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絵とき「ヒートポンプ」基礎のきそ

定価(税込)  2,160円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06740-2
コード C3053
発行月 2011年09月
ジャンル 機械

内容

ヒートポンプは、地球温暖化防止や二酸化炭素排出削減に有効な技術として関心が高まっており、空調用機器や給湯・冷凍機器、エアコンなどに応用されている。本書は、ヒートポンプの概要、基礎から基本的な設計技術までを図を多用してわかりやすく解説する。

大高敏男  著者プロフィール

(おおたか としお)
1990年、(株)東芝家電技術研究所入社
2000年、東京都立工業高等専門学校助教授
2003年、都立大学客員講師
2007年、国士舘大学准教授
2011年、国士舘大学理工学部機械工学系教授

工学博士、技術士(機械部門 第56798号)
 企業で圧縮機・冷凍機・空調機の研究・開発・設計に従事してきた。教育機関ではこれらを生かした実践的な機械設計手法や3次元CADを活用したモノづくり手法、熱力学、伝熱工学などのエネルギーに関する分野と機械設計に関する講義を担当している。
 専門分野は熱工学、伝熱工学、冷凍・空調工学、機械設計。

●主な著書
「失敗から学ぶ機械設計―製造現場で起きた実際例81」日刊工業新聞社
「絵とき機械用語事典 作業編」(共著)、日刊工業新聞社
「絵とき機械用語事典 設計編」(共著)、日刊工業新聞社
「絵とき 熱力学 基礎のきそ」日刊工業新聞社
「3次元CADで学ぶ機械設計の基礎知識」日刊工業新聞社
「3次元CAD実践活用法」コロナ社
「これならわかる伝熱工学」コロナ社
「機構学」コロナ社
「はじめての機械要素」科学図書出版
「上手な機械製図の書き方」技術評論社
ほか

目次

はじめに

第1章 ヒートポンプとは何か
1-1 ヒートポンプとは
1-2 冷凍機とヒートポンプ
1-3 基本構成
1-4 ヒートポンプの歴史

第2章 ヒートポンプの種類と特長
2-1 ヒートポンプの分類
(1)温度領域による分類と冷凍能力による分類
(2)効率からみた冷凍機およびヒートポンプ
2-2 冷凍機の種類と特長
(1)主な冷凍機の種類
(2)蒸気圧縮式冷凍機
(3)ターボ冷凍機
(4)吸収式冷凍機
(5)蒸気噴射式冷凍機
(6)空気圧縮式冷凍機
(7)磁気冷凍機
(8)スターリング冷凍機
(9)ペルチェ式冷凍機
(10)その他の冷凍機

第3章 ヒートポンプの理論
3-1 カルノーサイクル
(1)カルノーサイクルとは何か
(2)可逆サイクル
3-2 蒸気の一般的な性質
(1)蒸気とは
(2)相変化の関係
(3)等圧蒸発過程
(4)蒸気の状態量
3-3 気液二相サイクル
(1)気液二相サイクルとは
(2)ランキンサイクル
(3)逆ランキンサイクル

第4章 ヒートポンプの設計と運用
4-1 構成要素
(1)圧縮機
(2)サクションカップ
(3)四方弁
(4)室外熱交換器
(5)膨張弁・キャピラリチューブ
(6)室内熱交換器
(7)アキュムレータ
(8)配管
(9)冷媒
(10)その他
4-2 熱収支と圧縮比
(1)性能設計のポイント
(2)熱収支
(3)圧縮比
4-3 冷房能力と暖房能力
4-4 成績係数の求め方
4-5 圧縮機の設計
(1)圧縮機の概要
(2)圧縮機の設計
(3)ロータリ方式の設計
4-6 熱交換器の設計
(1)熱交換器の種類
(2)向流と並流
(3)対数平均温度差
(4)汚れ係数
(5)ファンの技術
(6)フィンやチューブの技術
(7)伝熱面積も拡大
4-7 保守メンテナンス
(1)圧縮熱の冷却
(2)サイクル全体の圧縮分布
(3)電気系統
(4)据付け

