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チタンの加工

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06857-7
コード C3053
発行月 2012年03月
ジャンル 機械

内容

本書では、チタン加工の入門者に対して、現在、最も必要性の高い加工を重点的に示す。難加工材といわれるチタンの加工について初心者でもわかるよう図・写真を用いて平易に解説したもの。特徴は以下のとおり、①プレス加工、切削加工、研磨加工、溶接などチタン加工のひととおりを示す、②イラストで直観的に要点をわかりやすく説明する、③そのページを読むと、大筋がわかる、④基本技術に加え、最近の技術を紹介する。

上瀧洋明  著者プロフィール

(こうたき ひろあき)
 1962年  東京大学工学部大学院修士(治金学科)卒業
  富士製鐵㈱入社
 1985年  新日本製鐵㈱チタン部にてチタン製品の開発事業に従事
 1988年  日鐵溶接工業㈱に出向。チタン溶接技術開発、製品開発及び営業。
 1996年  新日本製鐵㈱退職
 1996年〜 ㈳日本チタン協会 コンサルタント
  日本溶接協会規格委員会委員
  米国溶接協会(AWS)A5K、G2D委員
 連絡先  〒101―0054 東京都千代田区神田錦町2―9大新ビル7F
  TEL 03(3295)5958 FAX 03(3293)6187
  URL http:/www.titan―japan.com
  e―mail kotaki@titan―japan.com
 著 書  「チタンの溶接技術―第2版」、日刊工業新聞社

目次

はじめに  

第1章 チタンの特性と用途
1.1 「比強度」と航空機  
1.2 「耐食性」と化学装置、熱交換器  
1.3 「人体親和性」と医療用材料  
1.4 「意匠性」とアクセサリー  
1.5 チタンの新しい特性と用途 
1.6 チタンの加工の種類  

第2章 チタンの塑性加工
2.1 塑性加工とは  
2.2 チタンの成形加工(プレス成形)  
2.3 チタンの深絞り加工  
 2.3.1 深絞り加工とは  
 2.3.2 チタンのr値  
 2.3.3 チタン深絞りのしごき  
2.4 チタンの張出し加工  
 2.4.1 張出し加工とは  
 2.4.2 チタンのn値  
 2.4.3 チタンによる張出し成形  
2.5 チタンの伸びフランジ加工  
 2.5.1 伸びフランジ加工とは  
2.6 チタンのスプリングバック  
 2.6.1 スプリングバックとは  
2.7 チタンのスプリングバックとヤング率  
2.8 チタンのスプリングバック対策  
2.9 チタン板の縦と横(面内異方性)  
2.10 チタンの結晶構造―α型とβ型  
2.11 ‌加工性を表す数値(その1)―r値とは  
2.12 ‌加工性を表す数値(その2)―n値とは  
2.13 ‌加工性を表す数値(その3)―エクセリン値とは  
2.14 ‌加工性を表す数値(その4)―CCV(コニカルカップバリュー)とは  
2.15 ‌加工性を表す数値(その5)―LDR(限界絞り比)とは  
2.16 チタンの鍛造  
 2.16.1 自由鍛造と型鍛造  
 2.16.2 チタンの鍛造  
 2.16.3 チタン合金の成形性と物性  
2.17 チタンプレス加工の金型と潤滑  
 2.17.1 金型  
 2.17.2 チタンプレス用潤滑  
2.18 チタンの加熱  
 2.18.1 チタン加熱時の挙動  
 2.18.2 酸化物とαケース  
 2.18.3 チタンの酸化防止対策  
 2.18.4 チタンの応力除去焼鈍  
 2.18.5 βトランザス  

第3章 チタンの切削加工
3.1 切削加工とは  
3.2 チタンの旋盤加工  
3.3 チタンのフライス加工  
3.4 チタンの穴あけ加工(ドリル加工)  
3.5 チタン切削加工の工具  
3.6 チタン切削加工での冷却と潤滑  
 3.6.1 チタンの切削工具の摩耗が早い理由  
 3.6.2 チタンの切削工具の摩耗対策  
3.7 チタンの切削条件  
3.8 チタンの切粉  
3.9 チタン切削に適した工作機械  

