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デジタル回路のEMC設計技術入門

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-06742-6
コード C3054
発行月 2011年09月
ジャンル 電気・電子

内容

いかにしてデジタル回路のEMC特性を向上させていくか、そのための基本的な考え方を解説。計算式、設計方法、測定データなどで具体的に回路設計を解説。また、後半ではプリント基板でデジタル回路を設計していくときにEMC性能を考えた場合、ICをどのように選択するか、どのように実装するか、配線はどのようにすべきか、など、プリント基板内におけるEMC性能についても解説する。

鈴木茂夫  著者プロフィール

(すずき しげお)
1976年 東京理科大学 工学部 電気工学科卒業
フジノン(株)を経て(有)イーエスティー代表取締役、技術士(電気電子/総合技術監理部門)

【業務】
・電子映像技術(CCD応用)、高周波技術、EMC技術等の支援、技術者教育
Eメール rd5s-szk@asahi-net.or.jp
【著書】
「EMCと基礎技術」(工学図書)、「主要EC指令とCEマーキング」(工学図書)、「Q&A EMCと基礎技術」(工学図書)、「CCDと応用技術」(工学図書)、「技術士合格解答例(電気電子・情報)」(共著、テクノ)、「環境影響評価と環境マネージメントシステムの構築─ISO 14001─」(工学図書)、「実践ISO 14000審査登録取得のすすめ方」(共著、同友館)、「技術者のためのISO 14001─環境適合性設計のためのシステム構築」(工学図書)、「実践Q&A環境マネジメントシステム困った時の120例」(共著、アーバンプロデュース)、「ISO統合マネジメントシステム構築の進め方─ISO 9001/ISO 14001/OHSAS 18001」(日刊工業新聞社)、「電子技術者のための高周波設計の基礎と勘どころ」(日刊工業新聞社)、「電子技術者のためのノイズ対策の基礎と勘どころ」(日刊工業新聞社、台湾全華科技図書翻訳出版)、「わかりやすいリスクの見方・分析の実際」(日刊工業新聞社)、「わかりやすい高周波技術入門」(日刊工業新聞社、台湾建興文化事業有限公司翻訳出版)、「わかりやすいCCD/CMOSカメラ信号処理技術入門」(日刊工業新聞社)、「わかりやすい高周波技術実務入門」(日刊工業新聞社)、「わかりやすいアナログ・デジタル混在回路のノイズ対策実務入門」(日刊工業新聞社)、「わかりやすい生産現場のノイズ対策技術入門」(日刊工業新聞社)、「読むだけで力がつくノイズ対策再入門」(日刊工業新聞社)、「ノイズ対策のための電磁気学再入門」(日刊工業新聞社)

目次

はじめに

第1章 デジタル回路の基本モデル(送信、伝送、受信)   
1. 1 回路内部を移動する電荷(電子)とそれによる空間のひずみ(電界と磁界)
1. 2 伝送路への入力電力は空間に蓄えられ、伝搬する
1. 3 機能設計とEMC設計の違い
1. 4 デジタル信号はアナログ信号の集まり(高周波的思考が必要)
1. 5 デジタルICの特性及びその性能
1. 6 デジタルICの性能とEMCとの関連
1. 7 デジタル回路のモデルとEMCの考え方

第2章 EMCに影響するインダクタLとコンデンサC
2. 1 インダクタンスLとノイズの関係
2. 2 ファラデーの電磁誘導の法則による逆起電力
2. 3 インダクタンスを小さくする方法
2. 4 インダクタLをノイズ対策部品として使用するときの自己共振周波数
2. 5 コンデンサ(空間)とノイズとの関係(特に変位電流)
2. 6 コンデンサに流れる電流(変位電流)
2. 7 オームの法則V=IR(J=σE)、電流密度J、電束密度D、磁束密度B

第3章 デジタル回路の送信技術
3. 1 デジタル回路の基本構成
3. 2 IC間を流れる電流経路
3. 3 電源回路に流れる電流
3. 4 信号回路に流れる電流
3. 5 信号の伝搬時間、伝搬速度
3. 6 特性インピーダンスZ0からインダクタンスLとキャパシタCを求める
3. 7 コンデンサの設計
3. 8 デジタルICの出力インピーダンスはどのようにして求めるのか
3. 9 高速ICと低速ICの違いは何か(内部構成を含めて)
3. 10 高速ICを使うとリンギングが大きくなる理由
3. 11 集中定数回路と分布定数回路を駆動する場合の違い

