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なぜ、患者に届かない?
いのちを守る医療機器

定価(税込)  1,728円

編著
サイズ 四六判
ページ数 224頁
ISBNコード 978-4-526-06746-4
コード C3034
発行月 2011年09月
ジャンル 経営

内容

日本は、先端医療機器の部品を多く手掛け、高い技術力を持っているにもかかわらず、医療機器そのものの開発は非常に少ない。それは厚生労働省、政府の誤った行政が理由だ。本書は、これからの医療機器の開発・医療制度をどう変えていくか大胆な提言を行う。

医療再生と国家再建を提言する会議 代表 大村昭人  著者プロフィール

(おおむら あきと)  帝京大学医学部附属溝口病院院長補佐、帝京大学前医療技術学部長、帝京大学元医学部長、帝京大学医学部名誉教授。1967年東京大学医学部医学科卒業。東京大学付属病院、岐阜村上記念病院、北里大学で外科、麻酔科研修後、1973年ワシントン州立大学麻酔科レジデント、76年ユタ州立大学麻酔科講師、78年同助教授、79年帝京大学医学部麻酔科助教授、86年同溝口病院麻酔科教授、96年同副院長、2003年帝京大学医学部長。2007年4月帝京大学医学部名誉教授。 専門医資格/1976年:Diplomate of The American Board of Anesthesiologists(専門医:American Society of Anesthesiologists)。1982年:日本麻酔科学会指導医。所属学会:(社)日本麻酔学会、日本臨床麻酔科学会、日本集中治療医学会、日本呼吸療法医学会、The American Society of Anesthesiologists等。社会的役割:ISO/TC121(専門委員会121)国内委員会委員長、3学会合同呼吸療法認定 士認定委員会事務局長、前総務省行政評価局行政評価委員、前日本工業標準調査会医療用具技術専門委員会委員、前厚生労働省臨床工学技士国家試験委員長。 その他:(財)医療器機センター評議員、(社)臨床工学技士会理事、(社)日本病院会医業経営・税制委員会委員 等。Editorial Board Ambulatory Surgery, The official clinical journal of The International Society for Ambulatory Surgery. 著書に「医療立国論」、「医療立国論Ⅱ、Ⅲ」がある。 井上政昭(いのうえ まさあき)  株式会社スカイネット代表取締役。1966年東京大学工学部機械工学科卒業。1966年泉工医科工業株式会社入社。1994年株式会社スカイネット設立。一般社団法人日本医療機器工業会理事。ISO/TC121国内委員会事務局長。BUN-NET医療分科会会長。医工連携コーディネータ協議会委員 久保田博南(くぼた ひろなみ)  ケイ・アンド・ケイ株式会社代表取締役。城西大学現代政策学部非常勤講師、国際標準化機構(ISO)委員、日本医療器機学会誌編集委員、医工連携推進機構理事。1963年群馬大学工学部電気工学科卒業。1963年日本光電工業株式会社入社。1965年「生体情報モニタ」、1975年「ワイヤレス式生体情報モニタ」開発。1988年コントロンインスツルメンツ入社。1994年ケイ・アンド・ケイジャパン株式会社設立。 山口隆洋(やまぐち たかひろ)  株式会社エス・エム・アイ・ジャパン代表取締役社長。1967年九州工業大学金属工学科卒業。1967年中京電機株式会社入社、グループ企業精機の空圧機器の生産技術に従事。1981年プロメトロンテクニック株式会社常務取締役技術部長。プラズマ・イオンビーム関連装置の開発・生産に従事。1996年ウエダアゥアンセ株式会社取締役技術開発部長。2001年株式会社エス・エム・アイ・ジャパン設立。 佐々木啓行(ささき ひろゆき)  スリーエム ヘルスケア株式会社薬事部部長。1992年千葉大学工学部工業化学科卒業。1992年スリーエム薬品株式会社(改称してスリーエム ヘルスケア株式会社)入社。以後、医療機器の薬事申請及び医薬品の臨床開発業務に従事。 大山聖子(おおやま せいこ)  BSIグループジャパン株式会社ヘルスケア・製品認証事業本部審査員1984年愛知県立大学外国語学部スペイン学科卒業。1990年株式会社エーペックス・インターナショナル入社、医療機器の品質システムに構築に関するセミナー講師ならびにコンサルティング業務に従事。2003年エーペックスが現ULJapanに吸収合併され、その後は、ISO9001/ISO 13485、MDD、CMDCAS審査に従事。2003年8月より改正薬事法 第三者認証制度暫定協議会に参加。2005年4月改正薬事法施行に伴い、登録認証機関審査員として指定管理医療機器製造販売認証審査業務およびQMS省令調査に従事。2011年BSIグループジャパン入社。薬事認証審査及びISO 13485審査業務に従事。 【編集委員】 大村 昭人 (編集責任者)帝京大学医学部名誉教授 井上 政昭 株式会社スカイネット 代表取締役 久保田博南 ケイ・アンド・ケイジャパン株式会社 代表取締役 山口 隆洋 株式会社エス・エム・アイ・ジャパン 代表取締役 佐々木啓行 スリーエム ヘルスケア株式会社 薬事部 嶋田英一郎 アコマ医科工業株式会社 薬事統括部 山崎 正喜 株式会社アムコ 品質保証部 大山 聖子 BSIグループジャパン株式会社 ヘルスケア・製品認証事業本部

