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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいトヨタ式設備改善の本

定価(税込)  1,512円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-06710-5
コード C3034
発行月 2011年06月
ジャンル ビジネス

内容

ムダをとり、改善を進めていく手法のひとつであり、設備の効率化を進めていく「設備改善」。本書は、その現場主導の考え方を、設備の導入から運用、保全に至るまで解説した本。

岡田貞夫  著者プロフィール

(おかだ さだお)
岡田技術経営コンサルタント、技術士、中小企業診断士、環境カウンセラー、岡山大学産学連携コーディネーター
Eメール:oemc@go2.enjoy.ne.jp

目次

第1章 設備改善基本コンセプト

顧客が求めるモノづくりのキーコンセプト 「顧客主義、改善主義、現場主義、人間主義の4つのコンセプト」
生産の流れとムダ排除 「生産の効率化は量による効率化ではない」
設備のあるべき姿 「設備のあるべき姿は各人、各企業によって多岐にわたり異なる」 
設備改善への取組み 「新設備は投資費用が大きく固定費増を招く」
まずは作業改善 「工数低減のための改善には作業改善と設備改善がある」
作業改善の次に設備改善 「徹底した作業改善後、必要なら設備改善へ」
機械化・自動化の前に人を活かせ 「作業改善の主役は現場を担当する人たち」
生産保全のあり方 「生産保全とは常に使える状態にしておくこと」
設備の健康を保つための保全 「清掃は点検なり、点検は不具合の摘出」

第2章 トヨタ生産方式をベンチマークとして進めよう

設備改善とトヨタ生産方式 「トヨタ生産方式はつくり方の合理性を求める」
自働化と自動化 「自働化はオートメーションではなく品質保証の意味」
人の仕事と機械の仕事を分類 「人の仕事、機械の仕事を分け、多工程持ちを推進」
AB制御で正しい流れに 「能力の大きい機械と小さい機械の間のストック制御」
定位置停止でスムーズに 「コンベアラインの自働化」
自働化を推進しよう 「要求されるニーズには作業改善をやりつくす」
原価低減を実現するためのトヨタ式ⅠE 「これからは商品の一生を考えた原価低減を」 工数低減に向けての判断基準 「基本は価値を生む仕事、それ以外はすべてムダ」

第3章 設備改善の課題と改善手法の基本的知識

設備導入のステップ1~3 「設備投資は企業の生命線」
設備導入のステップ4~8 「きちんとした管理体制を整える」
新規の導入、設備改善の基本10カ条 「生産設備においても3Rに配慮」
ユーザーが求める設備4原則 「要求されるニーズはシンプル、スモール、スリム、スムーズの4Sがある」
設備計画・設計時の注意点 「設備専門メーカーからの提言」
設備の改善手法 「改善の種はあらゆる所に転がっている」
FMEAで致命的故障を予防 「要因を抽出し、故障の影響を解析する方法」
上流段階で対策を行う設計審査 「設計品質を客観的に評価し改善する組織的活動」
5WHYと7つのムダ 「5WHYでの真因追求が7つのムダを効率良く取り除く」
可動率向上と故障停止の低減 「可動率向上と稼働率向上の相乗効果で故障停止の低減」
ムダのない金型交換作業の方法 「増える段取り替えを速やかに実施」

第4章 設備改善の前に取りかかろう

まず5Sの推進 「5Sはすべての活動の基本」
小集団活動で5Sの推進 「5Sで改善を確実なものにする」
設備と目で見る管理 「ムダをみつけて、ムダを省く管理」
清掃は点検なり 「設備清掃はオペレータの重要な仕事、清掃点検で設備の健康管理を」
製品と工法の再確認 「自社製品にとって最適の作り方は何であるか」
最適のレイアウトの構築による流れのムダ排除① 「操業の最適化を図る」
最適のレイアウトの構築による流れのムダ排除② 「1個流しのラインづくりのポイント」
壊れてからでは遅い 「壊れてからだと何倍もの費用がかかる」
可動率を高める自主保全活動 「自分たちの扱う設備は自分たちの手でベストな状態に維持する」
自主保全サークルの活動 「設備を守る7つのステップ」

第5章 設備改善への取組み

設備に強い生産体制と改善活動の進め方 「売れるモノしかつくらないという前提に立つ」
設備改善と小集団活動 「各部門の協力と協調による改善促進を図る」
現状分析が改善のかなめ 「狙いは現状を正確に把握すること」
ビデオ撮影のメリット 「作業者の動きの観察、機械の動きの撮影に用いる」
原因追求の姿勢 「現場の客観的観察とデータによる検証が大きな柱」
アイデアの着想と整理法 「職場で着想したアイデアで有効なのはたったの13%」
問題解決の手順 「QC7つ道具を使いこなす」
改善案のまとめに際して 「改善案は1つだけではない、手段はたくさんある」
改善計画書の作成 「設備改善計画は考え方・必要理由を明確にして簡潔に」