第4章 デジタル信号の伝送路
4. 1 伝送路の基礎
4. 2 信号の反射の大きさはどのようにして決まるか
4. 3 定在波の大きさ(SWR:standing wave ratio)
4. 4 定在波の伝送路から放射
4. 5 反射による信号の波形
4. 6 伝送路の入出波形の測定
4. 7 デジタル回路における伝送路の状況
4. 8 なぜインピーダンスマッチングするのか(電圧、電流、電力)
4. 9 伝送路から発生する電磁波のメカニズム(信号源と伝送路の周波数特性から)

第5章 電源とGND   
5. 1 電源とGNDに生じるノイズ
5. 2 電源とGNDは伝送路である
5. 3 電源・GNDの特性
5. 4 電源パターンのインダクタンス
5. 5 電源パターンの強化
5. 6 GNDの強化
5. 7 信号回路や電源回路のループから外部に流れるコモンモードノイズの測定
5. 8 電源・GND間はインピーダンスを低くしなければならない理由
5. 9 電源・GNDプレーンに流れ出るノイズ電流を低減する

第6章 プリント基板への実装
6. 1 プリント基板への実装の基本的な考え方    
6. 2 電子部品の実装
6. 3 伝送路の変化を少なくする
6. 4 プリント基板内の最適なレイアウト設計とは
6. 5 回路機能を考慮したレイアウト設計
6. 6 アナログ・デジタル混在回路におけるEMC
6. 7 プリント基板と筐体との関係(筐体に対する配置による優劣)
6. 8 プリント基板の特性

第7章 デジタル回路のイミュニティ
7. 1 ノイズに対して回路を強くするイミュニティ
7. 2 コモンモードノイズ電流の伝搬
7. 3 ノイズ電流Jnによる回路への影響
7. 4 外部からの磁束によって回路内に発生する起電力
7. 5 空間を伝搬する放射ノイズ
7. 6 信号回路に伝導、伝搬するノイズによる影響を最小化する
7. 7 静電気による影響

参考文献

索引

はじめに

 近年、電子機器、産業機器などの高度化、高機能化、高集積化、処理速度の大幅向上のためにデジタル回路の規模が大きくなり、クロックの周波数が非常に高くなっています。こうした状況によってノイズ対策技術も複雑化して、難しくなる一方です。
 本書はデジタル回路からの電磁放射を最小にするための、主要な要素の考え方、設計指針、外部からのノイズによる影響を最小にするための設計の指針をまとめています。
 その特徴はデジタル回路における送信、伝送、受信の基本モデルをベースにして理論的な考察だけではなく、実験及び測定によるデータを示しています。
 各章では、以下のような概要や詳細を解説しています。
 第1章では、デジタル回路の基本モデルを示し、機能設計とEMC設計の違い、デジタルICの性能とEMCとの関連、考え方。
 第2章では、EMCに影響するインダクタンスLとコンデンサCについてその特徴、部品・実装上の注意点やノイズとの関連。
 第3章では、デジタル回路の送信技術として伝送に関わること、電流の流れる経路や高速ICと低速IC、集中定数回路や分布定数回路の駆動条件など。
 第4章では、デジタル信号の伝送技術として、伝送路の特徴からインピーダンスマッチング関連の波形測定、伝送路から電磁波の放射するメカニズム。
 第5章では、電源とGNDにおける伝送、電源・GNDプレーンから発生するノイズとその対策方法。
 第6章では、プリント基板への実装及びプリント基板内でのレイアウト設計を適切にしてプリント基板から放射されるノイズを最小にする方法。
 第7章では、デジタル回路のイミュニティ技術についてコモンモードノイズ対策技術及び空間からの放射電磁波の影響の最小化設計の考え方。
 電子機器関連の設計業務に従事されている方で、製品設計時点にEMC設計(ノイズ対策技術)も同時に考慮される方のための基本指針として、また広くノイズ対策の業務に従事されるまたは、これから従事される方のために、参考にしていただけるよう配慮しました。EMC設計に取り組まれる読者の皆様方に本書が少しでもお役に立てれば幸いであると願っております。
 最後に本書をまとめるにあたり、原稿の校正、注意点等有益なご指導をいただきました出版局書籍編集部の副部長、鈴木徹氏に心から感謝いたします。

 平成23年9月
 著 者

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