買い物かごへ

今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい 材料力学の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06702-0
コード C3034
発行月 2011年06月
ジャンル ビジネス

内容

材料力学は工学系の学生および技術者にとって、必須科目としての重要性ばかりでなく、重点科目として、流体力学および熱力学と並んで3力学とよばれている。本書は丁寧な解説により妙味と知識、知恵をつけられるように配慮した。左頁に現れる図と基本式を右頁の本文と対照しなからわかりやすく理解できる構成。

久保田浪之介  著者プロフィール

(くぼた なみのすけ)

1972年 プリンストン大学大学院航空宇宙学修士課程修了(学術修士 MA)
1973年 プリンストン大学大学院博士課程修了(航空宇宙学 工学博士 Ph.D)
1995年 防衛庁技術研究本部 第3研究所 (現 航空装備研究所) 所長
現在 (独) 産業技術総合研究所 研究顧問

主な受賞:
日本燃焼学会功労賞(2003年)
火薬学会学術賞(2005年)

主な著書:
『ロケット燃焼工学』(日刊工業新聞社、1995年)
『研究者のための国際学会プレゼンテーション』
(共立出版、1999年)
Kubota,N.,『Propellants and Explosives,Second Edition』(Wiley-VCH,Weinheim,2006年)
『超音速の流れ学』(山海堂、2003年)
『おもしろ話で理解する 流れ学入門』(日刊工業新聞社、2003年)
『トコトンやさしいミサイルの本』(日刊工業新聞社、2004年)
『エンジニアのための微分方程式入門』(日刊工業新聞社、2006年)
『トコトンやさしい流体力学の本』(日刊工業新聞社、2007年)
『絵とき「流体力学」基礎のきそ』(日刊工業新聞社、2008年)
『絵とき「伝熱学」基礎のきそ』(日刊工業新聞社、2009年)
『トコトンやさしい熱力学の本』(日刊工業新聞社、2010年)

目次

第1章 材料力学の原理と基本法則

材料本来の特性をうまく引き出す「材料の力学とは」
力が重心に作用すると安定する「材料の形状と重心」
材料に作用する力の大きさと向き「力の分解と合成」
力の作用を表わすニュートンの法則「ニュートンの法則と材料力学」
力と伸びの関係を表わすフックの法則「フックの法則は材料力学の基本法則」
ばねにはどのくらいのエネルギーが蓄えられるか「材料の変形で蓄えられるエネルギー」テコの原理とエネルギー保存則「材料の長さと力の関係」
テコの原理で回転軸に大きな力を発生させる「材料にはたらくモーメント」

第2章 材料に作用する荷重と応力

内部に作用する応力と表面に作用する圧力「応力も圧力も単位面積に作用する力」
応力にもいろいろある「応力の種類」
材料にはたらく垂直応力とせん断応力「引張応力、圧縮応力、せん断応力」
材料の伸び特性を表わすひずみ「材料の変形とひずみ」
フックの法則とヤング率「材料の変形特性を表わすヤング率」
荷重と変形の関係を表わす応力-ひずみ線図「引張試験と応力-ひずみ線図」
弾性変形時と塑性変形時のひずみ「弾性ひずみと塑性ひずみ」
塑性変形した材料の応力とひずみ「塑性変形と真ひずみ」
横弾性係数と体積弾性係数「せん断ひずみと体積ひずみ」
伸びると細くなるポアソン比「縦方向のひずみと横方向のひずみ」
引張荷重による材料の破断面「応力の作用と破断メカニズム」
材料による「応力-ひずみ」特性「設計時に考慮する材料特性」

第3章 はりに作用する力と曲げモーメント

荷重を受け持つ骨格「はり」「はりの種類と支持方法」
支点を用いてはりを支える「はりと荷重と支点の組合せ」
はりに作用する荷重と反力「固定点・支点に発生する反力」
集中荷重の作用による反力「モーメント平衡式と集中荷重で発生する反力」
分布荷重の作用による反力「モーメント平衡式と分布荷重で発生する反力」
集中荷重によって発生するせん断力「集中荷重とせん断力」
複数の集中荷重によって発生するせん断力「複数の集中荷重が作用するせん断力図」
分布荷重によって発生するせん断力「分布荷重によるせん断力図」
片持はりに作用する曲げモーメント「片持ちはりの曲げモーメント線図とせん断力図」
両端支持はりに集中荷重が作用する曲げモーメント「両端支持はりの曲げモーメント線図」
複数の集中荷重が作用する曲げモーメント「複数の集中荷重による曲げモーメント線図」等分布荷重が作用する曲げモーメント「等分布荷重による曲げモーメント線図」
集中荷重と等分布荷重が作用する曲げモーメント「組合せ荷重による曲げモーメント線図」

