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この部品はこうやって解析する!
SolidWorksでできる設計者CAE

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ B5判
ページ数 144頁
ISBNコード 978-4-526-06835-5
コード C3053
発行月 2012年02月
ジャンル 機械

キーワード

内容

本書はCAE初心者の設計者を対象に、「自分は何を設計しているのか?」「その設計手順の中でエンジニアリング的に何を検証しなければならないのか」「そのうえでどのような解析が必要なのか」「その解析の実行にはどのようにメッシング、境界条件、初期条件、材料物性などを組み合わせ、どのように評価すべきか」をひととおり学習する入門書。一般的な設計者が良く扱う、自動車関連、家電関連、産業機械関連などの製品の種類の観点から、板金部品、樹脂部品、切削部品、鋳造部品などをまんべんなく扱う。

水野 操  著者プロフィール

(みずの みさお)
1967年東京生まれ。1992年Embry-Riddle Aeronautical University(米国フロリダ州)航空宇宙工学修士課程修了。外資系CAEベンダーにて非線形解析業務に携わった後、PLMベンダーにて複数の大手自動車会社にて、3D CAD、PLMの導入に携わる。その後外資系コンサルティングファームにて、大手メーカーの開発プロセス改革のコンサルティング業務に携わる。さらに、外資系企業の日本法人立ち上げや新規事業企画、営業推進などを経験した後、2004年にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、代表取締役に就任。現在同社にて、オリジナルブランド展開や、新規事業企画、マーケティングコンサルティングを推進。社団法人3Dデータを活用する会(3D-GAN)理事
主な著書に、『絵ときでわかる3次元CADの本選び方・使い方・メリットの出し方』、『Solidworksコマンド徹底マスター』、『作りたい形がすぐわかる 3次元CAD部品形状テンプレートブック』。

http://www.nikoladesign.co.jp/ (企業情報)
http://www.cafe-3d.com/(3次元CADと関連サービスに関する情報とお問い合わせ)

【執筆協力】
高橋 和樹(たかはし かずき)
1965年山形生まれ。 1987年 山形大学工学部卒。大手オーディオ機器メーカーにて、メカ設計業務に携わり設計部門に3次元CADとCAEを導入して設計者CAEに取組んだ。
その後外資系CAD/PLMベンダーにて3次元設計コンサルティング業務、プロダクトマーケティング、ビジネスデベロップメントなどを経験した後、2011年に3Doors株式会社を起業して、代表取締役に就任。現在同社にて、製造業向けITコンサルティング サービスを展開中。
URL: www.3doors.jp

目次

はじめに

Chapter1 設計者のための電卓代わりのCAE入門(基礎編)
1 電卓代わりに解析をやってみよう
2 CAEの役割とは
  メリット
  解析をやる上での心構え
  解析結果の取扱い方
  変形モードを確認する
  応力値が妥当であるかを確認する
3 知っておきたい有限要素法の基礎知識
  要 素
  節 点
  自由度
  拘 束
  荷 重
  ヤコビアンとアスペクト比
4 解析のプロセス
5 解析をやる前に復習しておきたい材料力学の基礎
  フックの法則
  反力について
  モーメント
  断面2次モーメント
  応 力
  歪 み
  応力と歪みの関係
  ポアソン比
  等方性材料と異方性材料

Chapter2 設計者のための電卓代わりの解析(実践編)
こう解析する1  このスナップフィットははまるのか?
こう解析する2  この部品は抜けずにすむのか?
こう解析する3  部品がはまる力を制御する
こう解析する4  圧入パーツの保持力は充分か?
こう解析する5  カバーと部品が接触するか?
こう解析する6  ヒートシンクの効果は出ているか?
こう解析する7  溶接部品の強度は充分か?
こう解析する8  ねじれてしまう部品の強度は充分か?
こう解析する9  フック型部品の強度は充分か?
こう解析する10 この板バネをはめることができるのか?
こう解析する11 ボディーの強度は充分か?
こう解析する12 モーターを支えるためのブラケットの強さは?
こう解析する13 そのボトルの強さは充分か?
こう解析する14 その椅子には座れるか?
こう解析する15 落としても大丈夫か?
こう解析する16 そのプロペラは共振しないか?

