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図解よくわかる
電車線路と安全のはなし

定価(税込)  1,980円

著者
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サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-06715-0
コード C3034
発行月 2011年07月
ジャンル ビジネス

内容

屋外で、あれだけのスピードで動くものに、安全に安定的に電気を供給するという点で、電車には至る所に深い技術的な工夫があり、しかもここには、人を守るため、電車を安全に動かすための知恵がたくさんある。本書では、これらの技術を一般読者にもわかる形で解説していく。

鈴木安男  著者プロフィール

(すずきやすお)
1947年生 鈴木コンサルタント事務所 所長
技術士(総合技術監理部門、電気電子部門)労働安全コンサルタント、CEAR環境審査員補。プロジェクトY代表。JR東日本(株)及び関連会社において電車線路の調査・計画・設計・施工を担当。電車線路の設計等の指導講師。執筆活動。(社)日本労働安全衛生コンサルタント会神奈川支部理事。(社)日本労働安全衛生コンサルタント会会員、(公社)日本技術士会会員、(社)日本鉄道電気技術協会会員。
まえがき、第1章01~03、10~12、第2章13~19、第3章22、第4章32、第5章39~40、第6章54、56、第7章58~64、あとがき、コラム①、コラム②

猿谷應司  著者プロフィール

(さるやふさじ)
1938年生 猿谷TCN(テクニ)代表
JR東日本(株)及び関連会社において長年電車線路の調査・計画・設計・施工・保全を担当。電車線路の設計等の指導講師。執筆活動。(社)日本鉄道電気技術協会会員
第1章04、06~09、第2章20~21、第3章23~25、第4章35、第5章36、第6章45~50、57、コラム④

大塚節二  著者プロフィール

(おおつかせつじ)
1934年生 大塚技術士事務所 代表 技術士(電気電子部門)
JR東日本(株)及び関連会社において長年電車線路の調査・計画・設計・施工・保全を担当。電車線路の技術講習会講師。執筆活動。新型支持物の開発に従事。(公社)日本技術士会会員、(社)日本鉄道電気技術協会会員
第1章05、第3章26~28、第4章29~31、33~34、第5章37~38、41~44、第6章51~53、55、コラム③、コラム④、コラム⑤、コラム⑥

目次

はじめに

第1章 電車線路の安全の仕組み……その具体例
 01 人は間違えるもの、設備は壊れるモノ、安全に絶対はない
 02 電車線路の安全管理とは、何をどうすればいいのか?
 03 事故時の対応はどうすべきなのか
 04 き電回線がしゃ断(停電)した時の指令判断
 05 電車線路と“地震”
 06 こ線橋などにおける障害防止…イタズラを防ぐため
 07 お客様が待ちわびる事故復旧時刻
 08 早期事故復旧と指令判断
 09 コンクリート柱から火の玉
 10 電車線路の安全設計・施工
 11 工事施工の前・後確認作業はとても重要だ
 12 設備における完成時の 各種試験・測定の意味とは
 コラム①「想像してごらん」

第2章 電車線路と人にまつわる安全
 13 感受性を研ぎ澄まし、危険源を見つける
 14 死亡率の高い感電事故は電車線路作業において重要なテーマ
 15 指差呼称とは安全意識の高揚
 16 作業時の指示・連絡徹底のポイント
 17 ヒヤリハットを活用して重大事故を防ぐ現場での対策
 18 電車線路の現場におけるいろいろな安全活動
 19 お互いのコミュニケーションが電車線路の安全を守る
 20 竹はしごからFRP製はしごへ
 21 「安・安・確・安・疑」安全第一の哲学
 コラム②「人命尊重」

第3章 電車線路の環境に対する配慮と安全
 22 ハンガ間隔縮小による騒音対策
 23 トロリ線着氷霜の発生条件と対策
 24 翌朝の着氷霜予測とカッター車運行の要請
 25 冬季の着氷霜発生条件の分析をする
 26 除雪作業、消雪設備などなど…毎年の雪との戦い
 27 毎年のツララと稀に襲う雨氷との戦い
 28 都会で問題になるハト離隔とカラス離隔
 コラム③「逆L形防音壁のこと」

