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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい省エネの本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06726-6
コード C3034
発行月 2011年08月
ジャンル ビジネス 環境

内容

家庭で省エネルギー(省エネ)をするのは生活者自身で、人ごとではない。本書は、省エネの基本について、暮らしの中の省エネから、省エネ対策の基本、そして省エネ普及を図る国の取り組みまでを紹介した本。省エネを考える上で大事なポイントをわかりやすく整理、省エネ普及指導、および消費生活アドバイザーの立場で、やさしく解説している。

山川文子  著者プロフィール

(やまかわ・あやこ)
エナジーコンシャス代表
上智大学理工学部数学科卒業。1989年から2009年まで財団法人省エネルギーセンターに勤務。国際部で発展途上国への省エネルギー協力に携わる。その後は企画広報部長として、家庭向けの省エネルギー広報を行う。
現在は、執筆、講演を中心に活動。
消費生活アドバイザー(内閣総理大臣及び経済産業大臣認定)
省エネルギー普及指導員(省エネルギーセンター認定)
東京都地球温暖化防止活動推進センター技術専門員
著書:『暮らしの省エネ事典』工業調査会、2009(不動産協会賞受賞)
HP:http://www.ene-con.com/

目次

はじめに

序章 どこでも使える省エネの基本
1 省エネルギーとは結局、何なのか? 「欲しい量だけ最小エネルギーで手に入れる」
2 そこで! 省エネのルール八箇条 「簡単! 覚えやすい! これなら使える!」
3 効用を適切にするためのルール 「過剰を求めないことが基本」
4 効率を上げるためのルール 「「効率のよさ」を常に意識する」
5 おまけのルール 「「もったいない」から省エネが生まれる」
6 自分で考える省エネ 「ルールがわかれば見えてくる」

第1章 効用を適切にするための四箇条
7 温度の高すぎ・低すぎいかに防ぐか? 「いろいろな省エネの方策で快適温度をつくり出す」
8 熱の移動を知って省エネの達人になる 「高いところから低いところへ 熱の伝わり方は3種類」
9 明るい? 暗い? 必要な照度で 「場所と用途で明るさを変える」
10 お湯使いすぎ防止に便利なグッズあり 「使いやすさを損なわずに節水・節湯する」
11 空調のオン・オフ、必要な時間と温度 「設定をもう一度考え直すと思わぬところで省エネが可能」
12 使わない時間にいかに節電するか? 「見落としがちな省エネ設定を活用する」
13 外気の取り入れはバランスを考える 「基準の範囲内で負荷の上昇に注意する」
14 体感温度をコントロールする 「体感温度を決めるのは気温だけではない」
15 不要な明るさを解消する方策 「各自が実行できるルールをつくる」
16 冷暖房する空間は小さく、必要なだけ 「冷気・暖気を逃がさない」
17 家電のサイズをいかに決定する? 「大きさと消費電力の関係は種類によって異なる」
18 設備容量の調整は小サイズ×複数で 「余裕に余裕を重ねて容量が膨らむ」
19 財布を開ける前にもう一度考える習慣 「物を買うことはエネルギーを消費すること」
20 容器や包装材削減を進めるためには? 「マイバッグ・カップに加え店の取り組みも欠かせない」
21 省エネになる車とのつきあい方 「「ちょっと出かける」なら徒歩や自転車で」

第2章 効率を上げるための二箇条
22 熱を取り出す技術 ヒートポンプ 「投入したエネルギー以上のエネルギーが利用できる」
23 インバータは省エネの強い味方 「自由な周波数に変換して省エネに貢献」
24 普及が進む高効率の照明器具 「白熱電球から蛍光灯へ そしてLED照明へ」
25 トップランナー基準が上げた省エネ性能 「機器の省エネ性能向上の背景に法律と環境意識の高まりが」
26 機器の省エネ性能表示制度 「消費者が機器を買う時 目安となるラベリング」
27 義務化へ向けて前進 住宅省エネ基準 「建築主が守るべき住宅の断熱性能など」
28 新時代の自動車次々登場 「車の燃料はもうガソリンだけじゃない」
29 効率アップのカギ 断熱と保温 「暖かさ・涼しさをいかにして逃がさないか」
30 夏は遮熱で冷房の省エネ 「日射を防いで室内温度を上げない工夫」
31 機器の置き場所で効率は大違い 「エアコンの室外機まわりはできるだけ空ける」
32 省エネの敵「漏れ」を最大限防ぐ 「少量の漏れでも大きな無駄につながる」
33 コージェネレーションで総合的に省エネ 「一つの燃料を複数利用」
34 「抵抗」を減らし、楽々稼働が省エネ 「「抵抗」が大きいと余計なエネルギーを消費する」
35 余熱を予熱に再利用する 「温度を上げるために「余熱」を使う技」
36 太陽光を最大限利用するには? 「窓の方向・位置・入射角度などで差が出る」

第3章 おまけのルール二箇条
37 まだ使える! 熱の有効利用 「「何かに利用できないか」が熱を使い尽くすアイデアに」
38 エネルギーを蓄える 「消費量を平均化しコストを抑える」
39 不要なものを捨てない方法 「つい買ってしまい結局使わなかった時には」
40 ゴミ問題の未来 明るくするには? 「リサイクルも大事だがまずゴミを出さない生活を」
41 リサイクルは解決策になるか? 「「リサイクルするから大丈夫」ではないことを知るべし」
42 植物があればそれだけで涼しい 「夏、蒸散作用で周囲の温度を下げてくれる」
43 夏の省エネに風をとり込む 「「温冷感」を決める要素の一つは空気の流れ」
44 太陽熱利用設備ってどんなもの? 「太陽エネルギーの熱を利用 給湯・暖房に使えるスグレモノ」
45 太陽光発電を普及させるために 「補助金・余剰電力買取制度 国や自治体が支援」
46 バイオマス 生物由来の燃料 「トータルでCO2が増えないカーボンニュートラル」

