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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい工作機械の本

定価(税込)  1,512円

著者
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サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06764-8
コード C3034
発行月 2011年10月
ジャンル ビジネス 機械

内容

工作機械は「機械を作る機械=マザーマシン」と呼ばれている。私たちの生活は機械によって生産された製品に囲まれているため、この工作機械がわが国の産業に欠かせない存在であることはいうまでもない。本書は、そんな工作機械の役割や仕組みを豊富な図とともに、トコトンやさしく解説する。

清水伸二  著者プロフィール

(しみず しんじ)
1981年 上智大学大学院理工学研究科 博士後期課程修了
((株)大隈鐵工所(現 オークマ(株) 1973〜1978年)
現在、上智大学理工学部機能創造理工学科教授
工学博士

岡部眞幸  著者プロフィール

(おかべ まさゆき)
1980年 上智大学大学院理工学研究科 博士前期課程修了
(東芝機械(株) 1980年〜1982年)
現在、職業能力開発総合大学校長期課程精密機械システム工学科/機械システム工学科准教授
工学博士

坂本治久  著者プロフィール

(さかもと はるひさ)
1990年 千葉大学大学院修士課程修了
((株)日立製作所1990〜1995年)
現在、上智大学理工学部准教授
工学博士

伊東正頼  著者プロフィール

(いとう まさより)
1971年 慶應義塾大学大学院工学研究科機械工学専攻 修士課程修了
(東芝機械(株) 1971年〜1999年、牧野フライス精機(株)1999年〜2004年、(株)ソディックハイテック(現(株)ソディック)2004年〜2009年)
現在、Itoh E&D代表(技術コンサルタント)
工学修士

目次

第1章 工作機械って何?
1 機械とは 「機械の定義」
2 世の中には、どんな機械があるの 「人間の道具としての機械」
3 産業に役立つ機械 「ものづくりのための道具としての機械」
4 マザーマシンと呼ばれる工作機械 「あらゆる機械を生み出す」
5 工作機械は、一般の機械とどこが違うのか 「母性原理が成り立っている」
6 工作機械の基本構成 「工作機械を機能させる周辺構成要素」
7 工作機械の基本的な種類 「いろいろな切り口で分類」

第2章 工作機械が動く仕組み
8 工具・工作物が正確に回転する仕組み 「工具・工作物を回転させる主軸が必要」
9 テーブルが正確に回る仕組み 「工作物が大きい時と小さい時のテーブル回転の仕組み」
10 工具・工作物がまっすぐ動く仕組み 「正確に直進運動を行うための駆動方式と案内方式」
11 工具を自動交換する仕組み 「自動工具交換装置とツールマガジンで構成」
12 工作物を自動交換する仕組み 「自動パレット交換装置とパレット格納装置で構成」
13 工作機械の制御装置 「情報を数値情報として入力する」
14 図面情報の流れとNCプログラムの仕組み 「図面情報がどのように制御情報信号に変換されていくか」

第3章 工作機械に求められる特性
15 工作機械に働く力の種類と特質 「工作機械に作用する力は微小な変形や変位の原因に」
16 静的な力による精度低下を抑制するためには 「静剛性を高めるための設計上の工夫」
17 振動に強くするためには 「動剛性を高めることが振動に強くなる」
18 熱に強くするためには 「熱変形の発生に偏りがない構造設計が重要」
19 高い精度で動かすためには 「運動誤差を極力なくす」
20 速く動かすためには 「慣性への対応方法が決め手」
21 長い間使えるようにするためには 「愛着を持って工作機械の世話をする」
22 環境に優しくするためには 「切削油の削減と代替がキーポイント」
23 省スペース・コンパクト化を実現するためには 「構造形態の見直しや発想の転換が重要」

