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困ったときにきっと役立つ
機械制御の勘どころ

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 208頁
ISBNコード 978-4-526-06779-2
コード C3053
発行月 2011年11月
ジャンル 機械

内容

無人化や省力化をテーマとする精密機械分野の技術者とって、「機械の制御」(特にシーケンス制御とフィードバック制御)の知識は不可欠。本書は、初心者・初学者が難しく感じるポイント、理解困難と感じているポイントを懇切丁寧に解説する。陥りやすいミスを克服できる一冊。

望月 傳  著者プロフィール

(もちづき でん)

昭和31年 山梨大学工学部電気工学科卒業
同年 池貝鉄工株式会社入社
池貝鉄工株式会社電気部長・研究開発部長歴任
日本工作機械工業会技術委員会委員
日本工業標準調査会産業機械用電気装置専門委員会委員
株式会社清康社取締役技術部長
株式会社太陽システム専務取締役退任

●著書
・「工作機械の自動制御学」医報出版
・「機械現場の基礎電気 電気機器の正しい選び方」技術評論社
・「どこの工場でもできる自動化の設計と製作」(共著)、近代図書
・「図解でわかる シーケンス制御の基本」技術評論社
・「イラスト・図解 基本からわかる電気の極意」技術評論社
・「イラスト・図解 機械を動かす電気の極意 自動化のしくみ」技術評論社
・「絵とき「シーケンス制御」基礎のきそ」日刊工業新聞社
・「機械現場で役立つ電気の公式・用語・データ ハンドブック」日刊工業新聞社

目次

第1章 電気と機械制御の基礎知識
1-1自動制御〔定義と構成〕
1-2機械を動かす制御とは
1-3 機械制御の方式と制御動作
(1)オン-オフ制御動作
(2)連続制御動作
(3)MM(Middle Mode)制御動作
1-4制御用開閉素子〔接点〕
(1)接点の種類
(2)接点の電流容量
(3)開閉素子接点を使用した制御器具
1-5制御回路におけるR・L・Cの振る舞い
(1)Rの振る舞い
(2)Lの振る舞い
(3)Cの振る舞い
1-6負帰還増幅器
(1)ゲインの安定化
(2)周波数特性の改善
(3)直線性の改善
1-7オペアンプ
(1)オペアンプの考え方
(2)オペアンプの使い方〔1〕
(3)オペアンプの使い方〔2〕
(4)その他の使い方
1-8機械制御のためのセンサ
(1)力センサ
(2)速度センサ
(3)位置センサ
1-9アクチュエータ 〔機械を動かす駆動機器〕
(1)電磁石とその応用機器
(2)電動機
1-10機械駆動における応答性
(1)電動機による慣性負荷の加速性
(2)加速度を最大にするギア比

第2章 シーケンス制御
2-1シーケンス制御の基礎
(1)自己保持回路
(2)自己保持回路による機械制御の基本形
(3)自己保持回路の拡張性
2-2論理回路とブール代数
(1)論理回路
(2)ブール代数
2-3シーケンス制御回路設計法
(1)制御動作の優先順序を決定する回路
(2)移動動作を制御する回路
(3)リレー動作を継ないで行く回路
(4)信号と制御動作の方向
(5)信頼性と安全性向上のための回路の工夫
2-4シーケンサ
(1)シーケンサの構成と役割
(2)シーケンサのメリット
(3)シーケンサの特長を活かした使い方

第3章 フィードバック制御
3-1フィードバック制御の基礎
(1)フィードバック制御の原理
(2)フィードバック理論の解明とその広がり
(3)フィードバックによる制御動作
(4)フィードバック制御系の感度と誤差
3-2ラプラス変換と伝達関数
(1)ラプラス変換
(2)伝達関数とブロック線図
3-3ラプラス変換応用による制御動作の解析
3-4二つの力学系モデルの伝達関数
3-5やさしく考えるラプラス変換
(1)ラプラス変換の計算
(2)時間関数f(t)=1
(3)(δ)関数とステップ信号
(4)電気回路で考えるラプラス変換
3-6フィードバック制御系の特性
(1)ステップ応答法
(2)周波数応答
(3)周波数応答の表し方と評価
3-7フィードバック制御系の周波数応答
(1)オープンループ制御の特性
(2)クローズドループ制御の周波数応答
3-8フィードバック制御系の安定性と安定判別
(1)二次遅れ系の伝達関数とその応答性
(2)ボード線図による安定判別
(3)ナイキスト線図による安定判別
3-9進歩するサーボコントロール技術
(1)デジタルサーボの原理
(2)デジタルサーボのフィードバック方式
(3)デジタルサーボの応用

