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絵とき「みがき加工」基礎のきそ

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06815-7
コード C3053
発行月 2012年01月
ジャンル 機械

内容

自動車をはじめ電器製品や精密機器などに代表される工業製品が高い精度や品質を維持しているのは、これらを生産する機械や工具があってこそ。この工具や機械を作るために欠かせないのがみがき加工である。本書は、そのみがき加工の入門書で、熟練者のノウハウをわかりやすく解説している。

吉田弘美  著者プロフィール

(よしだ ひろみ)
1939年 東京都生まれ
1966年 工学院大学機械工学科卒業
1959年 松原工業株式会社入社。品質管理、金型設計、生産管理、生産技術などの職務を歴任
1975年 同社を退社。同年、株式会社アマダ入社
1979年 同社を退職し、吉田技術士研究所を設立。現在に至る

●著 書
「プレス金型の標準化」「金型加工技術」「金型のCAD/CAM」「よく分かる金型のできるまで」「プレス加工のトラブル対策」「金型設計基準マニュアル」「プレス金型設計・製作のトラブル対策」「プレス作業の基礎知識Q&A」「プレス加工のツボとコツQ&A」「トコトンやさしい金型の本」「絵とき『プレス加工』基礎のきそ」など多数

目次

はじめに

第1章 みがき加工について
1-1 みがき加工とは
1-2 みがき加工の歴史
1-3 身の回りのみがき加工の例
1-4 産業界で欠かせないみがき加工
1-5 みがき加工の概要
1-6 みがき加工を行う人の技能

第2章 みがき加工の必要性と効果
2-1 みがき加工の目的と評価
2-2 みがきの効果と価値
2-3 みがき加工の工程と面粗さの選択

第3章 他の加工とみがき加工
3-1 削る加工とみがき加工
3-2 切削加工とみがき
3-3 研削加工とみがき
3-4 放電加工とみがき
3-5 表面に皮膜をつける加工
3-6 みがき加工
3-7 加工の組み合わせ

第4章 研磨剤
4-1 研磨剤に必要な性質
4-2 研磨剤の種類
4-3 固形化した研磨剤
4-4 研磨剤の管理と利用方法7
4-5 研磨液の利用
4-6 研磨剤その他の清掃と保管

第5章 みがきに必要な工具
5-1 手作業用工具
5-2 ラップ定盤(平面、球面)
5-3 製品専用のジグ(ヤトイ)
5-4 空圧および電動工具
5-5 工具保管用容器
5-6 拭き取り用ウエス
5-7 作業台および工作物用の固定工具
5-8 拡大鏡

第6章 みがき作業の準備と後始末
6-1 みがき作業場の環境
6-2 作業内容の確認
6-3 製品の準備と確認
6-4 作業台とその周辺の準備
6-5 工具の準備と確認
6-6 モノの置き方と取り扱い
6-7 後始末

第7章 みがき作業
7-1 作業者の選定
7-2 作業姿勢と工具の持ち方
7-3 手の動かし方とその動き(軌跡)
7-4 みがき作業の例
7-5 みがき加工後の表面に部分的な凹みをつける仕上げ加工

第8章 みがき用機械
8-1 みがき用機械について
8-2 電動その他の手工具
8-3 一般的なみがき用機械
8-4 自動みがき機械

第9章 表面粗さの測定方法
9-1 目視および触覚
9-2 拡大鏡、顕微鏡、その他
9-3 表面粗さ測定機による測定

第10章 表面性状(表面粗さ)の表現方法
10-1 簡易な表面粗さの表現法
10-2 国際規格(ISO)および日本工業規格(JIS)による表示法
10-3 表記例とその意味

はじめに

 現在のモノづくりは自動車をはじめ、電器製品、精密機器などの大部分の加工は機械化され、自動化されています。塗装および溶接など、複雑な製品に対しても3次元の自由形状に対応してコンピュータで制御され自動で動きます。高精度化に対しても人間の手ではとうてい及ばない千分の1mmまたはそれ以下の加工ができます。
 しかし、これらを生産する機械および工具(特に金型)の大部分はみがき加工、それも大部分は手作業で仕上げられています。
 航空機用のエンジン、高精度の測定機をはじめ高性能を追求する場合、みがき加工はそれらの性能を左右するほど重要な技術です。しかもみがき加工は工場だけでなく、身近な日常生活でも非常に重要であり、みがき加工を知っているだけでもさまざまな役に立ちます。
 このように重要でモノづくりに欠かせないみがき加工ですが、一般にはあまりよく知られていません。みがき加工は他の加工に比べて派手さがなく、熟練を必要とする手作業が多いため、技術的に遅れている加工だと思われがちです。しかし、世の中に広く普及しているコンピュータを使った工作機械や産業用ロボットでも対応できないほど高度で難しい加工だともいえます。
 みがき加工は歴史的に見ても最も古くから行われており、文明の進歩を支え続けてきました。しかしながら、みがき加工は限られた企業の、限られた熟練者によって行われている例が多く、公開された情報も少なくて一般の人には馴染みにくかったと思われます。
 これからも著しい進歩を続けるモノづくりと日常生活の中で、みがき加工も進歩を続けこれらを支え続けていくものと思われます。ぜひこれを機会にみがき加工に興味を持ち、身の回りにある製品を見つめ直してみてください。例外を除く大部分の製品はみがき加工のお世話になっていると思います。
 またモノづくりで品質、生産性およびコストなどが問題になったとき、原因の1つとしてみがき加工がないかを考えてみてください。そのうえでみがき加工を目指したり、レベルアップを目指す人が増えてくれれば幸いです。
 みがき加工に関するみがき剤、工具、測定機器およびみがき加工用機械などの多くは、特定の企業で扱っているものが多く、これらはカタログ、各種見本市などを参考にさせていただきました。関係する企業には厚くお礼を申し上げます。
  本書の出版にあたり、企画の段階からアドバイスをいただき、支えていただいた日刊工業新聞社出版局の野崎伸一氏に深く感謝をいたします。

平成23年11月      吉田弘美 

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