第4章 基本的な工作機械
24 旋盤 「最も基本的な切削加工機」
25 フライス盤・中ぐり盤 「角物部品の加工を得意とするフライス盤」
26 ボール盤 「穴あけ加工に欠かせないボール盤」
27 円筒面加工用研削盤(円筒研削盤、心なし研削盤、内面研削盤) 「丸物部品に仕上げ加工を施す」
28 平面研削盤 「角物部品に仕上げ加工を施す」
29 ホーニング盤・超仕上げ盤・ラップ盤 「工作物を高精度仕上げし、付加価値を高める」
30 放電加工機 「アーク放電しながら工作物表面を加工する」
31 特定形状面加工用工作機械 「特定の工作物形状を加工する」
32 金切りのこ盤 「素材からの材料取りは金切りのこ盤で」

第5章 工作機械で出来る基本的な加工
33 旋盤で行う加工 「丸いものを形づくる」
34 旋削に必要な工具と取付具 「バイトとチャック」
35 フライス盤・中ぐり盤で行う加工 「四角いもの ・ 高品位な穴を形づくる」
36 フライス削り・中ぐりに必要な工具 「フライス ・ エンドミル ・中ぐり工具」
37 フライス削り・中ぐりに用いるツールホルダ・取付具 「工作物をしっかり固定する」
38 ボール盤を用いた加工とその工具 「穴あけ加工」
39 研削盤で行う加工(1) 「円筒研削 ・ 内面研削」
40 研削盤で行う加工(2) 「心なし研削 ・ 平面研削」
41 研削加工に用いる工具とその取扱い 「研削砥石 ・ ドレッシング ・バランシング」
42 研削加工に用いる取付具 「工作物を高精度に把持する」
43 表面仕上げ工作機械で行う加工(1) 「ホーニング ・ 超仕上げ」
44 表面仕上げ工作機械で行う加工(2) 「ラッピング・ポリッシング」
45 放電加工機で行う加工 「3次元の複雑な輪郭や形状を得る」
46 特定形状面加工用工作機械で行う加工 「歯車やスプラインなどの機械要素形状をつくる」
47 特定形状面加工に必要な工具と取付具 「ホブ、ブローチ、特殊形状砥石」

第6章 最新の工作機械とその活躍する世界
48 5軸制御マシニングセンタ 「複雑形状の加工は5軸制御が有利」
49 旋盤ベース複合加工機 「丸物加工物への複合加工」
50 MCベース複合加工機 「角物加工物への複合加工」
51 超音波加工機 「超音波エネルギは微細加工が得意」
52 高精密レーザ加工機 「素形材加工から精密加工への進化」
53 大形工作機械・超大形工作機械(1) 「大きな工作物は大きな機械で加工」
54 大形工作機械・超大形工作機械(2) 「大形工作機械は加工物の裏側や内側の加工もできる」
55 マイクロ工作機械 「小さな部品は小さな機械で加工」
56 超精密工作機械(1) 「超精密加工にはいろいろな加工法がある」
57 超精密工作機械(2) 「超精密工作機械の名称は加工対象が具体的にわかる」
58 超高速工作機械 「超高速を達成するには高加減速が必要」
59 複合加工工作機械:同種加工エネルギの複合 「同種加工エネルギの複合とは、たとえば切削と研削」
60 複合加工工作機械:異種加工エネルギの複合 「切削とウォータジェットや切削と超音波振動など」

第7章 工作機械の歴史
61 工作機械の起源 「紀元前15世紀にまで遡る」
62 動力源の移り変わり 「電動機(モータ)の発明は工作機械の駆動方式を一変」
63 機械構造と運動の仕組みの移り変わり 「主軸の一方向連続回転が可能になった要因」
64 自動化の移り変わり 「各機能で進む技術革新」
65 工作機械の名機たち(1) 「母性原理を実現した機械:1775年〜」
66 工作機械の名機たち(2) 「電動機駆動を実現した機械」
67 工作機械の名機たち(3) 「NC化を実現した機械」