第4章 省エネを支えるアイテム
47 「知る」ことが基本 現状把握と計測 「意識を高め継続を可能にする」
48 「見える化」は問題発見のツール 「課題や問題を把握し効率的に解決を図る」
49 商品の選択で役立つ環境ラベル 「事業者にとってもモチベーションになる」
50 省エネの主役 人・ひと・ヒト 「環境教育の重要性はますます高まっている」
51 PDCAでよりよく さらに上へ 「計画から始まってらせん状に改善を図る」
52 急拡大するESCO事業 「すべてのサービスを提供し顧客に省エネ効果を保証」
53 清掃が省エネに果たす役割 「こまめなメンテナンスで歩留まり向上&省エネ」
54 BEMS・HEMS 自動制御で省エネ 「IT技術を駆使した自動化システム」
55 知っておこうエネルギーの単位 「そうだったのか! よく聞く単位の意味を納得」
56 異なるエネルギーを比較するには? 「共通単位はジュール(J)」
57 エネルギー消費原単位 「条件の違う現場の省エネ度を測る指標」
58 CO2排出量を計算する 「一定以上排出しているならCO2排出量の報告が義務」
59 エネルギー需給状況 「非化石エネルギーの導入拡大が必要!」
60 省エネ法のいま 「数度の改正で規制強化」
61 どうして地球が温暖化するか? 「温暖化の原因は人間の活動]
62 省エネ以外の削減 カーボンオフセット 「出した分をほかで減らす」
63 いろいろな排出量取引 「知っているようで知らないその中身」
64 先進的! 東京都の取り組み 「温室効果ガス削減義務と排出量取引」
65 エネルギー資源の厳しい現実 「際立って低い日本のエネルギー自給率」
66 省エネを促進する財政支援措置 「省エネ推進の〝アメ〟」
67 省エネチューニングって何? 「少ない投資か投資ゼロでできる運用改善」
68 フロン回収へ向けて 「法整備はされてもなかなか進まない現状」

【コラム】
●日本の財産 日本の技術者
●ホテルのエコ進行中
●便座の温度でわかる女性の省エネ参画度
●「ゴミ」というもののなかったモンゴルに
●知っていますか? わが家のCO2排出量

参考文献

はじめに

 省エネルギーにかかわる仕事に就いて20年以上が経ちました。学生時代に、熱や電気、エネルギー、建築、環境などの領域について専門的に学んでいなかったわたしにとって、省エネルギーの世界は、とっつきにくく、非常に難解でした。それは、省エネルギーが、実用的なところも含めて、技術的な側面で語られることがほとんどだからでした。技術的な素地がないわたしのような者には、本を読んでも、人に聞いても、なかなか理解できませんでした。
 企業の地球温暖化防止への対応が必須となる中、いまや省エネルギーは、専門的知識がある人たちだけではなく、あらゆるバックグラウンドを持つ人がその必要性を理解し、実際に取り組む必要があります。それは、石油危機後に制定された省エネ法(「エネルギーの使用の合理化に関する法律」)の改正にも表れています。平成20(2008)年の改正で、規制の対象が工場や事業場単位から、企業単位に変わりました。省エネルギーを、一部署ではなく企業全体で取り組むべき課題だとする観点からの改正です。また、家庭で省エネルギーをするのは生活者自身です。子どもが、大人が、楽しく、快適に毎日を暮らす中に、省エネがあるのです。 
 この本は、「トコトンやさしいシリーズ」として、省エネルギーについていままで特段の知識がない方にも理解してもらえるように、やさしく、わかりやすく書くことを心がけました。それは、20年前の自分を思い出しながら、自分がどこでわからなくなったか、どんな説明だと理解でき、納得できたかなどを考えながらの作業でした。また、実用的であることも念頭に置いて書きました。知識は大切ですが、それだけが増えても、実行が伴わないと省エネルギーは進まないからです。また、本の全体構成は、省エネルギーの基本をわたしなりに八つのルールにまとめ、それぞれのルールについて説明するスタイルにしました。「省エネルギーとは、つまりこういうことなのか」を知っていただければ、うれしいです。
 ほかの分野も同様と思いますが、省エネルギーは、新しいことを一つ知ると、わからないことがまた一つ増えていくという奥深い分野です。わたしの勉強不足により、理解が十分ではないところ、触れるべきところに触れていない部分も多々あると思います。どうかそのような点はご指導をいただければと思います。
 この本の原稿を編集者に渡した翌日に、東日本大震災が起きました。その後の、発電所の停止、原子力発電所の事故、計画停電、節電要請などはみなさんご承知のとおりです。これほど省エネルギーや節電が差し迫った課題となったのは、石油危機以来のことでしょう。エネルギー資源を自国にほとんど持たない国に暮らすわたしたちが、これからエネルギーとどう向き合っていくのかを、真剣に考える時期が来たのだと思います。
 本書の執筆に当たっては、多くの方にご指導をいただきました。この場を借りて、お礼申し上げます。そして、執筆の機会を与えていただきました、日刊工業新聞社の鈴木徹様、この本の企画、執筆から発刊まで、共に寄り添って編集のご苦労をいただいたファンテンヘッドの猪股彩子様、ありがとうございました。

2011年6月
山川文子

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