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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいプリント配線板の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06901-7
コード C3034
発行月 2012年06月
ジャンル ビジネス 電気・電子

内容

プリント配線板は部品を搭載し、接続して、電子機器を構成していく装置構成部品。いわば、電子機器の土台にあたる大事な部品。本書は、そのしくみ、歴史、作り方、キーテクノロジーなどをトコトンやさしく紹介した本。

高木 清  著者プロフィール

1932年生まれ、1955年横浜国立大学工学部卒業。同年富士通(株)入社。電子材料、多層プリント配線板技術の研究開発に従事。1989年古河電気工業(株)、(株)ADEKAの顧問、1994年高木技術士事務所を開設、プリント配線板関連技術のコンサルタントとして現在に至る。1971年技術士(電気電子部門)登録。(社)プリント回路学会(現、(一社)エレクトロニクス実装学会)理事、(社)日本電子回路工業会JIS原案作成委員などを歴任。現在、よこはま高度実装コンソーシアム理事、NPO法人サーキットネットワーク監事、(公社)化学工学会エレクトロニクス部会幹事。

目次

第1章 電子機器の実装とプリント配線板
1 電子機器の例 「超大型から小型携帯機器までの種類」
2 機器内部の部品を搭載するのはプリント配線板 「機能を作る電子部品の接続」
3 たくさん種類のある電子部品 「機器を構成する電子部品」
4 実装階層と部品の接続 「パッケージレベルの小さな単位からマザーボードレベルまで」
5 プリント配線板の生まれるまでは 「プリント配線板がない電子機器の構成」
6 配線のプリント化の歴史 「はじめは片面板で徐々に多層化した」

第2章 プリント配線板を構成するものは
7 プリント配線板の構成 「片面板と両面板と多層板」
8 導電材料と絶縁材料 「絶縁基板の形成」
9 プリント配線板の導体材料 「導体材料としての銅」
10 基材としてのガラス布の材料 「積層板はガラス布が主な材料」
11 積層板用絶縁樹脂の種類① 「汎用に使われているフェノール樹脂とエポキシ樹脂」
12 積層板用絶縁樹脂の種類② 「注目される高機能樹脂」
13 熱可塑性樹脂 「熱に強い熱可塑性の配線板用樹脂材料もある」
14 プリント配線板を構成するものは 「プリント配線板の構成」
15 リジッド用銅張積層板の種類 「剛性のあるプリント配線板の材料」
16 ビルドアッププリント配線板用の絶縁基板 「高密度配線を実現する材料」
17 フレキシブルプリント配線板用の絶縁基板 「柔軟なプリント配線板を作る材料」

第3章 プリント配線板の種類と特性
18 リジット板の分類と構造 「剛性のあるプリント配線板」
19 フレキシブルプリント配線板(FPC)の分類と構造 「柔軟性のあるプリント配線板」
20 プリント配線板に要求される特性 「電気・機械・化学的特性」
21 プリント配線板の直流的特性 「最も基本的な特性」
22 プリント配線板の交流的特性① 「高速・高周波化で重要な特性インピーダンスの整合」
23 プリント配線板の交流的特性② 「表皮効果」
24 プリント配線板の交流的特性③ 「伝搬速度と絶縁材料」
25 プリント配線板の交流的特性④ 「クロストーク」
26 プリント配線板機械的特性 「部品重量に耐え高度の寸法安定性」
27 プリント配線板の化学的特性 「耐性とともに不純物の残留にも注意」
28 高密度配線と半導体の変化 「特性に影響するLSIの動向」

第4章 プリント配線板はこうして作られる
29 プリント配線板の接続 「製造方法の大別」
30 片面プリント配線板の製法 「コストで有利な配線板」
31 両面めっきスルーホールプリント配線板の製法 「普及している基本製法」
32 めっきスルーホール多層プリント配線板 「高密度実装の実現に必要な多層プリント配線板」
33 多層めっきスルーホールプリント配線板の製法 「多層プリント配線板の基本製法」
34 めっき法ビルドアップ多層プリント配線板のプロセス 「めっきスルーホール法の進展型」
35 その他の多層プリント配線板の製造プロセス 「導電性ペーストによる接続」