参考文献
索引

コラム
規格の効用
単位制度の今昔
多読の弊害
電気機器の定格と選定上の注意
概数の活用の薦め
ブール代数の起源
フールプルーフとフェイルセーフ
シーケンス制御回路はなぜ読み難いか
ラプラスとヘビサイド
オイラーの公式
教え魔

はじめに

 ワット(James Watt 1736〜1819)が、蒸気機関の発明により1760年代のイギリスに第一次産業革命をもたらしたことはよく知られていることです。
 正確には、自動調速機の発明による蒸気機関の回転速度の安定化に成功したことが要因であり、蒸気機関本体の発明ではなく、蒸気機関の「性能の改良」に係わる発明であるということが注目される重要なポイントです。
 この発明が「自動制御」の始まりであり、以後「自動制御技術」は電気・電子技術やコンピュータ技術などの各種関連技術の著しい進歩とともに長足の進歩を遂げ、今日の発展につながっています。
 FA(Factory Automation)化のための機械の制御技術はもちろん自動制御技術をベースにした技術ですが、比較的最近に至るまで「設備に関する技術」という地味なイメージからか、この分野に係わる人材が少なかったことは事実です。
 また、制御もしくは自動制御の技術分野においては、電気や機械あるいは化学などのようにその技術分野における成果をアッピールする具体的な製品がありませんでしたので、一般に理解されにくいということもあったものとと思われます。
 近年、大学において制御工学科が設置され、制御工学あるいは機械制御に関する文献も豊富になり、またロボットなどの出現によりこの分野への関心が急速に高まり、教育現場においても、各種企業の生産現場においても、新たにこの分野に参入しようとする若い人たちが増えてきていて大変喜ばしい限りです。
 しかしながら、制御もしくは自動制御は大変広い分野にまたがる技術であり、また制御対象も多種多様で、これらを効率よく共通した理論により展開する必要から、その理論の解説が抽象的にならざるを得ないところがあり、このことが初心者にとって難解で学習しにくくしていることは否めないようです。
 さらに、制御対象に関する知識や経験が少ない初心者にとって、文献などから具体的構造とその動作に関する理解を得ることが容易ではなく、このことが理論の理解に対する大きな障害となっていることも事実です。
 制御を考える場合、先ず制御対象の構造や仕組みについてきちんと理解し、それをどのように動かすことが必要かを知ることから始まります。
 このようなことから本書では、数ある事例の中から次の3つの観点から初心者にとって好適と思われる事例を選び、これらをできるだけ具体的に解説し、容易に理解が得られるよう工夫いたしました。               
  1 基礎的で容易に理解できるやさしい事例
  2 応用上キーとなる重要な事例
  3 他の文献により学習するときのヒントになる事例
 これらの各事例におけるテーマを先ず理解し、そのテーマに対する結論を得るまでの経緯について理解できるよう詳細に解説し、この事例が応用される他の類似のテーマに容易に取り組むことができるよう工夫したつもりです。
 自動制御やシーケンス制御の分野では、電気(子)制御や機械制御に関するたくさんの優れた著書が上梓されています。
 これらの優れた著書のうち本書執筆にあたり、参考にさせていただいた著書、および読者の皆さんに好適と思われる著書を巻末に掲げておきました。
 本書の学習により電気(子)と機械制御を考えるヒントをつかみ、これらの優れた著書に挑戦し、さらに上位に進み、産業界の一層の発展に寄与してくださることを願ってやみません。
 終わりに、著者の力不足による不十分な点についてご叱責、ご批判などをお寄せいただければ幸甚に思います。

2011年 11月 
望月 傳

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