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絵とき「バリ取り・エッジ仕上げ」基礎のきそ

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 256頁
ISBNコード 978-4-526-06783-9
コード C3053
発行月 2011年11月
ジャンル 機械

内容

製品や部品の機能性向上と信頼性向上を実現するためには、バリ取り・エッジ仕上げ技術が大きな鍵を握っている。本書は、バリが引き起こすトラブル、製品設計段階でバリを抑制する方策、加工時にバリを抑制する対策、バリ取りおよびエッジ仕上げの方法、などをわかりやすく解説する。

宮谷 孝  著者プロフィール

(みやたに たかし)

1965年 金沢大学精密工学科卒業
1965年 東京芝浦電気(株)(現(株)東芝)入社
(株)東芝 生産技術研究所研究主幹、浜川崎工場生産技術部長、東芝セラミックス(株)研究主幹、東芝変電機器テクノロジー(株)取締役技術部長、日置(株)執行役員工場長、中央大学理工学部兼任講師を経て

2008年 宮谷技術士事務所設立し所長、現在に至る。

(株)東芝 生産技術研究所で加工の機械化・自動化をテーマとして取り組み、バリ取り作業、溶接作業、金属・セラミックス高精度部品の機械化・自動化の業務に従事。ものづくりの高度化にバリ取り・エッジ仕上げの視点から貢献すべく取り組んでいる。

技術士、公害防止管理者(水質一種)、
BEST-JAPAN研究会(バリ取りと仕上げ技術研究会)副会長

●著書
バリテクノロジー実務編(桜企画出版)、バリテクノロジー入門(桜企画出版)、PS全書4(日経技術図書(株))、最新切断技術総覧((株)産業技術サービスセンター)、表面研磨・仕上技術集成(日経技術図書(株))、バリの抑制・除去技術(経営開発センター出版部)などの共著

目次

はじめに

第1章 バリに関わる基礎知識
1-1 バリとは
1-2 バリとかえり
1-3 バリの種類
1-4 加工の見える化に役立つバリ
1-5 トラブルを引き起こすバリ
1-6 バリと部品エッジとのかかわり
1-7 バリ取り・エッジ仕上げの必要性
1-8 バリ取りコストが高いときの対応
1-9 バリ取り作業改善の心構え

第2章 エッジを設計する
2-1 エッジの重要性
2-2 エッジの区分
2-3 エッジ機能と製品のかかわり
2-4 エッジ品質を決めよう
2-5 規格を使ってエッジを設計しよう
2-6 社内規格を作ろう
2-7 設計・製造・評価のサイクルを回そう

第3章 バリ・エッジの測定・評価法
3-1 バリ・エッジ測定の目的
3-2 バリ・エッジの形状・寸法に関する表現
3-3 バリ・エッジ測定法の評価項目
3-4 バリ・エッジ測定法
3-5 測定したデータの処理方法

第4章 バリ抑制か除去かの選択指針
4-1 バリ抑制と除去とのコストの総和を考えよう
4-2 プレス打抜き部品のバリ抑制と除去
4-3 部品製造の流れとバリ対策
4-4 バリ対策の実施内容
4-5 バリ抑制か除去か-数値で評価しよう
4-6 バリ取り性数値評価事例(1)─プレス部品
4-7 バリ取り性数値評価事例(2)─鋳物部品

第5章 設計技術におけるバリ抑制法
5-1 機能・性能設計から始まるバリ対策
5-2 部品の材質を変更する
5-3 部品のエッジ形状を変更する
5-4 バリレス加工法へ変更する
5-5 バリレス工程に変更する

第6章 加工技術によるバリ抑制法
6-1 バリはどのように生成されるか
6-2 バリを抑制するための加工原則
6-3 旋削加工によるバリの生成と抑制
6-4 ドリル加工によるバリの生成と抑制
6-5 フライス加工によるバリの生成と抑制
6-6 せん断加工によるバリの生成と抑制
6-7 プラスチック成形加工によるバリの生成と抑制

第7章 バリ取り・エッジ仕上げ法の種類と特徴
7-1 バリ取り・エッジ仕上げ法の種類
7-2 研磨布紙加工法
7-3 回転工具加工法
7-4 ブラシ加工法
7-5 バレル加工法
7-6 噴射加工法
7-7 ユニークな噴射加工法
7-8 砥粒流動加工法
7-9 サーマルデバリング法
7-10 化学加工法
7-11 電解加工法
7-12 電子ビーム・イオンビーム加工法
7-13 磁気研磨加工法
7-14 便利なバリ取り・エッジ仕上げ工具・装置

