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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい制御の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06721-1
コード C3034
発行月 2011年07月
ジャンル ビジネス 機械

内容

生産現場の機械やロボット、身の回りの家電製品や交通システムなどには、必ず何らかの制御が利用されている。本書は、さまざまな制御方式の基礎的な事項を紹介するとともに、それらの制御が「どのように行われるのか」を理解できるようにわかりやすく解説する。

門田和雄  著者プロフィール

(かどた かずお)
 東京学芸大学教育学部技術科卒業
 東京学芸大学大学院教育学研究科
  修士課程(技術教育専攻)修了
東京工業大学大学院総合理工学研究科
  博士課程(メカノマイクロ工学専攻)修了
  博士(工学)
 現在、東京工業大学附属科学技術高等学校
 機械システム分野教諭

●主な著書
『絵とき「ねじ」基礎のきそ』
『絵とき「機械要素」基礎のきそ』
『絵とき「ロボット工学」基礎のきそ』
『トコトンやさしい「ねじ」の本』
『ココからはじめる機械要素』
(以上,日刊工業新聞社)

『暮らしを支える「ねじ」のひみつ』
『基礎から学ぶ機械工学』
(以上,ソフトバンククリエイティブサイエンスアイ新書)

など多数

目次

第1章 制御のいろいろ
1  制御の字源「制御とは、制して御すること」
2  制御を英語で表すと「制御は英語でコントロール」
3  球速や球種をコントロール「ピッチングマシーンから見た制御」
4  ラジコン、リモコンもコントロール「ラジコンは無線、リモコンは有線も」
5  手動制御から自動制御へ「手動でできないことは自動で」
6  ファクトリーオートメーション「産業用ロボットの導入から無人工場へ」
7  ホームオートメーション「住宅の自動化で私たちの生活を快適に」
8  紀元前に存在した自動機械「ヘロンが考案したとされる自動機械」
9  蒸気機関の自動制御「制御工学のはじまりはここから」
10 京都で活躍した遠心調速機「蹴上発電所のペルトン水車の調速に」

第2章 制御の種類
11 制御の定義「制御とは対象を思い通りに操ること」
12 シーケンス制御「あらかじめ定められた順序での制御」
13 フィードバック制御「目標値と実際値を比較しながらの制御」
14 フィードフォワード制御「あらかじめ予想しながらの制御」
15 サーボ機構「位置や角度、姿勢を追従させる制御」
16 プロセス制御「圧力や温度、流量などを扱う制御」
17 古典制御と現代制御「古典制御もまだまだ現役、現代制御は?」
18 ポスト現代制御「現代制御の次に登場した頑丈な制御」
19 ファジィ制御「あいまいさの制御は家電製品で実用化」
20 ニューラルネットワーク「脳の神経細胞のはたらきを用いた制御」
21 遺伝的アルゴリズム「生物の進化のメカニズムを適用」
22 人工知能とフレーム問題「人工的に人間の知能を実現できるか」

第3章 制御の入出力装置
23 アナログとディジタル「制御信号を学ぶ最初の一歩」
24 AD変換の方法(1)「標本化と量子化の方法」
25 AD変換の方法(2)「分解能と変換速度の考え方」
26 入出力装置のはたらき「制御システムへの入力と出力」
27 スイッチの種類「共通事項となるa接点とb接点」
28 光、磁気、音を検出するセンサ「人間の目や耳の代わりをするセンサ」
29 圧力、温度、流量を検出するセンサ「プロセス制御で用いられるセンサ」
30 力、位置、加速度を検出するセンサ「機械やロボットに使われている」
31 物理量の電気信号への変換「センサの取込み値を電圧に」
32 ランプの種類(1)「光を発する代表的な出力装置」
33 ランプの種類(2)「蛍光灯から発光ダイオードへ」
34 発光ダイオードの使い方「ディジタルでもアナログでも」
35 直流モータと交流モータ「回転運動を取り出す代表的なアクチュエータ」
36 ステッピングモータとサーボモータ「精密な制御に欠かせないモータ」
37 空気圧シリンダ「小型軽量で高出力の往復直線運動」
38 油圧シリンダ「空気圧より大きな油圧パワー」

第4章 シーケンス制御
39 シーケンス制御系の設計「順序と時間と論理でやりたいことを明確に」
40 PLCの活用「何を入力して何を出力するのかを考える」
41 シーケンス図とラダー図「シーケンス制御の表記法」
42 論理回路のはたらき「AND、OR、NOTなど」
43 タイマとカウンタ「時間や計数のはたらき」
44 ラダー図のプログラミング「タイマで順番に複数の出力を」
45 PLCの配線作業(入力編)「入力機器の配線について」
46 PLCの配線作業(出力編)「出力機器を配線しての制御」
47 空気圧システムのシーケンス制御「空気圧シリンダを制御する」
48 シーケンス制御の用途「食品機械などの応用例」