第5章 プリント配線板製造のための要素技術(パターン作成)
36 プリント配線板の部品情報 「プリント配線板の作成で重要な電子機器の情報」
37 CACシステムによる設計「 CADとCAM」
38 CAMで扱うデータ 「必要なデータの種類」
39 アートワーク工程 「マスクフィルムを作る工程」
40 アートワーク工程の露光 「露光マスクでフィルムを現像する」
41 多層板の内層作成 「内層パターンの作成工程」
42 内層作成のための前処理 「研磨と洗浄」
43 感光レジス卜層の形成 「感光レジストの種類」
44 製造パネルの露光と現像 「パターンの形成」
45 エッチング工程 「銅箔の溶解」
46 エッチング液(エッチャント) 「銅箔を溶解する液剤」
47 エッチング前後の工程と検査 「剥離と検査」

第6章 プリント配線板の多層化
48 積層のプロセス 「工程と穴加工」
49 積層前処理と積層編成 「黒化処理、銅表面エッチング、積層編成」
50 積層のための接着シート 「プリプレグの特性」
51 積層プレス加工と後処理 「編成品の一体化と解体、検査」
52 穴加工 「導体パターン間を接続する穴」
53 穴あけのプロセス 「ドリルで穴をあける」
54 穴加工装置とドリル 「ドリル折れ対策とドリル構造」
55 穴の品質 「穴の欠陥の防止」

第7章 プリント配線板のキープロセス(めっきとビルドアップ)
56 プリント配線板に用いられるめっき 「用途と種類」
57 めっき前処理とデスミア 「樹脂スミアの除去」
58 無電解銅めっきのプロセス 「樹脂面を導通化する無電解銅めっき」
59 電解銅めっき 「信頼性を確実とする電解銅めっき」
60 ビルドアッププリント配線板とは 「ビルドアッププロセス」
61 各種のビルドアッププロセス 「パネルめっき法とセミアディティブ法」
62 ビルドアッププロセスの要素技術 「レーザ穴あけと導体層の形成」

第8章 プリント配線板の新展開
63 ガラス布の進歩 「開繊処理とカップリング剤」
64 セミアディティブ法とフィルドビア技術 「めっき技術の新展開」
65 コアレス基板とフィルドスルービア 「コアがない新技術」
66 平滑面への着接 「高周波対策」
67 今後の電子実装とプリント配線板 「期待されるブレイクスルー」

【コラム】
●電子機器の実装とプリント配線板について
●デジタル写真と銀塩写真
●プリント配線板のプロセス要素について
●工程内の検査
●プリント配線板の欠陥と品質への市場の風潮
●樹脂と導体の接着面の平滑化

はじめに

 いまは、情報時代と言われ、電子情報通信機器を用いたものが、身の回りに溢れるほどあります。個人のものとしては、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータやラジオ、テレビ、携帯音楽機器などがあります。社会インフラのシステムとしては、ショッピングにおける各種のクレジットカードの処理、官公庁の窓口処理、その他数多くのものがあります。社会インフラ関連のものは直接機器を見ることはできませんが、いま話題になっているスーパーコンピュータをはじめ、多くの膨大な情報処理機器により構成されています。
 一般の人は、これらの内部を見ることはほとんどないものと思いますが、これら内部を見ますと、プリント配線板に無数の電子部品を搭載した数多くの電子実装基板と言われる板を見ることができます。この部品を搭載している板が『プリント配線板』です。
 この板は一見したところ単なる板であり、材料が絶縁体と導電体のみで構成されている比較的単純に見えるものです。しかし、実際には導体は板の表面ばかりではなく、内部にも何層も配置され、配線も微細で、厳しい特性が要求されるたいへん高度で複雑なものです。このように複雑なものとなっているのは、長い歴史のもと、半導体やその他の電子部品が進歩し、いかに使う人の要求に適う性能を達成するかを、長い間の技術開発の努力で実現してきたからです。
 プリント配線板は、この板の上に種類も数も多い電子部品を隙間なく取りつけて電子機器としての必要な性能を作り上げていくベースとなるものです。最新のプリント配線板は内部にも配線を持つ多層プリント配線板となっています。また、その要求される性能や特性を実現する過程で、高多層で、微細配線を持つプリント配線板が必要となってきました。プリント配線板は電子機器に使用するものであり、電気特性も重要です。
 本書は、これらを実現するための高度な材料の開発、微細化を実現するプロセスの技術的要素開発とプロセスの構築、信頼性を高めるために行われている研究などを、わかりやすく解説したものです。
 本書により、ソフトばかりではなく、ハードウェアにも興味を持って頂けたら有り難いことと思います。

平成24年5月
著者

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