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これからは倉庫で儲ける!!物流不動産ビジネスのすすめ

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 200頁
ISBNコード 978-4-526-06837-9
コード C3034
発行月 2012年02月
ジャンル 経営

内容

物流不動産ビジネスとは、物流施設の賃貸借を活用する、倉庫に特化した仲介業である。イーソーコは、物流と不動産、その他の業界を融合させることにより、新たなビジネスである物流不動産を確立した。本書はそのノウハウをまとめ、わかりやすく解説したもの。このノウハウを転用すれば、自社施設を持たずに物流業を拡大することが可能になる。

大谷巌一  著者プロフィール

(おおたに いわかず)
1957年生まれ、東京都出身。株式会社イーソーコドットコム取締役会長、イーソーコ株式会社取締役副社長、株式会社イーソーコ総合研究所取締役副社長、株式会社トーウン取締役副社長、東運ウェアハウス株式会社取締役副社長、東運開発株式会社取締役、日本物流施設株式会社取締役、協同組合物流情報net-e理事長、日本物流不動産評価機構(JA-LPA)有限責任事業組合評価員、同推進協議会委員を兼務。
81年大学卒業後、東京倉庫運輸株式会社入社。倉庫業の業務に戦略的物流施設の活用や物流施設の流動化、物流施設・土地の有効活用などを加えた「物流不動産ビジネス」を構築。常に物流施設を基軸とした新しい物流のビジネスモデル構築を考える。共著で『物流改善Q&A100 物流ソリューションのためのヒント集』(日刊工業新聞社)がある。

目次

はじめに

序章  物流業界の今
第1節 物流不動産ファンドとは何か
第2節 倉庫営業の失敗がチャンスに
第3節 変わりたくなかった業界
第4節 倉庫には改革が求められている

第2章  物流不動産ビジネスとは何か
第1節 物流施設で新たなチャンスを掴む
第2節 他社倉庫を利用したビジネス
第3節 3PLは物流不動産ビジネスの応用技だ
第4節 物流と不動産、CRE戦略とは
第5節 許認可事業としての、不動産事業
第6節 宅建主任者の資格取得は難しくない
第7節 3WINの関係を目指して
第8節 老舗倉庫会社は不動産事業を重視
第9節 ビンテージ倉庫の活用法
第10節 新しい売り上げを作る
第11節 ランチェスター経営を進める
第12節 不動産事業を売り上げに追加する
第13節 付帯(改修)工事も売り上げにつなげる

第3章  物流不動産ビジネスが会社を変える
第1節 物流不動産ビジネスが会社を活性化させる
第2節 お客様は誰なのか
第3節 リーシング、紹介で弾(倉庫)を借りる
第4節 マスターリースが土俵を広げる
第5節 情報がビジネスチャンスになる
第6節 異業種に情報を求めるようになる
第7節 新しい物流営業マンの誕生
第8節 身近な情報も埋もれさせない
第9節 マルチタスク営業マン
第10節 情報は常に循環する
第11節 新設第2営業部
第12節 波動対応のアウトソーシング
第13節 新体制は新給与体系

第4章  物流不動産ビジネスパック〈IT編〉
第1節 ビジネスにIT環境を
第2節 ビジネスはリアルタイムに価値がある
第3節 動画や通信の話題ツール
第4節 物流不動産専用サイト
第5節 イーソーコ.comの地域限定版
第6節 全国の営業案件をつなぐLSS
第7節 LSS Personalで、さらば一匹狼
第8節 お客様フォローにメールマガジン
第9節 ビジネス成功の一斉同報配信システム
第10節 サテライトも1ウィンドウで

第5章  物流不動産ビジネス成功事例
第1節 組織営業で新人営業マンが成約
第2節 LSS掲示板を利用して即成約
第3節 地元の信頼とコーディネート力で成約
第4節 倉庫の改修提案でリーシング成約
第5節 物流コンサルティングで成約
第6節 寄託契約で成約
第7節 ビンテージ倉庫をオフィスへ改修提案して成約
第8節 自社倉庫のプロフィット化提案で成約
第9節 まれに近隣相場より高く成約
第10節 不良債権物件を再生して成約

第6章  こうやって進める物流不動産ビジネス
第1節 営業活動とは
第2節 お客様との信頼を築く
第3節 営業活動のAtoZ
第4節 物件シートを読む
第5節 営業活動の心得Ⅰ:売り先行
第6節 営業活動の心得Ⅱ:ヒアリングは急がば回れ
第7節 営業活動の心得Ⅲ:組織営業は案ラク表
第8節 営業活動の心得Ⅳ:現場百篇をいとわない
第9節 営業活動の心得Ⅴ:案内無くして、成約ならず
第10節 周辺相場を知る
第11節 契約前の与信調査は重要
第12節 物流ニーズを捉えるコンサルティング術
第13節 物流不動産ビジネスの最終形態、マスターリース

