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不織布活用のための基礎知識

定価(税込)  2,808円

著者
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編著
サイズ A5判
ページ数 256頁
ISBNコード 978-4-526-06870-6
コード C3043
発行月 2012年04月
ジャンル 化学

内容

不織布は繊維の材料や製造方法を調整することで、様々な目的・用途に応じた機能を持たせることができる。本書では不織布の基礎知識に加え、不織布を材料として用いるユーザーがその機能を十分に活用するために必要な事項を具体的な事例とともに解説。また、巻末に主な不織布メーカー名と取扱製品のリストを掲載し、実用の便を図った。

篠原俊一  著者プロフィール

(しのはら としかず)
日本繊維技術士センター理事 技術情報部長
1964年 京都工芸繊維大学繊維学部卒業、東洋レーヨン(現東レ)に入社。
不織布、人工皮革に関する技術開発、工場建設、製造管理等に従事、エクセーヌ製造部長、不織布技術部長を経て退職。
一般社団法人 日本繊維技術士センターに所属し、各種講演会・研修会の開催、教育講座の講師等を担当。
著書(共著)
「第3版 繊維便覧」(繊維学会編 丸善)、「知っておきたい繊維の知識424」(ダイセン(株))

福岡 強  著者プロフィール

(ふくおか つよし)
日本技術士センター評議員
1972年京都工芸繊維大学繊維工学科卒業、呉羽センイ(現 呉羽テック)に入社。
東洋紡、ユウホウ、澤田棉行を経て、一貫して不織布の製造、商品開発、販売を担当。
現在 東洋興業で不織布の企画開発と販売に従事するとともに、技術士事務所(資)テクノ・ファブリカで不織布の技術コンサルと講演活動に携わる。
著書(共著)
「繊維総合辞典」(繊研新聞社)、「知っておきたい繊維の知識424」(ダイセン(株))、「新・繊維総合辞典」(繊研新聞社)

加藤哲也  著者プロフィール

(かとう てつや)
(社)日本繊維技術士センター相談役
加藤技術士事務所所長
1961年名古屋大学工学部応用化学科卒業。東洋レーヨン(現東レ)に入社。
合成繊維の研究・製造に従事し、技術部長を経て定年退職。技術士事務所を開設するとともに、(社)日本繊維技術士センターに所属し、企業支援、教育活動を実施している。
著書
「やさしい産業用繊維の基礎知識」(日刊工業新聞社)、「テクニカルテキスタイルの全容」(東レリサーチセンター)ほか

向山泰司  著者プロフィール

(むかいやま たいじ)
日本繊維技術士センター理事長
1961年京都大学工学部工業化学科卒業、旭化成工業㈱に入社。化学繊維の製造、技術開発に従事。工場長(ポリエステル長繊維)、事業部長(不織布、アクリル繊維)、繊維事業部門長補佐を経て退職。
(一般社団法人)日本繊維技術センターに所属、各種教育活動等に参画して現在に至る。
著書(共著)
「繊維総合辞典」(繊研新聞社)、「知っておきたい繊維の知識424」(ダイセン(株))、「新・繊維総合辞典」(繊研新聞社)

目次

はじめに

第1章 不織布についての基礎知識
1.1 不織布の定義
1.2 不織布の構造と特徴、用途
1.2.1 不織布の構造と特徴
1.2.2 不織布の代表的な用途
1.3 不織布の歴史と現状
1.3.1 不織布の歴史
1.3.2 不織布の生産動向

第2章 不織布の製造
2.1 ウェブの形成
2.1.1 湿式不織布
2.1.2 乾式不織布
2.1.3 乾式パルプ不織布(エアレイド)
2.1.4 スパンボンド
2.1.5 メルトブローン不織布
2.1.6 フラッシュ紡糸不織布
2.1.7 バーストファイバー不織布(発泡開繊不織布)
2.1.8 トウ開繊不織布(積層延展法)
2.2 ウェブの結合(接着、絡合)
2.2.1 化学的結合(chemicial bonding)
2.2.2 熱による結合(thermal bonding)
2.2.3 機械的結合(mechanical bonding)
2.3 機能加工
2.3.1 印 刷
2.3.2 エンボス加工
2.3.3 エレクトレット加工

第3章 不織布に使用される繊維と副資材
3.1 素材別不織布生産量の現況
3.2 不織布における素材の使用状況
3.2.1 汎用合成繊維
3.2.2 再生繊維
3.2.3 耐熱・難燃性繊維
3.3 不織布用繊維に関するー般知識
3.3.1 繊維の分類と種類
3.3.2 セルロース繊維
3.3.3 ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)
3.3.4 ポリオレフィン繊維
3.3.5 そのほかの汎用合繊―ナイロン、アクリル、ビニロン―
3.3.6 新機能繊維
3.3.7 高性能繊維
3.3.8 特殊機能繊維
3.4 接着剤
3.4.1 固形タイプ
3.4.2 水溶液タイプ
3.4.3 エマルションタイプ
3.5 添加剤
3.5.1 架橋剤(キュアリング剤)
3.5.2 柔軟剤
3.5.3 撥水・撥油(はっすい・はつゆ)剤
3.5.4 難燃剤
3.5.5 マイグレーション防止剤
3.5.6 湿式不織布に特有の添加剤