【コラム】
●知って得する現場用語①
●知って得する現場用語②
●知って得する現場用語③
●知って得する現場用語④
●「切りくず」は切削状態のバロメータ
●異色な工作機械、パラレルメカニズム形工作機械
●「レオナルド・ダビンチ」:工作機械の始祖

参考文献
索引

はじめに

 工作機械は、「マザーマシン」とよばれており、世の中に存在しているあらゆる機械の頂点に立つ、「機械をつくる機械」です。そして、それら工作機械が、世界のものづくりを支え、世界の人々の生活を豊かにするために大活躍し、日常生活の中でも、我々が工作機械から多くの恩恵を受けていることは、一般には余り知られておらず、その存在すら、知られていないのが現状かと思います。
 日本は、この工作機械技術では、世界トップクラスであり、その生産額も1980年より31年間、世界のトップスリー(その内の26年間はトップ)の座を続けております。 日本が、ものづくり立国として、世界をリードできるのも、日本の工作機械技術が世界のトップクラスであるからなのです。
 工作機械は、機械の頂点に立つ機械ですので、非常に高度な最新技術がたくさん使われているため、理解するのが困難であり、したがって教えるのも難しく、それらを解説している最新の教科書も少ないのが現状です。このことが、工作機械がその存在すら知られていない状況をつくり出しているといえます。そこで、本書では、この工作機械を徹底的にやさしく解説して、工作機械をもっと身近なものとして感じていただき、ものづくりの重要性と、このような産業の重要性を認識し、より多くの方々に工作機械産業を盛り立てていただきたく、本書を執筆しました。
 工作機械は、機械をつくる「機械」ですので、本書では、まず、そもそも機械とはどのようなもので、また、工作機械はどのような機械を生み出しているのかについて述べます。これらを通して、工作機械のお陰で、我々の日常生活がどのように豊かになっているのかが理解できることと思います。そして、工作機械には、基本的にどのような種類が存在し、それらは、どのような共通な仕組みを持っているかについて説明します。さらに、機械の頂点に立つためには、工作機械にはどのような特性が必要なのかについても、やさしく解説します。
 次に、おもな工作機械と、その基本構造と加工機能、その際に用いられる加工用の工具と、工作物の取付具などについて、より具体的に説明します。そして、さらに最新の工作機械とそれら工作機械によって作られる製品事例、加工事例を紹介します。
 最後には、今日の工作機械に至るまでの歴史を、色々な切り口から振り返り、これまでの先人の偉業について解説し、このような研究開発を今後とも継続し、工作機械技術を更に発展させていくことの重要性について述べます。是非、本書を一読し、工作機械の世界をより身近なものとして感じて頂きたく思います。
 日本では、本年3月11日に発生した東日本大地震により、未曾有の被害を受け、その復興活動が始まっておりますが、その復興にも工作機械が大きな役割を果たせることも、本書を通じてご理解いただけるものと思います。そして、多くの方々に工作機械産業発展のためにさまざまな形で参画していただくことにより、工作機械技術が大いに進展し、東日本の被災地域が一日も早く復興するとともに、世界の人々の生活が更に豊かになることを心より願う次第です。本書がそのために少しでもお役に立てれば、執筆者一同、望外の喜びです。
 なお、本書の執筆は第1章〜第2章が清水伸二、第3章〜第4章が岡部眞幸、第5章が坂本治久、第6章〜第7章を伊東正賴がそれぞれ担当しました。
 おわりに、本書執筆にあたり内外の多数の著書、文献、カタログを参考にさせていただきました。
 また、多くの工作機械および関連のメーカの皆様から貴重な資料の提供、ならびにアドバイスをいただきました。ここに厚く御礼申し上げます。また本書出版の企画を立てられ、著者らの出版趣旨と思いを同じくし、出版にこぎつけるまで種々のご尽力を賜りました日刊工業新聞社出版局の奥村功、木村文香の両氏、またエム編集事務所の飯嶋光雄氏に心から感謝申し上げます。
 
 2011年10月 
 執筆者代表 清水伸二

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