第4章 曲げの力学

断面形状で曲げやすさが異なる「曲げモーメントによる応力分布と断面形状」
はりの断面形状と断面一次モーメント「回転モーメントと断面形状」
はりの内部に作用する曲げモーメント「中立面、中立軸と曲げモーメント」
曲げモーメントと断面二次モーメント「断面形状と最大応力の発生」
材料には断面係数が定義される「断面係数と最大応力」
円柱と円筒の曲げ強度を比較する「断面係数と曲げ強度」
曲げによるたわみの発生「曲げモーメントとたわみ曲線」
自由端に集中荷重の作用する片持はりのたわみ「集中荷重によるたわみ曲線」
等分布荷重の作用する片持はりのたわみ「等分布荷重によるたわみ曲線」

第5章 ねじりと座屈

ねじりの現象「ねじりの定義とねじりモーメント」
トルクによるねじれの発生「トルクとせん断力」
円柱と円筒のねじりによる最大せん断応力「断面二次極モーメントと最大せん断応力」
曲げモーメントの発生と座屈「座屈の形態とたわみ曲線」

第6章 応力が集中するところは弱い

曲げモーメントによる亀裂の進行「切り欠き効果と破断」
自重で伸びて切れる金属線「材料の引張応力と強度」
応力が一定となる柱の形状「材料の自重を加味した形状」
送電線の長さと重さ「たるみとカテナリー曲線」
回転体に作用する応力「遠心力と引張応力、せん断応力」

第7章 耐圧容器の壊れ方

高圧の密閉円筒内に作用する力「薄肉円筒と厚肉円筒」
薄肉円筒の破裂「円筒容器に作用する力」
球形タンクの破裂「球形容器に作用する力」
打ち上げ花火の殻の壊れ方「材料力学でみる打ち上げ花火」
壊れやすい構造にしているロケット「ロケットモータの安全設計」

第8章 応力の発生と材料の物性

動きを伴うと荷重が増える「衝撃荷重の作用」
熱応力のしくみ「材料の温度上昇と応力の発生」
金属材料は疲労する「疲労破壊と繰り返し応力」
時間の経過で変形するクリープ現象「クリープによる塑性変形」
許容応力と安全率の考え方「余剰の強度を持たせる安全率」
衝撃波による材料の破壊「衝撃波とホプキンソン効果」
金属材料の強度を強くする「金属材料の組織と強度」
耐熱材料の強度と融点「耐熱材料の機能」
圧縮荷重に強いコンクリート「コンクリートの特性」
FRPの繊維の巻き数と配向「複合材料の機能」
遮熱材としての複合材料「GFRPとアブレーション効果」
爆薬で金属合板をつくる「爆発圧着のしくみ」

【コラム】
加速度場にある材料
材料力学と地震
竹は最新の繊維強化複合材
はりの構造体
炭素の不思議
餅の不思議
爆薬で材料をつくる
原子力発電所の安全設計を検証する

参考文献

はじめに

 材料力学は流体力学、熱力学とともに三力学とよばれ、機械系の学生にとって不可欠な基礎学問として学修が義務づけられています。産業界における技術者も何らかの形で常に関わっている分野であり、コンピュータ万能時代にあっても研究開発、設計、製造において基礎的な知識は必要とされています。

 流体と熱の力学に比較して材料の力学は目に見える事象を学ぶ学問であることから理解しやすいと考えられていますが、その応用分野が広いために複雑で理解が困難な事象が関わっています。材料力学は機械力学、構造力学、建築工学、土木工学などとの関わりも多く、金属学および物性学などの理解も必要とされます。

 分子化学の発達に支えられて、不均一な組織を有している複合材料が応用範囲を拡大しており、その特長を引き出すための材料力学が発展してきています。このような新材料の登場によっても、材料の力学的な特性を理解するための基本は何ら変わることはありません。

 本書においては、材料力学を学ぼうとする学生と技術者にその本質的な知識が理解できるよう材料力学に関わる原理と基本法則をわかりやすく解説しており、専門書を用いた学習するさいの副読本としての役割を果たすことができることを期待しています。筆者が先に出版した「おもしろ話で理解する材料力学入門」(参考文献1)をさらに単純化して本書に採用しています。

2011年6月
久保田浪之介

買い物かごへ