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図解でなっとく!
接着の基礎と理論

定価(税込)  2,052円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06821-8
コード C3043
発行月 2012年01月
ジャンル 化学

内容

接着理論や科学について総合的にまとめた本。接着の意味、接着界面のなりたち、分子間力、分子間力と接着力、接着仕事、接着強さ、粘弾性の基礎、接着強さと粘弾性、接着強さの増強性、接着耐久性までを著者の長年の経験をふまえて、丁寧にわかりやすく解説する。

三刀基郷  著者プロフィール

(みとう もとのり)
1938年 大阪府に生まれる
1969年 大阪市立大学大学院工学研究科博士課程修了 工学博士
1971年 大阪府立産業技術総合研究所勤務
1999年 科学技術振興機構 科学技術コーディネータ
2003年 大阪市立大学新産業創生研究センター 産学連携プロデューサー
2009年 大阪市立大学退職

学会活動
1994年~1996年 日本接着学会副会長
主な著書
「接着と材料(共著)」裳華房(1996年)
「接着の科学(共著)」講談社(1997年)
「トコトンやさしい接着の本」日刊工業新聞社(2003年)
「接着ハンドブック第4版(共著)」日刊工業新聞社(2007年)
など多数

目次

まえがき
はじめに

第1章 界面相互作用の科学
1.1 界面相互作用諸説
 1.1.1 機械的結合説
 1.1.2 化学的結合説
 1.1.3 吸着説
 1.1.4 静電気説
 1.1.5 拡散説
 1.1.6 塩-塩基相互作用説
 1.1.7 界面相互作用の実像
1.2 分子間力
 1.2.1 界面相互作用と分子間力
 1.2.2 分子間力のルーツ
 1.2.3 レナード・ジョーンズポテンシャル
1.3 分子間力の種類
 1.3.1 共有結合
 1.3.2 ファンデルワールス力
 1.3.3 水素結合力
 1.3.4 分子間力の力比べ
1.4 分子間力と界面相互作用
 1.4.1 表面自由エネルギー
 1.4.2 表面張力
1.5 表面自由エネルギーと界面相互作用
 1.5.1 接着仕事(Work of Adhesion)
 1.5.2 液体-液体間の界面相互作用エネルギー
 1.5.3 液体-固体間の界面相互作用エネルギー
1.6 固体-固体間の界面相互作用エネルギー
 1.6.1 幾何平均則
 1.6.2 グッド-ギリファルコの方法
 1.6.3 フォークスの方法
 1.6.4 フォークス式の拡張
 1.6.5 溶解パラメータ(Solubility Parameter)

第2章 接着強さの科学
2.1 接着強さ試験方法
2.2 接着強さと試験方法
2.3 接着強さと破壊の場所
2.4 接着強さと試験片形状
2.5 接着強さと内部応力
2.6 接着強さと粘弾性
 2.6.1 粘弾性の基礎
 2.6.2 粘弾性測定法
 2.6.3 温度・時間重ね合わせの原理
 2.6.4 引張せん断接着強さと粘弾性
 2.6.5 はく離接着強さと粘弾性
2.7 界面相互作用とはく離接着強さ
2.8 界面の強化
 2.8.1 極性基の導入による界面の強化
 2.8.2 水素結合の導入による界面の強化
 2.8.3 化学結合の導入効果

第3章 接着耐久性の科学
3.1 耐久性の評価
3.2 接合物のクリープ破断試験
 3.2.1 耐久限界(Endurance Limit)
 3.2.2 アレニウス式
3.3 水と接着耐久性
 3.3.1 水による接着強さの劣化
 3.3.2 水による界面の劣化
 3.3.3 酸-塩基相互作用としての界面の安定性

おわりに
参考文献
索 引

はじめに

 1900年前後に始まった合板の商業生産に端を発して,航空宇宙,電子機器製造など最先端の産業にまで接着の技術は広がりを見せている。しかし,「ものとものはなぜくっついている?」とか,「くっついたものが弱かったり強かったりするのはなぜ?」とか,「強くするにはどうしたらよい?」とか,「くっついているけど,どれくらいもつ?」など,簡単な疑問に的確な回答を出すのは案外と難しい。
 「接着は技術であって,科学ではない」と言われた時代,母校の井本 稔先生,黄 慶雲先生共著による「接着の科学」が1965年に岩波書店から出版された。「目からうろこ」という言葉があるが,まさに言葉どおりの内容であり,著者もむさぼるように読んだ記憶がある。
 幸いなことに著者が接着を研究対象とした時代は,我が国では井本 稔先生,畑 敏雄先生,中尾一宗先生ら接着の権威が接着理論を展開されており,海外では,R. J. Good, F. M. Fowkes, A. N. Gentをはじめ,多くの著名な科学者が接着現象の解明に心血を注いでいた時代であった。まさにリアルタイムで接着理論の進展に接していたのである。
 時を経て1997年,縁あって大阪大学の(故)竹本喜一先生と著者が共著で「接着の科学」を講談社から出版し,接着の理論に関する部分を著者が担当した。その後,もう少しわかりやすい本をという要望にこたえて,2003年には日刊工業新聞社から「トコトンやさしい接着の本」を出版したところである。それから8年,接着理論をやさしくまとめた本をというお誘いがあり,「図解でなっとく!接着の基礎と理論」というタイトルで出版する運びとなった。
 本書は,「接着」という現象をできるだけ理論的な側面から解説したものである。本書が,接着に関連するトラブルの解決や新製品の設計に生かされ,現場の技術者のお手伝いができることを願ってやまない。
 最後に,本書の出版にお力添えいただいた日刊工業新聞社の辻 總一郎氏に心から感謝の意を捧げる。

2011年11月
三刀 基郷

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