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現代めっき教本

定価(税込)  4,104円

編者
サイズ A5判
ページ数 360頁
ISBNコード 978-4-526-06805-8
コード C3052
発行月 2011年12月
ジャンル 金属 機械

内容

めっき技術のバイブルともいえる「めっき教本」(1986年)の発行から25年、本書は、この間の技術の進展、用途の広がりなどを取り込み、全面改訂する。基礎知識からめっきプロセス、前処理、電気めっき各論、無電解めっき各論、用途展開までを網羅している。

電気鍍金研究会  著者プロフィール

執筆者一覧(順不同)

(氏 名) (所 属)                    (編集・執筆担当)
縄 舟 秀 美 甲南大学                     第1章・第3章・第5章編集  1.1,4.7,4.8,5.4,5.5
藤 原   裕 地方行政独立法人 大阪市立工業研究所         第2章・第4章・第6章編集  2.2,2.5,3.4,6.1,6.4
伊 崎 昌 伸 豊橋技術科学大学                 1.2,4.9
横 井 昌 幸 大阪府立産業技術総合研究所             2.1,4.1
林   秀 考 岡山大学                     2.3
松 岡 政 夫 元立命館大学                     2.4,5.1,5.2,5.3
榎 本 英 彦 株式会社 ファイブイー研究所             3.1,3.2
日 野   実 岡山県工業技術センター                 3.3,4.4
中 村 俊 博 京都市産業技術研究所                 4.2,4.6
森 河   務 大阪府立産業技術総合研究所             4.3,6.3
園 田   司 兵庫県立工業技術センター、機械金属工業技術支援センター    4.5
小 林 靖 之 地方行政独立法人、大阪市立工業研究所         6.2
近 藤 和 夫 大阪府立大学                     6.5
永 山 富 男 京都市産業技術研究所                 6.6

目次

序 文
執筆者一覧

第1章 めっきの基礎知識
1.1 めっきと電気化学 
1.1.1 電気めっきと無電解めっき 
1.1.2 ファラデーの法則と電流効率 
1.1.3 電極反応の基礎 
1.1.4 電極反応 
1.2 めっきと材料科学 
1.2.1 めっき膜の応用分野と特性 
1.2.2 めっき膜の材料学 
1.2.3 めっき皮膜の性質と評価法 

第2章 めっきプロセスの理解と深化
2.1 めっき浴の構成成分と添加剤の作用機構 
2.1.1 めっき浴の構成成分とその役割 
2.1.2 添加剤の役割 
2.1.3 添加剤の作用機構 
2.1.4 実用めっきの添加剤作用機構 
2.1.5 添加剤の作用機構とめっき皮膜の物性制御 
2.2 合金めっきの析出機構 
2.2.1 合金めっき過程のBrennerによる分類 
2.2.2 正常共析と合金めっきの析出条件 
2.2.3 合金電析における相互作用と異常共析─Landoltによる正常共析・異常共析の一般化と異常共析の機構─ 
2.2.4 合金めっきの研究課題 
2.3 複合めっきの共析機構 
2.3.1 析出金属イオンと粒子の相互作用に注目した共析機構 
2.3.2 異方性粒子の共析 
2.3.3 電極界面において複合微粒子を形成する新たな複合めっき 
2.3.4 ナノ粒子複合めっきと皮膜構造制御 
2.4 無電解めっきの析出機構 
2.4.1 無電解めっきの分類 
2.4.2 還元剤の酸化反応と各種金属の触媒活性 
2.4.3 混成電位理論に基づく無電解めっきの析出機構 
2.4.4 無電解めっきの理解の深化 
2.5 実用めっき手法 
2.5.1 汎用めっき手法 
2.5.2 単一製品のためのめっき手法
2.5.3 パルスめっき 
2.5.4 めっき手法とめっきの品質 

第3章 種々の素材の前処理とめっき技術
3.1 一般的な素材の前処理 
3.1.1 効果的な脱脂 
3.1.2 脱脂浴の管理方法 
3.1.3 酸処理と活性化 
3.1.4 前処理の課題 
3.2 特殊素材上へのめっき 
3.2.1 めっきが難しい素材へのめっき法 
3.2.2 セラミックス上へのめっき 
3.2.3 セラミックス上へのめっきの課題 
3.3 アルミニウム・マグネシウム上へのめっき技術 
3.3.1 アルミニウムへの前処理およびめっき 
3.3.2 アルミニウム上へのめっきに関する課題と展望 
3.3.3 マグネシウムへの前処理およびめっき 
3.3.4 マグネシウム上へのめっきの課題 
3.4 プラスチック上へのめっき技術 
3.4.1 ABS樹脂 
3.4.2 ABS樹脂への装飾めっきの基本的な工程1─前処理と無電解めっき─ 
3.4.3 ABS樹脂への装飾めっきの基本的な工程2─電気めっき─ 
3.4.4 エンジニアリングプラスチックへのめっき技術 
3.4.5 プラスチックめっきのグリーン・イノベーション 