第4章 不織布の用途と製品特性
4.1 衣 料
4.1.1 芯 地
4.1.2 中入れ綿(中綿(わた))
4.1.3 簡易衣料
4.1.4 アパレル
4.2 衛生材料
4.2.1 マスク(家庭用マスク)
4.2.2 オムツ
4.2.3 サニタリーナプキン
4.2.4 その他
4.3 医療資材
4.3.1 概 要
4.3.2 医療器材
4.3.3 副資材
4.4 防護用途
4.4.1 防護の対象物
4.4.2 防護対応と繊維材料
4.4.3 化学薬品防護
4.4.4 放射線対応
4.4.5 防 塵
4.4.6 細菌、アレルゲン対応
4.5 土木用途
4.5.1 土木と繊維
4.5.2 土の性質
4.5.3 ジオテキスタイルの機能と要求特性
4.5.4 ジオテキスタイルの使用状況
4.6 建築用途
4.6.1 建築用途と不織布
4.6.2 屋根防水材補強基材としての不織布
4.6.3 屋根下葺き材
4.6.4 ハウスラップ
4.6.5 壁用途と不織布
4.6.6 床材と不織布
4.7 農業用途
4.7.1 農業資材と不織布
4.7.2 生育保護材
4.8 車両用
4.8.1 内装材
4.8.2 フィルター
4.9 家具類
4.9.1 内装材
4.9.2 クッション材(ファイバークッション)
4.9.3 ブラインド
4.10 フィルター
4.10.1 フィルターの種類
4.10.2 フィルターの性能
4.10.3 粒子の特徴
4.10.4 不織布フィルターによる捕集
4.10.5 エアフィルターの種類
4.10.6 湿式ろ過
4.10.7 油水分離フィルター
4.11 工業材料全般
4.11.1 ワイパー
4.11.2 不織布成形ロール
4.11.3 電気絶縁材、プリント配線基板
4.11.4 電磁波シールド材
4.11.5 ケーブル保護繊維
4.11.6 光ファイバーケーブル用吸水テープ
4.11.7 OA用包装資材
4.11.8 電池セパレーター
4.11.9 その他
4.12 生活資材全般
4.12.1 包装材
4.12.2 コンシューマ用途としてのワイピング材
4.12.3 薬液や水を吸い上げる不織布
4.12.4 キッチンで使用される不織布
4.13 人工皮革
4.13.1 天然皮革と人工皮革
4.13.2 人工皮革の歴史
4.13.3 人工皮革の製造方法
4.13.4 天然皮革と人工皮革の特徴
4.13.5 人工皮革の用途
4.13.6 世界の生産、技術開発状況

5章 不織布の技術動向と新技術
5.1 不織布の技術動向
5.2 繊維の多様化
5.2.1 高機能繊維による商品展開
5.3 地球環境対応としての繊維原料
5.3.1 ポリ乳酸(PLA)
5.3.2 そのほかの原料
5.4 マイクロファイバー不織布
5.5 ナノファイバー不織布
5.5.1 ナノファイバーの特徴
5.5.2 ナノファイバーの製法
5.5.3 ナノファイバー不織布へ期待
5.6 複合化による高機能化
5.6.1 繊維の種類(原料、繊度など)の異なる不織布の積層
5.6.2 製法の異なる不織布の積層
5.6.3 不織布以外のシートとの複合
5.7 注目技術
5.7.1 スチームジェット法
5.7.2 V-Lap
5.8 生産性の向上
5.8.1 生産技術の現況
5.8.2 スパンボンドでの生産性向上
5.8.3 短繊維不織布の生産性向上
5.9 不織布産業の課題
5.9.1 新用途、新製品の開発
5.9.2 高品質、高生産性技術の開発

コラム

資 料
[付表1]主な汎用繊維の性能一覧表
[付表2]日本の主な不織布メーカーと製品(抜粋)

索 引

はじめに

 日本の繊維産業が、急速なテンポで縮小を余儀なくされてきた中で、不織布だけは堅実な成長を遂げている。世界的にも成長性の 高い分野であり、主力の西欧、米国、日本に加え、近年は中国を主とするアジア地域の伸びが著しい。
 不織布は、細い繊維の立体的な集合体であり、嵩高性、通気性、透水性、柔軟性、吸収性、ろ過性、物質を担持する機能、熱や音に対する遮断性、複合する相手素材に対する形態適応性など、織編物にはない特徴を有し、コストパフォーマンスの優位性もあって、従来の織編物の分野に食い込むと同時に、新たな用途を次々に開拓しながら発展を続けてきた。今後とも、生活に密着した分野から工業分野に至る幅広い分野での新用途の開拓が期待され、また、エレクトロスピニングなどのナノファイバー技術の進展ともあいまって、環境、エネルギー、メディカルなどの分野において質的に大きな役割を担う可能性もある。
 人工皮革で世界を席巻しているように、我が国には、高度の専門技術とキメ細かな改善の融合による生産技術の土俵があり、今後への期待も大きい。
 本書は、不織布ビジネスに携わる皆様に必要な基礎知識を提供することを目的とし、不織布技術の全貌とその素材である繊維全般について、簡潔に平易に解説することを心掛けて執筆した。4人の著者は、それぞれの企業で不織布を含む繊維に関する技術開発や事業に長年にわたって携わり、現在は日本繊維技術士センターに属する技術士として、繊維業界を対象とする教育活動やコンサルタントとして活躍している。不織布の幅広い領域を網羅した、類書のない手軽な解説書として、本書が皆様のビジネスや学習のお役に立つことができれば幸いである。

 2012年4月
 向山泰司

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