目次

まえがき 
序説 
第1章 いのちを守るための医療機器  久保田 博南    
「生命維持装置」という機器     
大震災からの教訓 
「医療機器」というターム 
我が国の医療機器開発
日本の技術をいのちのために
国際競合と国際協調 
デバイスディレイの排除策

第2章 医療産業は経済活性化の鍵:27兆円の医療機器市場   大村 昭人
世界の医療機器の趨勢 
日本の高い技術を示す例 
埋め込み型補助人工心臓の承認には長い時間を要した! 
日本は、世界最先端技術を持っている 
EUの医療機器産業

第3章 日本の医療機器産業を
崩壊寸前に追い込んだ審査承認制度   編集委員会
萎縮し続ける日本の医療機器産業 
改正薬事法が招いた災禍 
制度改正の背後にあるもの 
「拠出金」という名の「みかじめ料」 
医療機器を知らない者が医療機器を審査している 
PMDAは医療機器に関与しなくても良い 

第4章 座談会:医療機器の申請・審査・承認における疑問と問題点について
高額な費用がかかる医療機器の審査   
医薬品と医療機器の違い 
PMDAにおける審査の実態 
審査の長期化をもたらした原因とは? 
国際整合化が進まない日本の医療機器規制 
日本に相応しい医療機器の審査制度とは? 
今回の大震災で明らかになったこと 

第5章 ヨーロッパの医療機器審査制度:CEマーク  大山 聖子    
はじめに 
CEマーキングに関する指令の動きと概要 
ノーティファイド・ボディと各国政府との関係 
まとめ 

第6章 米国の医療機器審査制度  佐々木 啓行
はじめに 
FDAとCDRH 
医療機器の定義と分類 
医療機器の全般的要求事項 
医療機器の市販前登録 
FDAの医療機器施策
 
第7章 韓国の医療機器審査制度  井上 政昭
韓国は、なぜ医療機器法を制定したのか? 
韓国医療機器法の概要 
韓国の医療機器制度管理方法 
各種許可申請の概要 
品質管理 
まとめ

第8章 審査承認制度改革と医療機器産業活性化への提言
1) 薬事法から医療機器法へ     
承認審査制度改革と医療機器産業活性化への提言  山口 隆洋
医薬品の法律で医療機器を規制することの限界 
医薬品と医療機器の違い 
「医療機器法」の制定が急務であること
 
2) 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)による医療機器審査は廃止してEU型の第三者認証制度を導入せよ  大村 昭人
日本の常識は世界の非常識:国が訴えられる副作用は大きい 
健康被害救済制度と審査承認制度を同じ組織が行うべきではない 
PMDA審査の問題点
新型インフルエンザ流行で明らかになった遅い審査の社会的影響
 
第9章 医療再生と医療機器産業活性化は東日本から: 道州制導入と復興庁と医療庁を設立  大村 昭人
日本人の底力のすごさ 
東日本の医療の危機的状況 
東日本再生には国と地方の関係を根本的に見直せ 
あとがき

はじめに

 東北大震災で多くの人命が失われ、東北地方全体で42%のビジネスが深刻な影響を受けたと報告されており、2011年第一四半期のGDPはトータルで年間、3・7%のマイナスに転じたと報告されている。亡くなった方々、ご家族や最愛の人々を失った方々には心からお悔やみを申し上げたい。これから生活や産業再建のためにはあらゆる知恵と資源を投入していく必要があるだろう。  震災後の国の対応を見れば、政治の劣化と行政組織の仕組みの陳腐化が危機の際だけでなく、平時でも対応できなくなっていることは明らかである。本書は東日本大震災を機に日本の新たなガバナンスの形を提案して東日本からの日本再建を提言するとともに、診療に大きな役割を果たす最新の医療機器が1日でも早く必要としている患者さんのもとに届くことを目指している。また崩壊の危機に瀕している日本の医療機器産業を再建し、日本経済を活性化するなかで、医療再生を目指すことでもある。本書はこのために医療機器開発の現場で日夜、汗を流している担当者、専門家たちに協力をお願いして我が国の審査・承認制度の抜本的な改革を目指すことを目的として企画された。なかには現在の不条理な審査・承認制度のなかで悪戦苦闘している人々や会社も含まれており、こうした方々に不要な不利益が生じないように一部、実名を伏せさせていただいている。もし、この措置にご批判を受けた場合の責任はすべて編集責任者の大村昭人が負うものである。  一方で、本書の趣旨は、制度的に医療提供システムが破たんしているアメリカの表面だけを真似て、安易に民間医療保険の導入や混合診療を主張したり、行政特区を作って医療に市場原理導入を喧伝する人々に組することではない。これらの主張は一見、魅力的に見えるが最終的には間違いなく国民の健康を守るために絶対譲れない国民皆保険制度を破壊することにつながるからである。この危険性は「医療立国論」シリーズで詳しく述べた。  本書が医療関係者だけではなく、多くの一般の方々や立法・行政に関わる方々にもお読みいただき、日本の素晴らしい底力が震災からの復興、国家再建そして医療再建に生かされることを願っている。    平成23年7月10日                               大村昭人

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