第4章 電気めっき各論
4.1 銅めっき 
4.1.1 銅めっきの変遷 
4.1.2 銅めっきの特性と用途 
4.1.3 銅めっき各論 
4.1.4 銅めっき液の分析法 
4.2 ニッケルめっき 
4.2.1 ニッケルめっきの変遷 
4.2.2 ニッケルめっきの特性と用途展開 
4.2.3 ニッケルめっき浴 
4.2.4 ニッケルめっきの環境課題と新しい用途展開 
4.3 装飾クロムめっき 
4.3.1 クロムめっきの変遷 
4.3.2 六価クロムめっき浴 
4.3.3 三価クロムめっき浴 
4.3.4 クロムめっきの環境課題克服に向けて 
4.4 亜鉛・亜鉛合金めっき 
4.4.1 亜鉛・亜鉛合金めっきの変遷 
4.4.2 亜鉛・亜鉛系合金めっきの特性と用途展開 
4.4.3 亜鉛・亜鉛系合金めっき浴 
4.4.4 亜鉛めっきと資源問題 
4.5 スズ・スズ合金めっき 
4.5.1 スズ・スズ合金めっきの変遷 
4.5.2 スズ・スズ合金めっき皮膜の特性と用途展開 
4.5.3 スズ・スズ合金めっき浴 
4.5.4 機能面・環境面からのスズ合金めっきへの期待 
4.6 金・金合金めっき 
4.6.1 金・金合金めっきの変遷 
4.6.2 金・金合金めっきの特性と用途展開 
4.6.3 金・金合金めっき浴 
4.6.4 金めっき工程リサイクルの重要性と新しい用途展開 
4.7 銀めっき 
4.7.1 銀めっきの変遷 
4.7.2 銀めっき(皮膜)の特性と用途展開 
4.7.3 銀めっき浴 
4.7.4 銀めっきの環境課題克服と新しい用途展開 
4.8 パラジウムめっき 
4.8.1 パラジウムめっきの変遷 
4.8.2 パラジウムめっき(皮膜)の特性と用途展開 
4.8.3 パラジウムめっき浴 
4.8.4 パラジウムめっきの工程課題と新しい用途展開 
4.9 その他のめっき 
4.9.1 鉄めっき 
4.9.2 鉛めっき 
4.9.3 ロジウム,ルテニウム,白金めっき 

第5章 無電解めっき各論
5.1 無電解銅めっき 
5.1.1 無電解銅めっきの変遷 
5.1.2 無電解銅めっき浴の種類と安定性 
5.1.3 ホルムアルデヒド以外の還元剤を用いる無電解銅めっき 
5.1.4 無電解めっきの開発動向 
5.2 無電解ニッケルめっき 
5.2.1 無電解ニッケルめっきの変遷 
5.2.2 無電解ニッケル-リン合金めっき 
5.2.3 無電解ニッケル-ホウ素合金めっき 
5.2.4 無電解ニッケルめっきの開発動向 
5.3 無電解金めっき 
5.3.1 無電解金めっきの変遷 
5.3.2 置換型無電解金めっき 
5.3.3 自己触媒型無電解金めっき 
5.3.4 中性無電解金めっき浴の開発動向 
5.4 無電解パラジウムめっき
5.4.1 無電解パラジウムめっきの変遷 
5.4.2 無電解パラジウムめっき(皮膜)の特性と用途展開 
5.4.3 無電解パラジウムめっき浴 
5.4.4 無電解パラジウムめっきの新たな用途展開 
5.5 その他の無電解めっき 
5.5.1 無電解スズめっき 
5.5.2 無電解銀めっき 
5.5.3 無電解白金めっき 