第5章 フィードバック制御
49 フィードバック制御系の設計「制御系の構成要素と制御信号」
50 フィードバック制御系の応答「安定な制御系と不安定な制御系」
51 フィードバック制御系の特性「さまざまな信号で応答を調べる」
52 制御系の伝達関数(1)「基本要素である比例、積分、微分」
53 制御系の伝達関数(2)「一次遅れ要素と二次遅れ要素」
54 ブロック線図の等価変換「制御系をわかりやすくまとめる」
55 比例制御「目標値と出力値の偏差に比例したP制御」
56 積分制御と微分制御「過去を見るI制御、未来を見るD制御」
57 アナログ入出力ボード「アナログデータをやりとりする機器」
58 PID制御の実際「圧力容器内の圧力を一定にする制御」
59 PID制御のゲイン調整「試行錯誤によるチューニング」
60 パワーアシストロボットのPID制御「目標値が変動する制御系」

第6章 マイコン制御
61 マイコン制御「私たちの生活を支える小さなマイコン」
62 マイコンボードの構成「ディジタル入出力やアナログ入出力」
63 ディジタル出力「LEDの自動点滅」
64 ディジタル入出力「スイッチでLEDを点灯」
65 アナログ入力「温度センサからのデータ取得」
66 アナログ入出力「各種センサでアナログ値の入出力」
67 モータドライバ「DCモータを制御する準備」
68 DCモータの制御「DCモータのアナログ制御」

【コラム】
●サイバネティクス
●人工無脳
●倒立振子
●制御盤と配線
●ワイヤストリッパーと圧着工具
●C言語のプログラミング

参考文献
索引

はじめに

 「制御」という言葉を聞いて、皆さんはどのようなイメージをもたれるでしょうか。「制御」に何かしらの興味をもって本書を手にした方々は、「制御」という言葉に何となく格好のよい響きというイメージをもっているかもしれません。しかし、改めて「制御とは何か?」と問われると、制御には具体的な形はありませんし、ましてや制御はお店で手軽に買えるようなものでもありません。それでは、「制御とはいったい何だろう?」この問いに対して、初心者向けにトコトンやさしく解説しようというのが本書の目的です。
 1章では、「制御のいろいろ」として、制御の語源や身近な制御の例やその歴史など、制御に関するさまざまな話題を取り上げました。
 2章では「制御の種類」として、制御に関する学問的な流れを示しながら、その概要をまとめました。
 3章では「制御の入出力装置」として、制御に必要な入力装置であるスイッチやセンサ、出力装置であるランプや電気モータなどをまとめています。
 そして、自動制御を進めていくにあたって重要となる事項である2種類の制御について、4章において、あらかじめ定められた順序での制御である「シーケンス制御」、5章において、目標値と実際値を比較しながらの制御である「フィードバック制御」を詳しく説明しました。今後、制御の実際を学んでいこうと思っている方々は、4章と5章を入門として、さらなる専門知識を身につけていくことができるはずです。
 6章では「マイコン制御」として、実際にマイコンボードを用いた回路作成やプログラミングの実際がイメージできるようにまとめました。
 簡潔にいうと、制御とは何らかのシステムへの入力と出力の関係を知ることです。そして、その関係の成果は、機械やロボット、また家電製品やエアコンなどを適切に動かすことで知ることができます。
 ただし、制御工学という学問で制御を扱おうとすると、このような具体例が直接登場することは少なく、それらを共通して扱うことができるような複雑な数式が数多く登場します。一般の人々は、いきなりそのような数式が並んでいる本を見ても、なかなかその内容を理解できないことでしょう。また、制御理論の数式を理解できたとしても、実際に制御機器を導線でつなぎながら制御回路を組み立てたり、制御のためのプログラムをするなど、制御の実際ができるようになるわけではありません。
 本書では、理論としては複雑な数式が登場する手前くらいまでの事項に関して、具体的な制御例をあげながらまとめることを心がけました。初心者が「制御ができる」「制御がわかった」といえるようになるまでには長い道のりがあると思いますが、これらの内容を通して制御の概要を理解することができ、さらに高度な制御を学んでいくための見通しをもっていただけると嬉しいです。

2011年7月
門田和雄 

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