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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい水道の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06780-8
コード C3034
発行月 2011年11月
ジャンル ビジネス 土木・建築

内容

水道は、人の生活のために水をきれいにして、人に届ける大切な施設。環境に配慮し、汚染を排除するこの技術を、江戸水道の頃から説き起こし、現代の進んだ水道施設まで、誰が読んでも興味深く、やさしく理解できるように紹介した本。これから水道を学ぶ人の入門書として、とくにお薦め。

高堂彰二  著者プロフィール

(こうどう しょうじ)

1957年岡山県倉敷市に生まれる
1981年日本大学理工学部土木工学科卒業

高堂技術士事務所
NPO法人 土壌汚染技術士ネットワーク副理事長、事務局長
NPO法人 地域と行政を支える技術フォーラム 理事

主な著書
『イラストでわかる土壌汚染』技報堂出版
『技術には専門の監査が必要だ!』日刊工業新聞社
『技術士第二次試験「上下水道部門」対策&重要キーワード』日刊工業新聞社

ホームページ http://koudou-cea.com
 

目次

第1章 水道の歴史
1 文明と水は深い絆 「水道は文明の利器」
2 古代の水道 「水路からなるローマ水道は驚きの精度だった」
3 水道の近代化 「19世紀以降、ロンドンでやっと浄水施設が設置された」
4 東京水道の始まり 「江戸の水道の始まりは小石川水道」
5 玉川上水 「幾度の失敗を乗り越えて完成した玉川上水」
6 江戸の給水方式と維持管理 「自然流下で配水された上水井戸」
7 江戸の水道は世界一 「神田・玉川上水のほかに水舟業者も活躍」
8 今も残る江戸時代の水にまつわる名前 「「神田上水懸樋」と「お茶の水記念碑」」
9 日本最古の水道と日本初の近代水道 「近代水道は明治20年に「横浜」で給水が開始された」
10 東京の近代水道の始まり 「東京の近代水道の父、中島鋭治博士」
11 馬水槽と蛇体鉄柱式共用栓 「時代を彩った「馬水槽」と「蛇体鉄柱式共用栓」」

第2章 水道のしくみ
12 水道の種類 「水道法の目的と水道事業」
13 水道システム 「河川水を水源とした水道システム」
14 水道の水量 「水道の安定供給のための施設と対策」
15 水道の水質 「水道の水質基準は水道法で定められている」
16 水道の水圧 「水道の給水には水圧の維持とコントロールが必要」

第3章 水を溜める、取水する
17 水源林 「水源林には三つの働きがある」
18 ダムの働き 「水利用に欠かせないダムの種類と働き」
19 地下ダムとは 「地下水の流れを堰止めた地下ダムの建設」
20 取水施設 「取水施設の計画には重要な要件がある」
21 地表水の取水 「取水施設の種類と特徴」
22 河川水取水の許可 「河川水取水には河川管理者の許可が必要」
23 地下水の取水 「地下水は存在する状況に応じて二つに区分される」

第4章 水をきれいに
24 浄水場のフロー 「急速ろ過による浄水場の作業」
25 沈砂池 「水の流れを緩やかにして砂などを取り除く」
26 着水井 「浄水場で最初に原水が到達する水槽」
27 凝集 「にごり成分を取り除く凝集剤」
28 沈殿池 「沈殿除去の機能」
29 緩速ろ過池 「微生物によって浄化する緩速ろ過池」
30 急速ろ過池 「急速ろ過池は物理化学的処理」
31 膜ろ過 「膜分離の原理で除去する膜ろ過」
32 消毒 「衛生上必要な塩素消毒」
33 活性炭 「活性炭で異臭味や有機物を吸着」
34 生物処理 「生物の酸化により除去」
35 鉄とマンガンの除去 「「カナケ抜き」は水処理の基本技術」