第4章 き電線の設備と安全
 29 電車線の電圧降下を救済する工夫
 30 き電方式と設備の安全を守る工夫
 31 セクションの安全設備
 32 き電線の温度上昇と警報を発する示温材
 33 安全に絶縁するために…がいし磨きのこと
 34 電気を瞬時に止めるしくみ
 35 腐食や耐熱性を考慮した電線
 コラム④「銅線とアルミ線」

第5章 電車線の設備と安全
 36 雷害事故の教訓からできたこ線橋下の電線支持
 37 BTき電方式の泣き所
 38 バランサの性能と工夫
 39 ちょう架線の接地事故
 40 線路の交差箇所でなぜパンタグラフはスムーズに通過できるのか
 41 ばね式バランサと亀の子の首
 42 滑車式バランサのこと
 43 架線事故と設備…消えた設備と残った設備
 44 電車線の性能と安全の追及
 コラム⑤「つり橋の電車線」

第6章 支持物の設備と安全
 45 ボルト摩滅発見で未然の事故防止
 46 大事故にならなかった事故
 47 列車走行とコンクリート柱の共振
 48 電柱傾斜を車の補助席で発見
 49 経年でコンクリート柱が傾斜
 50 コンクリート基礎の内枠使用
 51 電車線路と土の付き合い
 52 門形構造の不思議
 53 支線にまつわる話
 54 電柱建植の事故例
 55 長い篭形ビームが施工中に変形
 56 仮設備の安全を守るその考え方
 57 腐食しない支線ロッドの検討

第7章 電車線路のリスク管理
 58 事故防止はリスク管理
 59 電車線路にかかわる労働安全衛生法の具体例
 60 リスクアセスメントとは
 61 リスクアセスメントの実施手順
 62 電車線路のリスクアセスメント実施例
 63 RA時の対応には優先順位がある
 64 事故の原因分析と対策はこうして行う
 コラム⑥「お尻で地耐力を測ったこと」

引用・参考文献
あとがき
索引

はじめに

 平成21年5月に出版しました「図解よくわかる電車線路のはなし」は、大変なご好評をいただき、お陰様で増刷を重ねることができました。これは、今まで電車線路に関する読み物がなかったことや、この本で電車線路に興味を持っていただいた方々が多かった結果ではないかと思っております。
 その前著は、電車線路というものを多くの方々に知っていただくため、電車線路全般をわかりやすくということを心がけて執筆しましたが、その後、日刊工業新聞社から「電車線路の“安全”をテーマにしたものを」というご提案をいただき、前著同様3人で取り組み、私たちの電車線路における長い経験をフルに活かして本書を執筆させて頂きました。そのため、今回も電車線路に興味を持っていらっしゃる人だけでなく、話題として活用したいと思っている人などにも面白く読んで頂けるように心掛けました。
 本書は、電車線路にかかわる安全を以下の5つの切り口に分けました。
 ①電車線路の安全の仕組み
 ②電車線路と人にまつわる安全
 ③電車線路の環境に対する配慮と安全
 ④設備(き電線、電車線、支持物)にまつわる安全
 ⑤電車線路のリスク管理
 の各項目です。
 安全を堅持していくのに重要なのは、“待ちの安全”ではなく“攻めの安全”であり、過去の苦い事故の経験を他山の石とし、日常のたゆまぬ努力の結果にそれがあると認識しております。
 事故はお客様に多大な迷惑をおかけするので速やかに復旧しなければなりませんが、一方で安全はしっかり守らなければならない。この判断は非常に難しいところです。
 気楽に読んでいただき、さらに電車線路に興味を持っていただけたら幸いです。

 平成23年7月

 プロジェクトY代表
 鈴木安男

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