第5章 ヒートポンプと環境問題
5-1 ヒートポンプと冷媒
(1)冷媒の歴史
(2)フロン系冷媒
(3)冷媒に求められる諸元
5-2 地球環境問題
(1)オゾン層破壊
(2)地球温暖化
(3)ヒートアイランド現象
5-3 省エネルギー化を推進する技術
(1)構造解析
(2)軸心振れ回り解析
(3)室内熱交換器の気流解析
(4)蒸気圧縮式ヒートポンプの動作解析シミュレーション

第6章 ヒートポンプと応用技術
6-1 空気調和機器
(1)空気調和とは何か
(2)湿り空気の諸量
(3)室内環境指標
6-2 給湯器
6-3 蓄熱技術
(1)エネルギーの貯蔵
(2)氷蓄熱システム
(3)地下水蓄熱システム
(4)その他の蓄熱システム
6-4 その他の技術
(1)GHP
(2)ガス焚きガス駆動ヒートポンプ
(3)コ・ジェネレーションシステム

コラム
参考文献
索引

はじめに

 太古の昔、ヒトは火を利用することを知りました。この時を境に温熱を得ることに成功したのです。このことは、その後の人類の進化と発展に大きな貢献を果たしました。そして、現在の繁栄に繋がっているのです。人間が豊かで幸福な生活を営むには温熱の利用が欠かせないのです。この温熱の利用は、より高い温熱の利用、より低い冷熱の利用へと拡張していきます。そして、より豊かで快適な生活環境の実現、工業や農業分野への展開がなされました。それと同時にエネルギーの消費量が大幅に増加したのです。
近年、地球温暖化に代表される地球的規模の環境問題が国際的な注目を集めています。これらの環境問題は、大量エネルギー消費社会がもたらしているのです。この、環境問題を解決していくには省エネルギー技術、再生可能エネルギー利用技術、新エネルギーの開発などが必要です。本書で取り上げる、「ヒートポンプ」は、省エネルギー技術のエースです。また、自然エネルギーをはじめとするいろいろなエネルギー機器との親和性が高い技術です。そして、日本は、「ヒートポンプ」技術の先進国であり、今後世界中にこの技術を広めていく必要があるでしょう。
さて、本書は、「ヒートポンプ」に関して、はじめて勉強する方から、「ヒートポンプ」の実践的なコア技術に興味がある方まで、幅広く学習できるように配慮しております。第1章にはヒートポンプの概念とその基礎事項をまとめて解説しています。また、第2章には、ヒートポンプの種類と特長を解説しています。ヒートポンプは、用途や動作温度領域によっていろいろな種類のものがあります。本章では、代表的なものをできる限り多く取り上げているので、ヒートポンプの全体像が理解できます。第3章では、ヒートポンプの理論として蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルについて解説しています。また、本章ではヒートポンプの理論に関連する熱力学の基礎事項にも触れています。第4章は、ヒートポンプの設計に関する事項と性能向上に関する技術について解説しています。第5章は、ヒートポンプに関連する環境問題についてまとめて解説しています。第6章は、ヒートポンプとその応用技術についていくつかの例を挙げて解説しています。
本書の対象者は、熱工学やエネルギー工学の入門者から実際の技術者までで、広く活用いただけるものと思います。
本書では、紙面の都合により、より多くの技術と実践事例を取り上げて詳細な解説を行うことは困難ですが、ヒートポンプを学ぼうとする多くの人には有用な構成となっています。本書をより多くの方に役立てていただければ幸いです。
最後になりましたが、本書を作成するにあたり、多くの方のご協力をいただきました。この場をお借りして心よりお礼申し上げます。本書を執筆する機会を与えていただいた日刊工業新聞社の奥村功氏、また企画段階から多くのアドバイスをいただきましたエム編集事務所の飯嶋光雄氏に心から感謝いたします。

2011年9月
大高 敏男

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