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絵とき「再生可能エネルギー」基礎のきそ

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06845-4
コード C3050
発行月 2012年03月
ジャンル 環境

内容

再生可能な自然エネルギーに対する期待と関心が高まっている。本書は、再生可能エネルギー全般を取り上げ、その特徴や課題などをわかりやすく解説するとともに、化石燃料や原子力など従来型エネルギーとの技術的な比較も盛り込む。

大高敏男  著者プロフィール

(おおたか としお)
1990年 (株)東芝家電技術研究所入社
2000年 東京都立工業高等専門学校助教授
2003年 都立大学客員講師
2007年 国士舘大学准教授
2011年 国士舘大学理工学部機械工学系教授
工学博士 技術士(機械部門 第56798号)
企業で圧縮機・冷凍機・空調機の研究・開発・設計に従事してきた。教育機関ではこれらを生かした実践的な機械設計手法や3次元CADを活用したモノづくり手法、熱力学、伝熱工学などのエネルギーに関する分野と機械設計に関する講義を担当している。
専門分野は熱工学、伝熱工学、冷凍・空調工学、機械設計。

主な著書
「失敗から学ぶ機械設計─製造現場で起きた実際例81」日刊工業新聞社
「絵とき機械用語事典 作業編」(共著)、日刊工業新聞社
「絵とき機械用語事典 設計編」(共著)、日刊工業新聞社
「絵とき熱力学 基礎のきそ」日刊工業新聞社
「絵ときヒートポンプ 基礎のきそ」日刊工業新聞社
「3次元CADで学ぶ機械設計の基礎知識」日刊工業新聞社
「3次元CAD実践活用法」コロナ社
「機構学」コロナ社
「はじめての機械要素」科学図書出版
「上手な機械製図の書き方」技術評論社
ほか

目次

第1章 エネルギーと社会
1-1 エネルギーとは何か
1-2 エネルギー利用の歩み
1-3 エネルギーと諸問題
1-4 わが国のエネルギー事情
1-5 再生可能エネルギー

第2章 エネルギー技術の評価
2-1 熱力学的評価の基礎
2-2 エネルギー技術の評価
2-3 経済的評価

第3章 エネルギー資源の種類
3-1 化石エネルギー
3-2 原子力エネルギー
3-3 自然エネルギー
(1)太陽エネルギー
(2)風力エネルギー
(3)地熱エネルギー
(4)海洋エネルギー
(5)その他のエネルギー

第4章 従来型のエネルギーとその技術
4-1 発電における基本理論
4-2 火力発電
4-3 原子力発電
4-4 複合サイクルやその他の熱機関

第5章 再生可能エネルギーの種類と特長
5-1 自然エネルギー
(1)太陽エネルギー
(2)風力エネルギー
(3)海洋発電
(4)地熱発電
(5)水力発電
(6)バイオエネルギー
5-2 人工的なエネルギー

第6章 再生可能エネルギーと将来型のシステム
6-1 熱電発電
6-2 燃料電池
6-3 MHD(電磁流体)発電
6-4 スターリングエンジン
6-5 コージェネレーション(Cogeneration)システム
6-6 氷蓄熱システム
6-7 揚水発電
6-8 その他のシステム
6-9 将来のエネルギーシステム

コラム
1 仕事の単位
2 フロンとは何か
3 人口過密地域の憂鬱─ヒートアイランド現象─
4 京都議定書の役割とは
5 エネルギーの単位『J:ジュール』
6 比エンタルピとは
7 エントロピは無限に増大し続ける?
8 海底油田の事故
9 光化学スモッグとは
10 化石燃料はあとどのくらいで無くなるのか?
11 可視光線はどのくらいのエネルギーをもっているのでしょう
12 夏の暑さを冬の暖房に、冬の寒さを夏の冷房に!
13 宇宙で太陽光発電!
14 光合成は二酸化炭素を吸収する
15 電子冷却(ペルチェ効果)を利用した冷蔵庫
16 非在来型天然ガス「シェールガス」とは

はじめに

 エネルギーは私たち人間にとって欠かせないものです。私たちは大昔からエネルギーの獲得のために努力してきました。そして獲得したエネルギーを上手にコントロールして利用してきました。大きな障害にぶつかっても、忍耐と努力と英知を結集して克服してきました。この繰り返しの中で、私たちは幸せで豊かな社会を築いてきたのです。17世紀初頭のイギリスでは、蒸気を利用して地下水の水汲みポンプを駆動させていました。未熟な製鉄技術、溶接技術からたびたびボイラが爆発事故を起こし、その度に大きな被害をもたらしました。安全な機械の探求や技術開発の努力は、スターリング機関や内燃機関を産み出しました。歴史を振り返れば、エンジニアは問題にぶつかってもいつもそれを克服して技術を進めてきました。そして人や社会を豊かにし、社会の基盤を創ることを生業としてきたのです。
 2011年3月11日の東日本大地震とそれによって発生した津波、そして津波によって引き起こされた原子力発電所の事故は、エネルギーの獲得、コントロール、利用について改めて深く考える機会となりました。そして今、再生可能エネルギーについての関心が再び高まっています。再生可能エネルギーとはどのようなエネルギーなのでしょうか。人間が獲得しコントロールし利用することができるエネルギーなのでしょうか。
 本書は、再生可能エネルギーに関して興味をもたれた方やはじめて勉強する方から、再生可能エネルギーの問題点や優れた点、再生可能エネルギーを利用するための技術などに興味がある方まで、幅広く学習できるように配慮しております。
 第1章はエネルギーの概念とその基礎事項をまとめて解説しています。第2章はエネルギーやエネルギー関連技術の優劣を判断する基礎事項について解説しています。電気で動く機械は排気ガスを出さないからクリーンであるなどというようにエネルギーを使う末端のイメージが先行しがちですが、本質的に優れているものを見きわめる基礎知識が大切です。ここでは技術面からだけでなく経済的評価についても触れています。第3章では、エネルギー資源の種類と特長について解説しています。第4章は、従来広く用いられているエネルギー変換技術について解説しています。発電所のシステム構成やその大もととなっている原理についても解説しています。第5章は、再生可能エネルギーの種類と特長について、さらに第6章は、再生可能エネルギーに関連した技術の中で、実用化が期待されるもの、広く普及が期待されるもの、これからの技術開発が期待されるものについて、その中のいくつかを取り上げて解説しています。
 本書を、再生可能エネルギーに興味を持たれた方をはじめ、熱工学やエネルギー工学の入門者やエネルギー関連の技術者の方に広く活用いただければ幸いに思います。
 最後になりましたが、本書を作成するにあたり、多くの方のご協力をいただきました。この場をお借りして心よりお礼申し上げます。また本書を執筆する機会を与えていただいた日刊工業新聞社の奥村功氏、また企画段階から多くのアドバイスをいただき、編集と出版にご協力とご支援をいただきましたエム編集事務所の飯嶋光雄氏に心から感謝いたします。

 2012年3月
 大高敏男

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