第6章 設備改善活動の実施

改善必要点の発見 「改善すべき目的を明らかにする」
安全作業とポカヨケ 「ヒューマンエラーにはポカヨケが有効」
スキルアップで微欠陥を一掃 「スキルアップで単能工から多能工化を図る」
改善と障害 「障害には小さな知恵の積み重ねで大きな改善効果」
新しい方法の実施① 「前後工程の関係する部署の協力を得る」
新しい方法の実施② 「生産初期に発生する種々のトラブルをできるだけ少なくする」

第7章 ムダ取りで設備づくり

設備トラブルを防ぐ① 「見落としがちな設備ロスを発見し、撲滅する」
設備トラブルを防ぐ② 「オペレータと機械が一体となって加工品質、生産時期、生産向上を図る」旧来設備を上手に活用 「既存の設備を上手に長く活用すべき」
やっかいなチョコ停 「自働化推進の敵を知る」
チョコ停を退治しよう 「チョコ停との長い戦い」
コンベアの使用は必要最小限に 「使い方でムダが発生する」
大型ラインより小型のインライン設備に 「小ロット化生産に移行することで生産変動に対応」
セル生産方式で自己完結を目指す 「屋台生産方式とも称されているU字にレイアウト」
加工ラインの段取り替え 「機械はタテ持ちに、順次切替えの推進がベター」
エネルギー使用の低減① 「従業員一人ひとりが自分のこととして省エネ活動に取り組む」
エネルギー使用の低減② 「さまざまな分野にアプローチ」
これからの設備投資のキーポイント 「顧客の視点でPQCDSMを構築する」
5S‐PM活動で経営効率を上げる 「CSマインド、顧客意識を常に持つ」

【コラム】 変化に対応する能力
      自工程完結
      避けられたはずのムダな投資  
      内製化のための設備のあり方
      改善の着眼点
      TPMによる生産性、品質向上
      モノづくりは躾づくり

引用・参考文献
索 引

はじめに

世界経済ではリーマンショック、ギリシャショックの後遺症が続き、中国、インドなどの新興国が先進国に追いつきつつあります。日本ではバブル崩壊後、円高が進展、政治の無策に加えて、人口減少、高齢化によるジャパンシンドロームが加速し、明るい材料は見あたりません。そうはいっても私企業は生き残りをかけて頑張っていかなければなりません。

  製造業において「自動化、機械化」という言葉の響きは魅力的ですが、高度に発達した現代でも思わぬ落とし穴があり、新しい設備の導入を躊躇してしまうのも事実です。そのため新しい設備を導入するより、むしろ既存の設備を上手に長く活用しようとする流れが見られます。また設備づくりをメーカーまかせにしないで、作業状況に合わせた使いやすい設備をつくろうという企業が増えています。

  一方、製品のライフサイクルが短くなっています。よって、生産ラインの効率向上のためには、安易に新しい設備を導入するより、まず、マンパワーを見直し作業改善を進め、同時に既存の設備を上手に活用していく設備改善を進めることが得策です。作業状況に合った使いやすい設備にするためには担当者のみならず、設備を利用するすべての人の声を活かすことが重要です。

  製造業に限らず、販売・サービス業、福祉・医療関係などあらゆる業種で設備のお世話になっています。そして設備は高額です。業界問わず、安くて良い、目的に見合った設備を調達し、永く活用したいものです。

  本書はトヨタ生産方式をベンチマークに現場主導の設備改善として、設備導入から使用時の設備改善、設備保全についてまとめました。
  第1章では設備の使用、改善の基本コンセプトである、顧客の求めるモノづくり、改善の基本的な考え方、保全などについて述べます。
第2章ではトヨタ生産方式におけるモノづくりの基本的な取組みを紹介します。ここで設備改善に取り組むことが、ムダの減少や利益増につながることが理解できると思います。
  第3章で設備の企画、使用段階での事前対応としてFMEAを解説します。そして、実際に設備導入、改善に取り組むための課題や基本的事項、改善手法を紹介します。
  第4章では設備改善に取り組む前にしておくこと、5Sの推進や見える化を取り上げます。さらに設備レイアウトにより、人の動きのムダを排除し生産性を高めること、それらの改善の必要性などについて述べます。
  第5章では設備改善の取組みとして、改善手法、工法、流れなどを述べます。
  第6章では実施に際して留意すべきポイント、周りに対する気配り、立ち上げをスムーズにする管理法などを解説します。
第7章では設備づくり、省エネなどの設備改善実施事例を紹介します。

  本書が、製造業のみならず、設備を活用して業務効率化を図る企業関係者のお役に立てば幸いです。

2011年6月
岡田貞夫

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