第6章 めっきの用途展開
6.1 装飾めっき 
6.1.1 装飾めっきの変遷 
6.1.2 基本的なめっき工程 
6.1.3 前処理と下地めっき─密着性付与のためのストライクめっき─ 
6.1.4 中間層のめっき─銅めっきとニッケルめっき─ 
6.1.5 最上層のめっき─後処理と外観の多様化─ 
6.1.6 装飾めっきの耐食性 
6.1.7 装飾めっきにおけるグリーン・イノベーション 
6.2 防食めっきと化成処理 
6.2.1 腐食と防食 
6.2.2 電気めっきによる防食 
6.2.3 化成処理による防食 
6.2.4 クロメート代替処理開発の重要性 
6.3 機械部品へのめっき 
6.3.1 機械部品へのめっき技術の変遷、要求特性 
6.3.2 工業用クロムめっき 
6.3.3 機械部品へのめっき選定 
6.4 電子回路基板およびエレクトロニクス実装におけるめっき技術 
6.4.1 電子回路基板におけるめっき技術 
6.4.2 はんだ接合のためのめっき技術と環境規制への対応 
6.4.3 実用鉛フリーはんだめっきプロセス 
6.4.4 表面処理から界面制御へ 
6.5 ULSI銅微細配線 
6.5.1 ULSI銅微細配線の変遷 
6.5.2 銅めっきプロセス 
6.5.3 銅めっき浴の添加剤,アノード,浴管理 
6.5.4 TSV(Through Silicon Via)めっきの高速化と微細化対応 
6.5.5 半導体ウェハプロセスにおける銅めっきの重要性 
6.6 電鋳とMEMS 
6.6.1 銅およびニッケル電鋳の変遷 
6.6.2 電鋳およびMEMSの特異性と用途展開 
6.6.3 電鋳およびMEMS用めっきプロセス 
6.6.4 めっき浴の浴種,浴組成と作業条件,添加剤,浴管理 
6.6.5 将来展望 

付 表 
索 引 

はじめに

 本書の出版は電気鍍金研究会創立55周年記念事業の一環として、55周年の輝かしい歴史を刻み、さらに新たな第一歩を踏み出すために企画されたものである。
 55年の歴史の前半において、めっき技術は高度経済成長を牽引したエレクトロニクスおよび自動車産業などの発展を支える要素技術の一つとして成長・成熟し、この間に数多くの優れためっき関連技術が開発・実用化された。しかし、バブル崩壊以降の後半は、製造技術関連における東アジア諸国の台頭に伴い、各種汎用部品の製造拠点は東アジア諸国に移り、部品製造の要素技術であるめっき技術に携わる企業には、その影響は極めて大きいものがある。
 このような状況の中で、川下企業では技術再建の要因として、国際競争力を念頭に置いた従来技術の見直しによる低コスト技術の再構築、および新規技術開発の双方向での対応の必要性が提示されている。生産性の優れためっき技術は、今後も部品製造の要素技術の一つであることは確かであるが、現行技術による部品製造拠点は我が国ではないことも明らかである。我が国におけるめっき技術の存続には、めっき技術の深化と独自技術の開発が必須であることは自明の理であり、国際競争力のある低コスト部品製造技術の確立、新たなめっき技術およびめっきプロセスの構築が必要不可欠である。
 このような観点から、めっき技術の基礎およびめっき技術の現状を再認識し、めっき技術の深化と独自技術の開発を促すことに主眼を置いた「現代めっき教本」を上梓することになった。この目的を果たすために、本書ではまずめっき技術の基礎から始まり、めっき各論を経て、最後にめっきの用途展開を解説するという、基礎から応用に向かう体系立った構成を採用した。第1章ではめっきの基礎知識として、電気化学と材料科学のエッセンスを解説した。第2章ではめっきプロセスをより深く理解するために、添加剤、合金めっき、複合めっき、無電解めっきを取り上げ、めっきの析出機構を解説した後、種々の実用めっき手法について触れた。第3章では、前処理に力点を置いて、めっきされる素材別のめっき工程を紹介した。第4章では銅、ニッケル、クロム、亜鉛など8種類の多用される金属・合金を中心に、実用電気めっき技術と皮膜特性を詳述した。第5章では銅、ニッケル、金、パラジウムの無電解めっき技術と皮膜特性を詳述した。そして第6章では、装飾、防食、機械部品、エレクトロニクス実装、ULSI、MEMSを取り上げ、めっき技術の伝統的な用途と最新の用途展開を紹介した。さらに補遺として、めっき技術の開発現場・生産現場で有用な数値データを網羅した。
 本書がめっき関連技術者のみならず、エレクトロニクス、自動車などの開発に携わる技術者にも、めっき技術のより深い理解と現行技術の再認識のための必携の書として活用されることを期待する。そして願わくば、革新的な技術開発によって新たな一歩を踏み出す一助となれば幸いである。
 最後に、お忙しい中をご執筆いただいた執筆者各位に心より感謝を申し上げるとともに、本書の出版にご尽力いただいた日刊工業新聞社出版局、大阪支社出版部辻總一郎氏に謝意を表します。

 2011年12月
 編集委員 縄舟秀美、藤原 裕

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