第4章 チタンの溶接
4.1 チタン溶接加工の種類  
4.2 チタンのティグ溶接  
4.3 チタン溶接の特殊性  
4.4 コンタミネーションとその防止  
4.5 チタン溶接のシールド  
 4.5.1 シールドの種類  
 4.5.2 アフターシールド治具  
 4.5.3 バックシールド治具  
4.6 チタンのミグ溶接  
4.7 チタンのプラズマ溶接  
4.8 チタンの電子ビーム溶接  
4.9 チタンのレーザ溶接  
4.10 チタンの抵抗溶接  
4.11 チタンの摩擦圧接  
4.12 チタンの爆着  
4.13 チタンのろう付  
4.14 チタンの拡散接合  
4.15 チタンの摩擦撹拌接合(FSW)  
4.16 チタンのハイブリッド溶接  
 4.16.1 チタンのサーマルスターウエルディング(TSW)  
 4.16.2 チタンのティグ+レーザ複合溶接  

第5章 特殊な加工
5.1 チタンの研削・研磨  
 5.1.1 チタンの砥石(グラインダ)加工  
 5.1.2 ブラスト  
 5.1.3 酸化防止  
 5.1.4 チタンの電解研磨 
 5.1.5 チタン粉末の発火  
5.2 陽極酸化発色  

さらに勉強したい人のための参考資料  

おわりに  

索  引  



Column
チタンに藻や貝がつくか?
チタンの酸化物はみんな光触媒作用があるの?
張出し加工を避けるためのちょっとしたアイデア
丸く切っても楕円になるフライパン
異種金属の接触腐食
チタンが変色する? 
加熱炉でチタンが燃える?
工具の摩耗とチッピング
切削工具の刃先温度を測ったら
構成刃先とは
加工法に何を選ぶ?
梅雨時の「失敗」溶接 
きれい好きがトラブルのもと?
チタンはレア?

はじめに

 チタンが持っている優れた特性を活用した製品作りが活発に行われるようになってきた。従来からチタンに取り組んできた企業のみならず、より高付加価値を求めた新しいものづくりへの足掛かりにするために、新規にチタン加工に参入される動きも多くなってきた。
 チタンは従来から「軽くて強い」「耐食性がある」という性質に着目され、航空機部品や化学装置、復水器や熱交換器、あるいはメガネやゴルフクラブなどの製造では、定常的に製品開発・生産がおこなわれてきた。しかし、チタンの優れた特性はこれだけではない。
 近年、新しく注目されてきたチタンの特性、例えば「アレルギーがほとんどない」「弾力性がありしなやかである」「酸化物は光触媒作用をもつ」「陽極酸化反応で美しい色が100種類以上出せる」等々を利用した製品作りもここへきて活発に行われるようになった。
 こうした中、従来から他の金属の加工をしていたが、チタンも対象にしようという企業や団体が多くなった。そしてチタン加工の勉強をはじめている所も多い。
 一方、チタンは難加工材であるというイメージも根強く残っている。航空機部品やゴルフヘッド製作では既に多くの実績を挙げているのに、なぜ難加工材と言われるのであろうか。
 その理由の一つは、チタンの性質が他の金属と違う点が多いため、従来の鉄鋼やステンレス鋼と同じにやっていたのでは解決できない問題点が多いためと思われる。チタンは他金属との違いが多く、理論的に追跡していくと奥が深く、新規にチタン加工をはじめるには敷居が高い。とは言え、理解しないで闇雲に進むと失敗を余儀なくされる。
 そこで本書では、チタン加工に新規に参入される方を念頭に、新規参入者や初心者がまず頭に入れておかなければならないチタン加工の基礎を一目でわかるようになるべく絵を用いて解説した。また必要な項目毎に、目で見て実感し、理解できるようにした。本書は、言わばチタンの加工の入り口の本である。意欲ある人はこれを足掛かりにさらに専門的な勉強を進めてほしい。
 本書が「これまで金属に関係していたがチタンは初めてだという方」「これからチタン加工を行いたいと思っている方」「チタンの加工をやってきたがさらに範囲を広げたいと思っている方」の助けになれば幸いである。
 
 2012年3月
 上瀧洋明

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