はじめに

【まずは電卓代わりに解析をしてみよう】
 かつて専任の解析担当者でないと活用の難しかったCAE活用へのハードルが下がってきている。しかし、「解析はハードルが高い」という声も依然として高いのも事実である。実際に筆者が解析に従事していた頃は、扱っていたのが「MARC」という非線形の解析ソフトということもあり、また解析データを作成するプリポストも今と比べれば非常にプリミティブで、生のデータをテキストエディタで操作してから実行することも決して珍しくはなかった。
 ところが、現在のCADに付属する解析ソフトは、ミッドレンジの3D CADであっても、本書でも多少触れているが、SolidWorks Simulationにおいては、大変形を扱う解析や、落下に伴う衝撃などが驚くほど簡単に試すことができるようになっているくらいに進化している。また、それらの解析を行うための準備の作業も大変にシンプルだ。有限要素法に必要なメッシュすら全てバックグラウンド処理されるため、設計者は通常は確認する必要すらない。それにも関わらず、もっと多くの設計者のみなさんが日常的に使っていても良いはずなのに、普及率はまだ低い。その理由の一つは、どこからどのように手をつけて良いのか、あるいは結果をどのように評価して設計につなげればよいのかが、よくわからないという入口の問題があるのだと思われる。
 そんなある日、今回の本にも執筆協力をいただいた3Doors株式会社の高橋和樹氏とのディスカッションの中で、「CAEについて、まだ解析に触ったことのない設計者が、どのように設計の中で解析を進めたら良いのか」という視点で解説をしている解析の本が見当たらない、という意見が出てきた。そう言われて、手元にあるものも含めて様々なCAEの解説書を改めて読みなおしてみると、確かにどれもCAEのプロという解析の専任者が説明しているだけに、どのように丁寧していても、設計者とは異なる視点から書かれているのだ。そこで、今回の本の企画にあたっては、どうしても解析者目線になりがちな筆者の視点に、長年、設計者という立場で解析も行なってきた高橋氏の視点を取り入れた。そのことで、従来の解析の本とは随分と趣の異なった設計者目線の内容に仕上がっているのではないかと思う。
 本書の特徴は主に2点である。
 1点目として、通常は例えば静解析とか動解析といった解析のタイプを説明することが多いと思うが、ある部品を設計するときには、何が問題で、それを解決するためには何を調べる必要があるのか、だから、どのような解析をしなければならないのか、という通常の解析の本とは逆のアプローチをとっている。
 2点目は、「電卓がわりに解析をする」ということである。本書では、解析における絶対値を追いかけるのではなく、傾向を見る、ということにフォーカスした。あくまでも、SolidWorksという3D CADで設計を行なっている中で、従来であればなんとか単純化して理論値と比較するように電卓で計算していたものを、そのままCADの中で行なってしまおう、ということを目標にしている。そもそも、単純化して手計算を行う際も、厳密に何かを見るというよりは、そのまま設計を続けても大丈夫か、という判断のためにやっているはずだ。また、全ての形状が単純化して手計算でできるとも限らない。ところが、それをCADと一緒になったCAEを用いればより高機能な電卓になるのだ。途中で、何か厳密な計算が必要になったら、解析に詳しい専任者と相談しても良いし、自分で勉強するのであれば、その時には既に世の中に存在している様々な解析の良書で勉強すればよい。
 もちろん、CAEは魔法の箱ではない。誤った入力をすれば誤った答えが出てくる。解析結果の評価をするのはソフトではない。あくまでも解析を行う人である。しかし、そのようなことをしっかりと理解して行えば、解析はもっと身近なものになる。
本書は解析の本と言いつつ、解析にはつきもののメッシュが全く出てこない。「電卓代わり」に使用する際にはほとんど必要がないのだ。筆者自身そうだったが、解析にある程度詳しい人であれば、非常に違和感があるかもしれない。厳密さに欠けるなどの批判もあるかもしれない。しかし、ここは割りきって、解析を進めることで、より身近な解析業務を実感することができるだろう。
 是非、本書をきっかけに解析に取り組み、より高度な解析を日常的に行なえるようになっていただければ幸いである。
 最後に、3Doors株式会社の高橋和樹社長には、本書で扱った解析例題の作成に対するご協力をはじめとして多大なご支援をいただいた。この場を借りてお礼を申し上げたい。

2012年2月
水野 操

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