第5章 水を配る
36 配水池 「配水量調節のために蓄える池」
37 管の種類「 使用する用途や場所で管の種類は異なる」
38 水管橋 「河川などを横断する水道の橋」
39 バルブ 「水道管路システムを安全に保つバルブの役割」
40 様々なバルブ 「弁体の使い方で豊富な種類がある」
41 空気弁 「水道管の排気と吸気をする弁」
42 消火栓 「主に消防目的で配水支管に設置される」
43 どろ吐き管 「布設時の泥・砂を排出させることや管内清掃などが目的」
44 水道施設の地震対策 「水道の耐震化と応急復旧対策」
45 水道施設の耐震設計 「耐震設計は施設の重要度で区分される」
46 樹枝状配管と管網配管 「配水管は管網とすることが理想」
47 不断水工法 「断水することなく分岐およびバルブ設置をする」
48 水漏れを見つける 「日本は世界屈指の漏水率の低さを誇る」
49 配水ブロック化 「配水区域を大・中・小ブロックに分割して管理する」
50 直結給水 「水圧を利用して給水」
51 配管の腐食 「腐食は水道配管の天敵」

第6章 水道四方山話
52 水道料金 「水道料金は基本料金と従量料金の合計からなる」
53 ウォーターハンマー 「水道の急激な上昇または下降から生まれる」
54 キャビテーション 「圧力が真空近くに下がって、液体が蒸気になる現象」
55 海水淡水化 「海水を処理して真水を作る」
56 ミネラルウォーター 「国内基準はあるが国際規格はない」
57 トリハロメタン 「発がん性が疑われている化合物」
58 クリプトスポリジウム 「重大な感染を引き起こす寄生原虫」
59 硬水と軟水 「ミネラルの含有量で分かれる水の種類」
60 おいしい水の要件 「おいしい水には理由がある」
61 水質を表す単位 「水処理の世界では㎎/ℓを使う」
62 BODとCOD 「水の汚れの程度を示す目安」
63 中水道・雑用水道 「水道よりも低水質の生活用水」
64 バーチャルウォーター(仮想水) 「食糧の輸入は水の輸入でもある」
65 浄水汚泥の有効利用 「浄水処理し不純物を除去された汚泥のリサイクル」
66 アセットマネジメント 「水道施設の資産管理」
67 節水の習慣 「水は限られた貴重な資源」

【コラム】
●水道と井戸の技術が生かされた江戸の工夫“上水井戸”
●まいまいず井戸
●投げ渡し堰
●高度浄水処理
●使われなくなった配管材
●牛枠(川倉水制)

参考文献

はじめに

 20世紀は石油による戦争であったのに対して、21世紀は水による戦争になるとも言われており、最近では、ミネラルウォーターが、ガソリンや牛乳より高く売られている場合もあります。
 また、日本では食糧需給率が40%程度と低く、多くの農作物を輸入していますが、その農作物をもし日本で作ったと仮定した場合に必要な水を、バーチャルウォーター(仮想水)と言います。このバーチャルウォーターは、いうなれば形は違いますが、水を輸入していることと同じことなのです。つまり、水不足で困っている国から、実際には形を変えて水を輸入していることと同じなのです。このことから他国での水不足問題は、他人ごとではすまされません。水問題は、一つの国だけの問題ではなく、人類全体の問題として取り組むべき課題であると考えます。
 このように水は、人類にとって大切なもので、その水を常に利用するため、様々な工夫をして今日の上水道システムを構築してきました。
 しかしながら、水道システム全体を理解することはなかなか大変なことで、私自身も水道業界の仕事をしていても水道全体のシステムを理解するには時間がかかりました。
 この本は、水道システム全体がだれでも簡単にわかるようにトコトンやさしく書いていますのでどうぞお気軽にお読みください。
 なお、本書の執筆にあたり、なにかとご配慮をいただいた日刊工業新聞社出版局書籍編集部の鈴木徹氏をはじめ関係各位に心から感謝いたします。

平成23年 10月 
高堂彰二

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