大阪市出身 ローム株式会社 勤務
生産システム開発部に所属し、構造解析・熱流体解析・光学解析のCAE専任者として半導体・電子部品・生産設備などの開発に従事。
2003年よりNPO法人CAE懇話会の関西CAE懇話会幹事。

NPO法人CAE懇話会 関西解析塾テキスト編集グループ  著者プロフィール

〈監修者略歴〉

石川 覚志
博士(工学) 京都大学大学院工学研究科修了
S36年生まれ 大阪市出身 株式会社IDAJ 勤務
非線形有限要素法プログラムのカスタマーサポートを経て、非線形解析の受託解析業務に従事。2001年から、NPO法人CAE懇話会の解析塾において非線形構造解析コースを担当。延べ300名以上の受講生を指導する。2006年より、日本ゴム協会・ゴムの力学研究分科会の書記を担当。

岡田  浩
技術士(機械部門) 機械設計技術者(1級)
S40年生まれ 福岡県出身 電機メーカー勤務
技術本部、IT推進総括部に所属し、構造・熱・樹脂流動CAEの教育・推進や、金属加工品・樹脂成形品の強度設計、電子機器の放熱対策などに従事した。現在は、生産プロセス革新センタに所属し、金属・樹脂材料による新たな工法開発に従事している。また、社外においてはNPO法人CAE懇話会の関西CAE懇話会幹事や、各種セミナ講演・機械系専門誌への執筆活動などに従事している。
共著として、『設計検討ってどないすんねん!~現場設計者が教える仮説検証型設計のポイント~』がある。

出口 良平
技術士(機械部門) 計算力学技術者(固体1級、熱流体1級)
S44年生まれ 石川県出身 ダイキン工業株式会社 勤務
空調用圧縮機およびモーターの設計開発に従事。現在は、構造解析、熱流体解析、音響解析などのCAEを活用した圧縮機の要素技術開発を担当している。
また、2009年よりNPO法人CAE懇話会の関西CAE懇話会に幹事として携わっている。

徳田 明彦
計算力学技術者(固体1級)
S41年生まれ 神戸市出身 ゴム製品メーカー勤務
技術部門内の実験担当部署に所属。主にゴム製品・部品の構造解析業務に従事している。2003年からはNPO法人CAE懇話会・関西CAE懇話会の幹事としての活動も行っている。

辰岡 正樹
S24年生まれ 広島県出身
川崎重工業株式会社船舶事業本部での設計業務に従事後、日本アイ・ビー・エム株式会社にて、技術支援(CAE関連)、営業活動に従事、2010年1月より株式会社アルゴグラフィックスに勤務。2000年2月関西CAE懇話会設立に携わる。2002年5月にNPO法人CAE懇話会として全国組織とする。2009年よりCAE懇話会副理事長。
解析塾の各コースの企画、運営、全国各地区のCAE懇話会活動を推進。第88期日本機械学会計算力学部門長。日本機械学会フェロー。

目次

はじめに
本書の構成

第1章 有限要素法概説
 1.1 構造解析における有限要素法の概略 (有)  
 1.2 有限要素法で使われる数式 (有)  

第2章 数学の基礎
 2.1 指数関数・対数関数・三角関数  
 2.2 ベクトル・マトリックス・テンソル  
 2.3 総和規約・クロネッカのデルタ  
 2.4 ベクトルの演算  
 2.5 マトリックスの演算  
 2.6 級数・極限  

第3章 積分
 3.1 積分の意味  
 3.2 積分の性質  
 3.3 数値積分  
 3.4 有限要素法での積分  

第4章 微分
 4.1 1変数関数の微分  
 4.2 微分の性質  
 4.3 偏微分  
 4.4 全微分  
 4.5 ベクトルの微分演算 (有)  
 4.6 変形の表現 (有)  

