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再生可能エネルギーと大規模電力貯蔵

定価(税込)  2,808円

監修
編者
サイズ A5判
ページ数 224頁
ISBNコード 978-4-526-06852-2
コード C3054
発行月 2012年03月
ジャンル 電気・電子

内容

風力や太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーを本格的に利用するためには、これまでにない大規模貯蔵、長距離輸送技術が必要となる。本書は、再生可能エネルギーの利用促進を前提に、2次電池および水素の利用を中心に、エネルギー(電力)貯蔵技術を平易に解説する。

太田健一郎  著者プロフィール

執筆者一覧

【監修】
太 田 健一郎 (横浜国立大学)

【執筆者】
太 田 健一郎 (横浜国立大学)
1-1節、5章、8章

石 原 顕 光 (横浜国立大学)
1章、2章、3章、5章、6-1節、6-2節、6-4節、6-5節

大 山   力 (横浜国立大学)
4章

松 澤 幸 一 (横浜国立大学)
6-3節

光 島 重 徳 (横浜国立大学)
6-6節

大 城 善 郎 (横浜国立大学)
7章

横浜国立大学グリーン水素研究センター  著者プロフィール

【編集協力者(順不同)】
野 崎   健 (独立行政法人 産業技術総合研究所)
伊 庭 健 二 (明星大学)
田 中 晃 司 (東京電力株式会社)
小 川 幸 治 (日本ガイシ株式会社)
重 松 敏 夫 (住友電気工業株式会社)
石 川 勝 也 (川崎重工株式会社)
橋 本   勉 (三菱重工業株式会社)
高 林 久 顯 (新神戸電機株式会社)
高 根 稔 明 (株式会社 明電舎)
根 岸   明 (独立行政法人 産業技術総合研究所)
内 山 俊 一 (埼玉工業大学)
佐 藤 完 二 (独立行政法人 科学技術振興機構)
嘉 藤   徹 (独立行政法人 産業技術総合研究所)
氏 家   諭 (関西電力株式会社)

目次

はじめに

第1章 日本のエネルギー事情
1.1 地球レベルでの課題
1.2 日本のエネルギー事情

第2章 エネルギーの量と質
2.1 エネルギーとは何か
2.2 熱力学第一法則
2.3 熱力学第二法則

第3章 再生可能エネルギーの可能性と課題
3.1 再生可能エネルギー概説
3.2 太陽光発電
3.3 風力発電
3.4 水力発電
3.5 地熱発電
3.6 バイオマスエネルギー
3.7 再生可能エネルギー導入の課題

第4章 電力系統とスマートグリッド

4.1 スマートグリッドへの期待
4.2 低圧ネットワークへの多数導入と問題点
4.3 再生可能エネルギー発電大量導入時の周波数問題

第5章 エネルギーキャリア─電気と水素
5.1 エネルギーキャリアへの変換

第6章 グリーン水素
6.1 水素エネルギーとは
6.2 水素の特徴
6.3 水素利用の歴史
6.4 物質循環と水素エネルギー
6.5 水素のいろいろな製造法
6.6 大規模エネルギー貯蔵にむけた水電解技術

第7章 大規模電力貯蔵システム
7.1 エネルギーの種類
7.2 電力貯蔵システムへの期待
7.3 電力貯蔵システム
7.4 化学エネルギーを用いた電力貯蔵
7.5 電力貯蔵システムの横断的比較

第8章 未来社会におけるエネルギーシステム
8.1 持続型成長への道
8.2 未来の水素エネルギー社会

おわりに

索引

はじめに

 人類は現在、地球上に豊かな物質文明を展開しており、程度の差はあるが、その輝かしい成果を地球レベルで享受しているといってよいであろう。しかしこの豊かな物質文明は、化石資源の大量消費に支えられていることを忘れてはならない。化石資源は有限である。豊かな物質文明は人口の爆発的な増大をもたらしているが、その人口増加によってさらに化石資源の消費が激増するという負の連鎖を抱えている。さらに、化石資源の大量消費が地球レベルでの環境破壊を引き起こすことが明らかとなってきた。地球温暖化問題はまさに、未来の豊かな社会に警鐘を鳴らすものであり、現在の化石エネルギーに基づく文明の行き着くところは地球破壊につながる可能性もある。化石エネルギーに替わり原子力エネルギー利用も考えられるが、絶対安全な技術はないこと、さらには廃棄物処理に向けて有効な方法が見出されていない現状では、持続型社会を支えるのは困難であろう。
 これらの問題を根本から解決する方法の1つとして、世界的に再生可能エネルギーの本格利用に関心が高まっている。わが国でも昨年、東日本大震災が発生し、エネルギー政策の根本的な見直しが迫られている。その中で、これまで化石資源に依存してきたエネルギー供給を脱却し、再生可能エネルギーの導入が促進されている。
 しかし、再生可能エネルギーは時間的変動が大きく、かつ発電適地も地域的に限られており、エネルギーの利用拡大が進むにつれ輸送、貯蔵技術が重要となる。ここで再生可能エネルギーから産出された電気エネルギーの貯蔵物質としての化学物質、中でも水素がその役目を担うことが出来るはずである。われわれは再生可能エネルギーから製造した水素を、特に「グリーン水素」と名づけ、未来のエネルギーシステムの中核をなす概念と位置づけている。そして、他の大規模な電力貯蔵システムとあわせることにより、より効率的な再生可能エネルギーの利用が促進されると考えている。
 本書では、再生可能エネルギーを本格的に人類文明に取り込みながら、高効率なエネルギー需要・供給ネットワークを形成するスマートグリッドと、それを支えるキーテクノロジーとなる大規模エネルギー貯蔵であるグリーン水素と大規模電力貯蔵システムに関して平易な解説を試み、再生可能エネルギー利用の促進を図ることを目的とした。


2012年3月12日
執筆者代表
横浜国立大学工学研究院 グリーン水素研究センター 名誉教授
太田健一郎

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