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製造現場の省エネ技術
―エアコンプレッサ編

定価(税込)  2,376円

著者
サイズ A5判
ページ数 172頁
ISBNコード 978-4-526-06834-8
コード C3053
発行月 2012年02月
ジャンル 機械

内容

エアシリンダ-、エアブロ-、冷却用空気、空気シ-ル、エア搬送等々…、エアコンプレッサーはその便利さや活用範囲の広さから生産現場の大小を問わずたいへん広範に使用されている。それゆえ、一方では一般工場の電力消費の約20%が空気圧縮機の消費電力で占められるほどになっており、これの節約が問題になっている。本書は、エアコンプレッサー及び圧縮エアの省エネに的を絞りその考え方・アプローチ方法の一部始終をメーカの立場からでなく、ユ-ザの立場でわかりやすく解説している。

長谷川和三  著者プロフィール

(はせがわ かずみつ)
長谷川コンプレッサー・コンサルティング・オフィス代表
                  (千葉県習志野市)
  E-mail : kazumitsu.wa3.wa@khh.biglobe.ne.jp
経歴:
1968年 名古屋大学工学部機械工学科卒業
1968年 IHI(旧名:石川島播磨重工業)入社、圧縮機の設計開発。
1998年 汎用圧縮機設計部長
1999年 ターボ機械協会理事
2002年 回転機械事業部副事業部長
2004年 中国現地法人IHI寿力(蘇州)圧縮技術有限公司社長。
中国事業(新会社設立)計画・工場立上・生産開始まで実施。
2006年 IHI復帰
2008年~2011年 日揮プランテックおよびグンゼエンジニヤリグでESCO事業担当。
(おもに空気圧縮機と圧縮空気の省エネ担当)
2007年~現在 日本及び中国の大学院や学会での講演・講義や、日本及び中国企業の省エネコンサルやセミナー実施中。東洋大学文学部中国哲学科大学院聴講生として在籍
過去の講演:
  省エネルギーセンタ主催省エネ講演(仙台・東京・名古屋・広島・福岡)
  東京電力・関西電力・トヨタグループ・三星半導体・デンソー主催の講演会
資格:
  エネルギー管理士。ターボドクター(ターボ機械協会認定)
  公害防止管理者(騒音・振動・大気1種・水質1種)

目次

はじめに

1. 製造現場におけるエアコンプレッサの電力消費
 1.1 圧縮空気利用の歴史と現在の状況

2. エアコンプレッサの種類と特徴
 2.1 給油式圧縮機と無給油式圧縮機
2.1.1 給油式圧縮機
2.1.2 無給油式
 2.2 圧縮方式の違いによる圧縮機の分類
2.2.1 往復動(レシプロ)式圧縮機
2.2.2 スクリュー式圧縮機
2.2.3 ターボ型圧縮機

3. エアコンプレッサの大きさによる省エネ―分散か集中か
 
4. エアコンプレッサの運転圧力低減による省エネ
 4.1 運転圧力と動力の関係
 4.2 運転圧力の下げ方
4.2.1 空気流路の差圧の測定
4.2.2 配管の圧力損失の計算
4.2.3 圧力損失を防ぐポイント1 逆止弁の選定
4.2.4 圧力損失を防ぐポイント2 吐出バルブの選定
4.2.5 圧力損失を防ぐポイント3 ラインの(オイル)フィルタの撤去
4.2.6 圧力損失を防ぐポイント4 ドライヤの圧力損失対策
4.2.7 圧力損失を防ぐポイント5 流量計の圧力損失対策
4.2.8 圧力損失を防ぐポイント6 給油式スクリュー圧縮機の保圧弁の設定変更

5. エアコンプレッサの制御による省エネ
 5.1 各圧縮機の部分負荷動力
 5.2 負荷無負荷制御(無負荷馬力)
5.2.1 各圧縮機の無負荷消費動力
5.2.2 無負荷動力時のモータの効率低下
 5.3 負荷無負荷の切り替え時間
 5.4 微圧力制御
 5.5 台数制御
 5.6 同時絞り制御

6. エアコンプレッサの吸入温度を下げる省エネ
 6.1 空気温度を下げることによる省エネ
6.1.1 P-v線図による温度の影響の理解
 6.2 圧縮機の吸入温度と動力の関係
 6.3 空気の温度の下げ方
6.3.1 屋外吸入
6.3.2 屋内吸入
6.3.3 室内の換気
6.3.4 換気扇の運転方法
6.3.5 水噴霧による空気の冷却
 6.4 2段の吸込温度を下げる