第8章 バリ取り・エッジ仕上げ工程改善の進め方
8-1 バリ取り・エッジ仕上げ工程改善の手順
8-2 バリ取り作業改善の方針を明らかに
8-3 バリ情報収集から始める
8-4 バリを抑制できないか検討する
8-5 バリ取り方法選択の予備知識
8-6 バリ取り・エッジ仕上げ法の仕上げ能力比較
8-7 バリ取り・エッジ仕上げ法の選び方
8-8 専用機設計とシステム化
8-9 バリ取り・エッジ仕上げコストの計算

第9章 バリ取り・エッジ仕上げ 課題解決のために
9-1 バリ取り改善を始めるときに
9-2 「バリなきこと」「糸面取り」に対応するには
9-3 エッジは面取りCか・丸みRか
9-4 テスト加工はうまくいったのに
9-5 複雑形状部品のバリ取り方法は
9-6 多品種少量に対応するには
9-7 バリ取り改善がうまくいかないのはなぜ?
9-8 バリは現場で管理しよう

おわりに
参考文献
索 引

はじめに

 バリはほとんどの部品製造工程で生成されます。このバリ取りは手作業で解決できてしまいます。この点がバリ取りの大きな特徴となっています。しかし、生産数が増えてきたり、部品が小さくなったり、精度が高くなってくると、このバリ取り作業を改善したいとの要望が出てきます。
 バリ取り作業は、部品製造工程の最終段階で行われています。すでに、部品の寸法や形状精度が完成していますので、バリだけを処理すれば加工完了です。これが、出してしまったバリを除去するために使われる「バリなきこと」の処置となっています。
 しかし、このことがバリ取り作業改善を難しくしています。バリ取り作業改善の条件には、バリを除去することと同時に部品の表面を変えたくない、部品精度を低下させない、などの厳しい条件がついてきます。このような諸条件を満足する、バリ取り法を見出すのは容易ではありません。
 このようなバリに関する課題解決には、バリが生成される部品エッジに注意を払い、設計・製造する必要があります。つまり、バリ取り改善は設計から始める必要があります。設計部門では部品エッジ品質を決め、製造部門でバリの抑制を行うことです。このようなトータル活動で、バリの課題を解決するのが重要です。これをバリテクノロジーと呼んでいます。
 本書は私の研究開発や経験・知見をもとに、バリ取り・エッジ仕上げを改善する立場でまとめました。データ・図表をわかりやすく解説して、バリ取り改善のコツをまとめたもので、実務に携わる方の役に立つ書としました。また、バリ取り工程に大きく影響する部品エッジの設計にも触れ、設計者にもぜひ読んでいただくようまとめました。また、理解しやすくするために同じ趣旨の図表についても、見方を変えて説明してあります。これらのところが重要なポイントになります。
 また、バリ取り・エッジ仕上げは切削加工やプレス加工の後加工になります。したがって、バリ取り・エッジ仕上げの改善にはこれらの前加工の知識が不可欠です。本書とともに、ぜひ他の絵ときシリーズも併せてご覧いただきたくお願いします。
 本書は職業能力開発総合大学名誉教授 海野邦昭博士から執筆の推薦をいただきました。バリ取り・エッジ仕上げをまとめて後輩に伝えて欲しいというご要望に賛同してお引受けしました。この場を借りて厚くお礼申しあげます。
 また、BESTA-JAPAN研究会(バリ取りと仕上げ技術研究会)名誉会長 神奈川工科大学名誉教授 高沢孝哉博士が東芝在職中にロータリコンプレッサ高精度部品の精密面取り技術開発を私とともに取組んで以来、実に40数年にわたってバリテクノロジーとともに歩んでこられました。高沢博士はこのリーダとして世界に広く情報を発信され、今日の基礎を築きあげられました。そして、私がこのバリテクノロジーのテーマに長年にわたり取組むことができた由縁です。
 また、本書はBESTA-JAPAN研究会会員をはじめ、多くのバリ取り・エッジ仕上げに関係する方々から多くの資料をご提供いだだきました。ここに、高沢博士をはじめBESTA-JAPAN研究会会員、そして貴重な資料を提供いただいた方々に厚くお礼申しあげます。
 製品・部品の設計者、生産技術者そして現場でバリ取りに取組んでおられる方、これからバリ取り作業の改善課題に取組もうとする技術者、設計者を対象にまとめました。さらに、新しいものづくりを心掛けている方々の参考になれば幸いです。
 
2011年11月
宮谷 孝

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