第5章 最小値問題
 5.1 関数の最小値  
 5.2 重み付き残差法  

第6章 ポテンシャル
 6.1 ポテンシャル (有)  
 6.2 温度場と静電場の相似性 (有)  
 6.3 ベクトルポテンシャル (有)  

あとがき  
索引  
著者略歴  


コラム目次

第2章 
 ●対数ひずみ (有)  
 ●角度の単位  
 ●体積変化率  
 ●線形弾性体の構成則 (有)  
 ●座標軸の表現  
 ●座標変換マトリックス  
 ●2階のテンソルとマトリックス  
 ●置換記号  

第3章 
 ●微小量の表現 Δとd  
 ●ヤコビアン  

第4章 
 ●滑らかでない関数の微分  
 ●偏微分の連鎖則  
 ●グリーン・ラグランジュひずみ (有)  
 ●変形勾配テンソルの分解  

第5章 
 ●要素境界の経路積分 (有)  

第6章 
 ●∇・{∇×A}の計算

はじめに

 有限要素法を業務で使っている方は、年々増えてきていると思います。しかし、有限要素法の中身がわからず不安な方や「本当は使いたいけど何をやってるかわからんしなぁ」と迷っている方も多いと思います。本を読んで勉強しようとしても、難しそうな数式を見るとヤル気が萎えてしまいそうです。
 そのような方にとって、講師と気軽に話せるCAE懇話会の解析塾は、ちょうどよいと思います。わからないところはその場で聞くことができ、数式を丁寧に説明するからです。しかし、詳しく説明するためには、板書する数式も多くなり、数式を書き写す作業が大変で、テキストができないかという声がありました。そこで、関西CAE懇話会で解析塾基礎編の内容を本として出版しようという話が盛り上がりました。まず、解析塾の内容を把握するために解析塾基礎編を数年間聴講して、やっとの思いでテキストの基となる資料を作り、関西解析塾テキスト編集グループによりできた本が「〈塾長秘伝〉有限要素法の学び方!」(日刊工業新聞社)です。
 「有限要素法の学び方」では、数式展開の途中経過をできるだけ省略しないように気をつけましたが、まだ、説明が十分ではないという思いもありました。また、解析塾基礎編を聴講していると、毎年のようにどこかの項目の説明方法が変更され1ているにもかかわらず、次第に難しいと感じなくなり、板書のスピードにも十分対応できているのに気付きました。話の大筋2を把握しているということもありますが、それより板書される数式の先読みができるようになったのだと思いました。説明方法が変わっても、数式展開で使われている式は、ベクトル、マトリックス、微分、積分であって、その見せ方、使い方が変わるだけです。そこで、有限要素法で使われるベクトル、マトリックス、微分、積分を基礎から説明する本があれば、もっと楽に有限要素法を理解することができると考えました。さらに、「有限要素法の学び方」の数式展開をもっと詳しく説明して欲しいという要望を耳目に触れて背中を押されたように思いました。
 本書では、有限要素法の基礎理論で必要となる数学として主にベクトル、マトリックス、微分、積分を取り上げて、数式展開の意味が理解でき、イメージできるように努めました。そのため、数学としての厳密性より読みやすく・理解しやすい表現を使いました。また、有限要素法の基礎知識は、「〈塾長秘伝〉有限要素法の学び方!」、非線形の有限要素法に関しては、「〈解析塾秘伝〉非線形構造解析の学び方!」(日刊工業新聞社)を参照してください。

 本書をまとめるにあたり、CAE懇話会関西解析塾テキスト編集グループの石川覚志さん・岡田浩さん・出口良平さん・徳田明彦さん・辰岡正樹さんには、数式や説明文のわかりやすい表現方法への修正や数多い数式の細かい添え字に至るまで校正を行っていただき深く感謝しております。また、本書の執筆にあたりご指導、ご支援をいただいた日刊工業新聞社出版局書籍編集部の鈴木徹様には、厚くお礼申し上げます。

 2012年4月
 小村政則

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