Appendix  物流不動産ビジネスパック〈契約管理〉
第1節 物件情報の読み方
第2節 手数料の読み方
第3節 契約書の種類
第4節 普通賃貸借契約書
第5節 マスターリース契約
第6節 重要事項説明
第7節 建物の付属書類
第8節 土地建物の登記簿謄本の読み方
第9節 建築関連法規の理解
第10節 原状回復条項の詳細
第11節 アコーディオン方式の賃貸契約
第12節 物流ヒアリングシート詳細版
第13節 営業倉庫の登録申請手続き

あとがき

はじめに

根っからの倉庫マン
 私は30年前、東京芝浦にある老舗の倉庫会社に入社し、倉庫現場、お客様受付、新規開拓営業を経験した生粋の倉庫マンであることを誇りにしています。
 新人研修時に定年を迎えたベテラン先輩社員から、倉庫業の美徳として「お客様の要求に応えて単純作業をいとわず、額に汗し反復継続する。決して目立たず、社会の縁の下の力持ちとなる」と教えられました。
 ときに、物流合理化的な発案をすると、「あなたは頼まれたことだけを着実にこなし、余計なことは考えてはいけない。考えている暇があるのなら倉庫内を清掃しなさい」と叱られたことを思い出します。
 そして、15年程前には国交省のセミナーで、初めて3PLについて説明を受けたことも衝撃的でした。3PLという新しい物流業の業態が、お客様の物流コスト削減を言うことなのだと説明され、“なぜ物流会社の売り上げを減らす、利益に反する行為を提案するのか?”と迷いが広がりました。

黒船が来た、物流ビッグバンの時代
 グローバリゼーションと金融ビッグバンの実施。規制緩和の波は物流にも押し寄せました。それまで銀行一本だった間接金融に直接金融が加わり、海外より物流不動産ファンドが上陸して、有利な投資利回りである万能型の超大型高機能型物流倉庫(メガ倉庫)が建設され始めました。特徴としては、1フロア3,000坪以上の床面積でトラックが上層階に行けるランプウエイ方式を採用し、保管・物流加工・配送センターの機能を併せ持つ万能型倉庫で、話題のSCMなどに対応可能な施設です。最新の物流ニーズはもちろんのこと免震、エコブームにも対応しており、続々と建設が続いています。2003年日本経済新聞のトップ記事に「物流合理化、外資が担う」といった見出しが登場し、物流業界にもビッグバンが到来していることを知ったのでした。
 銀行はキャッシュを、倉庫業はお客様の財産をお預かりするから、信用ある業界といわれておりました。現在でも、地方では名だたる名士の方々が倉庫業者として活躍しております。かつて、倉庫業を始めるには自社物件が必要なうえに、資産の多さ、社歴、経営安定度、社会的な信用等々とまさに、新規参入が難しい護送船団の業界でありました。
 自由化の流れは物流業界にも及び、運送業・倉庫業の規制緩和は進んだのです。自由化は新規参入を促進し、規制に守られた特権は形式だけとなり、苛烈な自由価格競争が始まったのです。

物流業と不動産業の垣根もなくなり
 運輸省と建設省の合併による国土交通省の誕生は、物流不動産にとって大きなターニングポイントでもありました。物流と不動産、二つの業界は土地・建物を扱っているという共通点があります。どちらも唯一無二の空間を扱ってはいますが、お客様にとって倉庫は手段であり、取得や所有が目的ではありません。その点が、不動産業と物流業としての倉庫の位置づけが異なります。
 「500坪の“あの倉庫”が必要だ」となれば唯一無二の存在である不動産の性格上、有利な条件を巡って利害が対立します。より有利な条件で商談を進めたいという交渉は、難儀をもたらします。しかし、お客様の経営目的に合わせた倉庫選び(物流)であるなら、唯一無二の“あの倉庫”でなくとも良いのです。無限の可能性と選択の自由度が高まるのです。そして、お客様の成長と共に倉庫も規模を変え、形を変え、ふさわしい立地や設備は徐々に変化していきます。不動産が形を変えるなどとは不動産業では考えられませんでした。唯一絶対の存在が不動産というものだったからです。その不動産を物流の一部として、倉庫を目的ではなく手段として捉えたとき、物流不動産ビジネスというしくみと仕掛けが生まれたのです。本書では、この物流不動産ビジネスとは何か、なぜ必要か、どのように進めれば良いか、そのためのツールと成功事例の紹介、必須の契約関係書類を整えました。読者の挑戦、新規参入を歓迎いたします。

大谷 巌一

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