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図解 ガスタービン

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06878-2
コード C3053
発行月 2012年04月
ジャンル 機械

内容

ガスタービンは、災害時における防災インフラ(分散型電源)として、また、再生可能エネルギーやバイオ由来燃料などを燃料として使用できる技術として注目されている。本書は、ガスタービンの基礎から応用、メンテナンスまでを図解でわかりやすく解説する。

佐藤幸徳  著者プロフィール

1944年生まれ。秋田県出身。東北大学大学院工学研究科機械工学専攻修士課程、航空宇宙工学専攻博士課程修了。石川島播磨重工業(株)(現、(株)IHI)、石川島ジェットサービス(株)(現、(株)IHIジェットサービス)を経て、現在秋田県立大学地域連携・研究推進センターコーディネーター。工学博士。特許多数。

目次

第1章 ガスタービンの基礎を学ぶ
1-1    ガスタービンの歴史
1 ルーツを探る
2 ガスタービン発展の歴史
3 航空用での発展
4 日本も頑張っている

1-2   ガスタービンの性能
1 基本構成と作動
2 性能
3 特徴
4 レシプロエンジンとの違い
5 ガスエンジンとの違い
6 蒸気タービンとの違い
7 ターボチャージャとの違い


第2章 ガスタービンの構造と作用を知ろう

2-1   ガスタービンの構造─どうなっているの!
1 機種によらず全体構造は似通っている
2 遠心力・熱・振動と厳しい作動環境の克服

2-2   ガスタービンを構成する各要素─どんな装置があるの!
圧縮機〔1〕
圧縮機〔2〕
燃焼器〔1〕
燃焼器〔2〕
タービン〔1〕
タービン〔2〕
燃料噴射器
冷却装置
軸受装置
抽気装置
ディスクと動翼
燃料制御装置
一軸式ガスタービンと二軸式(フリータービン式)ガスタービン
重構造形ガスタービンと航空転用形ガスタービン


第3章 用途からみたガスタービン

3-1   用途から見たガスタービン
1 航空用
2 陸上用
3 船舶用
4 車両用


第4章 ガスタービンの材料と加工法

4-1   ガスタービンの材料
1 材料の移り変わり
2 代表的材料と特性
3 チタン合金
4 複合材料

4-2   ガスタービン材料の加工法
1 加工法の移り変わり
2 精密鋳造法
3 一方向凝固・単結晶鋳物
4 レーザビーム加工、電子ビーム加工
5 放電加工、ケミカルミーリング、電解加工
6 コーティング


第5章 ガスタービンの応用システムと燃料

5-1   ガスタービンの応用システム
1 応用システム
2 蒸気噴射システム
3 コンバインドサイクル
4 再生サイクル、中間冷却サイクルと中間冷却再生サイクル
5 吸気加湿冷却システム
6 燃料電池との組合せ
7 未利用エネルギー活用ガスタービン発電システム
8 マイクロガスタービン
9 移動電源車

5-2   ガスタービン用の燃料
1 基本的には何でも利用可能
2 航空用燃料
3 陸上用燃料
4 バイオマス燃料


第6章 航空用ガスタービン(ジェットエンジン)の実際

6-1   航空用ガスタービン
1 ボーイング787用GEnxエンジン
2 MRJ用PW1200Gエンジン
3 CF6-80C2エンジン

第7章 未来の夢のガスタービンの時代

7-1   未来の夢のガスタービン時代
1 未来社会とガスタービン
2 複合都市社会を支え、分散型電源、熱エネルギー源として普及
3 音速よりもはるかに速い飛行機用エンジン
4 超マイクロガスタービンのボタン型電源
5 水素焚きガスタービンやセラミックガスタービン
6 ガスタービンはどこまで性能を伸ばせるか


【コラム】
●原子力ジェットエンジン
●手回し起動ガスタービンとガスタービンの特性
●傾斜機能材料と竹
●富岳三十六景の浪浦と燃料の微粒化
●日本初のジェットエンジン「ネ20」開発のエピソード
●ガスタービン人生論

参考文献
索  引

はじめに

2011年3月11日に発生した東日本大震災、原子力発電所事故による被害は私たちに大きな衝撃を与えました。同じ年の7月から始まったタイの工業団地を襲った大洪水による部品などの供給停止は大きな経済的打撃を与えてしまいました。いずれも災害対応・災害防止設備が適切に設置されていれば被害を最小にできたことでしょう。 
 以前からわが国では通信大手が全国に移動電源車を配置し、電源喪失に伴う危機に備え、また大都市でも大河川の氾濫による浸水被害に備えてきました。また都市部の高度複合施設や地域にも安全安心のための独自の電源が設置されてきています。最近では原発停止による電力設備の補充も急ピッチで進められています。これらの設備の駆動源として多くはガスタービンが使用されています。
 また、新興国の経済発展やグローバル化に伴う人や物の移動も年々増加の傾向にあります。そのような中で先端技術を取り入れた燃費効率のよい静かな快適な航空機も登場してきました。この実現にはガスタービンの応用のひとつであるジェットエンジンの進歩と貢献が欠かせません。
 さらに、地球温暖化の抑制やエネルギー多様化に対する社会の要請があります。ガスタービンはこの要請に応える技術のひとつと考えられています。バイオマス由来燃料、石炭ガス化ガス、メタンハイドレートからの燃料など多様な燃料の活用が可能です。航空用においてもすでに米国ではバイオマス燃料添加の燃料規格が2011年に制定され、航空会社も試験飛行を行っています。
 本書では以上のように期待されるガスタービンを、その生い立ちからメカニズム、また最近の技術などを含め紹介します。

2012年4月
佐藤幸徳

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