7. 除湿機(ドライヤ)の選択による省エネ
 7.1 圧縮空気中の水蒸気とドライヤの選択
7.1.1 露 点
7.1.2 除湿方式
7.1.3 冷却式ドライヤの特徴と省エネ
7.1.4 吸着式ドライヤの特徴と省エネ
7.1.5 圧縮機の排熱利用

8. エアコンプレッサの設置場所
 8.1 問題のある設置場所
 8.2 騒音対策の3つのアプローチ

9. 異なる使用圧力への省エネ対応
 9.1 ブースタの利用
 9.2 ライン(系統)のバイパス制御

10. エアブローの省エネ対策
 10.1 エアブローの実情
10.1.1 無人工場ではエアブローの使用量が増加する
10.1.2 ノズル交換によるエアブローの削減例
 10.2 スマートグリッド・パイピングによる省エネ
  10.2.1 間欠ブローの集合化
  10.2.2 ブロアの選択方法

11. 空気漏れ対策
 11.1 空気漏れ量の把握
11.1.1 漏れ全体量の把握
11.1.2 空気漏れの測定方法
 11.2 漏れ対策
 11.3 漏れ箇所

12. エアコンプレッサからの熱回収
 12.1 圧縮機からの排熱
12.1.1 温風回収
12.1.2 温水回収
12.1.3 圧縮空気の加熱

13. エアコンプレッサの省エネ手順
 13.1 圧縮機の省エネ達成までの手順
 13.2 圧縮機の更新および改造検討の着眼点
 13.3 ターボ型圧縮機の改造・改善
13.3.1 使用圧力変更による圧縮機の改造
13.3.2 IGV(インレットガイドベーン)への交換
13.3.3 ケーシングの防錆対策

14. エアコンプレッサの購入における注意事項
 14.1 吸入空気の吸い込み口
 14.2 吸入温度と保証(契約)動力
 14.3 冷却水温度
 14.4 圧縮機の性能保証
 14.5 モータの効率
 14.6 ターボ型圧縮機の購入仕様書(サンプル)

付録 ターボ型圧縮機 原単位向上分析表

あとがき
索引

コラム
停電時の損傷について
配管ラインのフィルタ
圧縮機省エネのための緊急チェックポイント
ターボ型圧縮機のインバータ制御
圧縮機メーカーでの経験(その1)
圧縮機メーカーでの経験(その2)
圧縮機メーカーでの経験(その3)
ドイツビールと圧縮機
省エネ実現の達成感

はじめに

 現在、生産設備の中で設備費が最も安価な動力源として、エアシリンダ、アクチュエータに使用され、またワーク(加工部品)に直接圧縮空気を当てて、水切りや切粉払いに使用するエアブローの用途や、冷却用空気、空気シール、エア搬送等で、自動化を担う重要な役割を果たしている。その便利さや活用範囲の広さから、一般製造工場では電力消費の約20%が空気圧縮機の消費電力となっている。製造工場において、空気圧縮機の省エネが大変重要であることがわかる。
 筆者は圧縮機メーカーにおいて30年以上圧縮機の設計や開発に従事して、世界でも最もレベルの高い日本の圧縮機ユーザーの省エネ・省人のニーズに対応して技術を高めてきたが、圧縮機メーカー退社後、エンジニヤリング会社や個人コンサルの仕事において、従来のメーカーの立場からでなく、ユーザーの立場で空気圧縮機および圧縮空気の省エネの仕事に取り組む機会を得て、自分にとって新しい視点で省エネを考えることができた。ついてはメーカーでの永年の経験に加えて、この新しい経験を公開して、ユーザーの皆さんにお役に立ちたいと思う。
 既刊の専門書はメーカーの社員が執筆したものしかなく、筆者から見ると、どうしてもメーカーサイドに偏りがちであった、本書はユーザーサイドの立場にたった初めての試みである。
 一方メーカーにも参考になる省エネ商品開発のヒントを数多く記述したので、積極的に取組んでいただき、世界の中で省エネナンバーワンを今後とも維持していただきたい。

2012年2月 長谷川和三

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